ショートトラックの未来

 10年前の今日は長野五輪で行われたショートトラックの
男子500mで西谷岳文が金を 植松仁が銅メダルを獲得
した日である。

  ショートトラックは88カルガリー五輪で公開競技として
採用され、92アルベールビル五輪から正式種目となった。
 カルガリーの頃は‘メダル量産種目’として期待され、
実際に獅子井英子が金を獲得したのをはじめ、複数メダル
を獲得していた。
 ところが88年から92年の4年間で世界の勢力図が、変り
日本は男子5000mリレーで銅メダルを獲得したのみに終わる。

 続く94リレハンメルでは、メダルなし。

 地元開催の長野でもエースの寺尾悟が1000m、1500mでダメ。
 500mでも敗退したばかりか、女子の個人戦もリレーでも敗退し
メダルなしが続いていた。
 ところが20歳の西谷が、得意の先行逃げ切りのスタイルで勝ち
進み見事に優勝。ファイナルに残った植松も3位に入るという素晴
らしい成績を残した。
 ところが02ソルトレイクシティでは西谷は直前に足を骨折して
8位に終わり、06トリノでも予選敗退。
 植松などは勤め先を解雇され引退する始末。

  長野以後は韓国や中国、カナダやアメリカの台頭で4番手から
5番手の位置付けになってしまっている。
 特に韓国などは、冬季種目では唯一のメダル有望種目という
事もあり 集中強化して1年中練習が出来る室内リンクがある。

 それに対し日本は、最近は不況という事もあって企業のサポートも
貧弱でメダリストの植松が解雇されるなど通常では考えられない状況だ。
 これは日本のスポーツ文化の最大の弱点で、バレーボールのような、
かつて金メダルを獲得したような人気種目でも主力企業の日立や
ユニチカなどが、業績悪化で廃部になるという現状だ。
 ショートラックのような五輪以外では注目されない種目で、メダルを
獲得しようと思ったら選手達がプロ契約していくしかないと思う。
 特に冬季競技は選手のスキルだけでなく、使用する道具の開発などに
予算が莫大にかかるのだ。
 こういう現状を無視して五輪の時のみ‘メダル候補だ!’などとバカ
騒ぎして祭り上げ、取れないと‘期待はずれ’だの‘プレッシャーに負けた’
だのと叩いて終わるという事を繰り返しているバ○マスコミの罪は重い。
 本当に活躍して欲しければ、金銭サポートキャンペーンを繰り広げる
のが報道の義務だと思うし、そうでなければショートトラックをはじめと
した競技に未来は ないと思われる。
 

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