田舎のちょっとは凄い！

　19年前の90年5月20日から21日にかけて車の免許を取って初めての遠出である熊本ー阿蘇旅行に行った。
　業界に入るときに福岡の店では‘車の免許を取って入店は禁止’という事だったので修行から帰った89年に免許を取ったのだった。
　そして5月に家族旅行で妹が熊本にいたので妹と熊本で合流し家族4人で阿蘇の簡保に泊まる事になった。
　ただ問題は車、父の友人から買った82年式の車のため古いのだが高速を走っていると水温計が上がってくるのでSAで休憩がてらエンジンを冷やさないといけなくなる。
　友人に言わせると‘あの車で高速を走るなど自殺行為だ’と言っていたのだが。　　　翌21日に阿蘇駅まで妹を送ってから大観峰を通って鯛生金山に行く。
　問題はここからで父が地図を見ながらナビしてくれたのだが、２つある国道のうち近回りする国道を選んだのが運の尽き。10分もしないうちに道が狭くなり対抗車との離合がやっとという状態だ。
　しかもいくら走ってもキリがない状態なので母など‘絶対に道を間違えているから引き返そう’と言う。
　一応通行人に聞けばいいという事になって通行人を捜すが誰もいない、10分後ようやく通行人がいたので聞くと

‘まちがってないよ、ちょっと走ったら赤い橋が

見えるからそれ渡ったらすぐ’

と教えてくれた。
　ところが走れども走れども先が赤い橋は影も形もない。
　30分過ぎたころようやく赤い橋が見えた。
　そして橋を渡り20分近く走ってようやく鯛生金山に到着したのだった。
　つまりあの通行人のいう

‘ちょっと’とは30分以上、

‘すぐ’とは20分

ぐらいの事をいうのだ。

田舎の‘ちょっと’は凄い！

　なお後から聞いたら２つあった大回りする方にほとんどの車が行っていたのは当然でこちらの方が道が広いそうだ。
　地図だけでは分らないのだ。