セブンでは地味だった円谷一監督

 50年前の今頃OAされたウルトラセブン34話・蒸発都市の監督は
円谷一で、この作品が円谷監督のウルトラシリーズ最後の監督作品に
なった。

 円谷一監督は第1期ウルトラシリーズのメインライター金城哲夫
の盟友でウルトラQでは28話中1/4にあたる7話、ウルトラマン
でも39話中8話を担当しているのだがセブンになると49話中6話
に留まっている。

 ウルトラQからの3作品全てで第1話の監督をしただけでなく、
Qとウルトラマンでは最終話まで担当するなど正しく作品世界を作
り上げていたしウルトラマンではシリーズ初の前後編作品のゴモラ
編をはじめ代表的なEPの監督をしている。

 当然ながらセブンでも1話を担当したので最終回も担当している
のではと思っていたが、ウルトラマンのゴモラ編にあたるキングジ
ョー編や最終回の監督をしたのは円谷プロ出身の満田かずほだった
わけで後から考えると次世代へのバトンタッチだったのだろうか。

 脚本を見るとメインライターの金城哲夫と組んだのはQで5話、
ウルトラマンが6話でセブンは3話と半分になっている一方、サブ
的な存在だった上原正三とはウルトラマンは2話ともでセブンでも
3話と互角になっているし特にユートム編ではモロボシ・ダン誕生
秘話まで語られている。

 セブンの頃の円谷プロは予算がひっ迫していたので上原正三や、
市川森一ら円谷育ちの脚本家は予算のかからないEPを書かされて
いた事から侵略する死者たちや盗まれたウルトラアイなど異形の敵
が登場せず戦闘シーンもほとんどない作品が登場したようだ。

 円谷一がセブンで監督したのは1話のクール星人と5話のビラ星
人に17話のユートムと18話のベル星人、そして33話のシャドウ
マンと34話のダンカンで全て戦闘場面は地味なEPばかりで特に
シャドウマン編などセブンの活躍がほとんどないものの作品自体は
SF的な内容が印象深く個人的には好きなEPではあった。

 ちなみにセブンの後番組である怪奇大作戦も製作第1話の人食い
蛾をはじめ吸血地獄や光る通り魔の監督をしているが、正直言って
上原正三-飯島敏宏コンビの壁抜け男や霧の童話、佐々木守-実相
寺昭雄コンビの恐怖の電話や京都買いますなどの代表的EPに比べ
ると光る通り魔を除いて今ひとつの感がある。

 こうしてみると怪奇大作戦のようなリアルな作品よりもウルトラ
のようなファンタジー系の方が金城哲夫-円谷一コンビには相性が
よかったのかもしれないと思ってしまう。

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