新彊ウイグル自治区の反中国政府暴動を伝える報道の中で気になる表現があった。どのTV局でも、「漢民族とウイグル族の民族対立が背景にある」と伝えていた。
しかし、中華人民共和国における民族標記に従えば、「漢民族」ではなく、「漢族」と言うべきなのだ。
何故、こんなことにこだわるのかというと、NHKスペシャル(「アジアの”一等国”」4月5日報道)の偏向報道問題が、ひっかかっているからに他ならない。
あの番組への批判に対して、NHKは次のような一文を公表している。
『③「漢民族」について番組では、以下のように、「漢民族」という表現を使っています。「1937年、日中戦争が勃発。台湾統治が新たな局面を迎えることになります。当時台湾には、およそ500万人の漢民族がいました。日本は自らの領土内に、敵と同じ民族を抱え込むことになります。」
日本台湾学会理事である東京大学の若林正丈教授編著「もっと知りたい台湾」によれば、「台湾の民族は大きく漢民族系のグループと先住民族系のグループに分けることができる。(中略)また漢民族の下位分類である閩南(びんなん)系漢民族、客家(はっか)系漢民族、それに外省人」とあります。こうした研究者の見解なども参考にして、番組では「漢民族」という表現を使っています。』
不思議なことに、昨日の「クローズアップ現代」では、加藤青延解説委員が「漢族」という表現を使っていた。それまでの表記方法を改めたことになるのだろうか?
「民族」「…族」という表記には、自然人類学、文化人類学、歴史学などのさまざまな概念が込められていることは分かる。だが、NHKが「漢民族」とわざわざ表記するとき、そこには中国政府に対する遠慮あるいは無意識に中国に媚びる意識が込められているのではないかと疑う。
中華人民共和国憲法では、各民族が対等・平等であることを謳っているが、実際には、「漢民族」がそれ以外の「蕃族」(ウイグル族、チベット族、朝鮮族etc.)の上位に立ち、彼らの「偉大な中華文明」を強要しているのが実態だ。ウイグル族などの少数民族から見れば、これは「民族浄化」に他ならない。
NHKは、こういうニュースのキーワードをきちんと定義して報道すべきだろう。
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原因です。族と言う言葉では無く私は人と言いたい。即ちウィグル人と漢人との戦いです。
人のものを無理矢理奪うのは中国人の最も得意な技術です。なんだかんだと理由をつけては無理やり何でも強盗のように奪い取ります。