6月4日は、「第2次天安門事件」※の記念日。1989年6月4日の北京・天安門広場は、おびただしい血で染められた。
※ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E5%9B%9B%E5%A4%A9%E5%AE%89%E9%96%80%E4%BA%8B%E4%BB%B6
この運動を率いていたウィグル族のウーアルカイシ青年は、その後米国に行き、さらに台湾に亡命したと伝えられた。ところが、21回目の記念日の今日、東京の中国大使館に入ろうとして、警備の警察官に取り押さえられ、逮捕された。
TV映像を見る限り、逮捕されたウーアルカイシ氏には昔日の面影はない。21年の歳月を感じさせた。
4月に中国の西北部にある西安、蘭州、敦煌を旅行したとき感じたのは、中国政府の「西部大開発」のすさまじさだった。荒涼とした砂漠の中に延々と続く最新型の風力発電風車、新彊ウィグルまで続く高速道路など、少し前の中国では、沿海部にしか見られない光景だった。
21年の歳月は重い。ウーアルカイシ氏がその光景を見たら、どう思うだろうか。
経済発展によって、農村や少数民族地区の住民にもある程度の恩恵がもたらされるに違いない。ウィグル族、チベット族などの少数民族は、それに甘んじてしまうのだろうか。それとも、漢民族の考える「大一統」という中華帝国の誕生に異議を唱えるのだろうか。