控え中心メンバーでもモチベーションが高ければ手強い

 先日ジェイミー・ジョセフHC率いるラグビー日本代表が主力10
人を欠くアイルランドに連敗した事で19年W杯についての不安を
抱く記事が載っていたのだが、どうも日本のマスコミは相変わらず
ベストメンバーは強く控え中心というのは格下という固定観念に支
配されていると実感する。

 今から30年前の第1回ラグビーW杯でアメリカに18-21、イン
グランドに7-60で連敗し敗退が決定した日本代表はオーストラリ
アに23-42で敗れたもののマスコミは‘善戦'と手放しで喜んだ。

 SOマイケル・ライナーやRWTBデービット・キャンピージーを
揃えたオーストラリア相手に前半はシーソーゲームを繰り広げたわ
けだから‘善戦'と喜びたいのは分かるが、既に連勝し1位通過を決
めたオーストラリアにすれば決して高いモチベーションで臨んだ試
合ではないはず。

 またフィリップ・トルシエ率いるサッカー日本代表が00年6月に
行なわれたハッサン2世国王杯で、2年前のW杯王者で1週間後に
開幕するEURO2000で優勝するフランス相手に2-2で引き分けた
試合を大絶賛した。

 確かにジネディーヌ・ジダンをはじめとしたベストメンバーで臨
んだフランス相手に常にリードする形で引き分けたのだから喜びた
いのは分かるが、フランス側の立場からすれば1週間後にEUROの
初戦を戦うための調整試合という位置付けなので決してモチベーショ
ンの高い試合ではなかったはず。

 一方で95ラグビーW杯でウェールズとアイルランドに連敗して敗
退が決まった日本代表は最終戦で控え中心のニュージーランドに17-
145という歴史的惨敗を喫したわけだが、その時の批判の多くは‘控え
中心のニュージーランドに惨敗して・・・’というもの。

 また01サッカーコンフェデレーション杯でトルシエ・ジャパンは、
グループステージ最終戦でベストメンバーではないブラジル代表と
控え中心メンバーで戦い0-0で引き分けた試合の評価は今ひとつ
だった。

 日本では‘試合をするからには常にベストメンバーを揃えて勝ちに
行く’というのが当たり前で、対戦相手も同じようにするはずといった
固定観念が未だに強い。

 日本のように練習が長く試合数が少ないスタイルなら常にベストメ
ンバーを揃えるべきという理論は悪くないが、試合を重ねながら調整
していくスタイルの外国勢は常にベストメンバーを揃えるわけではな
いので日本的な考えは通じない。

 だからグループステージ突破を決めた直後の試合などはベストメ
ンバーで臨んでも心は決勝トーナメントにあってモチベーションが
落ちているケースが多いのに対し、控え中心の方が自らをアピール
するために高いモチベーションで臨むわけでベストメンバーよりも
手強いし95W杯でニュージーランドが日本相手に145点も挙げた
のはそういう背景があるのだ。

 そういう要素を全く考慮せずに目先の勝敗に一喜一憂するマスコ
ミというのは本当に進歩がないと思う。

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