澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

マントヴァーニの「フィルム・アンコール」(BBC Mantovani Show)

2020年06月05日 23時48分20秒 | 音楽・映画
 1960年代初めに日本でもTV放送されたという「マントヴァーニ・ショー」。私自身はリアルタイムで見たことはないのだが、DVD化されたいくつかの放送分は見ている。
 最近になって、YouTube上に私が未見のものがUPされているのを知った。

 マントヴァーニの「カスケーディング・ストリングス」(Cascading Strings 滝が流れ落ちるような弦楽器の響き)は、かつて一世を風靡した。
 
 モノクロの画面で見るマントヴァーニの音楽は、一見して古色蒼然、骨董品のような趣と言えるだろう。だが、PA(Public Address)を使わない、生のオーケストラ音楽は、クラシック音楽と比べても遜色がない。

 初めての方は、ぜひ美しい弦楽器の響きに注目していただきたい。「フィルム・アンコール」という番組タイトルは、マントヴァーニのLPレコードと同名(1958年リリース)で、彼の最大ヒットアルバムとなった。


Mantovani: Film Encores | Full HD Movies For Free | Flick Vault

桐朋学園オーケストラ定期演奏会

2020年01月18日 20時20分53秒 | 音楽・映画

 桐朋学園オーケストラ定期演奏会に行く。「華麗なるロシアン・メロディー」がテーマで、次のようなプログラムだった。

チャイコフスキー「歌劇”エフゲイー・オネーギン”よりポロネーズ」
ラフマニノフ 「ピアノ協奏曲第二番」
チャイコフスキー 「交響曲第四番」

指揮;中田 延亮 演奏;桐朋学園オーケストラ
ピアノ;清水 和音


 
 今日(1月18日)はみぞれ混じりのあいにくの天気。にもかかわらず、ホールは満席だった。わずか1500円で一流の演奏が聴けるのだから、年二度の演奏会を楽しみにしている人が大部分なのだろう。

 チャイコフスキー「歌劇”エフゲニー・オネーギン”よりポロネーズ」は、ぎこちないというか、あまり楽しめない演奏だった。車でよくこの曲をかけるのだが、カーメン・ドラゴン&ハリウッド・ボウル響の演奏は、すこぶる爽快だ。比べてしまうのは、気の毒だとは思うけど。
 ラフマニノフ 「ピアノ協奏曲第二番」は、清水和音のピアノ。その昔、「ラ・カンパネラ」というCDでデビューした清水は、今年還暦を迎える。彼の生演奏を聴くのは初めて。この名曲をどう弾きこなすのか興味深かった。清水は、ラフマニノフを得意としているのだろうか、エネルギッシュかつパワフルなタッチでこの難曲を弾き切った。中高年で満杯の会場からは、ひさびさに「ブラボー」の声が上がった。
 チャイコフスキー「交響曲第四番」は、五番、六番(悲愴)と比べると、ややマイナーな曲。CDで何度か聴いて退屈した記憶がある。私として五番が最も気に入っている。桐朋学園オケの演奏は、特に金管、木管が頑張って、私の先入観を吹き飛ばしてくれた。学生オケの美点は、全力を尽くすこと。桐朋オケは、その上にプロ並みの実力があるのだから、申し分ない。

 次回の定期演奏会は、五輪後の秋になるのだろうか。五輪狂騒曲にはウンザリの私だが、秋の演奏会は楽しみにしている。

 


「スター・ウォーズ9 スカイウォーカーの夜明け」を観る

2019年12月27日 09時06分04秒 | 音楽・映画

 昨日、「スターウォーズ9 スカイウォーカーの夜明け」を見に行く。家人の希望もあって、初めて吹き替え版を選んだ。なので冬休みの劇場は、子供たちでいっぱい!と思ったが、意外にも年齢層はさまざまだった。

 最終作とされる本作は、前作よりは楽しめるとは言うものの、ルーカス&スピルバーグ時代と比べると、潤いに欠けるというのか、何か物足りない感じも否めない。キリスト教文化のもとで育った子供たちは、「スターウォーズ」の中に両親から聞いたお伽噺や聖書の中の物語がちりばめられているのが分かるのだろうが、「極東」に住むオッサンがそれを理解するのはかなり難しい。

