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大連に保存されているという、旧・南満州鉄道(満鉄)の超特急「アジア号」を見に出かけた。
「アジア号」は、戦前、日本の鉄道技術を結集した、SLの最高傑作だったが、日本の敗戦に伴い、中国政府に接収され、これまで公開されることはなかった。
ところが近年、中国が急速に経済発展するにつれて、中国政府もこれまでのかたくなな態度を改め、「アジア号」や満鉄本社の建物の公開に踏み切ったのだ。
「公開」されたとはいえ、保存状態は極めて劣悪。大連駅の近くにあるボロボロの倉庫の中に、埃まみれで遺されていた。巨大な4輪の車輪が、時速120kmを出したという昔日の雄姿を思い出させる。
現在、中国の特急列車は、大連→瀋陽間(400km)を4時間で走るが、これは「アジア号」よりも遅い。往年の「アジア号」は、全車に冷暖房を完備し、素敵な食堂車も付いていた。鉄道というのは、その国の技術水準を示すので、当時からいかに日本の技術が優れていたか分かるだろう。
だが、満鉄本社の建物に設置された資料館では、中国侵略の象徴として、満鉄を全否定する展示ばかりが見られた。
しかしながら、「満鉄」や「満州国」が果たした社会調査、保健医療、教育など数々の実績が、現在の中国東北部が繁栄する基礎となったことは忘れてはならない。
もはや何もかも、「日本が悪かった」と懺悔する時代ではない。
高層ビルが乱立し、未来都市を思わせる大連で、改めてそう思った。