「半割れ」南海トラフ巨大地震 もう1つの最悪想定

2024年04月01日 23時20分22秒 | 社会・文化・政治・経済

「半割れ」南海トラフ巨大地震 もう1つの最悪想定

 「最悪のシナリオは『半割れ(はんわれ)』かもしれない」

地震の専門家たちは取材に対して、口々にこう答えました。近い将来、必ず起きるとも言われる南海トラフ巨大地震の「最悪のシナリオ」とは?

今回、「地震の揺れ」と「災害救助」、そして「経済」の3つの面から検証してみると、日本に住む私たちのほとんどが無関係でいられない事態が迫っていることがわかりました。
(NHKスペシャル「南海トラフ巨大地震」取材班)

南海トラフ「震度7」が連発も

この地図は、3月4日放送のNHKスペシャルのドラマ「南海トラフ巨大地震」の想定の震度分布図です。
四国や近畿、それに九州の各地で震度7。一方、関東や静岡では震度3や4となっています。実は南海トラフ地震のうち、国による西の「半割れ」の想定イメージを示したもの。マグニチュードは8.9です。

しかし、この地震で終わりではありません。南海トラフでは、西の領域だけで巨大地震が起きると、東の領域でも巨大地震のおそれが高まります。

東の「半割れ」の想定イメージの震度分布図が、以下です。
愛知や静岡、三重で震度7。関東甲信や近畿も、震度6強や6弱の揺れが襲います。太平洋側の人口密集地帯を襲う巨大地震が、「連発」するのです。

防災の権威「日本の衰退に」

現代の日本が経験したことがない2回の巨大地震。

日本の防災を長年リードしてきた京都大学の河田惠昭名誉教授は、日本の国力に影響を与える「国難」級の災害になるおそれがあると指摘します。
京都大学 河田惠昭名誉教授
「あまりにも被害が大きく、どこから手をつけていいか分からないような巨大災害です。今の時代はあらゆることがネットワークでつながっているため、一部でも大きく被害を受けると全体に響いてしまいます。例えば、巨大地震で大阪や名古屋を中心に大きな被害が出て、札幌や福岡は大丈夫かと言ったら、そこにもとんでもない被害が及んでしまうのです。この災害をきっかけに、日本の衰退が始まることも考えられます」

南海トラフ「半割れ」とは?

それでは、この聞き慣れない「半割れ」とは、どういうものなのでしょうか。多くの人は、南海トラフ地震と聞いて、太平洋側が一気に襲われる巨大地震をイメージすると思います。このとき、国は最悪の場合の死者を32万3000人と想定しています。
この被害想定は、南海トラフの想定震源域が一気にずれ動いた場合を前提としています。このケースは「全割れ」とも呼ばれています(※地震学の関係者の間では地震が起きることを「割れる」と表現することがあります)。一方で、国や専門家が強い警戒を呼びかけるもう1つのケースが「半割れ」です。
上の図で示したように、例えば「赤色」で示した東側の震源域と、「黄色」で示した西側の震源域がそれぞれ別々に、しかも時間を空けてずれ動くケースです。

この「半割れ」は、歴史的にも繰り返し起きています。江戸時代の1854年には、「安政東海地震」と「安政南海地震」が32時間差で、そして昭和の前半には1944年の「昭和東南海地震」と1946年の「昭和南海地震」が2年の時間差で発生しているのです。
それでは2回の巨大地震で、何が起きるのでしょうか。

(1)「2度の揺れ」、(2)「災害救助」、そして(3)「日本経済」の影響を見ていきます。

影響(1) 2回の激震で建物は?

1つめの影響が、「2度の揺れ」です。

2016年の熊本地震では、2度の震度7に見舞われた地域で、建物の倒壊が相次ぎました。こうした被害が広域に及ぶおそれがあるのです。
 
さらに専門家への取材を進めると、オフィスビルやタワーマンションといった超高層ビルに、これまでにはなかった被害が及ぶ可能性があることがわかりました。中でも被害が深刻だと想定されるのが、大阪や名古屋、それに東京といった大都市です。
今回、建築物の構造設計に詳しい摂南大学の西村勝尚特任教授らの協力を得て、超高層ビルが「半割れ」の2度の揺れに襲われたケースをシミュレーションしました。

大阪にある25階建て、高さ約100メートルの鉄骨造、制震装置のあるオフィスビルの構造を、コンピューター上で再現。大阪・此花区の地盤で想定される揺れを2回、入力しました。
その結果、1回目の揺れではビルの鉄骨の一部が赤色に。変形したことを示します。この鉄骨を修復できないまま2回目の揺れに襲われた場合、下の階を中心に青色に変わった部分がありました。

これは変形した鉄骨が、揺れに耐えられずに破断したことを意味しています。

超高層ビルが、継続して使用できないダメージを受けてしまう可能性があるという結果となりました。分析を行った西村特任教授は、超高層ビルの倒壊の可能性は低いとした上で、南海トラフ地震で大阪を襲うような2度の大きな揺れは、今のビルの設計の基準では想定されていないものだと指摘します。
摂南大学 西村勝尚特任教授
「たとえば針金をクネクネと曲げても、1回や2回曲げたくらいでは変形するだけで折れることはありません。しかし10回くらい継続して曲げているとポキッと折れてしまう。それと同じことが起きるのです。今の建物の設計基準では継続時間の長い2回の揺れに襲われることが想定されていないため、南海トラフ地震が起きた場合にこういうリスクがあるということを構造設計者や建築主、そして建物を利用する私たちも理解しておくことが必要です」

影響(2) 被災地に救助が来ない?

