月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

遠路遥々

2012年03月28日 21時47分06秒 | 仏々相念(住職日記)

遠路から・・・

 

切なくしんどい御縁に会われ・・・1年。

もう・・・ですか?

まだ・・・ですか?

一緒にお飾りさせていただいた息子さんの写真の顔を見ながら、さぞ辛い1年だったろうと案ぜずにはおれませんでした。

 

Vサインで微笑む中2の少年。

高松におられる御門徒さんでして、よくよくのご縁をいただき御参りさせていただいた1年前。

丁度、娘を送って関西に行っていました。

私のような者でも「参ってくれ」とおっしゃってくださり喜んで関西から高松に向かいました。

 

御通夜に向かう淡路島の高速道路では車の中でワンワン泣きました。

18年間、ず~っと大切に包み込むように一緒にいた娘を次の日には一人残して帰らないといけないのです。

そのこと思うと、辛くて切なくて泣けて泣けて・・・

 

そんな思いをもって中2の少年のご縁に会うのです。

御両親においてはどれだけ残念だったろう・・・

息子さんももっと生きたかっただろう・・・

お父さんやお母さんに甘えたかったろう・・・

沢山泣いた御通夜のひと時でした。

 

若いお母さんがおっしゃるのです、

「どこかに遊びに行くということより、お仏壇の前に座ることの方が落ち着くのです」

しんどくて辛い日々の中に、愛する我が子のVサインに勇気をいただくんでしょうね。

「お母さん、一緒にいるから!大丈夫だよ!」って。

だからこそ、過ごせた1年だったのかもしれません。

 

その横でそんな奥様の日常を知っているが故に優しく微笑まれる御主人がいたことです。

 

今日のご縁をお迎えするのにご確認の電話を下さったお婆ちゃん。

「息子夫婦と3人で・・・いやいや、Yちゃんと4人でお参りさせていただきます」って。

本当にそうですよね、一緒にいて下さるのですから・・・

私たちを御浄土参りの人生に導いて下さるおはたらきでした。

 

「さあ、僕を縁にしてあなたが手を合わせてね、お念仏申してね」って、しっかりとお導き下さることでした。

 

晴れ渡った空の下、高松からの3時間の道のりはどんな話題があったのでしょうね・・・

「もう、春なんだね・・・」って温かい空気に包まれていたことでしょう。

 

「散る桜 いまも心に 咲く桜」  

                龍谷大学教授 鍋島直樹


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。