 ちょっとだけ出演するハリソン・フォードの老残ぶり、前作では大活躍だったベトナム系女優・ケリー・マリー・トランの肥満体には目を奪われた。主演のデイジー・リドニーは誰かに似ていると訝ったが、元衆議院議員でTVコメンテーターの金子恵美とうり二つ?じゃあないかと気づいた。結局、焦点が定まらないまま、漫然と画面を辿った。
 映画「すばらしき映画音楽たち」を観たばかりだったので、ジョン・ウィリアムスの音作りに耳を傾けたが、音楽もまた潤いに欠ける感じだった。手元の耳栓をして聴いたらちょうどいいほどの大音量が興ざめだった。

 結論的に言うと、前作と比べるとずっと上出来、だが往年のルーカス&スピルバーグ時代とは比べるべくもないというところか。 

 

「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」特報

 


映画『すばらしき映画音楽たち』を観る

2019年12月23日 09時36分00秒 | 音楽・映画

 映画『すばらしき映画音楽たち』(Score:A film music ducumentary  2016年 米国)を観る。アマゾン・プライムビデオで偶然見つけた映画だったが、私の興味、趣味にまさにぴったりだった。近頃、まれに見る傑作!と勝手に決めてしまった。

 映画音楽の歴史をたどるドキュメンタリーだが、オーケストラ(管弦楽)音楽としての映画音楽が特に興味深い。エルマー・バーンスタイン、アルフレッド・ニューマンなどの大巨匠から「スターウォーズ」のジョン・ウィリアムスまで、映像を基に音を付加していく過程が詳しく紹介されている。オーケストラ録音のために召集されたスタジオミュージシャンは、初見の楽譜を難なくこなし、その日のうちに録音を済ませる。このエピソードからは、在りし日のカーメン・ドラゴン指揮ハリウッドボウル交響楽団を思い起こした。ハリウッドボウル交響楽団は、映画音楽の録音を生業とするミュージシャンがクラシック音楽を演奏するために臨時編成されたオケだった。その演奏技術は、世界一流水準で、多くの名盤を残している。

 最近の傾向としては、ロックやビッグバンドを使った音楽が見られるが、やはり主流はオーケストラ。これからも、記憶に残る音楽を提供し続けるのだろう。

 

『すばらしき映画音楽たち』特別映像“作曲家たちの苦悩”


スージー・クアトロのNow & Then

2019年12月23日 00時04分45秒 | 音楽・映画

 YouTubeで音楽を聴いていたら、たまたま1970年代に活躍した英国の女性ロックシンガー、スージー・クアトロのライブ映像を見つけた。1975年の日本ライブという映像もあり、彼女とバンドの面々が浅草寺を散歩する姿を初めて見た。

 私はこのツアーを東京・中野サンプラザホールで聴いたことを思い出した。とにかく大音量で、翌日まで耳が難聴気味になったことだけ覚えている。
 彼女は今年69歳になる。ひょっとして今はヤクか何かで早死にしているか、芸能界から引退しているのかと思っていたら、何と今なお現役で”活躍中”という。

 1975年と2019年、二つのライブ映像は期せずして、時の移ろい、人生の哀歓を物語っているかのようだ。婆さんになってもロックンローラー、その生きざまには確かに凄味がある。  

Suzi Quatro - In Japan 1975.mpg

 

Suzi Quatro - Can The Can (Leeds) April 2019


『アナと雪の女王2』は疑問だらけ

2019年12月02日 01時24分06秒 | 音楽・映画

 先日、柄にもなく「アナと雪の女王2」を見てきた。
 
 コンピューターグラフィックによるものとは知りながら、フィヨルドの周りの山々の美しい紅葉に目が奪われる。おそらく、カナダあたりの実際の紅葉を反映させたものだろう。「日本の紅葉は世界一」だなんて、夜郎自大の戯言のように思える。

 この美しい景色の裏には、恐ろしい物語があった。それは、ルナード国王が隣国ノーサルドラを陰謀で滅ぼしたという話。ちなみに、Wikipediaでが次のような記述がある。

「アレンデール王国のルナード国王(King Runeard of Arendelle)アグナルの父で、エルサとアナの祖父。表向きはノーサルドラとの外交を持ちかけていたが、実はノーサルドラを乗っ取るためにダムを建設した。彼の悪事は息子夫婦と孫娘たちの不幸とすれ違いの原因になった。