「半割れ」の2つめの影響が、「被災地への救助の遅れ」です。

1度巨大地震が起きたとき、次の巨大地震の可能性が高まるため、救助が大きく遅れるおそれがあるというのです。
その影響を受けることがわかったのが、「緊急消防援助隊」。1995年の阪神・淡路大震災を教訓に作られた、大規模な災害の際に全国から被災地に駆けつける部隊です。

しかし、このうちある地域の陸上の部隊は、南海トラフで「半割れ」が起きると被災地に出動できないことが、事前の計画で決まっているというのです。

どういうことなのでしょうか?

地元の活動を優先することに

他県の被災地に向かわない計画になっているのは、太平洋沿岸の10県(静岡・愛知・三重・和歌山・徳島・香川・愛媛・高知・大分・宮崎)の部隊です。その理由は、2回目の「半割れ」に備えること。

1回目の巨大地震で被害が少なかったとしても、被災地の応援に行っている間に、もう1回巨大地震が起きるおそれがあるためです。
「半割れ」が発生した場合の出動対応イメージ
つまり、2度目の巨大地震に備えて、地元にとどまるというのです。計画を詳しく見ると、地震発生から1週間以内は応援に出ず、自分の県での活動にあたることが定められています(※航空小隊は除く)。

消防行政に詳しい関西大学の永田尚三教授は、「半割れ」のリスクを考えるとやむをえないとしたうえで、被災地では救助が来ないまま「孤立」する地域が出るおそれがあると指摘します。
関西大学 永田尚三教授
「部隊が駆けつけられない影響は人員だけでなく、津波災害に備えた水陸両用車などの特殊車両も利用できない可能性があります。被災地は孤立化し、訓練を重ねてきたような救助活動が展開できないおそれもあるのです。沿岸の自治体を中心に住民にはあらためてハザードマップや避難経路を確認し『救助が来ない可能性』も考慮して備えてほしいです」

影響(3) 日本経済のダメージは…

「半割れ」の影響の3つめが、日本経済への深刻なダメージです。今回、専門家が初めて、2度の巨大地震が起きたときの経済影響のシミュレーションを行いました。行ったのは、兵庫県立大学の井上寛康教授の研究グループです。
想定したのは、南海トラフ巨大地震の2度の発生。西の「半割れ」が起き、その半年後に東の「半割れ」が発生するというものです。

500万を超える全国の企業の取引データや国の被害想定を使って、スーパーコンピューター「富岳」で、国内企業の生産額がどの程度落ち込むのか、シミュレーションしました。

東日本大震災の10倍の被害に

そのシミュレーションの結果です。
青で示したのが、西の「半割れ」が一度だけ起きたケース。これに対し、オレンジで示したのが、東の「半割れ」も起きたケースです。

西の「半割れ」で、回復しつつあった企業の生産額が、一気に落ち込み、元の水準に戻らなくなることがわかります。井上教授は、企業の「サプライチェーン」=「製品の供給網」が断たれるため、深刻な影響が出ると分析しています。

シミュレーションでは、最初の地震の発生から1年間で失われる企業の生産額の総額は134兆円にのぼりました。東日本大震災の10倍、日本の国家予算に匹敵します。
兵庫県立大学 井上寛康教授
「あらゆる企業が無数のサプライチェーンでつながっているため、一度大きなショックが起きるとドミノ倒しのように連鎖的な破綻が起きてしまいます。そこから完全に回復しきっていないところで2回目の巨大地震が起きるとダメージは非常に大きく、日本経済がもしかしたら回復しきらないかもしれません」

「先人は乗り越えてきた」

今回の取材で明らかになった、2回の巨大地震が日本を襲う「半割れ」ならではのリスク。目を背けたくなるような事態だと思います。一方で、多くの専門家は、「対策をすれば被害を減らすことはできる」と言います。

このうち、長年南海トラフ巨大地震の研究をしてきた名古屋大学の福和伸夫名誉教授のことばを紹介したいと思います。
「先人は乗り越えてきた」
名古屋大学 福和伸夫名誉教授
「日本は歴史上、把握できているだけでも9回の南海トラフ地震を経験していますが、先人たちは毎回、それを乗り越えてきました。つまり、南海トラフ巨大地震としっかりと向き合えば、私たちは次の災害も乗り越え、よりよい時代を作ることができるということです。来ることが分かっている地震なので、恐れおののくだけでなく、前向きに乗り越えていけるような形に社会が変わっていく必要があります。私たちひとりひとりが地震に対してしっかり備え、被害を減らしていくという気持ちを持ち続けたいと思います」
※この記事で紹介した想定や対策の詳細を、テーマごとに特設ページにまとめています。
3月4日と5日放送予定のNHKスペシャル「南海トラフ巨大地震」でも取り上げます。
社会部記者
宮原豪一
2008年入局

東日本大震災事務局、徳島放送局などを経て現所属
南海トラフ地震などの防災取材を担当 防災士
社会部記者
若林勇希
2012年入局
初任地は鹿児島局
警視庁担当を経て2020年から災害担当
社会番組部ディレクター
金森誠
2006年入局
鳥取放送局、盛岡放送局などを経て現所属
NHKスペシャルやクローズアップ現代などの報道番組を担当
プロジェクトセンターディレクター
三木健太郎
2010年入局

大阪局、科学環境番組部を経て現所属
新型コロナや地球温暖化などのNHKスペシャルを担当
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東洋の智慧を語る

2024年04月01日 23時01分27秒 | 社会・文化・政治・経済
『東洋の智慧を語る』

池田大作 季羨林 蒋忠新

2002年10月 東洋哲学研究所刊

中国文明の「天人合一」、法華経の「統合的精神」――これらは現代にどんな価値を発揮できるのか? 

