今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・村上山、鍋蓋山、角間山

2015年06月28日 | 山登りの記録 2015

平成27年5月27日(水)
 村上山1,746.7m、鍋蓋山1,829.0m、角間山1,981.2m

 新潟の山に登った次の週はそのまま土日も仕事だった。なので、その振替休日をまず27日に取ることにした。この5月は記録的に気温が高く晴れの日が続いている。こんなに晴れの日が続く、雨の少ない5月も余り例が無いと思う。27日も晴れる予報で、どこか山に行こうと思ったが、仕事の疲れが貯まっても居るので、ストレス解消にお気軽山ということにした。遠征も疲れるので県内で登っていないお気軽山…だが、地図を見ていると、思った以上に結構登っていない山があるんだなあと改めて感じた。それで、まず鹿沢の山が思い浮かんだ。もう10年近く前になるが、子供のPTAの役員をしていた頃だ。角間山、桟敷山、小桟敷山と登って、今は無き川原湯温泉の旧王湯に浸かってからその足でPTAの役員会議に出席した。ああ、随分前だなあ。その時に村上山に登り損ねていた、それからスキー場そのまんまの鍋蓋山も残っていた。とりあえず、村上山に登って、その後は気分次第で鍋蓋や角間山から県境に続く道の無い藪山、奥和熊山まで登れないだろうか。『…ぐんま300山』に載っているここも、前回の鹿沢山巡りの候補にしていた山の一つだった。

 26日に仕事から家に帰って、夕飯を食べて風呂に入り、夜の9時過ぎに鹿沢に向かった。様子が良く分かっているはずなのに、北軽井沢方面への道に進んでしまって引き返し、何度も走っている鹿沢温泉を経由して地蔵峠への道に入る。かつて子供を連れてキャンプに来た鹿沢国民休暇村の施設の下にある第2駐車場に車を停めて仮眠する。標高が高いせいもあって結構冷え込んでいた。

 朝6時くらいに目が覚めると、ここは新緑に囲まれた素晴らしいロケーションで快晴の青空が広がって気持ちが良い。直ぐ目の前に遊歩道の入り口があって、この周辺には自然観察用のコースが張り巡らされているようだ。環境省の国立公園内にある看板や案内施設があった。支度をして、夕べコンビニで買ったおむすびを食べ、案内表示を確認しながらテニスコート脇から6時20分に登りだす。きれいな小さな沢の流れを橋で跨いで、上りになった遊歩道をジグザグに上がると。国民休暇村の施設の一部と思われる建物の先に『村上山登山道』の標識があった。周辺は落葉松の植林で、大きな営林署の説明看板脇をゆるく登っていく。ホトトギスやカッコウの声が周辺から聞こえて清々しい気分だ。落葉松が終わると、雑木の森になって、行く手にシルエットになった村上山が大きい。その先から登りが段々きつくなる。遠くに浅間山が見えて木々が疎らになると、かつては周回できるコースがあった湿原に出る。残念ながら、あたりを見ると笹が繁茂して、乾いて湿原が消失したので周回コースは廃止した旨の看板が立っていた。そこにあずまやがある。

