父親が遺したモチノキ

2024年04月10日 23時00分48秒 | 創作欄

競輪でサラ金の500万円の借金を残した木島徹の父親は、最後に自宅に火を着けて焼け死にした。

実に愚かな死にざまであった。

自宅ばかりではなく、春の強風に乗って火災は、近隣の7棟の類焼に及んだ。

そして、死者は父親を含め3名にも及んだのである。

徹は、南風でモチノキの葉が近隣の3棟の駐車場に葉が散乱するのを雨に濡れてながら掃除をする。

父親が遺したモチノキである。

実に忌々しいモチノキのであるが、根本から切断するには忍びない。

なぜ故か?

徹の拘りは、家族も誰もが理解に及ばないのである。

 

 

 

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