現代中国を代表する知性であり、「国学大師」と尊敬される季羨林氏(北京大学終身教授)、「法華経」写本研究の第一人者・蒋忠新氏(中国社会科学院教授)との「文明てい談」。日中国交正常化30周年記念出版である

「戦争と暴力の世紀」から「平和と共生の世紀」へと変革しゆくために、「東洋の智慧」はいかなる使命を担うことができるのか――この人類史的課題をめぐって、現代中国を代表する二人の知性と、7年有余にわたり語り合いました。その時期は、ちょうど、「激動の20世紀」をこえて、新たなる「ミレニアム」の開幕と重なっておりました。

西洋近代に発する科学技術を駆動力とする現代文明は、人類に物質的豊かさ、利便さをもたらし、通信、情報、交通機関の発達とともに、地球を一体化しつつあります。それとともに、市場経済化の波が世界的な広がりをみせております。

しかし、現在、進行しつつあるグローバリゼーションのプラスの側面の裏には、深い「闇」がひそんでいます。

地球環境問題、核拡散、貧富の差の拡大、難民の急増、民族・宗教・文化のかかわる紛争等、人類の「闇」はますます深まっていく感を禁じえません。21世紀第1年の秋の「9・11」のテロは、その象徴と言ってよいでありましょう。

人類史の「闇」には、憎しみが憎しみを生み、報復が新たな報復を招く「憎悪」の連鎖が、幾重にもつらなっております。「憎悪」や「破壊」は、「分断」のエネルギーであります。それは、人と人の心を裂き、民族と民族を引き離し、宗教と宗教を対立させ、人間と自然を分断しております。

人類の絶滅さえも引きおこしかねない現代文明の危機の最大の元凶は、人間の心に巣くう「分断」のエネルギーであると言っても、けっして過言ではありません。


これに対し、「慈悲」や「創造」の心は「結合」のエネルギーであります。それは、人と人、民族と民族をつなぎ、人間と自然を融合し、共生へと導いていきます。人間生命に内在する「結合」のエネルギーの連帯をもって、「分断」のエネルギーをコントロールしゆくことこそ、「戦争」から「平和」への「基本軸」でありましょう。

東洋文明の悠久の歴史には、人間生命に内在する「善性――結合のエネルギー」の洞察と開発の「叡智」が、ダイヤモンドのごとくきらめいております。この生命の「宝」をともに開発し、現代の知性で磨きゆく碩学として、私は、季羨林先生、蒋忠新先生のお二人と出会うことができました。


思えば、現代文明の行き詰まりを鋭敏に察知し、「西欧中心史観」に異議申し立てをしたのは、20世紀を代表するイギリスの歴史家トインビー博士でありました。西洋文明一元論に対抗し、インド文明、中国文明をも包括する人類史的視野に立って、幾多の文明の誕生、発展、衰亡をダイナミックに描き出したのであります。

私は、東洋文明、とりわけ大乗仏教の実践者として、30年前、トインビー博士との対談に取り組みました。東洋の叡智に深いまなざしを向けられていた博士が、「未来の世界統合の機軸」として注目していたのが、中国でありました。

現代中国を代表する世界的知性の季羨林先生は、「生涯現役」で、56年の長きにわたって、北京大学教授を続けられ、副学長も歴任されております。

季先生は、20世紀のインド学・仏教学の最高峰の、国際的に著名な学者であられます。東方学の開拓者であり、まさしく東洋の智慧を体現してこられました。中国学術界のリーダー的存在であり、中国敦煌トルファン学会会長等の多くの学術分野の指導的な重責をになわれております。

また、大変に格調の高い流麗な文体で、膨大な散文を書いておられる中国当代一流の文筆家でもあり、「国学大師」としても広く深く尊敬を受けております。

さらに、さまざまな国家の要職を歴任され、国家人民と人類のために大きな貢献をなされてきました。

季羨林先生と私との最初の出会いは、1978年9月の第4次訪中のおり、北京大学を訪問し、2回目の図書贈呈をさせていただいた時でした。その時、受け入れてくださった大学側の中心者が、当時、副学長の季羨林先生でした。10年におよぶ文化大革命の苦難を乗りこえられた先生の尊容は、北京秋天のごとく晴れやかでした。

そして、もうお一方のてい談者である蒋忠新先生は、中国社会科学院アジア太平洋研究所の研究員(教授)であり、法華経写本研究の世界的な第一人者であられます。


この「てい談」の直接のきっかけをつくってくださったのは、卞立強先生(創価大学客員教授)でした。当時、北京大学東方語言文学学部日本学科の教授であった卞先生は、季羨林先生の教え子であり、私の著書を中国語に多数翻訳され、季先生に紹介してくださっておりました。季先生と卞先生の語らいのなかで、私との対談のアイディアが生まれたとうかがっております。

仲介の労をとってくださった卞先生に、厚く御礼申しあげます。

当初は、季羨林先生との対談形式で準備が進んでおりましたが、「東洋の智慧」としての仏教、なかんずく『法華経』に言及するとなれば、季先生の教え子であり、とくに『法華経』研究において格別に深い学識をもたれている蒋忠新先生にも加わっていただきたいと考え、三者による「てい談」を提案いたしました。私の考えに、季先生も全面的に賛同してくださいました。


私たち三人は、東洋思想の悠久の歴史のなかに、人間、民族、宗教、文化を結びゆく「統合」「共存」の智慧を求めて、対話を重ねてまいりました。

三者による往復書簡をとおし、探究し合った成果は、東洋哲学研究所発行の学術誌「東洋学術研究」に4回(通巻第145~148号〔2000年11月~2002年6月〕)にわたり掲載されました。このたび、単行本として上梓するにあたり、「序章」を加え、加筆を施しました。

