鈴木 のりたけ(すずきのりたけ)
大学卒業後は、鉄道会社に就職して新幹線を運転したこともありましたし、その後は広告業界でデザイナーをしていました。
その中で、自分の将来のキャリアを考えた時に、<何か自分の名前が残る仕事をしたい>と思うようになり、イラストを描き始めました。
さらに、それを世に出すために、連作にして文章を付けてみたんです。
そうしたら絵本っぽいものができました。
それをコンクールに応募したら受賞して、少ない部数ですけど書店に並べてもらえたんです。
そこから編集者さんとつながりができて、絵本作家としてのキャリアがスタートしました。
絵本の強みって、言葉が少なくて、パッと見ただけで理解できて、面白かったり笑えたりするところですよね。
絵本を作る上で大切にしていることは何ですか?
子どもたちのためという思いはありますが、あまり考えないようにしています。
意識し過ぎると、押し付けがましくなって、心からの贈り物にならない気がするんですよね。
面白そうと思って手に取り、楽しんでいるうちに、何かを学んだり、文字を覚えていたりする方が幸せじゃないですか。
だから、学びとかの奥にある<面白い>に向かっていけばいいんだと考えています。
例えば、ピラミッドって見るだけで「すげー!」って思いますよね。
圧倒的な大きさとか物量とか、論理的な思考を寄せ付けない感じとか。
受け止める側の核心にある、大人も子どもを超えた、人間の感情の根源的な部分に響く作品を生みだせるように心がけています。
見方を変えれば人生はもっと面白くなります。
自分から意識して探すと、日常の中に面白いことはたくさんあります。
ちょっと見方を変えて、普段しない方法でやってみたり、順番を変えてみたり、絵本作りも、そういうところから始めることが多いんです。
1975年、静岡県浜松市生まれ。会社員、グラフィックデザイナーを経て、絵本作家に。『ぼくのトイレ』(PHP研究所)で第17回日本絵本賞読者賞、『しごとば 東京スカイツリー®』(ブロンズ新社)で第62回小学館児童出版文化賞、『大ピンチずかん』(小学館)で第6回未来屋えほん大賞・第13回リブロ絵本大賞・第15回MOE絵本屋さん大賞を受賞。また2022年に第2回やなせたかし文化賞を受賞した。ほかの作品に『おしりをしりたい』(小学館)、『す~べりだい』(PHP研究所)、『ねるじかん』(アリス館)など多数。
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