レイチェル・カーソン (著), 森田 真生 (著), 西村 ツチカ (イラスト)
「ここにきてよかったね」
この星はすべての生命を祝福している。
世界的ベストセラー『センス・オブ・ワンダー』待望の新訳
さらにその未完の作品を今京都から書き継ぐ
先駆的に化学物質による環境汚染を訴え、今に続く環境学の嚆矢ともなった『沈黙の春』の著者であるレイチェル・カーソン。そのカーソンの最後に遺した未完の作品が『センス・オブ・ワンダー』だ。
この星はすべての生命を祝福している。
世界的ベストセラー『センス・オブ・ワンダー』待望の新訳
さらにその未完の作品を今京都から書き継ぐ
先駆的に化学物質による環境汚染を訴え、今に続く環境学の嚆矢ともなった『沈黙の春』の著者であるレイチェル・カーソン。そのカーソンの最後に遺した未完の作品が『センス・オブ・ワンダー』だ。
本書は独立研究者・森田真生による新訳と、「その続き」として森田が描く「僕たちの『センス・オブ・ワンダー』」で構成する。カーソンが残した問いかけに応答しつつ、70年後の今を生きる森田の問題意識に基づいた、新しい読み解き、新しい人間像の模索を行う。
------
地球の美しさをよく観察し、深く思いをめぐらせていくとき、いつまでも尽きることがない力が、湧き出してきます。鳥の渡りや潮の満ち引き、春を待つ蕾の姿には、それ自体の美しさだけでなく、象徴的(シンボリック)な美しさがあります。
(レイチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」より)
これから生まれてくるすべての子どもたちが、「きてよかったね」と心から思える、そういう世界を作り出していくこと。僕たちが何度でも新たに、それぞれの「センス・オブ・ワンダー」を生き、書き継いでいこうとしているのもまた、このためなのである。 (森田真生「結 僕たちの「センス・オブ・ワンダー」へ」より)
------
各メディアで続々紹介・続々重版!
【新聞・通信】
□毎日新聞(8/29)「文化UP TO DATE」著者インタビュー
□朝日新聞be(7/6)著者インタビュー
□共同通信配信著者インタビュー
高知新聞(6/15)沖縄タイムス(6/15)千葉日報(6/15)福島民友新聞(6/15)琉球新報(6/16)東奥日報(6/22)日本海新聞(6/22) 福井新聞(6/23)山陰中央新報(6/29)愛媛新聞(7/7)岩手日報(7/7)中部経済新聞(7/13)
□京都新聞(6/14)著者インタビュー
□信濃毎日新聞(6/1)小川真利枝さん書評
□朝日新聞(5/21)著者インタビュー
□日本経済新聞 夕刊(5/13)著者インタビュー
□東京新聞 夕刊(5/10)中日新聞 夕刊(4/26)寄稿文(「センス・オブ・ワンダー」を訳して)
【雑誌】
□新潮(9月号)古川真人さん書評
□母の友(8月号)著者寄稿
□すばる(7月号)管啓次郎さん書評
【web】
□好書好日(6/28)著者インタビュー
□NeoL(5/13)著者インタビュー
□フライヤー(5/7)著者インタビュー
【ラジオ】
□NHK「ラジオ深夜便」(5/19)辻山良雄さんの紹介
□JFN「ラジオ版学問ノススメ」(5/30)著者出演
出版社より
商品の説明
著者について
レイチェル・カーソン:1907-64。アメリカの生物学者。研究の傍ら、大ベストセラー作家に。1962年公害問題を『沈黙の春』で厳しく告発、環境問題の嚆矢となる。
『センス・オブ・ワンダー』は1956年に雑誌発表、未完のままに死後単行本化された。
ほか著書に『潮風の下で』『われらをめぐる海』『海辺』などがある。
森田 真生(もりた・まさお):1985年生まれ。独立研究者。京都を拠点に研究・執筆の傍ら、ライブ活動を行っている。著書に『数学する身体』で小林秀雄賞受賞、『計算する生命』で第10回 河合隼雄学芸賞 受賞、ほかに『偶然の散歩』『僕たちはどう生きるのか』『数学の贈り物』『アリになった数学者』『数学する人生』などがある。
森田 真生(もりた・まさお):1985年生まれ。独立研究者。京都を拠点に研究・執筆の傍ら、ライブ活動を行っている。著書に『数学する身体』で小林秀雄賞受賞、『計算する生命』で第10回 河合隼雄学芸賞 受賞、ほかに『偶然の散歩』『僕たちはどう生きるのか』『数学の贈り物』『アリになった数学者』『数学する人生』などがある。
「普遍的な環境思想」に触れる本である
気候変動など地球的環境の変化があらわになる中、生態学的な視点から新たな人間像を探究し始めた時期であった森田 真生さんは、「環境について考える時、カーソンの存在はすごく大きい。翻訳を通してきちんと向き合いたいという気持ちがありました」と述べている。
米国の大学で英文学を専攻していたカーソンは途中で生物学に転向した。
そして1941年~55年、「海の3部作」と呼ばれる詩的な科学ノンフィクションを発表した。
「彼女のすごいところは、地球の声に耳を傾け、それを言葉にしたことだ。物語を頭で考えるより、生物が織りなす歴史に書くべきだと主題を見出したのだと思います」
当時の最先端の科学的知見を盛り込みながら「地球全体が海を媒介にしてつながっていることを描いた」そもに先駆性があったと森田さんは指摘する。