本書は、まず、90歳をこえられた季羨林先生の波瀾の人生、ならびに師弟の道を貫かれる蒋忠新先生の生き方を主軸に始まっております(序章)。

そして、季羨林先生の仏教学、言語学における世界的な業績をとおして、「釈尊の使った言葉」や、仏教の「平等の精神」を解明していきました(第1章)。

次に、大乗仏教の編纂の時代から続く「大乗非仏説」論への批判をとおして、「『法華経』の起源」(第2章)に焦点を当てております。また、『法華経』がインド・中国・日本へと流布してきた足跡をたどって、日蓮大聖人の仏法に及びました(第3章)。そして、今日、創価学会の歴史のなかに「法華思想」の現代的な展開がなされていることを語っております(第4章)。

ここで、人間の善性の開発のために、中国哲学史に視野を転じ、「性善説」「性悪説」を取りあげて、「人間の本性」について考察しました(第5章)。

さらに、東洋と西洋の文化の特質を比較し(第6章)、東洋文化の精髄をなす「天人合一思想」や「依正不二」論について論究し合いました(第7章)。

最後に、21世紀の人類の未来をひらくにあたっての、中国の果たす役割や、「東洋の智慧」の貢献について、具体的に意見を出し合っております(第8章)。


このような語らいをとおして、東洋思想に内包されていた「結合のエネルギー」を開発する叡智が次々と洞察され、そこに現代的な知性の光が当てられていったのであります。

『法華経』の統合的精神である「一念三千」論、中国思想の精髄としての「天人合一」の思想、インド哲学の究極である「梵我一如」の思想――これらは、まさに、分断と分裂を重ねる現代文明の「闇」を照らしゆく、珠玉のごとき「東洋の智慧」の結晶であります。

私は、てい談者の一人として、東洋の叡智が、万物の共生、共存を志向する「平和と希望の世紀」に、その雄姿を見せゆくであろう「人類文明」の導きの〝光〟となることを希求しております。

季先生も言及されているように、人類が待望する未来は、仏教で「仏国土」と表現し、また、儒教では「大同の世界」として描いてきた世界であります。


本年は、日中国交正常化30周年の佳節にあたります。周恩来総理は、誰よりも深く、強く、日中の友好を願っておられました。私は、日中の学術・文化交流の一つの成果として、本書がこの記念すべき時に出版されることを、周総理も喜んでくださっているに違いないと、確信しております。

両先生が、人類の平和と繁栄、そして日中友好の増進のため、さらにご健勝で活躍されますことを、お祈り申しあげます。


2002年8月24日


序  季羨林

池田大作先生は、国際的に著名な日本の社会活動家、宗教活動家、国際活動家であります。氏はこれまで国際的に名だたる学者や政治家、たとえばイギリスの歴史学者A・トインビー、アメリカのH・A・キッシンジャー等と対談を繰り広げてこられた。対談の内容は、中国語、日本語、英語などで出版され、国際的に好ましい影響を及ぼしてきました。これらの対談集は、人民と人民との間の理解と友情をうながし、当今の国際的な基調をなす平和と発展に大きく貢献してきました。

池田大作先生は、中国とは格別の関係があると言えます。氏は10回にわたって訪中し、中国の学者や宗教界の人々と広く交流をもってこられた。氏は北京大学の名誉教授であり、また、他の大学でも名誉教授の称号を授与されています。また、氏の尽力により、中国の大学へ図書や機器が寄贈されました。氏は中国人民大衆に喜んで迎え入れられている人物であります。

このたび、池田大作先生は、中国の学者と「てい談」するはこびとなりました。私も「ならび大名」に甘んじ、末座に陪席させていただく栄誉に浴しました。氏と蒋忠新氏との対話は、主に『法華経』に関する内容でありました。蒋氏は、数十年にわたって『妙法蓮華経』のオリジナル梵文の研究を積み重ねてこられましたが、なかでも、中国旅順博物館所蔵の新疆の『法華経』梵文オリジナル断簡の研究については、とくに力を入れ、数多くの新しい発見をみています。

『法華経』は、創価学会にとって根本とすべき中心経典であります。池田大作先生もこの経典に関してはたいへん造詣が深い。ゆえに、両専門家の『法華経』をめぐる対話は、縦横無尽で、ひときわ精彩なものとなりました。とぎすまされ、含蓄に富む言葉がまるで万斛の泉源のようにとめどなく、いたるところにわき出し、人々の視界を広げ、人々の悟性を啓発してくれます。このような対話にふれることは、まさに最高の享受でありましょう。


私自身と池田大作先生との対話は、東洋文化と西洋文化との同一性と差異性にその重点が置かれました。私は哲学者でもなく、ましてや思想家ではありません。私は哲学的な分析は不得意であるし、哲学的分析というのもあまり好きではありません。西洋の一部哲学者のあの微に入り細をうがつような分析は、敬服をこえて、驚異を感じるほどです。それは、私には理解しがたく、どこまで行ってとどまるのかわからないようにも感じられます。私は、素朴で飾り気のない人間であり、手ごたえのある具体的なものを好み、漠然とした、摩詞不思議なものには興味がありません。

