あっ、ここが・・・
何をしても癖ってありますよね。
他のモノが変化しているのに気付き自分の癖が見えてきます。
そういえば、ここを触れながらこうするよな~・・・
モノを大事にすると言えば聞こえもいいのでしょうが、欲なるが故に捨てることができないだけなのです。
ボロボロになってもまだまだ使えるって思ってしまいます。
それは、世間的に言う「エコ」ではなく、言えば自分に「エコ」なのです。
どこまでも自分の為に・・・なのです。
でも、よ~く考えると直し直しで使用するより新しくした方が安く終わることも・・・
こちらの方が余程自分に「エコ」ってこともあることです。
欲すりゃ損するってやつでしょうか・・・
カッコつければ、モノの命を大切にしているんだ!って・・・
御衣・御袈裟・御念珠と身に着けさせていただく大切な御仏具。
仏さまからのいただきものであると恭しくいただき身に着けさせていただいています。
これあれば故にお飾りとならせていただけるのですから・・・
大切にお扱いさせていただいているつもりです。
衣体を整えさせていただき、「それではお勤めさせていただきます」とお参りされている御門徒に御挨拶。
それでは皆さん御一緒に合掌礼拝って時にいつも何気にしている動作がありました。
右手で何気に摘まむ御袈裟の位置があり、そこがほつれているのです。
「あ~、ここほつれているよな~・・・」って合掌の動作の度に思います。
私は正直こういうの大好きです。
そのほつれや破れが愛おしくて堪らないのです。
こうなれどもこんな私を支えて下さるのですか・・・
ほつれた箇所を親指で這わしつつ、「ありがとう」いっぱいになります。
御浄土の御荘厳です。
綺麗でピカピカのほつれ破れがないモノをと思います。
でも、御門徒がお迎え下さった1つ1つを出来る範囲で補修しながら着破っていきたいな~って思うのです。
私の変な癖でほつれているところも・・・
布が擦り減り刺繍が無くなったところも・・・
破れてしまったところも・・・
ヨレヨレになったところも・・・
汗や涙で染みになったところも・・・
「生きる」そのことのために身に着けているようなコイツをそのまんまを御浄土のお飾りに仕立て上げて下さる。
ボロボロになりながら支えて下さる。
すいません、ありがとうございます。
愛しくて堪りません・・・
「山田くーん、座布団一枚」
でも、一応「エコ」するんですよ!
節電したりですね・・・
でも、それは決して地球にエコではないのです・・・
どこまでも欲なのです・・・
お金が心配なのです・・・
嫌ですね。
エゴそのものでした!
繕ったり修繕できたりするので
よっぽどのことがないかぎり
処分するということはないですが
汚くなった輪袈裟どうしてます?
うちはお同行が亡くなった時に
棺に入れてるんですが
ご遺体は門徒式章つけられてるし
どんなもんでしょう?
ありですか?
亡くなられた方々は私たちの御導師ですから!
でも、御門徒の棺に入れられるっていうのは考えてもなかったです。
「へ~!」っていろんなことを想像してしまいました。
どう言って入れられるの?
どんな反応が返ってくるの?
汚れといっても御院家さんの汗と涙が染み込んだ御袈裟ですから喜んで下さるのでしょうね!
っていうか、喜んで下さる方にしか出来ないですよね・・・
輪袈裟って直ぐに汚れてしまいますよね。特にこれからの時期は・・・
でも、やっぱり汚れてもビリビリ、ボロボロになっても着けさせていただくコイツでして・・・
もう駄目やろ・・・って時まで。
ニコニコと一緒で愛着を持ってしまうものですから・・・
輪袈裟って「これがいい!」って自分が求めたモノは一つもないのです。皆、記念に頂いたモノや御門徒が仕立て上げて下さったものばかりなのですが、一つ一つ愛着を持ってしまいます。
え~ちゃんに頂いた記念の輪袈裟もちゃんとありますよ!高級過ぎて平生には使えませんけど・・・(笑)
私は、今までの輪袈裟も五条袈裟も箱に入れて保管しています。
ビリビリ、ボロボロになっているものばかりですが曾祖父の代からのモノも残っています。
提案住職はいつも思うのです、「これらの一つ一つの綺麗なパーツを取って七条や五条にしてみては・・・」って。
それをするのは坊守になるのですが・・・言ってしまうと本当にしてしまうのでもの凄~く年取って元気でおってくれて時間があれば提案してみようかと・・・
今は忙しくしているのでとてもとても可哀想で言えません。
先日、私が着けるために五条袈裟を仕立てて下さったご門徒が御往生なされました。
もう、着破ってしまったその御袈裟でしたがお通夜で久しぶりに着けさせていただきお勤めの後、棺の上にお飾りさせていただいて御葬儀もお勤めさせていただきました。
もの凄く感極まるものがあったことです。
勿論、出棺の時には除けさせていただきましたが、御七日のときにもず~っと着けさせていただきながら在りし日の姿を偲ばせて頂いていることです。いいひと時です。