 あずまやの先はまた一段登りになり、行く手が明るくなってぽっかり先が見えてきた。樹下にはイワカガミが沢山見られた。陽射しが強く、こんな時間なのに日なたが暑く感じるくらいで、村上山山頂に7時25分に着いた。分かってはいたが、あまりにもあっけなく着いてしまった。山頂は北側だけ芝地になっているような所で、ガイドブックにあるように周囲が見渡せる素晴らしい展望台でもない。夏のようなもやった空間の先に、四阿山や白根山、嬬恋村の集落の上に田代湖が光っている。やや逆光になっている東側には、広々とした浅間の裾野に高原野菜の畑が広がって、その向こうには浅間隠山から菅峰に繋がる山並みがシルエットになって見えていた。西側の外れに三等三角点標石と村上山山頂の看板が立っていた。芝草の土手の様な山頂の南側は木々が茂って眺めは無い。この方面に浅間連峰があるのだ。今、その芝土手の様な山頂は2本のズミの木が花を付けて大変美しい。目の高さにズミが沢山の白い花を咲かせているので花を良く見ることができたが、丁度園芸植物の海棠(カイドウ)の様なあでやかな花で、バラ科の花らしく桜の仲間とはまた違う雰囲気でこれも良いものだ。朝イチで登り始めたが、あっという間に着いてしまった。一応この後、鍋蓋山から角間山を経由してあわよくば奥和熊山まで周回して鍋蓋山下のスキー場まで、と欲張ったプランを考えていたのだが。これは、後でとんでもないものだと思い知らされた…。村上山頂の手前の樹下にはイワカガミが群落になっていた。7時52分に村上山を下ってあっという間の8時33分に休暇村の駐車場に降りてきた。5月になってから晴れて暑い日が多く、陽射しは夏のようだ。第二駐車場の前に環境省の国立公園事業で造ったらしい鹿沢周辺の自然を紹介する掲示物がある東屋風の建物が立っている。そこから周辺に遊歩道があちこちに延びている。

 車に乗って次の鍋蓋山に向かう。当初、鍋蓋山の下の鹿沢スノーエリアというスキー場から登ろうと思っていたのだが、スキー場は立ち入り禁止で入れない。ここは夏の間鹿沢ユリ園という名前でユリの花を咲かせて集客している、そのために立ち入り禁止にしている様だった。仕方がないので、カマンスキー場という休暇村側東のスキー場の入り口に看板が立って車が入れる道路があったのでそこから登ることにした。ここも車は入れない様にバリケードで塞いであった。
  
 9時20分にこの入り口から登りだす。何度かジグザグをしてスキー場の建物の所からスキー場の中を上っていく。陽ざしが暑く感じる。ふーふー言いながらスキー場の最上部まで登ったら、そこからスノーエリア側に少し行って、そこでスキー場は終わっていた。スノーエリアと繋がってはいなかったようだ。仕方なく、まだ随分鍋蓋山の山頂部は高く見えるけれど、ここから森の中に入り尾根らしい所を登って行った。初めは下草も無く歩きやすかったが、次第に笹が出てきた。やや西寄りにスノーエリアの中央ゲレンデめがけてトラバース気味に登っていく。ところが突然下向きの胸丈以上の笹が生い茂っているようになった。その先は思いもかけず、猛烈な藪漕ぎになってしまった。所々薄いところもあるが、滑る笹の上を踏んで足元が心もとないので、その笹を掴んで少しずつ進んでいくような有様だ。結局ここから西側のスノーエリア中央ゲレンデの上部まで回り込んで行くのに1時間近く藪漕ぎをする羽目になってしまった…。

 すっかり疲れ果てて、やっとスキー場上部に出た。そこからもカンカン照りの陽がそそぐ草付きの急斜面で、ほんの少し上っては息を整える様な状態で、直ぐ上に見えてきたリフト終点の鉄柱が気が遠くなるほど遠かった。まだそこからでも100m以上スキー場は上に続いていた。やっとのことでリフト終点まで登った。ここからは四阿山が正面で大きい。先ほど登った村上山は直ぐそこに丸く低く見えた。リフト終点から鍋蓋山山頂は直ぐだと思ったらこれも違っていた。ほんの100m程度ではあったが、山頂までは再び酷い笹薮が茂っていた。鍋蓋山の山頂に藪をこいで飛びだすと、そこからはちゃんと笹が刈られた道が付いていた。鍋蓋山山頂に11時43分に着く。四等三角点標石があったが、鍋蓋山と書かれた立派な標柱、山頂を示している?鉄製の小タワーは倒れていて、近々上空から測量でもするのか目印のためと思われる赤ペンキが塗りたくってあった。夏の様な日差しで、その上、急登にあえいで藪漕ぎまでしたので汗でびっしょりだ。オレンジをかじって、おむすびを食べるが、のどがカラカラで飯粒がのどを通らない。味も分からない状態で水で流し込む。疲れ果てていたので、日陰になっている山頂下登山道脇の笹の切り開きに大の字になって横たわった。そのまましばらく眠り込んだ。