しかし、私にも少しばかり長所があります。それは、頭を休ませないということです。私は禅学については少しかじっただけですが、私の思考方式は禅宗にやや近いようです。私は、最大限のマクロ的観察のもとで、子細に東西文化の発展や変遷の軌跡を思索していましたが、ほとんど瞬時のひらめきのようにして、東洋文化の復興を悟りました。すでに十数年前から、私は、東西文化には根本的な相違、すなわち、東洋は総合、西洋は分析という相違があり、「天人合一」の思想は東洋文化の特徴であることを提起してきました。

そして、「天人合一」という中国哲学史上有名な命題に新たな解釈を与えました。それはすなわち、「天人合一」とは、大自然と人間との「合一」を指すというものでした。さらに、東西文化は、歴史上相互に交替しながら盛衰していくという見解をも提起しました。私は中国でよく使われる「三十年河西、三十年河東」という言葉を用いて、この見解を表現しました。


私がこの見解を提起した時、読者の間では賛成派と反対派の二派に分かれました。これはきわめて正常な現象であります。古今東西、賛成者しかいないという考え方は皆無であります。賛成者について、私は当然のことながらうれしいが、反対者についても、不機嫌になるということはないのです。私は論争しないし、反論もしません。私は「真理は議論を重ねるほど明らかになる」ということは信じていないのです。中国の春秋戦国時代、百家が争鳴し、議論は熾烈をきわめました。しかし、どの思想家も論争に敗れたことによって自分の主張を放棄することはなかったのです。

私は、皆で一緒に『三岔口(さんちゃこう)』(訳者注――京劇の演目。相手を殺そうと思って格闘する二人が実は不正を憎む同志であったことが最後にわかり、誤解がとける物語)を演じることを主張するものです。あなたは、あなたの主張をし、私は、私の主張をする。最終的には観衆自身に是非を判断してもらえばよいのです。

最近、私は『文明と経済の衝突』(第二海援隊、中国語訳書題『東西文明沈思録』)という書物を読みました。原作者は日本の有名な学者である歴史家の村山節氏と日本の経済評論家で作家の浅井隆氏です。また、訳者は中国国際ラジオ局日本語部の夏文達等の諸氏です。出版年月は2000年4月、出版社は中国国際広播出版社です。

出版社は、次のように、簡潔かつ的確に本書を紹介しております。「作者は、時空を超越した大きな視野に立って、世界文明発展の歴史やグローバル経済の現状について研究し、さまざまな文明には、誕生、生長、繁栄および消滅の過程があることを指摘しています。東西文明間には衝突があるとともに、相互補完性があるのです。文明の衝突は文明の中心の推移に表れます。作者は、世界の歴史は、文明の中心で勝手気ままに起伏する盛衰の連続のなかで、たえず上演されるものであると考える」と。

続けて、出版社は、村山節氏が提起する「世界文明800年周期説」を紹介し、「現在、世界文明の中心はまさに東洋へ向かって推移しつつある。21世紀は東西文明の衝突、融合、および交替の時代である。22世紀以降は、アジアの時代になるであろう」と。

さらに本書の浅井隆氏の「序言」注〔6〕の中で、作者は「東西文化のもっとも根本的な相違は、思考方式の違いにある。東洋の思考方式、東洋文化の特徴は『総合』であり、西洋の思考方式、西洋文化の特徴は『分析』である。哲学者の言葉を借りれば、西洋は一を二に分け、東洋は二を合わせて一とするのである」(本書中国語版)と述べています。


もし、私が本書に自分を重ね合わせることをお許し願えるならば、これはまさに私の主張そのものであります。私のこの主張は、過去7、8年にわたって、多くの論文や発言、さらには厳粛で盛大な国際会議の中で、公開し、発表してきたものです。本書の中にもふれられているとおりであります。

世界文化の中心が東洋に向かって推移するのに、どのくらいの時間を要するかという問題について、今世紀にはその兆しが現れるであろうというのが私の考えです。『文明と経済の衝突』の作者の予言によれば、それは22世紀であると言います。この問題については、論争しようがないので、歴史にその結論をゆだねることにしました。


現在、世界のある大国は、右手に警棒を持ち、左手に原子爆弾をのせ、他の国を「悪の枢軸国」などと指摘して責めているのです。天下唯我独尊であります。平和を愛する世界市民には、それはまるで道化役者のようにうつっているのです。

ここで私は東西のことわざをそれぞれ一句ずつ、つつしんでこの国の人民におくります。中国の古い言葉「多くの不義を行えば必ず自ら斃(たお)る」(多くの不正を行えば必ず自滅する)、そして、西洋のことわざ「神が誰かを滅ぼそうとすれば、必ず先にその誰かを狂わせる」です。これらは、長年にわたる経験にもとづく結論であり、絶対に間違いないものであります。

先の言葉は意味もなく発したわけではけっしてないのです。これらは東西文化の盛衰と関係があるからこそ、思わず心が高ぶって発したわけであります。私は、その大国の中でも、真に国を愛し、平和を愛する人民は、それらの言葉に反発を感じることはないであろうと信じています。世界中どの国であれ、国を愛し、平和を愛する人民の心と心は、つねに相通じているものです。


振り返って再びわれわれの「てい談」を読むと、三人の作者のうち、一人は日本人、二人は中国人です。国籍は異なるが、志は同じであります。われわれはともに世界人民が平和、幸福で、そこには理解と友情だけがあり、憎しみや対立がないことを願っています。仏教では「浄土」と説き、儒教では「大同の世界」と説いております。それぞれ名異実同で、手段は異なっても目的は同じなのです。私は、われわれのこの一書がその分野で貢献してくれるであろうことを祈っております。善哉! 善哉!


