エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

ヒメシロチョウ、絶滅の危機を、深刻に受け止めたい。

2021-08-28 | 自然観察

絶滅の危機を、深刻に受け止めなければならない

ヒメシロチョウの第3化の発生を期待して土手へ向かった。

土手に向かいながら、何頭でもいいからヒメシロの舞う姿を見たかった。

いつも頭に去来するのは草刈りのことだ。

もう少し先かと思っていた土手の除草、既に済んでいた。

刈られた土手を見て言いしれない気持ちに襲われた。

何度こうした光景を見たことか。この切なく空しく、暗澹たる気持ちは表現できない。除草後に抱く、いつも同じ思いだ。

昨年刈り残した場所を少しずらした区域を残し、すっかり刈られてしまった。

    

ところどころに、刈られたムラサキの花が見えた。ツルフジバカマは今美しく咲き始めたところだった。

数日前に1頭のヒメシロチョウがひ弱に舞い、紫の花穂を吸蜜していた。

第三化の1号かもしれなかった。

新しく刈り残された島には、ベニシジミ、ツバメシジミ、シオカラトンボ、ミヤマアカネ、イチモンジセセリ、ジャノメチョウ、モンキチョウなどが何もなかったように飛び交っていた。

          

 刈られた大海原に浮かぶ小さな島は、まさに虫たちのオアシスだ。

ヒメシロチョウは、ここ数年は9月中は数えるほどとなってしまったが、舞う姿を見ている。

暫らく観察を続けたいが、いよいよ覚悟の絶滅が近い印象を持っている。

以前は門田から湯川までの堤防に広く分布していたが、今はここだけ、何とかいのちをつないでいる。

除草の問題は難しい。

ヒメシロチョウの特徴からは除草の意義もある。

でも、産卵された新しいいのちが蛹まで育つ間の除草はやめたい。

せめて羽化のピークを過ぎた頃が好ましい。

そして、何とか生まれた命に、刈り取り後に伸びた柔らかな新芽に産卵してもらう。それが1番だろう。

このところ数年間、奇跡的に命を繋いでいるといって過言ではない。

これから1~2週間の羽化、発生の状況次第では、ほぼ絶滅ということだ。

近いうちに、河川事務所へお願いに上がりたい。

土手の除草については、いよいよこれまで以上に真剣に検討すべき段階だ。

 

土手には、数年あまり見られなかったジャコウアゲハがかなり舞っていた。

数年間、注意して刈り残してもらったウマノスズクサに、幼虫を何頭も見ることができた。うれしい。

 

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 一斉草刈り前のヒメシロチョウ (8/19撮)


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