 ダム建設を約束に隣国を滅ぼしたという、妙にリアルな感じもするストーリー。何となれば、「一帯一路」構想で関連国を買収、篭絡していく中国の手口を連想してしまうからだ。あるいは、戦前、台湾総督府(八田與一技師の烏山頭ダム(うさんとうダム))や朝鮮総督府(水豊ダム)が行った水利ダム建設を揶揄しているのではと勘違いする向きもあるかもしれない。

 ダム建設が周囲の森に霧をもたらし、人間はそこに入れなくなったという設定も気になる。ダムは自然破壊で悪いことなのだという刷り込みを感じるからだ。

 さらに、北欧の小王国と思われるアレンデール王国だが、その軍隊の将軍は黒人(?)あるいは非白人と思われる人物だ。アレンデール王国のルナード国王が滅ぼしたとノーサルドラ一族は、何故かアメリカ・インディアンを連想させる風貌をしている。北方の物語であるから、あるいは非白人であるエスキモー(イヌイット)か非キリスト教徒であったバイキングを想定しているのかも知れない。
 
 皮肉を込めて言えば、白人でありキリスト教徒である”われわれ”は、過去の歴史も反省すべきは反省できるし、地球環境について深い憂慮を示すことができる、優れた人たちなのだというメッセージをこの映画から読み取ることが可能だ。相も変らぬ、ディズニー史観とも言うべきか。

 こういう映画は、現実世界の葛藤、紛争などは観て見ぬふり、ファンタジー的な地球市民的世界観に観客を誘導する。子供はまだしも、いい大人がこんな映画に騙されてはマズイだろうと、ちょっとだけ思った。 

 

『アナと雪の女王2』- 予告編


映画『イエスタデイ』 を観る

2019年10月25日 11時14分45秒 | 音楽・映画

 映画「イエスタディ」(2018年 英国映画)を見る。週日の午後、映画館は高齢者と中年がパラパラと点在。

 ビートルズが存在しなかったという、異次元のパラレルワールドに迷い込んだ主人公の路上シンガーが、自分だけが知っているビートルズの楽曲を自作として歌い、世界的な成功を収めていくというストーリー。交通事故でパラレルワールドに迷い込んだという設定はいいとしても、ビートルズの楽曲が無条件に人々の心を打つという「所与」条件にまず疑問を持ってしまう。

 いまから50余年前、都下・立川の映画館は「ビートルズがやってくる ヤア!ヤア!ヤア!」を見るために集まった若者で、文字通り立錐の余地もなかった。たかがスタンダードサイズのモノクロ映画に、大英帝国からはるか離れた「極東」の一角でアジア人の若者も熱狂していたのだ。ネット検索であらゆるものが検索可能、可視化されるようになった現代とは異なり、半世紀前の日本は、海外旅行は高根の花、海外の音楽映像を見る手段は映画くらいしかなかった。そのことを体験した世代にとっては、この「イエスタディ」は何とも中途半端でつまらない映画だとしか思えなかった。

 この映画に星をつけるとすれば、私は迷うことなく★ひとつ。そんなことを言ってるのは私だけかと思って、いくつかレビューを参照してみた。その中で、映画評論家・町山智弘が「ビートルズ現象は、単に楽曲がいいとかだけではなく、アイドル性、ファッション、歌唱(コーラス)で卓越していた。この映画は、そういうビートルズの全体像をとらえていない」と評していた。つまり、ビートルズが存在しなかったパラレルワールドで、2010年代になって、ビートルズの楽曲をソロで唄っても、「ビートルズ現象」は起こりえない。そんな自明な疑問をクリアーできていないと思ってしまう映画だった。

 ちなみに、このパラレルワールドには「コカ・コーラ」は存在せず、「ペプシ」しかない。ローリング・ストーンズは存在するが、ビートルズは存在しなかった。こういうのも、なんだかなあとガッカリしてしまう。また、主人公のシンガーがインド系英国人だという設定にも、大英帝国の斜陽と没落を実感してしまう。さらに、ネタバレになってしまうが、主人公がイングランドの海辺の寒村で暮らす78歳のジョン・レノンに会うという設定もいかがなものか。

 敗戦後二十年、極東の島国(ニッポン)に閉じ込められた「団塊」の若者が、ビートルズに託した夢と幻想。あのときは、お金もなく、海外旅行も夢の夢だったが、熱気だけは確かにあった。そんなことを知る世代は、この映画の不甲斐なさには我慢がならないのではないか。

