ミラーマンとウルトラの相違点

 ミラーマンは円谷がウルトラとは違う新たなジャンルのヒーローを作ろうとした
意欲作で、既に定義ができ上がっているウルトラとは違った形のものに取り組
もうとしているのが分かる。

 これは東宝でいえばゴジラシリーズに対するフランケンシュタイン対バラゴン
のような形だろうし、重要なのは既に固定ファンが付いているゴジラシリーズを
福田純監督に特撮も ほぼ有川貞昌に担当させて本多猪四郎と円谷英二が
フランケンシュタイン対バラゴンやサンダ対ガイラなどに行っている。

 帰ってきたウルトラマンでは怪奇大作戦のメインライターだった上原正三が
中心になって第1期の金城哲夫の世界だったウルトラからの脱却を目指して
いたのだが、ミラーマンでは若槻文三や山浦弘靖に藤川圭介など これまでとは
異質のライター達でウルトラとは違う独自の世界を作っている。

 基本的にウルトラマンは怪獣が中心で特に帰ってきたウルトラマンは宇宙怪獣
の登場が18話からで侵略者の登場は31話と かなり遅い登場だったし、セブン
は毎回違った宇宙人が地球侵略に襲来するというパターンだった。

 ミラーマンは最初から影の惑星Xから来た侵略者が街を一瞬で壊滅させる大
竜巻などを起こし自然現象に見せかけて暗躍していたので一般市民はインベー
ダーの存在すら知らないという設定だった。
 
 つまりミラーマンに登場するインベーダーは仮面ライダーのショッカーのような
レギュラーの敵役で、ウルトラでもミラーマンより4ヵ月後に始まったエースで異
次元人ヤプールという敵が登場するもののエースだけで終わっている。

 防衛組織もウルトラでは強力な武器を持った特殊チームが必ず登場しているし
その存在は一般市民にも広く知られているようだが、ミラーマンのSGMは科学
者の集団だから分析チームの性格が強く武器も11話からようやくソルガンと
いう光線銃が登場するぐらい。

 しかもウルトラ警備隊などの防衛チームは公的な組織だったのに対しSGMは
宇宙物理学の権威で地球の頭脳ともいえる御手洗健一博士が提唱して結成
された私的な組織で基地or研究所も御手洗邸の地下30mに作られている。

 昭和のウルトラが違う星から来たのに対してミラーマンは二次元の世界から
来た父と地球人の母との間に生まれた地球産のヒーローで、変身する鏡京太郎
は育ての親の御手洗邸に下宿し新聞社のカメラマンをしているのでSGMの隊員
ではない。

 モロボシ・ダンがウルトラ警備隊に入隊せずに 近い組織で活動しているという
感じだろう。

 ちなみにミラーマンがウルトラヒーローと違う最大の特徴が空を飛べない事。

 変身アイテムを使わず光を反射するものに飛び込んで変身するので、空を飛べ
ない代わりに例えば自宅の鏡に飛び込んで変身し敵が出現している現場の光を
反射する物から登場する事ができるという‘どこでもドア’状態を作れるのだ。

 これだけの相違点が違和感なく当時の我々は受け入れられたので、これを
ウルトラでやったら‘何コレ’状態だっただろう。

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