ゲンナジー・ゴロフキン戦で村田諒太に やって欲しかった事

 日本時間の4月24日早朝にロンドンのウエンプレースタジアムで
行われたWBCヘビー級タイトル統一戦で、正規王者のタイソン・
フューリーは暫定王者ディリアン・ホワイトを6RTKOで勝ちWBCタ
イトルを統一した。

 さいたまスーパーアリーナで行われた15日前のミドル級統一戦
が1万5千だったのに対し、この日は9万4千だからスケール感から
も段違いなのだがフューリーのフィニッシュブローの右アッパーに
注目してしまった。

 王者のフューリーは立ち上がりからジャブ&右ストレートの1・2
パンチを主に出し続けており、このラウンドで初めてジャブ&右ア
ッパーの1・2がヒットして奪ったダウンだ。

 ホワイトにしてみると正面からばかりの攻撃に慣れた中で、不意
に飛んできた右アッパーに対処できなかった感じになっている。

 いくら強いパンチでも予測できれば被弾しても耐えられるのに対
して、死角から飛んで来たり想定外のパンチは意外に効いてしまう。

 94年11月にジョージ・フォアマンがマイケル・モーラーを10Rで
KOして45歳で世界王者に返り咲いた試合でもフォアマンは9Rまで
軽い1・2パンチしか出さず、迎えた10Rに突如左フックを共振し始
めたためモーラーが右ストレートのシュートレンジに入ったところ
を右ストレートを打ち抜いて倒している。

 つまり打ち抜かない軽い右ストレートを敢えて打ち続け右ストレ
ートへの警戒を弱めさせてから左フックを強振し始めたため、まん
まとモーラーはシュートレンジに誘い込まれたところに打ち抜く右
ストレートが飛んできたので耐えられなかった形だ。

 国内でも86年7月に浜田剛史がレネ・アルレドント第1戦で放った
事実上のフィニッシュブローの右フックも本来なら左ストレートを
打ち込むタイミングで本能的に出た右フックで、アルレドントも左
ストレートが来ると想定して放った右ロングフックにカウンターと
なった事になる。

 これも想定外のパンチだからこそ効いたわけで、これらを見て思っ
たのは1ヵ月前のゲンナジー・ゴロフキンー村田諒太戦。

 村田は基本1・2と左アッパーのボディブローを効かせるタイプなの
で右アッパーあたりを想定外のパンチとして隠し持っていれば、ある
いは?という展開に持ち込めたかもしれないとタイソン・フューリー
の試合を見て思い浮かんだのだった。

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