超能力者の苦悩を最初に扱ったのは

 帰ってきたウルトラマンではウルトラマンに変身する郷秀樹が
ウルトラマンの能力を持つがゆえに、MATの隊員達と軋轢を
生むケースが物語の前半でよく見られた。


 この事例はリアルタイムで見ていた小学生の頃は前作品の
ウルトラマンやセブンでは語られなかっただけに意外だったのだが
今なら大いに理解できる。


 つまりウルトラマンの能力というのは異能なわけだが、新人の
隊員である郷にとっては若さゆえに この能力を使って手柄を立て
たいという野心が出るのは当たり前の反面 自らの正体を知られ
てはいけないわけだから他の隊員との間でもめるのは火を見る
より明らかだ。


 それを考えれば人間関係に重点を置いた作品の帰ってきた
ウルトラマンで こういう事態が起きるのは当然だったわけで、
視聴者にも‘超能力を持つのはいい事ばかりではない’という
メッセージでもある。


 思えばゴジラをも倒す超兵器・オキシジェンデストロイヤーを
開発した芹沢大介博士は全てのデータを焼却した末に自らも
ゴジラと運命を共にしたのも再びオキシジェンデストロイヤーを
作らないためにという事だし、郷秀樹や北斗星司が最終回に
地球を去るのも変身能力がある事を世間に知られていると悪用
しようとする者からのアプローチがあるからという要素も否定でき
ない。


 ウルトラマンティガにはマサキ・ケイゴという超能力者が出てきて
ダイゴに挑戦するという話がありマサキは子供の頃に超能力者
ゆえにバケモノ扱いされて虐めを受けるという体験からの事で、
最終EPでは石像化したティガを復活させるべく能力を善用しよう
とする。


 そういう超能力を持ったゆえの負の要素を最初に語ったのが
帰ってきたウルトラマンだったわけだ。

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