月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

袈裟之華

2012年03月16日 21時43分16秒 | 仏々相念(住職日記)

お華がきれいですね~・・・

 

お彼岸のお参りがスタートしました。

早朝よりバタバタしながら各お家をお参りさせていただいたのですが、すっかりご無沙汰のお方にも会えたひと時でした。

 

高齢化した現実・・・

村には多くの訪問介護の車が停まっているのです。

「多いな~」って、その車の向こうにしんどい身体を引っさげて願生る方々が見えることです。

 

「おはようございま~す!お寺で~す!お彼岸さんのお参りをさせていただきま~す!」

「御院さん、ようお参り下さいました。こんな格好ですいません。失礼することです。」

ベットに横になられています。

「しんどい?」

「病院に行く時に起きるぐらいで、一切外にも出ません。」

「御無沙汰ばっかりですません。」

「こちらこそ・・・御院さん、痩せられたかな?」

「分かる?」

「分かるよ!影が細くなっとるもの」

って、会わない時間を取り戻すように在り来たりの日常を話しつつ会えたことを喜ばせていただきました。

 

この方もよくお参り下さっていたのに・・・

そんな方々が身体の具合から家から出れなくなりました。

必然的にお参り下さる方々も少なくなってしまうことです。

何とか若い世代の方々がお参り下さるようにアプローチするもなかなか難しく・・・

先日の私の避難訓練と同じで自分の事として考えることが難しいのですね。

自分のことと思えば動くのでしょうが・・・

思ったとしても違う道に救いを求めたりすることもあるのでしょう。

どうしたらいいのか・・・坊守と悩むことです。

 

お参りさせていただいたところでも、本堂での御法要の時も同じことを言われました。

「輪袈裟のお華がきれいですね!」

私は、あまりお袈裟の拘りってないのですが、ただ、あれこれ替えるのではなく1つのモノをボロボロになるまで身に着けさせていただきたいと思っています。

坊守に修繕していただきながら身に着けさせていただくと愛おしくて・・・

あ~、こんなコイツをこんなになるまで支えて下さっている、そう思うと勿体なくて・・・

しかし、この度の大遠忌をご縁に輪袈裟を替えさせていただいたのです。

派手な地にきれいな花のお飾り・・・

少々抵抗があったのですが・・・

坊守の輪袈裟はシックな色合いにきれいな蓮。

「しょうじんくん」と「ちかいちゃん」そのまんまで私は派手派手で坊守は大人しく優しい感じ。

 

でも、こうやっておっしゃっていただくと嬉しいものですね。

「お浄土のお飾りにならせていただいているんだ」って。

 

派手派手な御衣や御袈裟を身に着けさせていただくことに抵抗がない訳ではありません。

でも、そんな私に「お浄土のお荘厳にならせていただきなさい。それでいいじゃないか。」って背中を押してくださった師の言葉を常に胸に置き身に着けさせていただいてることです。

それをそのまんまご門徒が見て下さることに嬉しさいっぱいでした。

これでいいのですね・・・

 

法話の初っ端にそんな嬉しい言葉をいただいたので、花の話をしているとどこで食い違ったのか「鼻」と聞かれていて・・・

「オバちゃん、この鼻じゃないよ!お花だよ!」って笑ったことです。

真正面で見るジャッキー・チェンもびっくりのコイツの鼻に釘づけになっていたのでしょうか・・・

輪袈裟に鼻がいっぱい付いていたら笑いますね・・・

でも、この鼻で優しい仏さまの薫りを、お浄土の薫りを喜ばせていただいたひと時でした。

 

一カ月程遅れて梅が満開ですね。

そしてこれからは桜も・・・

華一輪の輝きを薫りを感じつつ大切に生かさせていただこう!

彼の岸へ向きを向けながら・・・

 

大切に!


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