弁護士辻孝司オフィシャルブログ

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ビジュアルを活かす! ~ 弁護技術を生活に vol.13

2012-11-12 23:26:40 | インポート

   

「ことば」でいくら説明しても、わかりにくいことがあります。

法廷の証人尋問は質問と答えという「ことば」で進んでいきますが、やはり、

「ことば」だけでは聞いていてわかりにくいことがあります。

  

そこで、そんなときのために、刑事訴訟法規則では、

「訴訟関係人は、証人の供述を明確にするため必要があるときは、裁判長の許可を受けて、図面、写真、模型、装置等を利用して尋問することができる。」(第199条の10)

と定めています。

ビジュアルを使うのです!

  

たとえば、こんな感じです。

弁護人: 「あなたが日本刀で斬りつけられた場所はどこですか?」
鬼 塚: 「役場の前の土間のところです。」
弁護人: 「あなたを斬りつけてきた男は、どのあたりにいましたか?」
鬼 塚: 「土間から見て右にあるかえでの木のあたりです。」
弁護人: 「男は、誰かと一緒でしたか?」
鬼 塚: 「はい、手下を3人連れていました。」
弁護人: 「3人の手下はどこにいましたか。」
鬼 塚: 「まず、犬は、私から見て男の右側にいました。猿は倉庫の前にいて、
      
雉は階段を上がったクスノキのあたりにいました。」

さて、これだけだと、何のことだかよくわからないですね。

そこで、次のように続けます。

弁護人: 「裁判長、ただいまの証人の供述を明確にするために必要がありますので、
      検甲第3号証の実況見分調書添付の現場見取り図を利用して尋問すること
      を許可願います。」

裁判長: 「許可します。」
弁護人: 「それでは、この図面で、あなたが斬りつけられた場所に×印を書いてくださ
      い。」

弁護人: 「次に、あなたを斬りつけてきた男のいた場所に①と書いてください。」
      「手下の犬がいた位置に②と書いてください。」
      「手下の猿がいた位置に③、雉がいた位置に④と書いてください。」

こうして、図面ができあがります。

Photo

   

どうですか、「ことば」だけではわからないことも、図面を見れば一目瞭然ですよね。

   

「ことば」で一生懸命に説明しても伝わらないときは、ビジュアルを利用して説明してみましょう。

   

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