 

映画『イエスタデイ』予告


ジェームス・ラスト 25枚組CDを聴く~James Last The album collection 25 CDs 

2019年08月23日 17時40分54秒 | 音楽・映画

  今年5月、ドイツでリリースされたCDボックス「James Last The album collection 25 CDs」が届いた。発売元は、ポリドール・レコードの原盤を有するユニバーサル・ミュージック。25枚のCDにジェームス・ラストのオリジナル・アルバム(1965年から1991年までのLP)41枚を収録している。アマゾンでは九千円弱だった。


 
 ざっと聴いてみたところでは、最新リマスタリングが素晴らしく、往年の名アルバムを最高の音質で聴けるという感じ。もともと、ジェームス・ラストの編曲は多彩、楽団メンバーの演奏技術も極めて高い。
 特筆すべきは「世界は二人のために」(1968年)が入っていること。タイトル曲を筆頭に、当時の日本のヒット曲である「北国の青い空:「バラ色の雲」「恋のフーガ」全13曲が収められている。「ライブ」(1974年)では、コンサート・ライブにおける実力を見せつけてくれる。

 日本でのジェームス・ラストは、ドイツの楽団としてはアルフレッド・ハウゼ、ウェルナー・ミューラー(リカルド・サントス)の後塵を拝し、フランスのポール・モーリアの人気には遠く及ばなかった。しかし欧米では、ノンストップ・ダンスミュージックなどのビートを強調したイージーリスニング音楽は、マントヴァーニなどの老舗が消えた後、’70~80年代には一世を風靡した。

 

収録されているアルバムのタイトル
 
01. Beat In Sweet
02. Instrumentals Forever / Wenn süß das Mondlicht auf den Hügeln schläft
03. Games That Lovers Play / Sekai Wa Futari No Tameni
04. Ännchen von Tharau bittet zum Tanz & Ännchen von Tharau bittet zum Tanz 2
05. Classics Up To Date / Classics Up To Date 2
06. Rock Around With Me! / Non Stop Evergreens
07. Käpt'n James bittet zum Tanz / Käpt'n James bittet zum Tanz 2
08. Hair / Voodoo-Party
09. With Compliments / Love Must Be The Reason
10. Last Of Old England / James Last In Scandinavia
11. Polka-Party / Polka Party 2
12. Non Stop Dancing 1973 / Non Stop Dancing 1973 2
13. Wenn die Elisabeth... / In Wien beim Wein
14. James Last Live
15. Russland-Erinnerungen
16. Non Stop Dancing 1977 / Non Stop Dancing 1977 2
17. World Hits
18. Copacabana / Caribbean Nights
19. Paintings
20. Seduction
21. Hansimania
22. Biscaya
23. James Last Plays The Beatles
24. James Last In Scotland / James Last In Ireland
25. Pop Symphonies

 

 


桐朋学園オーケストラ定期演奏会 2019.7

2019年07月06日 22時06分44秒 | 音楽・映画

 桐朋学園オーケストラ定期演奏会に行く。

 演奏曲目は、次のとおり。

1 スメタナ『我が祖国』より 第1曲「高い城」 第2曲「モルダウ」

2 ショーソン「詩曲」op.25 ※

3 ベートーヴェン「交響曲第七番」イ長調 op.92

 指揮 中田 延亮 桐朋学園オーケストラ
 ※ ヴァイオリン 吉江 美桜

 定員1300名のホールは、全席千円(指定席)だが八割がた埋まった。一般大学の同好会的なオーケストラとは全く異なる実力を持つだけに、一度聴いたら、リピーターになることは間違いないだろうと思う。

 今回は二階席の奥ということで、オーケストラ全体の響きを聴くことができた。いわゆる、ホール・トーンに包まれた音だ。普通のアマチュア・オケであれば、弦のアンサンブルに厚みが欠け、他の楽器とのバランスがよくないのだが、このオケの場合は全くそんなことはない。分厚く緻密な弦のアンサンブルと、木管、金管のすべてがバランスよく調和している感じ。

