ベテランの力を侮る事なかれ!

 北京五輪の男子バレーアジア予選&世界最終予選をアジア 1位・全体
2位で通過し、16年ぶりに出場を決めた日本のMVPが史上最年長38歳の
荻野正二だという事は衆目の一致するところだ。
 チーム内で唯一五輪を知る男が、試合中に劣勢に陥った時に流れを
変えてチームを立て直したのだ。
‘38歳では、たかが知れている。晩節を汚す前に早く引退した方が・・・・・’
などという声も聞かれたが、荻野を選んだ植田監督の判断は正しかった
のだ。

 実は4年前にシドニー五輪で、予選敗退した女子を立て直したのはベテ
ランの吉原知子を選んだのが大きかった。
 だがアテネ後の女子は今ひとつ、アテネの経験レベルアップしたのでは?
と思われたが私的には吉原に代わるチームリーダー不在だというのが
理由の1つと思う。
 だからというわけでないだろうが、今回は多治見麻子を選出しているのは
ベテランの重要性を柳本監督が痛感していると思うのだ。

 考えてみると72ミュンヘンで男子が金メダルを獲得できたのは Sファイナル
でブルガリアに2セットダウンから3セットを連取して逆転勝ちしたのが大き
かった。
 2セット連取された日本は、クイックや時間差など全くできない強打かフェイ
ントのみの南や中村といったベテランを投入して流れを変えたのだった。 

 とかく日本のマスコミは若手中心のチームはイメージ的に溌剌としてポジ
ティブに、ベテランが多いチームはネガティブなイメージで捕らえるケースが
多い。

 確かに若手は勢いに乗ると手がつけられない反面、一旦勢いが
止まると意外に脆いのが特徴だ。

 その点ベテランは車のギアに例えるとローギアで、一旦止まった
チームを再び動かす力がある。

 サッカーの日本代表も02年のフィリップ・トルシエが率いたチームは、
直前に中山雅史や秋田豊といったベテランを合流させた。
 ところが06年のジーコが率いたチームには、中山や秋田のような存在が
いなかった。
 だから中田英寿と他のメンバーが対立したのを収拾できずにバラバラの
ままW杯に臨んで惨敗したのだった。

 前述した吉原知子がアテネが終わった後に

インタビューで語った言葉を頭の不自由な

マスコミは心して聞くといい!

‘強豪国が本気で闘うのは五輪。メンバーもベテランを呼び戻し前
とは違うチームを作ってくる。
 それはベテラン達が五輪での勝ち方を知っているから。
 何度も出場権獲得に挑戦し、出場したら幾度も大きな壁に跳ね
返され やっとメダルに手が届くのが大事な事。

 若手育成という大義名分の下に、先ばかり見て現状を把握して
なかったからシドニーの失敗があった。

 若手育成は大事だが、ベテランも同時に重用しないと世代交代は
上手く進まない’   

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