弁護士辻孝司オフィシャルブログ

京都の弁護士辻孝司のブログです
弁護士の活動、日々感じたことを弁護士目線でレポートします
弁護士をもっと身近に・・・

憲法と人権を考える集い、やります!

2022-06-22 17:44:02 | ブログ

京都弁護士会では、毎年、「憲法を人権を考える集い」というシンポジウムを開催しています。

これまで、憲法改正、環境問題、平和、LGBTQ+など、様々な社会問題をテーマを取り上げ、今年度が52回目になります。

(私が3歳からやっている!!)

そして、今年度のテーマは「えん罪」です。

「えん罪」とは、無実の人が間違って有罪とされてしまうこと。

裁判も人のするものである限り絶対に間違いがないということはありません。

でも、えん罪が重大な人権侵害ですから、少しでも間違いを減らすこと、間違えた時には改める、そういう制度をきちんと整備する必要があります。

そこで「えん罪」問題の中でも、特に、「取調べへの弁護人の立会いと再審法改正」をシンポジウムでは取り上げます。

 

特に、Z世代と言われる10代後半から20代の人に関心を持ってもらいたいとおもい、大学生の皆さんと一緒にシンポを作っていくことになりました。

シンポジウムは12月18日、立命館大学朱雀キャンパスのホールで実施されます。

Webでの配信もあります。

ということで、私が実行委員会の事務局長に指名されました。

頑張ります!


京都薬科大学で講演しました 2016.7.4

2016-07-27 16:23:16 | ブログ

京都薬科大学で、「大学におけるハラスメント」について講演してきました。

  

6月に、大分大学で元講師によるアカハラ(アカデミックハラスメント)のために、学生が自殺したという報道もありました。

企業だけでなく、大学などの学校でもハラスメントは問題となります。

 

いくつかの事例を紹介し、

法的にどのような問題があるのか、

発生原因はどこにあるのか、

防止のためにどうすればいいのか、

発生した場合の対処などについて話をさせていただきました。

 

ハラスメントは、どこでも、誰でも、起こしてしまう恐れがあります。

退職や自殺、犯罪になってしまうような事例も、その端緒は小さなところにあります。

その段階で正しく対処することで、被害者も、加害者も、組織も助かります。

 

今回の講演では、大勢の教職員の方に参加していただき、熱心に多くの質問もしていただきました。

 

夏バージョンで、プロフィール写真とはまったく違う髪型になっていますが、間違いなく私です (>_<)

 


刑事弁護合宿で講師をしてきました!2015.2.20

2015-02-28 14:19:57 | ブログ

琵琶湖ホテルで開催された京都弁護士会の刑事弁護合宿、

昨年に引き続き、今年も講師を務めさせていただきました。

  

昨年は、めざせ!リーガルハイ!!と題して、みんなで「キャリーぱみゅぱみゅ」と言えるようになろう!と、ボイトレや滑舌、プレゼンの基本という、エンターテイメント満載の話をしたのですが、

今年は、一転!!

「量刑評議について学ぶ!!裁判官を知り、裁判官を突破する!」

という、きわめてまじめな研修講師です。

  

とはいえ、やはり、せっかく参加してくれたみなさんに楽しんでもらわないといけないということで、

去年に引き続き、こんな格好でやりました。

白衣 に特に深い意味はありません。

着てみたかったのです。

  

さて、裁判で量刑がどのように決まっていくのか?

