エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

ひな人形の思い出

2008-02-16 | 文芸
             【明治時代の雛飾り】

 先日、お城のそばのレストハウス鶴ヶ城会館に寄ってみたら、県内各地から集められたひな人形が飾ってあった。明治時代から現代まで、時代毎に並べられた雛飾りを、比較して眺めてきた。ひな祭りは古くは平安時代中期ころが起源らしいが、その後時代により、地方によりいろいろな変遷の歴史があったことだろう。
 ひな人形で思い出すことがいつくかある。いつか会州一酒造で見せて頂いた素晴らしい段飾り、新潟村上の町屋での各家の雛飾り巡ったこと*、東京三井記念美術館での「三井家のおひなさま展」などである。

 ひな祭りというと、淡雪、紅いもうせん、雛あられなど、早春のすがすがしいさわやかな春の陽が浮かんでくる。こころ和む素晴らしい文化である。
 今年も、あちらこちらで工夫して展示してくれるひな人形を鑑賞しながら、子どもたちの健やかな成長を願いたいと思っている。



(*) エッセイ「村上の町屋を巡る」(2004.3)

  先日、藤沢周平の世界を見たい思いで東北の日本海沿岸を旅した。途中、新発田から村上へ、知らない街の古を訪ねに瀬波温泉に宿を取った。
 久々に見る冬から春への大海原、永遠に寄せては返す白い波に海鳥が舞っていた。大病した後の療養の身、窓越しの静かな大海原との対話にしばしこころ癒された。
 翌朝は冷たい雨の中を城下町村上の十数軒の町屋を巡った。お茶、菓子、陶器、染物、漆器、酒店と、いろいろな店に昔の町屋の暮らしの一端を見ることができた。無くなってしまうものを今のうちにとの思いに駆られた見学であった。春は「町屋の人形さま巡り」が行われていて、各店が所蔵する江戸時代から今に至るいろいろな人形が展示されていた。町屋の伝統建築と共に失われつつある大切なものが継承されていく様を見ることができ嬉しかった。「屏風まつり」がある秋の季節にもう一度町屋を訪ねたいと思っている。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ebook (ひこばえ)
2008-02-16 10:26:58
心温まるブログですね。今春エッセイ集出版の予定とのことですが、安価(2万円程度)に出来る「電子本」出版をご検討ください。(ひこばえ研)
返信する

コメントを投稿