Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

花粉症

2005-10-17 08:22:42 | 自然から学ぶ
 秋も花粉症で苦しみ、という新聞記事を見て昔のことを思い出す。10年ほど前まで数年間、上伊那郡飯島町の公営住宅に暮らしていた。町の中心部から少し外れた畑地帯にあったが、6畳くらいの庭付きの住宅で、周辺にも荒れた土地があった。庭の草を取っていた妻が、目がしょぼしょぼしてくしゃみが出て、何だろうという話になった。妻は杉の花粉症にもかかるタイプで、症状は明らかに花粉症であった。調べてみると、夏場から秋にかけてはブタクサが花粉症の原因になるということがわかり、それまでブタクサというものを知らなかったが、庭をみてみると、そのブタクサがすごい勢いで生えているのである。杉花粉より症状がひどいということで、それからは妻は庭の草を取るということはしなくなった。もちろん、夏が過ぎて涼しくなる季節であっても、窓は締め切りですごした。わたしもブタクサというものを認識していなかったが、よく見ると、その住宅の周辺は、ブタクサだらけで、雑草の王様のようにどこにでも生えていたのである。周辺の荒れた畑を除くと、背丈ほどになったブタクサがびっしりと生えていて、これでは花粉症になるさ、とあきらめたものであった。わたしは杉の花粉症は大丈夫で、このブタクサにもそれほど花粉症の症状が出なかったため、それ以降は、この時期の庭の草取りはわたしの仕事となった。公営住宅の敷地内でブタクサを取るということもしたが、いかんせん、隣接地は人のものであるから、そうした土地の草まで刈り取るというわけにはいかず、この住宅を去るまでは我慢するしかないというのが現実であった。
 それからというものブタクサは常に認識するようになり、同じ町内をまわった際に、ところどころでブタクサを見ることがあった。人のあまり立ち入らないような荒れた土地にもそうした草が繁殖している姿を見て、知らないうちにずいぶん広がっていることを知った。数年前、天竜川の小渋川合流点で植生調査をした際、はじめてオオブタクサというものも知った。ブタクサに比べるとさらに背丈は高く、花粉はブタクサより少ないだろうか。河川では普通のブタクサよりはこのオオブタクサが多く見られた。
 この9月に仕事で中条村を訪れた際、同行した会社の女の子がくしゃみや鼻水が出て大変なことになった。わたしも若干くしゃみが出たりして、周りを見回したがブタクサはなかった。どうもヨモギの花粉が原因のようであった。わたしは杉もブタクサも気にはならないが、初夏に花が咲くアカシアの時期にはけっこうくしゃみや鼻水が出る。それほど花粉に対して敏感ではないが、花粉がたくさん舞っている中に自ら入っていけば、もちろん症状が出る。伊那谷では梨の栽培が盛んで、梨の場合花粉付けという作業がある。俗に「花つけ」というが、この作業は、梨の木の下で梨の花に向かって花粉を付けるもので、上を向きながら作業をするため、当然花粉が自分の顔に向かって舞ってくる。さすがにわたしもこの作業は苦手で、妻も息子も手伝いに行ったことがあるが、ひどい状態になる。息子の学校では校外活動としてこの花つけを行なうが、花つけではない作業にしてもらっている。
 このようにひとくちに花粉症といっても、1年中花粉が飛んでいて、敏感な人には住みにくいことになっている。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
« シカウチ神事 | トップ | 独居老人世帯のタクシー代 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
花粉症 (てんしん)
2005-10-21 04:58:35
おはようございます。わたしも花粉症です。春よりも、秋の方が症状がひどく、目薬と飲み薬が手放せません。今年はそろそろ、私の花粉症の季節は終わりに近づいているようです。花粉症の薬は対処療法的なものばかり。根本的に直すことはできないのでしょうかねぇ。
返信する

コメントを投稿

自然から学ぶ」カテゴリの最新記事