平成26年8月17日大井川鐵道に乗ってきました。
大井川鐵道は、静岡県にある私鉄で、金谷駅・千頭駅間39.5kmの大井川本線と、その先千頭駅・井川駅間25.5kmの井川線があります。大井川本線はほぼ毎日蒸気機関車の運転で知られ、井川線は日本唯一のアプト式鉄道として知られ、南アルプスあぷとラインという愛称が付いています。
大井川本線金谷駅は、JR東海道本線金谷駅に隣接しているため、乗り換え口も設けられています。
JR金谷駅前のロータリーには、「ユメオン 夢音」のモニュメント。「バラが咲いた」「山の音楽家」「よろこびの歌」「富士山」など20曲の鐘の音が、四季毎に変わり2時間毎に流れているそうです。
暗雲立ち上る。これから、井川まで標高にして約600m登っていきます。山の天気が気になります。
すでに、先週から今週に延期となった大井川大花火大会が、大井川増水のため来週に再延期となったとの張り紙もありました。
大井川鐵道金谷駅は、JR金谷駅の横にこぢんまり建っています。
駅の中には売店が有り、お土産やグッズが販売されていました。
公式ガイドブックなるものも売っていたので購入しました。
井川線の終点まで行くのでフリーきっぷを購入。
平成26年から「きかんしゃトーマス号」が運転されているため、小さな子ども多い中、「しずおかコーラ」を手に、入線してきた電車をマニアも。
大井川鐵道に在籍している電車は、すべて元私鉄の車両で今回乗車する電車21000系2両編成、元南海高野線の急行用車両で、転換クロスシートが残されていました。
9時1分、定刻に金谷駅を出発。一番前のかぶりつきは、やはり子どもの指定席。
5分ほどで、新金谷駅の到着。この後運転される「きかんしゃトーマス」が準備中でした。
新金谷駅を出発し、代官町駅、日切駅、五和駅と過ぎて、神尾駅手前で大井川が見えてきました。これから先、この大井川に沿って電車は進みます。
神尾駅にはホームの端と線路沿いに狸の置物がありました。
福用駅、大和田駅と過ぎ旧川根町の役場があった家山駅に着く頃には、とうとう雨が降ってきました。
家山駅止まりの臨時のSL列車が運転されることもあるので、蒸気機関車用の給水塔もありました。
抜里駅の次は、川根温泉笹間渡駅。川根温泉の最寄り駅ということで、笹間渡駅から改名した駅です。
次の地名駅までは、大井川が左右に蛇行するため左右に見えてくるのですが、こちらも2.9kmの距離で標高が48m高くなります。
地名駅の千頭よりには、「なにこれ珍百景」でも紹介された、長さ11mという日本一短いトンネルが見えます。
トンネルを上手く撮ることができませんでした。
次の塩郷駅を出ると、これも旅番組などで紹介されることの多い、大井川に架かる長さ220mの吊り橋が見えます。
下泉駅では、元近鉄の特急電車用16000系と交換です。
下泉駅を過ぎたところの大井川には、台風で増水したときの上流からの流木が残っていました。増水の規模の大きさが想像されます。
次の田野口駅は、開業以来の昭和時代の雰囲気を残す木造駅舎で、映画やドラマのロケ撮影誘致のため駅舎等の補修を行い、開業当時の姿に復元整備したそうです。
隣の駿河徳山駅も木造平屋瓦葺の駅でした。
次の青部駅からは、廃校が見えます。最近まで大学の研修施設として使われていたようです。
崎平駅を過ぎ、大井川本流に架かる4番目の鉄橋を越えると間もなく終点、千頭駅です。
千頭駅では5分の待ち合わせで、10時19分発井川行きに乗ります。
井川線は大井川に沿って山間を縫うように走るため、約3分の一がトンネルと鉄橋で占められています。
元々大井川電力の専用線として開通し、沿線に民家は非常に少なく、利用者の多くは観光客です。
元々の軌間は762mmで建設されたそうですが、ダム工事の資材等のため、貨車を直通させるために1067mmに軌間を広げたそうですが、トンネルなど開通当時のままなので車両もそれに合わせて小さいものが使われています。
井川方面に向かうときは、機関車が後について押し上げるよう進みます。
大井川に架かる橋の下をゆっくり進みます。
川根両国駅出ると両国吊り橋が見えます。川を境に遠州と駿河の国を結ぶことから、領国という名前が付いているようです。
列車は徐々に高度を上げていきます。
4つのトンネルを通り、沢間駅に到着。かつて川根電力の索道と寸又峡方面への森林鉄道が出ていたところだったので、校内も広く駅舎もそれなりの物が残っていましたが今は無人駅です。
今でもここに住んでお茶の栽培をしている農家もあるようです。
寸又川と横沢が一緒に大井川と合流する三叉峡にかかる鉄橋を渡り、更に登っていきます。
土本駅からは、鉄道少年団の一行が乗ってきました。
大井川が下に見えるようになってきました。
