▼多様な文化や宗教を持つた人々との対話の重要性を促進する。
▼争いや分断が深刻化する現代にあって、地球規模の問題に対する共通の認識が不可欠だ。
そのためには人間性、平和、寛容に基づく協力と協調が期待される。
▼イギリスの哲学者・バートランド・ラッセルは、哲学は宗教とはかけ離れたものと考えていた。
だが、宗教性は生活になくてはならないものである。
そこで、地球的問題の根を宗教性の視点で捉える必要がある。
▼寛容の智慧
7世紀にアラビアでイスラム教を創始した予言者ムハマンドが、布教の拠点とした都市メディナは、多様な民族と宗教に対する寛容さを特徴としていた。
以来、イスラム教は多元的な社会に貢献し、多民族、多宗教が調和して生きる方法を示してきた。
その寛容の智慧は、仏教にも見られる。
互いを知るために対話するのがイスラムの精神であり、力を合わせて西洋に対抗するというのは、あまりにも浅薄な考えだ。
「文明の衝突が迫っている」という説を唱えたサミュエル・ハンチントンは、イスラム教と儒教が力を合わせて、西洋と戦う主張した。
過激で暴力的な行為に訴え人たちいることは否定できない。
だが、重要なことはイスラム教徒の大多数はいかなる形の過激主義も、同意も容認もしていないことだ。
そこで政治化された側面ではなく、教義の核心に目が向けられ、イスラム教の理解が深まることが期待されている。
文明の目的は、互いを知ることにある。
コーランでも、人間が国や部族に分かれたのは、互いをよく知るためにあると説かれている。
イスラム教は何世紀もの間、東西文明の架け橋となり、豊富な知識とヒューマニズムを共有しながらグローバリズムの精神を強化してきた―マレーシア国際イスラム大学ダト・アスマン・バカール名誉教授
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