裁判員裁判が始まって今年で6年目。

いろいろと試行錯誤、紆余曲折があって、裁判の実務は落ち着きor硬直化を見せてきているようです。

最近の量刑で重視されているのは、どうやら、「安定性と公平性」

そのために、

行為、結果、動機などの主要な犯情をもとに、その事件の 社会的類型 を考え、これまでの裁判の結果をまとめた量刑分布表を使って、量刑の大枠を決める。

その次に、その社会的類型の事件の中で、量刑の分岐点・ポイントとなる犯情が何かを考え、その事件がどの程度の重さになるのかをさらに絞り込んでいく。

そして、最後に、反省や更生可能や、同種犯罪の防止という一般情状事実で微調整して、最終的な量刑を決める

という方法が裁判所が量刑を決める方法になっています。

   

こういう方法でやると、まず、一般市民である裁判員が自由な感覚で量刑を決めることはまずできなくなります。

これまでの量刑傾向の範囲内の判決しか出せなくなります。

このことが、裁判員の市民感覚をないがしろにしていると批判されることがあります。

しかし、感情的、感覚的に量刑を決めることを許してしまったために、求刑を超えるほどの極端な厳罰化傾向が出てしまった反省からすれば、被告人の公平な裁判を受ける権利を守るために、こういう客観性のある量刑判断の枠組みを明確にして、一定の縛りをかけることにも重要な意味があると思います。

 

ただ、この枠組みを絶対のものとしてしまうと、例えば何人も殺害した事件で死刑を回避しようとしたり、発達障害や過酷な生い立ち、少年である、前科がないといった事情を判決に反映させようとする弁護活動は、裁判所にまったく相手にしてもらえないことになってしまいます。

   

そこをいかに突破するのか?!というのが、今回の研修のテーマ。

一橋大学の葛野教授や香川県弁護士会の安西敦弁護士にも講演していただきました。

   

被告人の主観的事情、特に、これまでは微調整要素としかされなかった、更生可能性や過酷な生育歴といった一般情状に関わる主観的事情をいかにして、量刑に大きく反映させることができるか!ということが、いまの情状弁護の重大テーマです。

大阪アスペルガー事件の控訴審などいくつかの裁判例では成功事例もあるようですが、ほとんどの裁判では、主観的事情を判決に反映させようとした弁護活動は裁判所に一蹴されてしまっています。

私も一蹴された判決がいくつかあります。 

  

裁判官を知り、被告人を知り、そして、弁護活動を組み立てる。

弁護人の力量が問われています。

 


メンタリズム!! プレゼン合宿~後編~

2013-12-08 22:10:11 | ブログ

   

裁判員裁判で勝つためのプレゼンテーション研究会の合宿2日目の様子です。

   

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いったい何をしているのか?

見てのとおりの 「スプーン曲げ」 です。

   

弁護士が集まってスプーン曲げの特訓です。

    

その成果がこちら。

  3

     

さらにここまで。

  

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もちろん、タネも仕掛けもありません。 ごく普通のカレー用のスプーンです。

     

どうして、こんなことをしているのか?

忘年会に備えて! 練習しているわけではありません。

目的は、あくまでも法廷でのプレゼンテーション技術を磨くため。

   

メンタリストDAIGO の研究です。

   

DAIGOはテレビでよく見かける、あのDAIGOです。

Mr.マリックのようにハンドパワーで、スプーンやフォークを曲げています。

ただ、どうやら、単なる手品師ではないようです。

(竹下登の孫の「ウィッシュ!」のDAIGOとは違います。)

   

実は、日本ではまだ少ないメンタリズムの第一人者!

その心理学的理論の裏付けは、本物のようです。

  

そこで、メンタリズムを法廷に応用できいないかと考え、

まずはみんなでDAIGOのDVDを鑑賞して、スプーン曲げの練習から。

  

メンタリズムの基本は、

1 観察する

2 分析する

3 信頼される

4 誘導する

ということだそうで、まさに法廷プレゼンテーション。

交渉術、マーキング、認知的不協和、プロスペクト理論、リマインドなどなど、

法廷弁護活動に応用できる理論が山盛りでした。

  

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これからしばらく、DAIGOを研究してみます。

   

日本中で、裁判のためにスプーン曲げを練習したのは、間違いなくボクたちだけです!

Yeah!  

