ビッグマッチに敗れたホルヘ・リナレスだが

リナレス、4度目防衛ならず=ロマチェンコ最速3階級制覇―WBAライト級

 日本時間の今朝ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン
で行われたWBAライト級タイトルマッチで王者ホルヘ・リナレスは
2階級制覇王者で3階級制覇を狙うワシル・ロマチェンコの挑戦を
受けたが、6Rに右ストレートのカウンターでダウンを奪ったものの
10Rに左ボディを受けてダウンしストップ負けで4度目の防衛に失敗
した。

 試合は序盤スピードと手数で圧倒しようとする挑戦者に対し王者
も的確なワン・ツーで打ち返す形で始まり、3Rあたりから王者のパ
ンチもクリーンヒットし始めるものの挑戦者優勢で進んでいるよう
に見えた6Rに王者の右ストレートがカウンターでヒットしダウンを
奪う。

 これで王者がペースを握ったかに思えたが挑戦者も手数でポイン
トを奪う戦法で反撃するなど一進一退で試合は進み、10Rに挑戦者
が連打をたたみかけたところに左ボディが炸裂し王者がダウンし
何とか立ち上がったがレフェリーがストップした。

 試合前の予想ではハイテクと呼ばれるロマチェンコが1階級下か
ら上げて来たスピードのアドバンテージでリナレスを抑え込む形で
判定でタイトル奪取と思っていたし、実際に1Rから距離を詰め高速
連打を浴びせているのを見ると予想通りになると実感していた。

 ただリナレスも手数こそ少ないものの打ち終わりに的確なパンチ
をヒットしており終盤まで粘れば、さしものロマチェンコもここま
でのハイペースはもたないだろうという感じだったのだ。

 もっともこういった戦い方は判定になると採点上・不利になるの
で倒さないと勝てないだろうとも思っていたが、6Rにノーモーショ
ンの右ストレートがカウンターで見事にヒットしダウンを奪った事
から個人的な採点では57-56まで追い上げたと思っていた。

 残念だったのは立ち上がって残り時間が10秒少しだった事でラウ
ンドをまたいだためロマチェンコが回復してしまい倒し切れなかっ
たし、完全にペースを握れず一進一退の展開になったが9Rを取った
ので10R&11Rが勝負だと思っていた。

 ここでロマチェンコが猛然と打って出てラウンド半ばに高速連打
を仕かけ、顔面に連打を浴びせて意識を上に集中したところに左の
ボディブローが脇腹をえぐりリナレスがダウンしたのだ。

 結果的にリナレスはロマチェンコの高速連打の前に相当な消耗を
強いられていたのだろうから意識が顔面に行ったところへボディを
打たれるとひとたまりもなかったのだろうが、一方ロマチェンコも
10R前半は息が上がって口を開けていたしダウンを奪った時の喜び
ようは普段見られないものがあったので かなり消耗していたのだ
ろう。

 ロマチェンコといえば最近の試合では必ず相手の死角に回り込み
打つパンチが悉くカウンターでヒットするため、中盤で対戦相手が
ギブアップする‘ロマチェンコ勝ち’と言われるぐらいの勝ち方を
続けていた。

 今回はリナレスのスピードが死角への回り込みを許さず、それゆ
えにリナレスのカウンターの脅威に晒されながら戦っていたので普
段以上に消耗していたのだろう。

 手数を重視しがちなアメリカでの試合だから下手するとダウンを
奪った6R以外は全てロマチェンコか?と思っていたら意外にも9R
までの採点は88-86、86-88、85-85と三者三様だったわけだか
ら、パウンド・フォー・パウンドのロマチェンコに対して大善戦と
いう事になるし敗れても評価を上げた一戦だと思う。

 それにしても‘世紀の一戦’といわれた71年のジョー・フレイ
ジャーvsモハメド・アリ第1戦をはじめとした名勝負が繰り広げら
れた伝統ある舞台で、日本育ちの選手が本当の世界一をかけて最
強の男と素晴らしい試合を繰り広げたのだから凄い事。

 今はしっかり休んでダメージを抜いてライト級戦線で再びビッグ
マッチを戦って欲しいと切に思う。

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