無理な減量をするよりも・・・・

 2010世界柔道選手権が今日終わり無差別級でも日本は男女とも金を取り
男女合わせて金を10個獲得という好成績を収めた。

 この快挙の中で注目したのが73㌔級で金を獲得した秋本啓之と81㌔級で
銅を獲得した高松正裕の2人である。
 実は この2人は1階級上げての挑戦だったのだ。

 柔道だけでなくボクシングなどの格闘技で日本人は厳しい減量には肯定
的だ。
 厳しい減量をする事で自らを追い込んで行っている感覚と皮膚感覚が研ぎ
澄まされ戦闘モードに入っていく感覚が培われるなどという話を何度も聞くし、体格やリーチにパワーというアドバンテージも持つ事ができる。

 しかし過度な減量は体力自体を消耗させるリスクもあるし、実際に体重を
落としてリミットに持ってくるだけで終わり試合ではボロボロといったケース
が多々ある。

 ところが最近の柔道やボクシングはスピード化しているので上の階級から
落とすより、下の階級から上がった方がスピードを生かせるというアドバン
テージがあるのだ。

  実際に06アテネと08北京の66㌔級で連覇した内柴正人は60㌔級で戦って
いたが減量がキツく、思い切って1階級上げたら減量苦から開放されスピードが生きるようになったという。
 だから73㌔級で低迷していた高松や66㌔級で減量に苦しんでいた秋本が
最高の結果を残したのは、減量苦から開放される事が いかに大事な事かを
証明するものだろう。

 しかも柔道は、もともと小よく大を制すで、体格差を克服する事
こそ柔道の醍醐味ではなかったのか?

 そういえばボクシングの歴代の世界王者の中で以前は通常の階級から
落として奪取した工藤政志や中島成雄に六車卓也・大橋秀行らがいたが
最近では畑中清詞や飯田覚士・戸高秀樹・小堀佑介・西岡利晃と通常の
階級よりも上げて奪取するケースが増えているのも好例だろう。

 ちなみにフライ級で戦っていた亀田興毅が1階級落としてLフライ級でミニ
マム級上がりのファン・ランダエダと戦った時に楽勝が予想されたものの、
いきなりダウンを奪われ何度もグロッギーになるなど大苦戦した事が記憶に
新しい。

 つまり過酷な減量をしてもパワーで圧倒できるケースは思ったよりもなく、
スピードで圧倒されるケースの方が多い。
 厳しい減量の末に得たアドバンテージがハンデになるケースの方が多い
ので、体重がきついなら思い切って階級を上げて体格の差を埋めるスピード
に磨きをかけた方が理に適っているという事だろう。 

 30代になっても戦うなど選手寿命が伸びた現在では尚更ではないかと
思うのだ。    

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