   

     


まいう~!事実を積み上げて語らせる。                      ~弁護技術を生活に vol.9~

2012-07-10 09:28:36 | ブログ

   

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テレビではグルメ番組が大流行。

「まいう~!」や「食材の宝石箱や!」といった決めゼリフも有名になりました。

最近は、若手お笑い芸人がグルメリポーターをしていることも多いのですが、「おいしい!」とか、

「うまい!」としかコメントできないと、スタジオから「ふつう~」「レポーター失格」などと、

厳しいつっこみが入ります。

どうして、このコメントではダメなのか?

「美味しい」という結論しか言っていないために、どうして美味しいのかが聞いている人にまったく

伝わらないからです。

「鰹のだしがよく出ている。」「隠し味に入れたウスターソースが活きている」「舌に乗せた瞬間に

とろけてしまうくらい柔らかい。」「しゃきしゃきした歯ごたえがいい」「表面の焦げたところが香ば

しい」「わずかな塩味が甘さを引き立てている」とか、そういった具体的な事実の裏付けがないと、

誰も「美味しい」とは感じてくれません。

     

裁判の証人尋問も一緒です。

結論を聞くのではなく、事実を積み上げて、積み上げた事実たちに結論を語らせます。

 

 

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例えば、殺意が問題となっている事件で、被告人は被害者と仲が良かったので、殺すまでの

ことは考えていなかったということを言いたい時に、

   

弁護士:「あなたは、被害者とはどのような関係でしたか。」

被告人:「親しく付き合っていました。」

弁護人:「親しくしていた被害者をどうして包丁で刺したのですか?」

被告人:「その時は、すごくなじられたので、思わずカッとなって脅してやろうと思って包丁を出したんです。そうしたら、被害者が向かってきて刺さってしまったんです。」

弁護人:「あなたは、被害者を殺そうとしたのではないのですか?」

被告人:「そんなことはありません。ずっと仲良くしてたんですから。」

という尋問をしたらどうでしょう。

被告人の言い分(結論)は出ていますが、具体的な事実による裏付けがないので、言い

放しで終わっており、少しも説得的ではありません。

    

事実を積み上げる。

例えば、こんな風にします。

弁護人:「あなたは、いつ被害者と知り合ったのですか?」

被告人:「5年前です。」

弁護人:「どこで知り合ったのですか?」

被告人:「そのころ、よく行っていた居酒屋です。」

弁護人:「どういう風にして知り合ったのですか。」

被告人:「居酒屋にテレビが付いていて、野球中継をしていたんです。それで、被害者も私も阪神ファンで、一緒に応援するようになって親しくなりました。」

弁護人:「あなたと被害者は、どれくらい居酒屋に行っていたのですか?」

被告人:「阪神の試合のある日は、ほとんど毎日行っていました。」

弁護人:「試合を見ながら、どのように過ごしていたのですか?」

被告人:「ひいきの選手を応援したり、やじったり。」

弁護人:「阪神が勝ったら、どうしてましたか?」

被告人:「二人で大声で六甲おろしを歌いました。」

弁護人:「阪神が負けたら、どうしてましたか?」

被告人:「監督の悪口を言ったりして、二人でなぐさめあってました。」

弁護人:「居酒屋以外には、被害者とどんなところで会いましたか?」

被告人:「甲子園に行ったり、サウナに行ったり、お互いの部屋に行って酒を飲んだことも何度もあります。二人で弁当を作って、花見に行ったこともあります。」

弁護人:「どんなお弁当を作ったのですか?」

被告人:「被害者がきんぴらゴボウが好きだというので、私が作って入れました。」

    

・・・・・ こうして事実を積み上げていけば、「仲が良かった」という結論を言わなくても、聞いて

いる人には、二人の仲が良さが伝わることでしょう。

   

結論や意見を押しつけるのではなく、事実を積み上げて、事実に語らせる。

グルメリポーターのみならず、人を説得するためにぜひ活用してみてください。