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とうとよ/清貧の独り言。

どんなに優れた内容でも…。

2006年12月16日 22時25分00秒 | 司書日記
夢を追い続けた学校司書の四十年
五十嵐絹子
国土社 2006
(リンクはオンライン書店bk1)


今日はいきなりリンクから。
これは、今私が読んでいる本です。

長年同業を続けて来られた方の本ということで、とても興味深く読んでいます。

内容も、具体的に学校司書の仕事の内容をひとつひとつ解説していくところから始まり、その仕事風景、問題点、コツなど、毎日その仕事と関わっている私としては、非常に分かりやすく、そして、参考になること、身につまされること、耳が痛いこと、それぞれの内容に、ひとつひとつ頷き、頭を抱えながら、思わずじっと座っていられないような衝動に駆られつつ読んでいます。

いつものように、図書館から借りてきた本なのですが、自分用に一冊購入しようかと思うほどです。


が…。
この本には大きな問題点がひとつ。

それは、誤植がとても多いということ。

開始数ページのうちに、すぐに分かるような誤植が2つも3つも見つかるのには呆れてしまいました。

「放って」が「ほおって」だったり、
「意外」が「以外」だったり…。

最初からそんな具合なので、もしかしたら狙いを持って書かれているのかもしれない箇所も、間違いなのではないかと疑いを持って読んでしまいます。

「持ってきての」って書いてあるのは、きっと「持ってきてね」の間違いだよなぁ。

とか。
そんな方言だったりするなら分からないのですが。


こんなに誤植が多いのでは、どんなに良いことが書かれていても、その価値が失われてしまいます。

そもそもこの文章は誰が書いたのか。
著者本人なのか、それともその文章を誰かがタイプで起こしたのか。
間違いはどの時点で起こっているのか。
一体校正はどうなっているのか。

変なことが気になりだして、内容に集中できません。

それに、これでは学校司書という職業さえ疑われかねません。


良い本だと思いますので…早いところ修正した2版を出された方がよろしいのでは…。



それにしても、内容は本当に参考になります。
誤植がどれだけあろうとも、買ってしまおうかな。

しかし、本当に忙しいなぁ、学校司書。
他人事のように改めてそう思う。

今の業務で手一杯なのに、この本の司書さんは、それ以上の仕事をやっていらっしゃる。
環境の違いがあるだろうから、一概に比較はできないだろうけど、ますます、自分の仕事のできなさ、効率の悪さにがっかりしてしまいます。

ですが、がっかりしていても始まりません。
参考になるところは、しっかり参考にして、実際の業務に活かして行かなければなりません。

書架は常に整理。
壊れた本は書架に置かない、修理は合間に行い、修理本を溜めない…。

とにかく記録、なんでも記録…。

成果は見えるように…。


もちろん、それらはすべて既にわかってはいることなんですが…。
改めて心に刻もう。

でもね。壊れている本を書架からすべて外すと…


本棚空っぽになっちゃうよ。