弁護士辻孝司オフィシャルブログ

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シンプルで、具体的であること。                                   

2012-05-11 15:41:50 | インポート

昨日、京都産業大学法科大学院で「刑事訴訟実務の基礎」の講義をしてきました。

テーマは、「起訴前弁護」

違法な取調べや調書へのサインを迫る警察官への対応、

勾留から1日も早く解放するための方策などについて講義してきました。

被疑者(警察に捕まって取り調べを受けている人)には、調書を作ったときは、

ちゃんと読み聞かせてもらってからでないと、サインを求めることはできません。

そして、被疑者は、どんな調書であってもサインする義務はありません。

    

では、弁護人はどんなアドバイスをするべきか?

Advice 「読み書かせてもらって、間違いがないかどうかをよく確認して、間違いがないと思ったら、サインしてください。間違っていると思ったら、絶対にサインしないでください。」

このアドバイスは正しいでしょうか?

言っていることは間違っていません。

   

しかし、このアドバイスを聞いた被疑者は、取調室で調書の内容をよく読んで、

自分でその内容が間違いないかどうかを判断して、サインするかどうかを

決めなければなりません。

被疑者が判断を間違えてサインしてしまうかも知れません。

被疑者にボールを投げてしまうようなアドバイスをしてはいけません。

こんなアドバイスをして不利な調書が作られてしまったら、それは弁護人の責任です。

      

アドバイスはシンプルで具体的であること、

Pen3 例えば、

「調書には絶対にサインしないでください。」

「ペンを持たないでください。」

これなら、被疑者は何も考える必要はありません。

被疑者が間違った判断をしてしまうおそれはないのです。

    

人に何かをお願いしたり、指示したりするときは、

シンプルで、具体的であること

普段の生活や仕事でも同じです。


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