エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

良寛、道元に学ぶ 本当の豊かさ

2010-10-27 | Weblog
  【色づき始めたカリン】

 父はよく良寛を語った。
もう30年も昔、父に乞われて晩秋の国上山の五合庵へ同行したことを思い出した。
以来、良寛は自分の身近な人となっていった。
  今、その頃の父の年齢になり、父の心の一端が見えるような気がしている。
  そして、あのとき父と一緒に目にした乙子神社の石碑に刻まれた「生涯懶立身 騰々任天真」の漢詩が、いつしか自分の心の支えになった。

年老いて知ることはたくさんあるが、最近、良寛が最も尊敬した道元の教えに出会った。
「学道の人は先須らく貧なるべし。財おほければ必ず其の志を失う。」と。
であれば、有り余るものを持つ現代人は、志を失い、幸せを得ることはできないのではないだろうか。
最近の世相を見るにつけ納得できることだ。
 生涯無一物を旨とし、質素な生活に耐えた良寛は、貧に徹し、志を遂げた学道の人であり、いつも私を惹きつけている


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