Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

雪形の現れている山々

2024-04-25 23:53:29 | 自然から学ぶ

令和6年5月25日撮影

 

 山々の雪が消え始めて来て、いわゆる雪形が登場している。

 1枚目は、もちろん駒ヶ根市周辺から見られる宝剣を頂とする中央アルプスの山々。宝剣の下あたりに駒形が見えているが、何と言っても島田娘。この雪形について触れたのはしばらく前の2020年5月15日。当時の写真の表情と、ここにあげた写真の表情はよく似ている。ということは、近年の中では桜が咲くのが遅かったが、山の表情は、当時に比べれば早く雪が消えているということになる。同じ日の日記で南駒ケ岳の写真もとりあげているが、その写真までは雪が消えていないものの、5月15日までいけば、きっと今年の方が消えていることだろう。

 ここ2日ほど、この写真のある界隈に仕事で足を運んでいる。昨日も「仕事始め」で記したように、芽吹きが始まっているが、まだ初夏の緑色の世界にはもう少しというところ。とはいえ、午前中の青空のもと、雪形の映える山々は、やはり絵になるというわけだ。

 ところで、空木岳は日本百名山にも選ばれている山なのに、地元でもそれほど意識されない山のひとつ。周辺の山々にくらべると形が印象に強く残らないこともあるが、中央アルプスの中では駒ヶ岳、中岳、宝剣岳といった木曽駒ケ岳主峰域にある山々に次いで高い山。その山名の由来が「ウツギ」から来ていることは有名だが、雪形の「ウツギ」はあまりネット上にも紹介されていない。わたしが以前「「空木岳の名称と付近の遭難」-『伊那路』を読み返して⑧」で図を紹介したが、現在そこで紹介した“長野県観光課「信州の雪形」”は出回っていない。このパンフレットが印刷されたのは、もうずいぶん前のことだ。そのパンフレットでは、雪形のネガ型とポジ型の説明をしている。前者は真っ白な雪面の中に、山肌の雪が解けて黒くなったケース。後者はその逆で残雪の白い姿から想像させるもの。実はよく知られている雪形は前者のものが多い。なぜかと言えばわかりやすいにつきる。空木岳のウツギの場合、ポジ型、ようは後者のタイプのため、わかりづらいということがある。そのとおり、いまだにわたしは空木岳のウツギをはっきりイメージできていない。ただ、今回の写真をみてもらうとなんとなくわかるのだが、ネガ型でもそれらしい姿に見えないことはない。山名のウツギは本当にポジ型のウツギなのかどうか。Wikipediaによれば、「空木岳の頂上だけ雪が残っているのが見え、その残雪模様が卯木に似ているため」と説いている。残雪の模様は確かに白黒両者にあてはまるが、わたし的にはネガ型ではないかと思っている。どうだろう。

 さて、南アルプスの荒川三山の写真が3枚目である。南アルプスの雪形はあまり知られていないが、間ノ岳の鬼面は伊那谷からよく見えるのだが、荒川三山の前岳の大崩壊地の窪みに残る雪も鬼面に似た「何か」に想像できる雪形と思う。それこそ中ほどに見えてくるネガ型の小さな姿は、犬にも、駒にも見えなくはない。この荒川三山は、遠いが、我が家の真ん前に見えている。

 なお、前述したパンフレットをここに掲載する。この手のものの欠点は、いつ印刷された物か記載がないこと。表紙に「さわやか信州」の文字が見えるから、かなり昔のものだ。そもそも「さわやか信州」がいつの時代の合言葉だったのか、昭和時代の長野県の観光キャッチフレーズだったように思う。

 

 

 詳細なパンフレットを閲覧したい方は、こちらのページのPDFでご覧ください(データが大きいため、3分割で提供します)。

 


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