 スメタナ「我が祖国」は、以前、都響による全曲演奏を聴いたことがあるが、その時は「モルダウ」以外は退屈な印象だった。テーマとなっているチェコの「自然と歴史」については、ほとんど知らなかったからだ。その後、一度だけ中央ヨーロッパを旅行して、プラハにも立ち寄った。それで、少しはイメージが膨らんだ。桐朋オケはこの曲の持つ土俗的な雰囲気を十分に引き出していた、などと書きたいところだが、音楽評論家の真似事はできない。とにかく、いい演奏だった、と書いておく。

 ショーソン「詩曲」は私の好きな曲。CDは持っていて、何度も聴いているが、生演奏は初めて(だと思う)。ヴァイオリンの吉江美桜は、この曲のイメージにぴったり。

 ベートーヴェンはこのオケの十八番に違いない。ベートーヴェン特有の建築物を構築していくような音作りを見事に再現していた。




 

 


戦前のマントヴァーニ楽団 貴重映像 

2019年06月27日 08時52分53秒 | 音楽・映画

 かつて「ムード音楽」の代名詞であったマントヴァーニの名前を知る人も、年々少なくなっている。

 1958年、ステレオ録音によるLPレコード(30cmレコード)が発売されると、オーディオ・マニアと称される人が激増した。マントヴァーニ楽団(Mantovani and his orchestra)のアルバム(LP)は、トレード・マークである「カスケーディング・ストリングス」と彼が所属するデッカ・レコードの優秀な録音技術と相まって、数々のミリオンセラーを記録した。

 マントヴァーニの音楽暦は、大編成オーケストラを編成する以前の戦前にまで遡ることができる。第二次世界大戦以前の主要マスメディアは、ラジオであったから、マントヴァーニは、ラジオ番組でダンス音楽やタンゴを演奏していた。そのことがわかる貴重な映像がUPされているので、興味のある方は、次の映像を。

 なお、真ん中の映像(1:00前後)には「カスケーディング・ストリングス」の生みの親、ロナルド・ビンジ(Ronald Binge)がアコーディオンを演奏する姿が見られる。これもまた、貴重映像!

Mantovani & His Tipica Orchestra (1934)

Mantovani (1934)

Mantovani (1939)


フェイズ4・ステレオ・スペクタキュラー ~ Nice 'n' Easy

2019年02月16日 18時27分27秒 | 音楽・映画

  1960年代から70年代初め、英デッカ(ロンドン)社の優秀録音として一世を風靡した「フェイズ4録音」のアルバムが、CD40枚(50オリジナル・アルバムを所収)セットでリリースされている。「フェイズ4・ステレオ・スペクタキュラー ~ Nice 'n' Easy [直輸入盤][初回完全限定盤] PHASE 4 STEREO CROSSOV Crossover Collection Box set, CD」がそれ。