 目が覚めて時間を確かめるともう12時半になっている。とても角間山を登ってから奥和熊山周回は無理だ。鍋蓋山を下っていく道は笹もきれいに刈られて普通にハイキングコースだ。あまり人が歩かないのか、若干草に埋もれたところもあったが、あとで確認したハイキングマップを見ると、鍋蓋山に行くには角間山から往復するしか無いように描かれていたから、わざわざ低い鍋蓋山を往復する人は少ないのだろう。腰丈から胸丈の笹の中を切り開かれた道が鍋蓋山と角間山の鞍部を蛇行してゆるく延びている。白樺の木が目につく。木々の無い笹原で眺めの良い所も多く、鍋蓋山のとんがりと、東に低く村上山のこんもりした丸い姿が良く見えた。遠くに四阿山が霞んでいる。笹に埋もれがちな休憩舎と思われる東屋があったが、ほとんど人が利用している気配も無い。

 角間山が近づいて上りになると、ムラサキヤシオの群落があった。登りが急になり、ジグザグに高度を稼いで1時36分に見覚えのある角間山山頂に着いた。ここは見晴らしが良く、北に四阿山や草津白根の山々、東に村上山と浅間隠や菅峰の山並。南には浅間山から湯の丸連峰の大展望台だ。残念ながら北アルプス方面は霞んで山並も確認出来なかった。しばらく山頂で休んで、2時6分に角間山を下る。人の気配もない笹の切り開き道を角間峠まで降り、そのまま下まで下った。昔はあった鹿沢スキー場も今は無く、鹿沢温泉の上の方は伐採されたはげ山になっていた。 2時54分に鹿沢温泉の登山口に降りた。ここは旧鹿沢温泉といっているが小さな民宿程度の宿ばかりだ。歴史のある鹿沢スキー場も今は無く、スキーの歴史に名を残している鹿沢温泉も今は忘れられたスポットという感じがする。雪山賛歌の発祥の地という記念碑や百番観音の像とその謂れが書かれた看板があった。雪山賛歌という歌も今ではポピュラーではなくなって、若い人たちは知らないんじゃないのかな。

 国道を坦々と歩いて下り、車を置いてきたカマンスキー場入り口まで戻った。3時31分に車に到着。藪漕ぎにもあえいだけれど、一日晴れて気持の良い山だった。車で新鹿沢温泉まで降りて、鹿鳴館という温泉に寄って汗を流す。小さな岩風呂風の露天風呂もあり、全くの貸し切りで気分も良く長湯を楽しんだ。湯上りでさっぱりとして帰路に着いた。


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2 コメント

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予期せぬ薮漕ぎ御苦労さま (ノラ)
2015-07-02 21:47:09
あさぎまだらさん こんばんは。その昔,地蔵峠から湯の丸山とか行ったことありまして,その時に村上山とか見ているはずなんですが全然思い出せません。エアリアの地図見ると鹿沢スノーエリア側からはルートありませんね。地理院の地図ではエリアの東側から鍋蓋山に点線入ってますがこれは廃道ですか?とにかくスキー場って日陰が殆どないので夏に登る所ではないですね。予期せぬ薮漕ぎご苦労様でした。
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お気軽山? (あさぎまだら)
2015-07-03 01:46:44
ノラさんこんばんは。
お気軽山なのですが、鍋蓋山には現在角間山側から往復するしか道が無いようです。なのでこの山に登る人は少ないです。スキー場の最上部が頂上の様に書いてあるものもありますが、スキー場の最上部は山頂の50mくらい下ですからスキーに来た人が鍋蓋山に登ったとも言えません。
どっちにしても、意外にこの辺の山は笹薮が深いです。
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