平成2年12月1日発行の「遙北通信」第105号へ、平出一治氏は「昭和の道祖神」建立の現場を報告いただいた。諏訪郡原村とえばペンションビレッジが展開され、八ヶ岳中央高原として観光地化もされている。ここの「まるやち湖」のほとりにこの道祖神は建っている。さすがに観光地ということもあって、「まるやち湖道祖神」と検索すると、いくつもの記事とともに、「画像」集も見られる。八剣神社神官によって祈願されたというあたりが、ペンションビレッジらしい。また、小正月に除幕式を行ったというあたりは、ペンションという時代の潮流ながら伝統意識がうかがえる。
平出氏の報告は下記のようなものだった。
昭和の道祖神23 原村ペンションの双体像 (『遙北通信』105 平成2年12月1日)
諏訪郡原村のペンションは、八ヶ岳西麓の一画を総称する中央高原の観光開発の一環として、昭和48年からペンション建設がはじめられた地域であり、八ケ岳自然文化圈まるやち湖の西側に双体像が祀られている。自然石に二神をレリーフしたもので、台石の上に鎮座している。
男神が右、女神が左の抱肩握手像で、首をやや外側に傾け正面を向いている。服装は和服でありながら、男神は右前、女神は左前となっている。
大きさは高さ100cm、幅96cm、厚さ51cm。像高は男神がやや大きく43cm、女神は42cmを計る。台石の高さは52cmである。
銘文はみられないが、諏訪地方出身オーナー3名が建立委員となって、一戸当たり5000円の寄付を募り、茅野市北原石材店がノミをふるった。昭和56年1月7日には現地に建てられ、除幕式は1月14日の午前11時から八剣神社神官の手で執り行なわれたものである。
(写真撮影1981.1.14)
※「遙北石造文化同好会」のこと 後編に触れた通り、「平出一治氏のこと」について回想録として掲載している。
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