オリンピックの時計の針を戻しても・・・

 東京五輪に向けた聖火リレーが3月25日に始まるようだが最近、
各報道機関の有名人ランナーの辞退を妙に強調しているのが妙に
目立つ。

 またベテランライター達を中心に五輪を‘利権にまみれたイベン
ト’とネガティブなイメージを強調しているだけでなく、‘もともと
アマチュアの大会だったのにプロが参加するので…’的なコメント
まで出る始末。

 確かに昔の五輪を見ている人達には居間の五輪の現状は嘆かわ
しいものだろうし、実際に名ライターだった故・佐瀬稔氏なども
‘本当に五輪が素晴らしかったのはメキシコまで’と語っていたの
を覚えている。

 実際にミュンヘンでのパレスチナゲリラの選手村襲撃事件から
モントリオールのアフリカ諸国やモスクワの西側諸国、ロスの共
産圏諸国のボイコット問題など五輪開催の度に何らかのトラブル
が起きているのが現状だ。

 五輪が変わったのはロスからの商業主義とプロの参加といわれ
ており、特に日本のメディアなどはそういった要素を強調してい
るのだが実際に64東京の頃の体制で運営したらどうなるか?

 まず自由主義圏でスポンサーも付けずに税金のみで行った最後
の五輪がモントリオールだが、この時は膨大な借金を抱える事に
なり20年以上借金返済のため巨額の税金が投入され続けたという
話だから商業主義を受け入れなければ将来五輪は共産圏か独裁国
家でなければ開催できなくなるといわれていた。

 またプロの参加は共産圏が事実上プロのステートアマだったの
に対し日本のような企業アマを採用してない欧米ではアマチュア
規定を順守した場合、大学生中心のようなチームばかりで共産圏
には歯が立たず実際ミュンヘンからソ連がメダル獲得数のトップ
に立っただけでなくモントリオールとソウルでは東ドイツがアメ
リカを押さえ2位になっていたのを見ると分かるだろう。

 つまり商業主義化やプロの参入も五輪が生き残るためには必然
だったわけで、ミスターアマチュアと言われていたアベリー・ブ
ランデージが主張していたアマチュアによるアマチュアのための
五輪では共産圏ばかりで行われる共産圏バンザイの大会になって
いた事になる。

 そういった要素を全く考慮せずに‘昔はよかった’的な主張をす
る日本のベテランライター達の時計は50年以上前に止まっている
のではないかと思うし、こういった人達の行き過ぎた理想主義を
真に受けても前には進む事はなく、ましてや時計の針の逆戻しは
絶対に無理だ
と思うのだ。

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