やはり松永管理官は非情な男だった

　ウルトラマンネクサスのEP35の冒頭では前回のラストでメガ
フラシを撃退したウルトラマンだが、変身を解いて力尽きた憐は
TLTの特殊部隊・ホワイトスイーパーから拉致される。

　姫矢編でも消耗しきった姫矢がゴルゴレムを倒した直後に力尽き
て倒れ込み今回と同じくホワイトスイーパーから拉致されたのだが、
目的はウルトラマンの力の秘密を解明するのと必殺光線のエネルギ
ーを手に入れる事。

　これは人類自らの手でビーストから地球を守ろうとする松永管理
官の主導で行ったわけで、せっかく姫矢からオーバーレイシュトロ
ームのエネルギーデータを奪ったものの記憶スキャンで姫矢が光と
出会った先の事までは分からないだけでなく肝心のエネルギーデー
タも何者かに消去され終焉の地での決戦でしか使用できなかった。

　そこで管理官は他のデュナミストを探していた中で千樹憐が浮か
び上がり、彼をマークするためにMPの野々宮瑞生を借りて直属の
部下として憐を監視させていたのだ。

　カンの鋭い憐から瑞生は正体を見破られたものの管理官は敢えて
瑞生に憐と友達にさせ、さらなる監視をさせていたわけで理由は明
かされてなかった。

　ただでさえ憐は自らの細胞のアポトーシスが迫る中で衰弱してい
るのにウルトラマンとしての戦いでさらなるダメージを溜め込んで
いたわけだから、憐が力尽きたのを見計らって拉致し姫矢の時と
同様に今度こそウルトラマンの光の秘密解明と必殺光線エネルギー
のデータを手に入れようとしていた。

　前回までのEPで妻をウルトラマンネクストとビースト・ザ・ワ
ンの戦いに巻き込まれて亡くした管理官だからこそ、自らの悲劇を
繰り返さないために敢えて目的のためには手段を選ばない的な考え
になって非情とも思える行動を取っていた事が描かれていた。

　つまり視聴者にとって意外にいい人と思われた管理官が、やはり
非情な人だったと実感させるEPだったわけだ。