2002年6月7日


目次

  • 序章 近・現代史を生きる
    1. 未来をひらく対話
    2. 生い立ち
    3. 苦節のドイツ留学時代
    4. 波乱万丈
    5. 恩師の存在
    6. 文章の力
    7. 中印学の柱
    8. 自然観、宇宙観
    9. 青年へのメッセージ
    10. 周恩来総理
    11. 学術交流
  • 第1章 釈尊の使った言葉
    1. 季羨林博士の業績
    2. 民衆の言葉で語る
    3. 仏教教団の存在意義
    4. マガダ語と半マガダ語
  • 第2章 『法華経』の起源――「大乗非仏説」論批判
    1. 『法華経』に使われている言語
    2. 「大乗非仏説」論
    3. 小乗経典と大乗経典の源流
    4. 口承の経典化
    5. 『法華経』の思想的価値
  • 第3章 『法華経』の流布――インド・中国・日本
    1. 「経中の王」の根拠を示す
    2. インドから西域、中国へ
    3. 中国への伝来
    4. 鳩摩羅什訳の『妙法蓮華経』
    5. 天台大師の登場
    6. 民間の『法華経』信仰
    7. 日本における受容
    8. 日蓮大聖人と『法華経』
  • 第4章 法華思想の展開と展望
    1. 牧口初代会長と創価学会
    2. 戸田第2代会長の「悟達体験」
    3. 池田第3代会長の足跡
    4. 仏教学への学術貢献
  • 第5章 人間の本性と社会
    1. 「性善説」「性悪説」
    2. 仏教の「縁起思想」
    3. 儒教の〝仁愛〟と仏教の〝慈悲〟
    4. 人生と社会
    5. 自然と人間
    6. 東洋と西洋の自然観
  • 第6章 東洋文化と西洋文化
    1. 文化の定義と2つの文化発祥説
    2. 一元発祥説と多元発祥説
    3. 東西2大文化体系の相違点
    4. 〝分析的思考〟の特徴
    5. 〝総合的思考〟の特徴
    6. 社会の発展と文化交流
  • 第7章 東洋文化の精髄――「天人合一」と「依正不二」
    1. 世界平和と中国の役割
    2. 中国文明の精神遺産
    3. 「天人合一」論
    4. 儒家思想にみる「天人合一」論
    5. 仏教と「天人相関」説
    6. 道家、墨家、雑家の自然観
    7. 古代インドの「梵我」説
    8. 仏教の「依正不二」論
    9. 天台の「一念三千」論
    10. 韓・朝鮮半島の「天人合一」思想
    11. 一神教の自然観
  • 第8章 21世紀と人類の未来
    1. 『法華経』の統合的精神
    2. 「三十年河西、三十年河東」
    3. 平和と発展
    4. 「死への行進」阻む「共生の感覚」
    5. 「科学主義」の蔓延
    6. 西洋の思考に変化の兆し
    7. 「光は東方より」
    8. 間断なき「精神闘争」
    9. 「大同」思想と「価値創造」

季羨林

1911年、中国山東省清平県(現在の臨清市)生まれ。1934年、清華大学を卒業。1935年、ドイツに留学、1936年から45年までゲッティンゲン大学でインド古代言語及びトカラ語を学ぶ。1941年、同大学で哲学博士の学位を取得。1946年、帰国し、北京大学東方語言文学学部教授兼学部長となる。北京大学副学長、中国科学院哲学社会科学学部委員、中国人民政治協商会議全国委員会委員、中華人民共和国全国人民代表常務委員会委員、中国語言学会会長、中国比較文学学会会長等を歴任。現在は、中国敦煌トルファン学会会長等を務める。

主な著作に『インド古代言語論文集』『原始仏教の言語問題』『中印文化関係史論文集』『季羨林仏教学術論文集』『中国文化と東方文化』『トカラ語研究』『トカラ語「弥勒会見記」訳注』『糖史』『大唐西域記校注』(主編)がある。翻訳として『ラーマーヤナ』『シャクンタラー』等。散文の著作として『季羨林散文集』『ドイツ留学十年』等がある。

蒋忠新

1942年、中国上海生まれ。1965年、北京大学東方語言文学学部を卒業し、中国社会科学院歴史研究所研究実習員となる。1979年、中国社会科学院・北京大学南アジア研究所助理研究員となる。1986年、中国社会科学院アジア太平洋研究所副研究員、1991年から同研究所の正研究員(教授)となる。

主な著作に、『民族文化宮図書館所蔵梵文写本之一・妙法蓮華経(写真版)』『民族文化宮図書館所蔵梵文「妙法蓮華経」写本(ローマ字転写本)』『マヌ法典訳注』『大唐西域記校注』(共著)『大唐西域記現代語訳』(共著)『旅順博物館所蔵梵文法華経断簡(写真版及びローマ字版)』がある。1990年、中華人民共和国人事部より、「際立った貢献をした壮年及び青年専門家の証書」を授与される。2002年、逝去。

