澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

『アナと雪の女王2』は疑問だらけ

2019年12月02日 01時24分06秒 | 音楽・映画

 先日、柄にもなく「アナと雪の女王2」を見てきた。
 
 コンピューターグラフィックによるものとは知りながら、フィヨルドの周りの山々の美しい紅葉に目が奪われる。おそらく、カナダあたりの実際の紅葉を反映させたものだろう。「日本の紅葉は世界一」だなんて、夜郎自大の戯言のように思える。

 この美しい景色の裏には、恐ろしい物語があった。それは、ルナード国王が隣国ノーサルドラを陰謀で滅ぼしたという話。ちなみに、Wikipediaでが次のような記述がある。

「アレンデール王国のルナード国王(King Runeard of Arendelle)アグナルの父で、エルサとアナの祖父。表向きはノーサルドラとの外交を持ちかけていたが、実はノーサルドラを乗っ取るためにダムを建設した。彼の悪事は息子夫婦と孫娘たちの不幸とすれ違いの原因になった。

 ダム建設を約束に隣国を滅ぼしたという、妙にリアルな感じもするストーリー。何となれば、「一帯一路」構想で関連国を買収、篭絡していく中国の手口を連想してしまうからだ。あるいは、戦前、台湾総督府(八田與一技師の烏山頭ダム(うさんとうダム))や朝鮮総督府(水豊ダム)が行った水利ダム建設を揶揄しているのではと勘違いする向きもあるかもしれない。

 ダム建設が周囲の森に霧をもたらし、人間はそこに入れなくなったという設定も気になる。ダムは自然破壊で悪いことなのだという刷り込みを感じるからだ。

 さらに、北欧の小王国と思われるアレンデール王国だが、その軍隊の将軍は黒人(?)あるいは非白人と思われる人物だ。アレンデール王国のルナード国王が滅ぼしたとノーサルドラ一族は、何故かアメリカ・インディアンを連想させる風貌をしている。北方の物語であるから、あるいは非白人であるエスキモー(イヌイット)か非キリスト教徒であったバイキングを想定しているのかも知れない。
 
 皮肉を込めて言えば、白人でありキリスト教徒である”われわれ”は、過去の歴史も反省すべきは反省できるし、地球環境について深い憂慮を示すことができる、優れた人たちなのだというメッセージをこの映画から読み取ることが可能だ。相も変らぬ、ディズニー史観とも言うべきか。

 こういう映画は、現実世界の葛藤、紛争などは観て見ぬふり、ファンタジー的な地球市民的世界観に観客を誘導する。子供はまだしも、いい大人がこんな映画に騙されてはマズイだろうと、ちょっとだけ思った。 

 

『アナと雪の女王2』- 予告編



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