村田諒太はプロ入りするよりも・・・

村田、第一線退く意向=ロンドン五輪金メダリスト―ボクシング(時事通信) - goo ニュース

 ロンドン五輪のボクシング競技で村田諒太がミドル級で金メダルを獲得する
という快挙を演じて2週間が経とうとしている。


 五輪終了後に協栄ジムの金平会長が村田に対して1億円の契約金を提示して
プロへの勧誘をしているのが話題になったが村田はプロ入りには否定的どころか
今日など‘第一線を退く以降’というニュースまで出ているし、個人的にも村田の
プロ入りは反対だ。


 一見するとジャブすら打たずにガードを固めて前進し、ボディを中心に攻めて
後半圧倒して勝つスタイルはプロの雰囲気がするのだが残念ながらプロでは
通用しないだろうと思うのだ。


 最大の理由が村田のボクシングが世界に通用したのはアマチュアボクシングの
流れの盲点を突いた形だと思っている。


 というのも88年ソウル五輪での辺丁一座り込み事件やロイ・ジョーンズ不当
判定スキャンダルでIOCから「疑惑の判定が横行し続けるなら五輪種目から外す」
と警告されたのを受けて92バルセロナからコンピューター採点方式になった。


 これは5人で構成されるジャッジのうち3人が同じタイミングでパンチがヒット
したと判断してボタンを押さないとポイントにならないというシステムで、たしかに
これであからさまな誤審は目立たなくなった。


 ところが その代わりにボディブローが採点に反映されにくいのに対しジャブが
最も反映されるため動き回ってジャブを打ち合うというスタイルが横行した
わけで、こうなると当然ながらボディブローを打つテクニックが廃れるのに対し
ボディブローを打たれる怖さもないのでアマボクサー達のボディは思うほど強く
なくなっていたのだろう。


 だから村田が打つ内山高志仕込のボディブローが意外なほど効いたし‘肉を
切らせて骨を絶つ’的なガードを固めての前進というのも相手パンチが軽いし
グローブも分厚くヘッドギアまで装着しているからゆえのスタイルだろう。


 このスタイルをプロの試合でやれば被弾数も格段に上がるだろうし被るダメー
ジもアマとは比べ物にならないだけでなく、しっかりとボディを固め鍛えている
ので少々のボディブローでは効き目がない。


 しかも金メダリストとなれば日本や東洋太平洋王者では物足りないため世界
王者になる必要がある。


 協栄ジムのボクサーは日本を主戦場にしている者ばかりだがミドル級あたりで
世界を取ろうとすればアメリカなど海外を主戦場にしないと東洋圏だけでは厳しい
ので海外にコネがない協栄よりもボブ・アラムやドン・キングなどの大物プロモー
ターと渡り合う帝拳ジムあたりが理想的だ。


 ただし世界の状況を日本で一番熟知している帝拳の本田会長は村田のプロ
転向に熱心ではないことを考慮すれば村田にはプロでの世界王者を目指すの
ではなく、アマで金メダルを取れる選手を育成する方が長い目で見ればプロ・
アマ両陣営にとっても意義がある事ではないだろうか。


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