川根小山駅。待合室が新しいことから周辺に人家があることが予想されます。
ここもお茶を栽培している農家が住んでいました。
次の奥泉駅は有人駅。唯一、駅らしい駅でした。
遠くに泉大橋が見えてきました。列車はあの橋の下をくぐり抜け、アプトいちしろ駅に向かいます。
アプトいちしろ駅と長島ダム駅の間はアプト式区間です。
車輌の最後にアプト式の機関車を付けます。
線路の真ん中に、今までなかったアプト式の歯車を受ける歯形になったレールが見えます。
見るからに高度が上がっていくのが分かります
列車の窓枠と長島ダムを比べると、勾配のきつさが分かります。
約8分で長島ダム駅に着きました。
今押してきた機関車は、今度は次に来る千頭行の先頭について下っていきます。
山の天気の移り変わりは激しく、一時豪雨になりました。
行き違い列車が遅れたため、10分ほど遅れて出発しました。
ひらんだ駅を過ぎ、平田トンネル抜けると赤い鉄橋の第三大井川鉄橋、別名レインボーブリッジにさしかかります。
橋の上から左手に、水没を免れた旧線跡を見ることができます。
ダム湖である接岨湖に尾根が張り出しているところが有り、そこに奥大井湖上駅があります。
ここで降りるマニアもいれば、観光客なのか地元の人なのか分からない4人が乗ってきました。
駅の出入口は接岨峡温泉側の鉄橋に併設されている歩道で渡り、階段でトンネルの上に行き、更に山道を20分ほど歩くと、駐車場があるとのことです。
接岨峡温泉駅。温泉は接岨峡大橋を渡った対岸にあります。
接岨峡温泉駅を出ると更に高度も上がり大井川から離れた山の中を進みます。
着いたところは尾盛駅。自動車の通れる道がないところで、かつては木材の積み出しの駅として栄えていたそうです。
次の閑蔵駅との間には、大井川に流れる関の沢川にかかる関の沢橋梁があります。ここは水面から100mの所に有り、私鉄では一番高いところから眺める名所です。
終点の一つ前の閑蔵駅で列車交換。
案内板にもあるとおり、ここから終点までの一駅間に、井川線全トンネル61カ所のうち20カ所あるそうです。
井川ダムが見えてくると間もなく終点井川駅。途中の遅れを回復して定刻12時6分の到着。
千頭駅から25.5kmを約1時間50分かけて登ってきた旅も終わりました。
帰りは、またひと味違った旅が… つづく
大井川鐵道は、静岡県にある私鉄で、金谷駅・千頭駅間39.5kmの大井川本線と、その先千頭駅・井川駅間25.5kmの井川線があります。大井川本線はほぼ毎日蒸気機関車の運転で知られ、井川線は日本唯一のアプト式鉄道として知られ、南アルプスあぷとラインという愛称が付いています。
大井川本線金谷駅は、JR東海道本線金谷駅に隣接しているため、乗り換え口も設けられています。
JR金谷駅前のロータリーには、「ユメオン 夢音」のモニュメント。「バラが咲いた」「山の音楽家」「よろこびの歌」「富士山」など20曲の鐘の音が、四季毎に変わり2時間毎に流れているそうです。
暗雲立ち上る。これから、井川まで標高にして約600m登っていきます。山の天気が気になります。
すでに、先週から今週に延期となった大井川大花火大会が、大井川増水のため来週に再延期となったとの張り紙もありました。
大井川鐵道金谷駅は、JR金谷駅の横にこぢんまり建っています。
駅の中には売店が有り、お土産やグッズが販売されていました。
公式ガイドブックなるものも売っていたので購入しました。
井川線の終点まで行くのでフリーきっぷを購入。
平成26年から「きかんしゃトーマス号」が運転されているため、小さな子ども多い中、「しずおかコーラ」を手に、入線してきた電車をマニアも。
大井川鐵道に在籍している電車は、すべて元私鉄の車両で今回乗車する電車21000系2両編成、元南海高野線の急行用車両で、転換クロスシートが残されていました。
9時1分、定刻に金谷駅を出発。一番前のかぶりつきは、やはり子どもの指定席。
5分ほどで、新金谷駅の到着。この後運転される「きかんしゃトーマス」が準備中でした。
新金谷駅を出発し、代官町駅、日切駅、五和駅と過ぎて、神尾駅手前で大井川が見えてきました。これから先、この大井川に沿って電車は進みます。
神尾駅にはホームの端と線路沿いに狸の置物がありました。
福用駅、大和田駅と過ぎ旧川根町の役場があった家山駅に着く頃には、とうとう雨が降ってきました。
家山駅止まりの臨時のSL列車が運転されることもあるので、蒸気機関車用の給水塔もありました。
抜里駅の次は、川根温泉笹間渡駅。川根温泉の最寄り駅ということで、笹間渡駅から改名した駅です。
次の地名駅までは、大井川が左右に蛇行するため左右に見えてくるのですが、こちらも2.9kmの距離で標高が48m高くなります。
