開成高校の野球が もたらしたもの

 今年の夏に激戦区の神奈川県を勝ち抜いて初出場し、初戦を突破した
横浜隼人が面白い野球をやっていた。
 それは‘4・5点リードを奪うまでバントはしない’というもの。

 横浜隼人は送りバント自体を否定しているわけでなく、自軍の投手力と
相手チームの打力を比較した場合1・2点取っても勝てないという結論から
導き出した戦術らしい。

 確かに神奈川は全国一強豪揃いの激戦区の1つで、横浜や桐蔭学園に
東海大相模ら強打のチームが多いため彼我のチームの打力を考えると
確かに頷ける戦術だ。

 それを聞いたときに07年のNumber676のノンフィクションに掲載されて
いた「弱者の兵法・開成高校野球部」を思い出した。

 超進学校の開成は05年夏に4勝してベスト16に進出しているのだが、驚く
事にグランドを使った練習は週に1日で3時間しか練習できないという事。
 にも拘わらず4勝できたのは練習時間の殆どをバッティング練習に充て、
1イニングで10点を取りに行くという事を実践したというのだ。

 青木監督は
‘従来の野球のセオリーは守備が上手いという前提の下に成り
立っているが、開成には適応しない。
 だから10点は取られる事を想定して11点を取りに行く’
と言うのだ。

‘打順が回ってくれば必ず練習の成果を発揮する機会があるが、
守備では各ポジションの選手が1試合で処理する打球は3~8回。
 そのうち守備練習の成果を発揮する猛烈な打球を処理する
のは1試合に1つぐらいだから、少ない練習時間の大半を割くわけ
にはいかない’
と続ける。

 確かに対戦相手は弱小校の開成からヒットを打たれると動揺するし浮き足
立つので大量得点を取りやすい。
 いわゆるギャンブルを仕掛けないと勝てないという事だ。

 日本では高校野球からプロまで‘投手を中心にした守りが大事’というセオ
リーをベースに試合をしてきた。
 しかし高校野球のように互いの実力差が大きな場合、弱いチームが勝つ
ためにはセオリーから外れてもギャンブルを仕掛ける事が要求される。

 開成の戦い方は それを実践したものだが、これを横浜隼人が参考にした
とすれば かなり面白いと思う。

 こういったセオリーがあってもいいし、

唯一無二のセオリーに縛られる事は野球の

楽しみを奪うものだと思うのだ。    

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
« 野球ファンが... 名2塁手・土井... »
 
コメント
 
 
 
野球と勉強 (昼寝ん坊)
2009-09-28 18:20:57
野球もがんば
秋ともなりお勉強も
デスクでちょい寝て突破
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。