弁護士辻孝司オフィシャルブログ

京都の弁護士辻孝司のブログです
弁護士の活動、日々感じたことを弁護士目線でレポートします
弁護士をもっと身近に・・・

「異議あり!!」は遠慮がちに....                                 ~弁護技術を生活に vol.11~

2012-09-07 14:43:06 | インポート

   

Igiari 異議あり!!

検察官の尋問に、弁護人が叫びながら勢いよく立ち上がり、

検察官と弁護人が丁々発止にやり合う。

法廷ドラマの見せ場のひとつですね。

何度かテレビ番組の法廷場面のシナリオ作成に関わりましたが、テレビ局側からは必ず、「異議あり!!」という場面を入れたいとリクエストがあります。

    

実際の法廷でも、検察官の尋問が誤導や威嚇的、議論になったりしたときには、弁護人から異議を出す場合があります。

  

でも、「異議」をテレビのように威勢よくやっているようでは、まだまだ、一流の弁護人とは言えないようです。

 

異議は検察官が違法、不相当な行為を正すものですが、裁判官、裁判員からすると、

検察官が一生懸命やっているのにいちゃもんつけてる、邪魔してる

何か都合が悪いことを言われそうになったから隠そうとしている

と思われかねません。

裁判官が異議を認めてくれればいいですが、異議が棄却されてしまったときには

目も当てられません。弁護人に対する評価は急落します。

  

だから、一流の弁護人は、

本当に重要な部分で、絶対に必要な時、必ず認められる時だけにしか異議を出しません。

    

そして、とても大切なことは、その異議の出し方です。

遠慮がちに、仕方なさそうに、穏やかな口調 で出さないといけません。 

「本当は異議なんて言いたくないんだけど、あんまり酷いから言わないと仕方がない....」

そういう雰囲気を全身で醸し出しながら、「裁判長、異議があります。」と冷静に言うのです。

   

Taiwa

普段の生活でも、声高に文句を言ってくるような人には、反発するばかりで
ちゃんと対応しようと思いませんよね。

逆に、冷静に、「申し訳ないけど、仕方なく言ってるんです。」という態度でこられたら、何とか対応してあげないといけないと思います。

自分の意見を聞き入れてもらいたいと思ったら、

「いろんなことはまあ目をつぶった上で、最低限のお願いをしているんですよ。」

という雰囲気で話してみたらどうでしょうか。

   

   

   


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。