地名駅の千頭よりには、「なにこれ珍百景」でも紹介された、長さ11mという日本一短いトンネルが見えます。
トンネルを上手く撮ることができませんでした。
次の塩郷駅を出ると、これも旅番組などで紹介されることの多い、大井川に架かる長さ220mの吊り橋が見えます。
下泉駅では、元近鉄の特急電車用16000系と交換です。
下泉駅を過ぎたところの大井川には、台風で増水したときの上流からの流木が残っていました。増水の規模の大きさが想像されます。
次の田野口駅は、開業以来の昭和時代の雰囲気を残す木造駅舎で、映画やドラマのロケ撮影誘致のため駅舎等の補修を行い、開業当時の姿に復元整備したそうです。
隣の駿河徳山駅も木造平屋瓦葺の駅でした。
次の青部駅からは、廃校が見えます。最近まで大学の研修施設として使われていたようです。
崎平駅を過ぎ、大井川本流に架かる4番目の鉄橋を越えると間もなく終点、千頭駅です。
千頭駅では5分の待ち合わせで、10時19分発井川行きに乗ります。
井川線は大井川に沿って山間を縫うように走るため、約3分の一がトンネルと鉄橋で占められています。
元々大井川電力の専用線として開通し、沿線に民家は非常に少なく、利用者の多くは観光客です。
元々の軌間は762mmで建設されたそうですが、ダム工事の資材等のため、貨車を直通させるために1067mmに軌間を広げたそうですが、トンネルなど開通当時のままなので車両もそれに合わせて小さいものが使われています。
井川方面に向かうときは、機関車が後について押し上げるよう進みます。
大井川に架かる橋の下をゆっくり進みます。
川根両国駅出ると両国吊り橋が見えます。川を境に遠州と駿河の国を結ぶことから、領国という名前が付いているようです。
列車は徐々に高度を上げていきます。
4つのトンネルを通り、沢間駅に到着。かつて川根電力の索道と寸又峡方面への森林鉄道が出ていたところだったので、校内も広く駅舎もそれなりの物が残っていましたが今は無人駅です。
今でもここに住んでお茶の栽培をしている農家もあるようです。
寸又川と横沢が一緒に大井川と合流する三叉峡にかかる鉄橋を渡り、更に登っていきます。
土本駅からは、鉄道少年団の一行が乗ってきました。
大井川が下に見えるようになってきました。
川根小山駅。待合室が新しいことから周辺に人家があることが予想されます。
ここもお茶を栽培している農家が住んでいました。
次の奥泉駅は有人駅。唯一、駅らしい駅でした。
遠くに泉大橋が見えてきました。列車はあの橋の下をくぐり抜け、アプトいちしろ駅に向かいます。
アプトいちしろ駅と長島ダム駅の間はアプト式区間です。
車輌の最後にアプト式の機関車を付けます。
線路の真ん中に、今までなかったアプト式の歯車を受ける歯形になったレールが見えます。
見るからに高度が上がっていくのが分かります
列車の窓枠と長島ダムを比べると、勾配のきつさが分かります。
約8分で長島ダム駅に着きました。
今押してきた機関車は、今度は次に来る千頭行の先頭について下っていきます。
山の天気の移り変わりは激しく、一時豪雨になりました。
行き違い列車が遅れたため、10分ほど遅れて出発しました。
ひらんだ駅を過ぎ、平田トンネル抜けると赤い鉄橋の第三大井川鉄橋、別名レインボーブリッジにさしかかります。
橋の上から左手に、水没を免れた旧線跡を見ることができます。
ダム湖である接岨湖に尾根が張り出しているところが有り、そこに奥大井湖上駅があります。
ここで降りるマニアもいれば、観光客なのか地元の人なのか分からない4人が乗ってきました。
駅の出入口は接岨峡温泉側の鉄橋に併設されている歩道で渡り、階段でトンネルの上に行き、更に山道を20分ほど歩くと、駐車場があるとのことです。
接岨峡温泉駅。温泉は接岨峡大橋を渡った対岸にあります。
接岨峡温泉駅を出ると更に高度も上がり大井川から離れた山の中を進みます。
着いたところは尾盛駅。自動車の通れる道がないところで、かつては木材の積み出しの駅として栄えていたそうです。
次の閑蔵駅との間には、大井川に流れる関の沢川にかかる関の沢橋梁があります。ここは水面から100mの所に有り、私鉄では一番高いところから眺める名所です。
終点の一つ前の閑蔵駅で列車交換。
案内板にもあるとおり、ここから終点までの一駅間に、井川線全トンネル61カ所のうち20カ所あるそうです。
井川ダムが見えてくると間もなく終点井川駅。途中の遅れを回復して定刻12時6分の到着。
千頭駅から25.5kmを約1時間50分かけて登ってきた旅も終わりました。
帰りは、またひと味違った旅が… つづく
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