 収録内容は次のとおり。

CD 1: MELODY & PERCUSSION FOR TWO PIANOS / Ronnie Aldrich and His Two Pianos
CD 2: THE MAGNIFICENT PIANOS OF RONNIE ALDRICH / Ronnie Aldrich and the Strings of the London Festival Orchestra
CD 3: THE ROMANTIC PIANOS of RONNIE ALDRICH / Ronnie Aldrich and the Strings of the London Festival Orchestra and Chorus
CD 4: THE MAGIC MOOD OF RONNIE ALDRICH / Ronnie Aldrich and His Two Pianos with the London Festival Orchestra
CD 5: THAT ALDRICH FEELING / Ronnie Aldrich and His Two Pianos
CD 6: THIS WAY “IN” / Ronnie Aldrich and His Two Pianos with the London Festival Orchestra
CD 7: THE WAY WE WERE / Ronnie Aldrich and His Two Pianos with the London Festival Orchestra and Chorus
CD 8: TWO PIANOS IN HOLLYWOOD / TWO PIANOS TODAY / Ronnie Aldrich and His Two Pianos with the London Festival Orchestra
CD 9: SOFT AND WICKED / COME TO WHERE THE LOVE IS / Ronnie Aldrich and His Two Pianos with the London Festival Orchestra and Chorus
CD 10: EXOTIC PERCUSSION / Stanley Black and His Orchestra and Chorus
CD 11: MUSIC OF A PEOPLE / Stanley Black and the London Festival Orchestra and Chorus
CD 12: SPIRIT OF A PEOPLE / Stanley Black and the London Festival Orchestra and Chorus
CD 13: BROADWAY SPECTACULAR / FILM SPECTACULAR 2 / Stanley Black and the London Festival Orchestra and Chorus
CD 14: GREAT COUNTRY & WESTERN HITS / Frank Chacksfield and His Orchestra and Chorus
CD 15: ALL TIME TOP TV THEMES / Frank Chacksfield and His Orchestra and Chorus
CD 16: FILM FESTIVAL / Frank Chacksfield and His Orchestra
CD 17: CHACKSFIELD PLAYS THE BEATLES’ SONG BOOK / Frank Chacksfield and His Orchestra
CD 18: CHACKSFIELD PLAYS BACHARACH / Frank Chacksfield and His Orchestra
CD 19: THE INCOMPARABLE JEROME KERN / Frank Chacksfield and His Orchestra and Chorus
CD 20: CHACKSFIELD PLAYS SIMON AND GARFUNKEL AND JIM WEBB / Frank Chacksfield and His Orchestra
CD 21: THE NEW LIMELIGHT & BEYOND THE SEA / Frank Chacksfield and His Orchestra
CD 22: SATIN, SAXES & BOUNCING BRASS / Ted Heath and His Music
CD 23: COAST TO COAST / Ted Heath and His Music
CD 24: THE SOUND OF MUSIC / Ted Heath and His Music
CD 25: TED HEATH SALUTES THE DUKE / Ted Heath and His Orchestra
CD 26: THE TED HEATH BAND SALUTES TOMMY DORSEY / The Ted Heath Band
CD 27: FEVER & POW! / Ted Heath and His Music
CD 28: SWING IS KING VOLUMES 1 & 2 / Ted Heath and His Music
CD 29: HEATH vs. ROS VOLUMES 1 & 2 / Ted Heath and His Music, Edmundo Ros and His Orchestra
Edmundo Ros, vocals
CD 30: KISMET / Mantovani and His Orchestra and others
CD 31: MERMAN SINGS MERMAN + ETHEL’S RIDIN’ HIGH / Stanley Black and the London Festival Orchestra
Ethel Merman, vocals
CD 32: AMERICA SINGS / The Eric Rogers Chorale and Orchestra
CD 33: THE SIZZLING TWENTIES / Eric Rogers and his Orchestra
CD 34: NOTHING BUT ACES / Edmundo Ros, The Edmundo Ros Orchestra
Caterina Valente, vocals
CD 35: NEW RHYTHMS OF THE SOUTH / Edmundo Ros and His Orchestra
CD 36: ARRIBA! / Edmundo Ros and His Orchestra
CD 37: LATIN HITS I MISSED + STRINGS LATINO / Edmundo Ros and His Orchestra
CD 38: HAIR GOES LATIN + CARIBBEAN ROS / Edmundo Ros and His Orchestra
CD 39: THEMES FOR SECRET AGENTS / Roland Shaw and His Orchestra
CD 40: MORE JAMES BOND IN ACTION / Roland Shaw and His Orchestra

 このCD集について、ユニバーサル社のHPでは、次のように紹介されている。

1960年代の懐かしきムード音楽サウンドが蘇る!

「フェイズ4ステレオ」は、1961年にデッカ・アメリカの子会社が開発した20chマルチ録音を4トラックに収録するという、当時としては画期的な録音方式でした。フェイズ4は、暖かく豊かできれいな特有のサウンド、録音されたサウンドの範囲とスペクトルでまたたくまに広まりました。 Deccaの先駆的な20チャンネルのミキシング・デスクを使用して、レーベルは当時の最先端のレコーディングを通して聴衆に聴き手の経験を提供するための即時性を提供することを目指し、前例のない空間的リアリズムと動きをレコードに収録することに成功。その後クラシック音楽でもこの方式を取り入れ、1964年にLPが初発売された後、約200枚のクラシックLPが発売されました。ポピュラー系録音はこのときすでに1961年後半から録音が始まっており、ロニー・オルドリッチ、スタンリー・ブラック、フランク・チャックスフィールド、テッド・ヒース、エドムンド・ロス、ローランド・ショウらによる立体的なサウンドは絶賛を浴び、現在においてもオーディオファイルとして高い評価を得ています。これらに加え、ラテン音楽のエキゾチックなパーカッションからテレビ・テーマ、ムード音楽、壮観な映画のスコアなどの演奏もベストセラーとなったものばかり。当セットは、厳選された名盤50枚分のLPをCD40枚に収めています。各ディスクは、オリジナル・ジャケット・デザインを使用。128ページのフルカラー・ブックレットには、1972-1978年にPhase 4のプロデューサーを務めたティム・マクドナルド氏のストーリーが書かれています(英語のみ)。初回のみの完全限定盤です。