関連書籍

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東洋の叡智

2024年04月01日 22時56分08秒 | 社会・文化・政治・経済

東洋の叡智東洋の叡智は多様で深遠なものであり、西洋とは異なる特質を持っています。

以下に、東洋の叡智のいくつかの特徴を紹介します。

  1. 多面的な捉え方:東洋の思考方式は物事を多面的に捉えることを重視します。

  2. 単純な二分法ではなく、複数の視点から物事を考えることが求められます。

  3. 洞察力:東洋の叡智は深い洞察力を持ちます。

  4. 物事の本質を見抜く能力や、隠れた意味を理解する力が重要視されます。

  5. 中庸:東洋の哲学は極端な考え方を避け、バランスを保つことを重視します。

  6. 中庸の思想は、極端な対立を避け、調和を追求します。

  7. 分類の限界:東洋の叡智は、分類をしても知りえない世界が存在すると認識します。

  8. 物事を単純に分類するだけでは、真実を理解できないと考えられています。

  9. 創造と変化:東洋の智慧は創造性を重視します。

  10. 常に変化する世界に適応し、柔軟に対応することが求められます。

これらの特徴は、東洋文化や哲学の中で見られる智慧の一部です。

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日本の感性と東洋の叡智

2024年04月01日 22時41分10秒 | 社会・文化・政治・経済

〈元外交官がみた、世界に誇るべき日本の特性とは〉
〈外国人に日本文化を端的に説明するために〉

シドニー総領事(1985~88)、ベルギー大使(1994~97)等を歴任した元外交官の筆者が、世界的にも稀な独特の文化を持つ日本を独自に分析。

日本人が元来もっていた特性=「日本の感性」と、中国をはじめとするアジア圏から輸入された思想や風習=「東洋の叡智」という切り口から、それらがどう絡み合って文化形成がなされたか、その経緯を整理した一冊。

日本人が日本について「総復習・再確認」することができる教科書的な内容で、外国人に日本文化の神髄をかいつまんで説明するにも役立つ書。

長年外交官を務めた著者にしか語れない経験談も多く交え、単なる教科書的な内容にとどまらない一冊。

 

中村 順一(なかむら じゅんいち、1934年11月26日 - )は、日本の外交官京都国際会館館長も務めた。神奈川県横浜市出身[1]

経歴・人物

1958年東京大学法学部を卒業し、1960年ケンブリッジ大学大学院修士課程修了

その後、外務省に入省し、在インドネシア公使、在シドニー総領事、国際協力事業団理事、外務省儀典長、ベルギー国駐箚特命全権大使などを歴任し、現在は外務省参与を務めている

1998年から2008年までに京都国際会館館長を務めた

平安女学院大学客員教授、京都外国語大学理事、国際京都学協会副理事長も兼任している

著書に「日本の感性と東洋の叡智」などがある[3]

 

 

 

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利根輪太郎の競輪人間学 後半3レースで勝負

2024年04月01日 12時05分49秒 | 未来予測研究会の掲示板

利根輪太郎は、連戦連敗のために、牛久のカーテン屋さんを真似て、10レースに間に合うように、取手競輪場へ向かった。

GⅢ 武雄競輪 大阪・関西万博協賛競輪

最終日(3月31日)

10レースは5-9から買うべきであったが、それを止めた。

5-9の2車単が1番人気であったからだ。

だが、3連単車車券は、買うべきであったと、悔やむ。

5-9
420円(1)
5-9-7
2,430円(3)

 

3番人気で、そこそこの配当であった。

買ったのは6-2 6-3 6-4 6-5だった。

そして、11レースは1-5の3連単と、1-9 9-1 1-7 3-9 9-3の2車単を買う。

結果は1-5の下がり目の1-4となる。

押さえに買うべき車券であった。

1-4
3,550円(14)
1-4-6
2万8,690円(100)

 

12レース 決勝戦

並び予想 1-7 2-4 8-6 9-5 3単騎

レース評

すんなり先行態勢を築ける町田がペース駆けに持ち込み中四国ワンツー。地元代表の意地がある山田、変幻自在の浅井も小差。 

1番人気 9-5(5・0倍)買う。

11レース1-4の上がり目の1-5の3連単を買う。

しかも11レースに1-5の3連単で負けていたので、目を置きかけた。

 




選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
1 1 山田 庸平   11.3    
2 5 小倉 竜二 1車身1/2 11.5    
3 9 町田 太我 2車身 11.8   B  
× 4 2 浅井 康太 1車輪 11.4      
  5 7 山口 敦也 1車身 11.6      
6 4 朝倉 佳弘 1/2車輪 11.4      
7 3 菅田 壱道 2車身 11.5      
  8 6 仁藤 秀          
  9 8 菅原 大也          
 
2

1=4
1,170円(6)
2

1=5
1,470円(7)
3

1=5=9
800円(2)


1=5
390円(5)
1=9
440円(7)
5=9
210円(1)
1-4
1,830円(8)
1-5
2,250円(11)
1-5-9
5,650円(11)

戦い終わって

戦い終わって写真

 山田庸平が地元GⅢ初制覇。町田太我が南関勢とのもがき合いを制して主導権。五番手に収まった山田が最終二角で仕掛けると鮮やかに前団を飲み込み地元V「町田君ラインを見たかったが牽制が入ったので前からに。五番手に収まって捲れば勝負権はあると思ったので落ち着いて。今日に関しては良かったと思う。前回優勝して今回は久々のレース。プレッシャーもあり勝ち上がりでは納得のいくレースができてなかったが決勝はしっかり動けた。今回は五月の武雄記念に、GⅠも見据えて走った。今後の目標としてはダービーで決勝進出を目指したい」。
 町田の番手から小倉竜二が二着「町田君は庸平じゃなかったら捲られてなかった掛かりでした。気付いたら庸平に締め込まれている感じで上手かった。でも町田君は準決より出脚が良かった。付け切れて捲りを止められれば良かったがそんな余裕はなかった」。
 町田が三着「菅原(大也)さんも全開で踏んでいたと思うし自分も全開で。庸平さんのスピードが違ってましたね。小倉さんに残してもらっての三着。今節はかなり体力を消耗したシリーズでした」。

 

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「内面の変革」の重要性

2024年04月01日 10時33分53秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼昨日より今日、今日よち明日へ、一歩でも前へ進む、新しい自分をつくる。

ここに人生の喜びがある。

▼人間革命の実践に社会を調和に導く方途がある。

これこそが平和建設の源泉である。

▼見る人の境涯で見え方は180度変わる。

▼紛争や暴力に覆われたこの背に立ち向かう鍵は、積極的な非暴力の精神である。

この精神を守り、育むのが宗教に役割である。

▼全ての人の平等を実現していく。

▼誰も置き去りにしない公正な社会を築く。

▼苦しむ人と同じ目線に立ち、共に生きることだ。

こうした慈悲や共感の精神は、とりわけ仏教が重要視するものだ。

▼核兵器や環境問題をはじめとする人類的課題に対して、宗教がいかに力を合わせていけるかも語り合う場が必要だ。

▼人間ろしての資質は、数値では図れないものだ。

▼分断は憎悪の連鎖を生む。

そうした社会の傾向性を転換するのが、宗教の使命にほかならない。

生命を軽視する風潮を許さず、戦争には臆さず「ノー」と言うべきだ。

社会の転換は、人間一人一人がエゴを乗り越えることから始まる。

その「内面の変革」の重要性を、明確に説いているのが宗教である。

▼ブッダは「目覚めた人」の意味だ。

そこに、「大きな境涯」という意味もある。

自身が目覚め、他者を目覚めさせ、共に大きな境涯を開いていく。

 

 

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 2023年の小中高生の自殺者数が513人に

2024年04月01日 10時03分07秒 | 社会・文化・政治・経済

去年の小中高校生の自殺 前年に次ぎ過去2番目に多い見通し

2023年の1年間に自殺した小中学生や高校生は、暫定値で507人と、過去2番目に多くなる見通しで、文部科学省は一人1台配っている端末を、相談や健康観察に活用するなど、悩みを抱えた子どもの早期把握に取り組むよう全国に通知しました。

 2023年の小中高生の自殺者数が513人に上り、過去最多だった前年(514人)から高止まりしていることが29日、警察庁の自殺統計(確定値)に基づく厚生労働省のまとめで分かった。

新型コロナウイルス禍の影響とみられる。

全体は2万1837人(前年比44人減)。女性は6975人(160人減)で4年ぶり減、男性は1万4862人(116人増)で2年連続増だった。

報道発表資料の概要

令和5年中の自殺者数(確定値)は21,837人であった。

発表資料

去年の小中高校生の自殺 前年に次ぎ過去2番目に多い見通し

厚生労働省が発表した統計では、2023年の1年間に自殺した児童生徒の数は、暫定値で507人で、
▽高校生は、前の年より12人少ない342人
▽中学生は9人多い152人
▽小学生は4人少ない13人でした。

確定値で514人と過去最多となった2022年に次いで、2番目に多くなる見通しで、文部科学省は27日に全国の教育委員会などに予防に向けて取り組みを進めるよう通知しました。

通知では「おととし同様に高い水準で極めて憂慮すべき状況にある」とし、2022年の事案の分析では、学業の不振や、入試の悩みなどが関係しているとみられるケースが多いとしています。

そのうえで、長期休み明けに増加する傾向があるほか、3月は進路に迷う児童生徒も多くなるとして、進路指導や見守り活動を丁寧に行うよう求めました。

また、小中学生に一人1台配備されるタブレット端末も、相談や健康観察に積極的に活用するなどして、悩みや困難を抱えた子どもの早期把握に取り組み、兆候が見られたら、教員が抱え込まずに保護者や医療機関などとも連携して、対応にあたるよう呼びかけています。

 

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去年の小中高校生の自殺 前年に次ぎ過去2番目に多い見通し

2024年04月01日 10時03分07秒 | 社会・文化・政治・経済

去年の小中高校生の自殺 前年に次ぎ過去2番目に多い見通し

2023年の1年間に自殺した小中学生や高校生は、暫定値で507人と、過去2番目に多くなる見通しで、文部科学省は一人1台配っている端末を、相談や健康観察に活用するなど、悩みを抱えた子どもの早期把握に取り組むよう全国に通知しました。

 2023年の小中高生の自殺者数が513人に上り、過去最多だった前年(514人)から高止まりしていることが29日、警察庁の自殺統計(確定値)に基づく厚生労働省のまとめで分かった。

新型コロナウイルス禍の影響とみられる。

全体は2万1837人(前年比44人減)。女性は6975人(160人減)で4年ぶり減、男性は1万4862人(116人増)で2年連続増だった。

報道発表資料の概要

令和5年中の自殺者数(確定値)は21,837人であった。

発表資料

去年の小中高校生の自殺 前年に次ぎ過去2番目に多い見通し

厚生労働省が発表した統計では、2023年の1年間に自殺した児童生徒の数は、暫定値で507人で、
▽高校生は、前の年より12人少ない342人
▽中学生は9人多い152人
▽小学生は4人少ない13人でした。

確定値で514人と過去最多となった2022年に次いで、2番目に多くなる見通しで、文部科学省は27日に全国の教育委員会などに予防に向けて取り組みを進めるよう通知しました。

通知では「おととし同様に高い水準で極めて憂慮すべき状況にある」とし、2022年の事案の分析では、学業の不振や、入試の悩みなどが関係しているとみられるケースが多いとしています。

そのうえで、長期休み明けに増加する傾向があるほか、3月は進路に迷う児童生徒も多くなるとして、進路指導や見守り活動を丁寧に行うよう求めました。

また、小中学生に一人1台配備されるタブレット端末も、相談や健康観察に積極的に活用するなどして、悩みや困難を抱えた子どもの早期把握に取り組み、兆候が見られたら、教員が抱え込まずに保護者や医療機関などとも連携して、対応にあたるよう呼びかけています。

 

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