嶽南亭主人 ディベート心得帳

ディベートとブラスバンドを双璧に、とにかく道楽のことばっかり・・・

【今日のBGM】 D・ショスタコービッチ 交響曲第5番

2006-04-04 01:37:43 | ブラスバンド
演奏は、NYフィルのバーンスタイン。79年の東京文化でのライブ録音。

でも、一番よく聞いたのは84年のムラヴィンスキーのレニングラード・フィルと、同じコンビによる73年(だったと思う)のもの。このバーンスタインもなかなかによろしく、多くの人に伝説の演奏として語り継がれているのだそうだ。が、ショスタコの5番は、ムラヴィンスキーに止めをさすように思う。

なんといっても、

むちゃくちゃに「厳格」

である。そこが良い。

去る4月1日の日経の文化面に、「作曲家ショスタコービッチ生誕100年: 人物像と作風に光」との良い記事が出ており、そっかぁと思いながら聴き直している次第。

備忘録として、その記事から抜き書きしておくことにする。


1.
「ポーランド人作曲家、クシトフ・マイヤーは、(略)、師から叩き込まれたのは『音楽とは人々の最高のコミュニケーション手段との理念』だった

2.
「ヤンソンスも『個人と社会体制の闘争の中で生まれた音楽の深み、信念(クレド)に迫るのがショスタコービッチ解釈の鍵』と強調する

3.
生誕百年を機に、純粋な音楽作品として聴き直す機運が国際的にも盛り上がる中、肝心の楽譜が旧ソ連時代のままで放置されていることは問題だ。例えば「第5番」の最終楽章終結部のテンポ設定では、「早く」「遅く」の二節が並存する。


・・・ただし、3.については、いまでは四分音符=188ではなく、四分音符=88がオリジナルのテンポだとの見解が定着しつつあると聞く。オリジナルの検証に基づく正確な校訂譜が待たれるところだが、演奏としては「遅いバージョン」の方が絶対によい。というか、この方が断然かっこいい。

実は、冒頭のバーンスタイン+NYフィル版のカップリング曲は、オーマンディのフィラ管によるショスタコのチェロ協奏曲で、チェリストは若き日のヨーヨー・マ。これも快演。おすすめです。