 実のところ私は、この50アルバム(CD40枚)のうち、半分以上を持っているが、このCD集は9千円弱、アルバム(当時のLP)一枚あたりのコストが200円にも満たないから、迷うことなく購入した。
 
 CD1~9は、ロニー・アルドリッチの演奏。この人のアルバム(LP)は、二台のピアノを多重録音で左右にちりばめ、後方からは大編成オケがアシストするという、豪華絢爛たる音に特徴があった。ピアノの高音部から低音部まで全域を使っているので、当時のカートリッジ(レコードプレーヤの針の部分。)がどこまでその音を再生できるかが、オーディオ・マニアのそれこそマニアックな関心だった。
 例えば、ビクター・ヤング作曲の「ラブレター」(Loveletters)では、中間部に高音から低音部まで鍵盤を手でスライドさせるところがあるが、レコードでは必ず音割れしてしまった。20年ほど前に日本でリリースされたCDでさえも、この部分が歪んだ音になっていた。ところが、このCD集では、そうした難点をクリアーしていて、「本当はこんなにいい音だったんだ」と思わせてくれる。


Love Letters

 往年のオーディオ・マニアで今なお、少しでも興味が残っている方には、ぜひ聴いていただきたい逸品。 

 
 


ダウンロード音源はCDよりいい音か?

2019年02月13日 20時43分40秒 | 音楽・映画

 きょう、初めてamazonで音楽をダウンロードしてみた。一枚は、1960年代にヒットした「Melody and Percussion for two pianos」(ロニー・アルドリッチのピアノ)というアルバム(LP)。私は、LP、CDでも同じ音源を持っているので、ダウンロードした音源と比較試聴をしてみた。

 このアルバムは、1960~70年代にかけて、オーディオ・マニアの垂涎の的だったDECCA(London)のフェイズ4(Phase4)録音。当時のオーディオ・マニアは、自分のカートリッジがどれだけ忠実にレコードをトレースし再生できるかをチェックするため、このロニー・アルドリッチのレコードを愛用した。左右に二台のピアノが振り分けられ、背後にストリングスという、BGM的な音楽。今となっては、古臭いと思われるだろうが、当時は最先端の音だった。


Ronnie Aldrich Melody and Percussion For Two Pianos (1962) GMB

 ①ダウンロード音源、②CD、③レコード、この三つの比較は、次のような結論だった。
1 音質は、③、②、①の順。ただし、③は極上のカートリッジを使用した場合。

2 ①と②は同じではないかと考えてたが、実は全然違った。②については、複数の会社からリリースされているが、やはり日本盤の高音質CDがいい音。①は低音域に締まりがなく、高音域はもこもこした感じ。

3 これからはダウンロードの時代、CDは時代遅れになると言われるが、こと既存音源に限れば、CDの方がずっといい音だと思う。


 


映画『メリー・ポピンズ・リターンズ』を見る

2019年02月08日 20時28分22秒 | 音楽・映画

 「メリー・ポピンズ・リターンズ」を見に行く。金曜日の昼下がり、隣県のシネコンはガラガラ。もしかして、新しい「メリー・ポピンズ」は不人気なのかも、と思った。

 オリジナルの「メリー・ポピンズ」(Mary Poppins  1964年 ディズニー映画) は、ジュリー・アンドリュース主演で大ヒット。アカデミー賞の13部門にノミネートされ5部門を受賞した。「チム・チム・チェリーChim Chim Cher-ee)」「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」「2ペンスを鳩に(Feed the Birds (Tuppence a Bag))」などの収録曲は広く知られている。それにしても、もう54年も前の映画だとは…。

 新しい「メリー・ポピンズ・リターンズ」は、オリジナルの20年後である大恐慌時代のロンドン、不況下で自宅を抵当に取られそうになるバンクス家に再びメリー・ポピンズが現れるという設定。
 抜け目のない金融資本家、没落する上流家庭、その日暮らしの労働者階級、時代錯誤の退役軍人等々の人物像を対比的によく描き出している。「魔法」で万事が解決というような安易な筋書きではないので、夢を失ったオッサンの私でも、共感できる部分が多々ある。
 映像、音楽、特撮、アニメ等々、さすがディズニーだ。主演のエミリー・ブラントは、ジュリー・アンドリュースを彷彿とさせる。両者に共通するのは、美人ではなく、女性の色気を感じさせないところ。それがメリー・ポピンズのイメージなのだろうか。確かに、彼女が超美人だったら、ストーリーはあらぬ方向に行きかねないから…。
 
