今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

黒滝山

2006年02月10日 | 山登りの記録 2004
平成16年1月11日(日)

 平成16年になって初めての登山。子供たちに受けそうな岩場のある山で、この時期雪がない山はもうあまり無い。アプローチは短いし、適当に鎖場なんかがある山は西上州にしかない。と言うわけで、黒滝山にした。この山は高校の頃、今は無き親友のTと登った想い出の山だ。
 
 いつものコースを下仁田に向かう。途中安中あたりで小正月の行事の繭玉を持った家族連れなんかが見られた。南牧に入って小沢橋から黒滝山に向かう。南牧に入るとあちこちに雪が残っているようになる。黒滝山・不動寺に上る道路は上に上がるにつれて雪がうっすらと積もっている。どうも風花の親分の様な雪がうっすらと積もったようだ。
 最後はものすごいつづら折れの道になったが、付けたばかりのスタッドレスタイヤのおかげで普通の道路を走るのと変わらない。第2駐車場を過ぎ、第1駐車場に車を停める。熊谷ナンバーが一台停まっていたが、車はそれきり。日曜とはいえ、やはり1月の中旬ともなると、人もあまり多くないようだ。子供たちは鎖場もある岩山なので期待度は大、大分はしゃいでいる。一ヶ月ぶりの登山で、身体がなまって居るんではないか?

 不動寺は昔来たのだが、寺に寄った憶えもないし、合宿の?学生が宿坊にいたような光景を思い出すくらいだ。今日行く観音岩までその時登ったかどうか、ナイフリッジを鎖の手すりに掴まったり鉄ばしごを上った記憶はあるが、頂上?のようなところが今ガイドブックにある展望台なのかそれとも観音岩なのかは不明だ。あの時は登山ではなく、探鳥(バードウォッチング)に来たのだから。でも九十九谷という名と岩場が怖かったこと、帰りのバス停までの道から幕岩がすごい迫力だったことを思い出す。

 不動寺はひっそりとしていた。住居の飼い犬が不意の来訪者に吠えたてたが、かわいらしい柴犬だった。キャンプ場を過ぎ、少し登ると荒船への分岐を分け、行く手に帯状の岩脈とシルエットになって見えにくいが、向かいの山に上る岩場が見えた。赤い服を着た人が2人、今まさにそこを登っていくのが見えた。

 子供たちは早くも勇んで足取りも軽い。峠と書いてある分岐を左が九十九谷と指している。雪が少し登山道にあるが、滑るほどではない。直ぐに岩場になる、幅1メートルくらいのなだらかなナイフリッヂだが、ちゃんと両側に鉄柵と鎖の手摺りが着いている、段差のある場所は鉄ばしごがあって特に危険なことはない。でも切れた両側ははるか下に落ち込んで高度感はなかなかだ。次男は結構怖いようだ、長男も少し緊張している。何とか幾つかのポイントを過ぎたが、持ってきた補助ロープを使うほどのこともなかった。

 ナイフリッヂが直接山の斜面に接続する辺りに来て、ほぼ垂直の長い鉄ばしごが現れた、左右はすっぱり切れ落ちている。様子を見るため、鉄ばしごに登って先を伺ったところ、この先はわずかだがまたナイフリッヂになっている。その上、ここまでは着いていた両側の手摺り状の鎖が無い。子供の所まで戻り、安全のため補助ロープを出すことにした。子供たちは大喜びだ?ハーネス、カラビナなどの登攀具を初めて使うからだった。

 準備が出来て、先にはしごを登り、次男に登ってくるように促そうとしたら、後続の人が来てしまった。時間がかかって申し訳ないから先に行って貰おうとしたら、年配のご夫婦は、待っているからゆっくりでいいと言う。子供達が登っているのを楽しそうに見ていた。次男を登らせ、長男を登らせた。この先はもう、補助ロープはいらなかった。しかし、この岩場の通過は結構時間がかかった。

 気持ちのいい葉の落ちた樹林の尾根をしばらく行くと、展望台に着く。岩の上に立つと向かいの鹿岳・四ツ又山と遠く妙義、すぐそこにトヤ山、後は西から南にかけて西上州の峰々がずらりと並んでいる、こうしてみるとかなり今年は雪が多い様で、真っ白な山並みだ。ここにも雪がうっすらと積もっている。

 同じような樹林の道を上下して(五老峰というらしい)一番端が観音岩と名付けられた頂上(最高所)だった。ここは南側が帯状に切れ落ちている幕岩のへりだ。
 展望は素晴らしい。飛び出した岩頭に観音様がいた。この辺の石仏は何となく優しそうでかわいらしい顔をしている。南牧の人なつこい鷹揚な人たちと、何となくイメージがダブるのだ。先行していた人たちは先を急いだのか、もうそこには居なかった。3人だけで眺めのいい頂上を独占する。

 おむすびを食べ、おかしやラーメンを食べた。次男はスケッチブックを持ってきていたので、水彩色鉛筆で鹿岳をスケッチした。本人は良く描けたと満足だった。1時間以上そこにいた。頂上にいる間、今日は冬型が強まって風が強いという予報だったが、あまり強い風は吹かなかった。観音様がそこにいるせいか、この上なくのんびりとした優しい場所だった。

 頂上の観音岩から鷹ノ巣山(岩)に下る。途中右手は岩壁が切れ落ち、九十九谷が見下ろせた。20センチそこそこしかないような幅の狭い板の様な岩が切り立って谷を作っている奇観だ。鷹ノ巣山は松が生えた何の変哲もない尾根の出っ張りだが、そこから下のが真下に間近に見えた。九十九谷側に急降下し、上底瀬という山奥のを通り、そこからまた峠に登り返して不動寺に戻った。最後に登り返すのが少し疲れた。子供たちは岩場も楽しめて大変満足したようだ。
 帰りはまた、いつもの磯部の「恵の湯」に寄って帰った。

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