Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

今年は蛇を見なかった

2022-09-04 23:00:00 | 自然から学ぶ

 わたしはふつうの人より、野に身を置いていることは多いと思う。週末の草刈時間も長いが、仕事上でも現場に出ることは多い。とりわけ環境的に蛇がいそうなところに身を置くことは多い。この夏を前にして、妻がアオダイショウの綺麗な抜け殻を見つけて満足気であったが、今シーズン、わたしは蛇らしい蛇を見ていない。初夏のころジムグリをどこかで目にしたように記憶するがはっきりしない。ジムグリは比較的短い蛇で、それも小さかったから蛇の苦手な人でも驚くような存在ではない。それ以外に蛇を見た記憶がない。

 かつて日記のどこかに記しているが、マムシがあちこちにとぐろを巻いていて足がすくんだ覚えがあるが、生涯で最も蛇をたくさん同時に見た記憶だ。もちろん蛇が得意な方ではないが、突然遭遇して身動きできなくなるタイプではない。マムシでなければ、それほど驚く方でもない。

 ということで今年は全くというほど蛇を目にしない。『はこべ』最新号の546号(はこべの会)に動物に詳しい宮下稔氏が「家ネズミとアオダイショウ」を寄稿している。冒頭「一昨年気づいたのですが、私の住居や倉庫から家ネズミの気配が消えました」と始まる。その理由を久しぶりに見たアオダイショウのせいではないか、と想像している。アオダイショウはもともとネズミを捕食することで知られ、別名ネズミ捕りとも言うところがあるという。人に近いところに住まう蛇としても知られ、昔生家にはアオダイショウが住み着いていたものだ。そして時に家の中を這っていることもあったし、押し入れの中にその姿を見たことを母から聞いたこともあった。前述したように、妻の生家に立派な抜け殻があっただけに、アオダイショウの存在はいまもって変わらないようだが、野に住まう蛇は、本当に減ったのかどうか…。

 先ごろ現場で同じように現場の仕事の多い方にこのことを話したら、「蛇も少ないが、ハチが今年は少ない」という。さらに加えて「チョウも少ない」という。語られた方は写真をよく撮られている方だから、野に常に視線を向けられている。まんざらわたしの印象は間違いではないのかも。近年上伊那ではミヤマシジミの保存活動があちこちでされている。希少なものへのまなざしは高まっても、そうでないものへの意識は、ますます低下しているとも言える。それは生き物の世界だけに限らないが…。


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