 誰にでも楽しめる映画。リメイクだからオリジナルには敵わないとはよく言われるが、私はまだそのオリジナルを見ていない。これから、amazonプライムで確かめてみようと思う。

メリー・ポピンズが帰ってきた!映画『メリー・ポピンズ リターンズ』予告編


2019 ハリウッド・フェスティバル・オーケストラ演奏会

2019年01月18日 13時13分33秒 | 音楽・映画

 ハリウッド・フェスティバル・オーケストラ演奏会に行って来た。私は、四年前にもこの楽団を聴き、このブログに感想を記した。

 

 オーケストラは前回と同じで、37名編成。指揮は、ロイド・バトラー。
 プログラムは次のとおりだった。

《第一部》
1 ザッツ・エンターテイメント~ハリウッド序曲メドレー 
2 スティング 3 ひまわり 4 サウンド・オブ・ミュージック
5 愛と青春の旅立ち 6 ある日どこかで 7 ニュー・シネマ・パラダイス
8 ミッション・インポッシブル(スパ大作戦) 9 ジェームス・ボンド・メドレー
10 レイダース~失われたアーク 11 タイタニック 12  ローマの休日~マイ・フェア・レディ7~ティファニーで朝食を~シャレード

《第二部
1 アンチェインド・メロディ~ゴースト・ニューヨークの幻 2 スター誕生 3 スタンド・バイ・ミー
4 慕情(1~4 vocal ビリー・キング)
5 オペラ座の怪人 ウェスト・サイド物語 7 雨に唄えば 8 グレン・ミラー物語=イン・ザ・ムード 9 駅馬車 10 風と共に去りぬ

《アンコール》
1 ロッキー 2 見果てぬ夢※ 3 星に願いを※  ※ビリー・キング

 若い楽団メンバーが真摯に演奏に取り組んでいる姿には好感が持てた。フェスティバル・オーケストラの名のとおり、この楽団はコンサート用の臨時編成なのだから、メンバーの熱意とギャラ次第で、紡ぎ出す音に大きな差が出てしまう。指揮者ロイド・バトラーは、前回の指揮者と比べると、若々しく、同時にドライな感じな音を要求していたように思われた。言い換えれば、ダイナミックなのだが、繊細さにはちょっと欠けると言うような…。

 週日の午後に開かれたこのコンサート、聴衆のほとんどは高齢者だった。それは当然なのだが、この種の演奏会がいつまで続けられるのだろうか、と心配になる。言うまでもなく、イージーリスニングあるいは「ムード音楽」の行く末のことだ。

 4年前と同じ会場で聴いたのだが、ホールが大改修されていて、新しいPA装置が設置されていた。前回はストリングスや木管楽器の繊細な生の音が聴けたのに、今回はPA(Public Address)を通して聴かねばならなかった。この楽団の楽器編成は、クラシックの小編成オケ(室内管弦楽団)と同等なのだから、電気的な音の増幅(PA)など必要はなかったはずだ。その点が大いに残念だった。
  

 

 

 


台湾映画「百年恋歌」(最好的時光)をYouTubeで見る

2018年10月28日 23時37分45秒 | 音楽・映画

 このところ、PC、スマホで台湾映画、香港映画を検索し始めたら、YouTubeで意外な名画も見られることが分かった。

 それは「最好的時光」(邦題「百年恋歌」)。「悲情城市」(A city of saddness  悲しみの街 1989年)の侯孝賢監督が、2005年に発表した名作。台湾を代表する名女優・舒淇(スー チー)が三つの時代の台湾女性を演じ分けている。

 以前、私はTVでこの映画を見たのだが、改めて大陸の簡体字字幕付きで見るとは思わなかった。もともと台湾語で作られている映画なので、台湾以外の華人は聴きとり不能、したがって漢字字幕が付く次第。

 言葉のディテールは追えなくても、美しい映像が何かを伝えてくれる。

張震 舒淇 主演 最好的時光 2005 高畫質 480P