そのカーソンは残した「きてよかったね」というメッセージを、環境問題が一層深刻にする今、どううけとめるべきか。
大事なのは、生きる喜びを発見し、分かち合い、喜んで行くことだ―と森田さんは考える。
「センス・オブ・ワンダー」とは、「驚きと不思議に開かれた感受性」を磨き上げることである。
目の前にある自然の秘密に感覚を開き、その美しさと複雑さを共に感じたカーソンと彼女のめいの息子ロジャーのように。
原書には、科学者のカーソンは姪の幼い息子と自然豊かな米国メーン州の別荘を訪れ、浜辺や森で過ごした日々がつづられている。
「メーン州にきてよかったね」だけでなく、「もっとスケールは壮大で、長い進化の歴史を経てこの地球に生まれてことができてよかったね」と思える場所をつくっていきことだ―と森田さんは指摘する。
「共感」こそ神髄である
人工物の増加によって自然が破壊されつつある現在、自然とともに生きる人間の原点に戻ることを教えようとする、貴重な作品だと思います。
夜の海辺を散歩して不思議な生き物や光景に出会い、「来てよかったね」という少年の言葉は、現在の商業化された街中でなにかを買ってもらい「よかった」と喜ぶ子供の心と、本質的に違うことを考える必要があるでしょう。
今この「センス・オブ・ワンダー」を感じる機会は稀になっているかもしれませんが、この未完のエッセーに付けられた訳者森田真生氏の解説も、カーソンの主著『沈黙の春』が、自然の人工化や薬害を指摘する、優れた論説であることを指摘しています。
読みやすくはないですが読む価値はある本です。P55にレイチェルさん、
森田さん双方のエッセンスが書かれていると感じました。
レイチェルさんが「再び経路をひらく」という言い方をしていますが、
お二方のように子供が介在しなくても大人として「感じなおす」ことは
出来ると思います。
レイチェルさんが「再び経路をひらく」という言い方をしていますが、
お二方のように子供が介在しなくても大人として「感じなおす」ことは
出来ると思います。
子供と違うのは大人には信念と受容が必要なのでは
ないかなという点です。そんな日が来るのを待って頑張って生きていき
ましょう。
思えば『沈黙の春』を初めて知ったのは片岡義男さんのエッセイでした。
彼は読んですぐ「もう地球は長くない」と感じ放浪にの旅に出ました。
私はそれを読んで心のどこかで大袈裟な・・と感じていましたが・・・。
その後の数十年で地球がここまで荒れるとは想像もできなかったかな。
ないかなという点です。そんな日が来るのを待って頑張って生きていき
ましょう。
思えば『沈黙の春』を初めて知ったのは片岡義男さんのエッセイでした。
彼は読んですぐ「もう地球は長くない」と感じ放浪にの旅に出ました。
私はそれを読んで心のどこかで大袈裟な・・と感じていましたが・・・。
その後の数十年で地球がここまで荒れるとは想像もできなかったかな。
本書はカーソンの文が40ページ、訳者のつづきが140ページの構成。
この度、原文と新旧両訳を読み比べてみました。
訳者自身の文は瑞々しく、息子さんとのかけがえない時間が伝わってきます。
この度、原文と新旧両訳を読み比べてみました。
訳者自身の文は瑞々しく、息子さんとのかけがえない時間が伝わってきます。
理屈っぽさも中和されていて感じがいい。
カーソンのセンスオブワンダーは、元々異なるタイトルでアメリカの雑誌に寄稿された短いエッセイで、本人はそれを膨らませて本にする予定のまま亡くなられてしまった経緯がある。
新訳で気になるのは、意味だけ訳したような、日本語として情景が浮かびにくいこと。一部誤訳もあるなど。
その点、旧訳を手がけた上遠恵子さんの訳はカーソンの意図が日本の読者に伝わるための心遣いが凄まじく、自身もカーソンの関係者と関わり、カーソンの意志と共に長年生きてこられているだけあり、さすがに訳出のクオリティが圧倒的に高い。
カーソンを日本語で読みたいなら上遠さん、新訳者自身の体験記や哲学的関心で読むなら新訳がいいと思います。
カーソンのセンスオブワンダーは、元々異なるタイトルでアメリカの雑誌に寄稿された短いエッセイで、本人はそれを膨らませて本にする予定のまま亡くなられてしまった経緯がある。
新訳で気になるのは、意味だけ訳したような、日本語として情景が浮かびにくいこと。一部誤訳もあるなど。
その点、旧訳を手がけた上遠恵子さんの訳はカーソンの意図が日本の読者に伝わるための心遣いが凄まじく、自身もカーソンの関係者と関わり、カーソンの意志と共に長年生きてこられているだけあり、さすがに訳出のクオリティが圧倒的に高い。
カーソンを日本語で読みたいなら上遠さん、新訳者自身の体験記や哲学的関心で読むなら新訳がいいと思います。
新訳からその続きとして
独立研究者の筆者が
家族と暮らす京都での体験を通して
身近な植物や生き物と接しながら
生命の神秘や
宇宙の不思議
感じることの大切さを語る
まさにワンダーランド
家族と暮らす京都での体験を通して
身近な植物や生き物と接しながら
生命の神秘や
宇宙の不思議
感じることの大切さを語る
まさにワンダーランド
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます