20年前のカープ大失速はオーバーワークにあり

「1番 緒方:左大腿部痛、2番 正田:左手薬指脱臼後遺症、3番
前田:右足アキレス腱断裂後遺症&左足アキレス腱痛、4番 ロペ
ス:腰痛、5番 野村:左足首剥離骨折、6番 金本:右手小指打撲、
7番 西山:右肩打撲、8番 高は左肘痛、9番 加藤:全身疲労」

 これは今から20年前の96年9月23日に東京ドームで行われた
ジャイアンツ-カープ戦で先発したカープメンバーのコンディショ
ンを故・佐瀬稔氏がNumberの96年総集編に載せていた。

 佐瀬氏は「このチームの選手達は鬼コーチから怒鳴りまくられて
ではなく1人ひとりが自分からボールにむしゃぶりつくように練習
するのだが、その果てに先発メンバーの全員がケガや故障を抱える
事に」とカープのメンバーに同情的なレポを書いていた。

 ただ個人的にこのレポを読んで違和感を感じたのは、こういう
惨状を招くまでコーチ達は何をやっていたのか!という事。

 コーチの仕事は練習しない選手の尻を叩くのも仕事だがコンディ
ションの悪い選手には強制的にでも休ませる権限があるのだが、
当時の三村監督は‘ケガを引きずってでも頑張る選手を使わな
いわけにはいかなかった’と語っていたのだから驚く。

 おりしも95年にボビー・バレンタイン監督の下2位に躍進
したマリーンズが広岡達郎GMとの確執で監督が交代すると
96年はケガ人続出で5位に終わったのだが、ケガ人続出の原
因はバレンタイン体制では立花龍司コンディショニングコーチ
の意見が重要視されていたのが江尻体制になって軽視されて
いたとの事。

 ところが週刊ベースボールのコラム「オレが許さん」の中では
豊田泰光が96年にマリーンズのケガ人続出について‘立花コーチ
の責任'と語っているのだから驚いた。

 日本人には練習をすればするほど技術は上達するという努力
信仰が根強く残っている反面、オーバーワークの恐ろしさや弊
害については驚くほど無知どころか無視しているケースが多い
わけで、それを熟知しているバレンタインなどは格好の人材だ
ったのだが広岡などは‘選手を甘やかしている’という姿勢で臨
んでいるしOBの意を汲んだマスコミも広岡の考えに賛同する
始末。

 だからこそ本来なら11、5ゲーム差を逆転されて2位どころか
3位に終わったカープ首脳陣は断罪されるべきなのに‘負傷者が
続出して不運だった’という形で責任を追及されないのだから
呆れてしまう。

 たしかに猛練習は必要だが自らのコンディションを考慮して
行なうべきで、オーバーワークになったらチームのマイナスに
しかならないのだから。

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