阪神、連敗でCSファイナル進出ならず 勝負どころで課題の拙守を露呈

2021年11月07日 21時48分24秒 | 野球

11/7(日) 17:33配信

日刊スポーツ

シーズンを終えた矢野監督は肩を落としてベンチに引き揚げる(撮影・上田博志)

<セ・CSファーストステージ:阪神2-4巨人>◇第2戦◇7日◇甲子園

阪神が2連敗で敗退した。2年ぶりのCSファイナルステージ進出はならなかった。

【写真】8回表巨人無死、坂本勇人の打球をファンブルする大山

2回にCS初先発の佐藤輝と中野の適時打で2点を先制したが、直後に逆転を許した。その後は巨人の継投の前に沈黙した。

失点したイニングはともに先頭打者を失策で出塁させた。4年連続で12球団ワースト失策という大きな課題が、勝負どころで露呈した。

阪神が2位で出場したCSファーストステージで2戦2敗を喫するのは10年の対巨人、13年の対広島に続いて3度目。同ステージで初戦に負けたチームが逆転進出を決めたのはセ・リーグでは過去13度で2例しかない。圧倒的不利なデータを覆すことはできなかった。

レギュラーシーズンでは優勝したヤクルトと0ゲーム差という歴史的接戦を演じたが、36年ぶり日本一を目指したポストシーズンで早々と姿を消した。


2021年度 プロ野球 公式戦成績

2021年11月07日 21時36分54秒 | 野球

試合結果

カレンダー

  ( 3・4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 )

チーム勝敗表

セントラル・リーグ
チーム 試合 勝利 敗北 引分 勝率
ヤクルト 143 73 52 18 .584 --
阪 神 143 77 56 10 .579 0.0
巨 人 143 61 62 20 .496 11.0
広 島 143 63 68 12 .481 13.0
中 日 143 55 71 17 .437 18.5
DeNA 143 54 73 16 .425 20.0
 
パシフィック・リーグ
チーム 試合 勝利 敗北 引分 勝率
オリックス 143 70 55 18 .560 --
ロッテ 143 67 57 19 .540 2.5
楽 天 143 66 62 15 .516 5.5
ソフトバンク 143 60 62 21 .492 8.5
日本ハム 143 55 68 20 .447 14.0
西 武 143 55 70 18 .440 15.0

2021年度 セントラル・リーグ  チーム打撃成績

2021年11月07日 21時17分17秒 | 新聞を読もう

■ 全日程終了
チーム
 

 

 

 

 

 







 

 

 



 

 

 



 

 






広 島 .264 143 5361 4798 557 1265 200 17 123 1868 532 68 40 85 34 402 24 42 1015 94 .389 .324
DeNA .258 143 5340 4784 559 1233 254 13 136 1921 546 31 27 81 24 407 18 43 1028 107 .402 .320
ヤクルト .254 143 5399 4708 625 1196 214 17 142 1870 603 70 32 90 27 513 22 61 1079 105 .397 .333
阪 神 .247 143 5265 4704 541 1164 208 23 121 1781 517 114 30 82 33 406 22 40 1082 95 .379 .311
巨 人 .242 143 5241 4692 552 1137 207 11 169 1873 532 65 36 48 27 431 22 43 1157 98 .399 .310
中 日 .237 143 5073 4595 405 1090 182 21 69 1521 381 60 36 98 23 326 26 31 973 104 .331 .291

巨人、11ゲーム差の阪神に下克上 丸「やり返せたらなという思いだった」次も11差ヤクルトへ立ち向かう

2021年11月07日 21時13分55秒 | 野球

11/7(日) 18:19配信

スポニチアネックス
<セCSファーストS 神・巨>ファーストSを勝ち抜き、ハイタッチで喜ぶ丸(左から2人目)ら (撮影・平嶋 理子)

 ◇CSファーストステージ第2戦 巨人4―2阪神(2021年11月7日 甲子園)

 2年ぶりに開催されたセ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)は7日、甲子園でファーストステージ第2戦が行われ、3位の巨人が2位・阪神に4―2で逆転勝ちを収めて2連勝。6年ぶりにリーグ優勝したヤクルトが待ち受けるファイナルステージ進出を決めた。巨人がファーストステージを無傷の連勝で突破するのは2010年、18年に次いで3度目。10日に神宮で開幕するファイナルステージは6試合制で行われ、ヤクルトにアドバンテージ1勝が付与される。

【写真】3回2死満塁、逆転2点タイムリーを放った丸はこの表情

 巨人は初戦に続いて左脇腹痛の主砲・岡本和を欠いたが、丸が“代役4番”の座を見事に務め上げた。2点先制された直後の3回、松原の適時打で1点差とした後の2死満塁で打席に入ると、今季セ・リーグ最多勝&最高勝率の先発右腕・青柳から右前へ逆転の2点タイムリー。3―2のまま膠(こう)着状態で迎えた8回には無死一塁でセーフティーバントを決めてウィーラーの犠飛による貴重な追加点を演出し、勝利をたぐり寄せた。

 レギュラーシーズンで11ゲーム差をつけられ、14年ぶりに負け越した2位・阪神に無傷の連勝で“下克上突破”となった巨人だが、10日から始まる6試合制のファイナルステージでは同じく11ゲーム差をつけられたヤクルトと激突する。敵地でのお立ち台に上がった丸は「(阪神には)シーズン中、悔しい思いをしたので、何とかこのクライマックス(シリーズ)でやり返せたらなという思いだったので、それがまず一つ達成できて良かったと思います」とした上で「また、気持ちを一新に挑戦者の気持ちをもって立ち向かっていきたいと思います」とさらなる“下克上”に意欲を見せていた。

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阪神・近本がむき出しにした感情「本当に悔しい1年」 1番で2安打を放つも、あまりに早い終戦…
11/7(日) 18:10配信


スポニチアネックス
セCSファーストS< 神・巨(2)> 4回1死一塁、阪神・近本は中飛に倒れ、悔しそうな表情をみせる (撮影・平嶋 理子)

 ◇クライマックスシリーズ ファーストステージ第2戦 阪神2ー4巨人(2021年11月7日 甲子園)

 1番でスタメン出場した阪神・近本はチームの終戦に悔しさをにじませた。

 「シーズンもそうですし、クライマックスシリーズも本当に悔しい1年になりました」

 2回までの2打席で2安打を放ち、打線をけん引も残りの3打席は凡退した。選手会長として若手主体のチームを引っ張り、個人としても最多安打のタイトルを獲得。充実のシーズンを送りながら、チームとしては頂点に立てず「この悔しさを全員が受け止めて、来シーズンは必ず勝って終われるように頑張っていきたいと思います」と巻き返しを誓った。

 

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巨人・原監督 4番の丸を称賛「けん引してくれた」 バント安打は「もちろんサイン」

2021年11月07日 21時10分17秒 | 野球

11/7(日) 18:27配信

デイリースポーツ

CSファーストSを突破しファンにあいさつする原監督ら巨人ナイン(撮影・金田祐二)

 「セCSファーストS・第2戦、阪神2-4巨人」(7日、甲子園球場)

 シーズン3位の巨人が連勝でファイナルステージ進出を決めた。原監督は、決勝タイムリーなどでチームを引っ張った丸をたたえた。

【写真】“丸ポーズ”でご機嫌の丸

 試合全体を「先制された非常に苦しい展開だったんですけど、前半のうちに早い回でうまい具合に逆転できたというのは大きかったのかなと。ただ、本当にギリギリの場面が多くてね。ピッチャーもよく頑張ったと言えば、頑張ったんですけども、守備も含めてね、守ることがしっかりできたということだと思いますね」と振り返った指揮官。丸については、「守備でも非常にいい守備をしていましたし、けん引してくれましたね」とたたえた。

 三回に決勝打となる逆転2点タイムリーを放っただけではなく、八回には三塁へセーフティーバントも決めた。「もちろんサインですよ」と明かした原監督は、続く亀井も犠打をきっちりと成功させたことを踏まえ、「高校野球は比較的バントって決めやすいんだけど、プロ野球の場合って投げるボールが非常に厳しいボールという点では、決して簡単なプレーではないんですね。そういう意味ではよく準備をして、結果を出してくれた」と語り、「まぁ、戸郷のバント以外はね」と四回のシーンを引き合いにしつつ、振り返った。

 

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巨人・元木ヘッド 原監督の勝負勘に驚愕「すげーって思った」代打八百板強攻策に

2021年11月07日 21時08分12秒 | 野球

11/7(日) 19:57配信

サンケイスポーツ

三回、安打を放つ巨人・八百板=甲子園球場(撮影・松永渉平)

(セ・クライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦、阪神2-4巨人、巨人2勝、7日、甲子園)巨人は投打がかみ合い2連勝を飾り、ファイナルステージ進出を決めた。元木大介ヘッドコーチ(49)が短期決戦で見せた勝負師、原監督の攻めの采配に舌を巻いた。

【写真】逆転の2点打を放つ巨人・丸佳浩

2点を追う三回無死一、二塁の場面だ。打席には投手、高木の代打・八百板。送りバントで走者を進めて好機を広げるのが、手堅い攻撃パターンではあるが、原監督はヒッティングを選択。強攻策も八百板がきっちり右前打を放ち、その後の逆転劇につなげた。

同ヘッドコーチは「八百板も練習から良かった。監督も練習いいよなって言っていたんで。チャンスもあるんだろうなと思っていたけど、あそこで。俺もバントかと思ったんだけど打たせたから。いや、すげーって思った」と驚愕(きょうがく)。指揮官の期待に応えた八百板には「初球から振れたというのがよかった」と評価した。

 

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阪神大山、悔しい今季最終戦 スタメン復帰も攻守に精彩欠く

2021年11月07日 20時49分35秒 | 野球

11/7(日) 20:09配信

日刊スポーツ

8回表巨人無死、坂本勇人の打球をファンブルする大山(撮影・上田博志)

<セ・CSファーストステージ:阪神2-4巨人>◇第2戦◇7日◇甲子園

阪神「5番三塁」でスタメン復帰した大山悠輔内野手は、3打数無安打2四球2三振と快音は響かなかった。

【写真】5回裏1死、三振に倒れる大山

初回2死一、三塁の先制機で空振り三振。8回表の守備では、先頭坂本のゴロを失策。直後、丸に三塁前へのセーフティーバントを許し、4点目につながった。前日は代打で二塁打も、この日は攻守に精彩を欠き、悔しいシーズン最終戦となった。

 

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デルタ株が死滅!?第5波収束の一因か?

2021年11月07日 20時46分14秒 | 医科・歯科・介護

11/6(土) 23:12配信

テレビ朝日系(ANN)

8月下旬のピークの前に、ほとんどのウイルスが増殖できないようなタイプに置き換わっていた可能性

第5波の感染拡大の大きな原因となったデルタ株。そのウイルスを、国立遺伝学研究所と、新潟大学が分析したところ、8月下旬のピークの前に、ほとんどのウイルスが増殖できないようなタイプに置き換わっていて、結果的にウイルスが死滅し、第5波収束の一因になった可能性があると発表しました。実は、このデルタ株が死滅した仕組みには、私たち”日本人”が体内に多く持つといわれるある物質が関係しているそうなんです。一体なぜ、デルタ株が死滅していったのか。

コピーミスを修正する物質

そもそもウイルスは体内に入り、細胞に入り込むと自分を作る「設計図」を大量にコピーして、そこからウイルスがどんどん作り出されます。でも、時には設計図のコピーミスで、違った形のウイルスができることも。これが”変異株”で、デルタ株もこうしてできたと考えられています。ただ、ウイルスの中には コピーミスを修正しようという“物質”がいて間違った設計図を正しいものに書き直そうとするんです。

さらに作業を邪魔する酵素も

ところが、その作業を邪魔しようという酵素が、私たちの体の中にはいるんです。その酵素は、ウイルス自体も攻撃するんですが、今回の研究では、設計図の修正作業を邪魔する働きもあると推測しています。この酵素の働きが強いと、設計図は修正されないまま、ウイルスの変異がどんどんと進みます。

設計図が修正されないままコピーがすすむ

さらに、デルタ株は、感染力が強いので一気に広まっていきますが、それと同時に体内でコピーミスもどんどん起き、設計図は修正されないままグチャグチャに!そうなると「もうお手上げ!」原型をとどめていない設計図では、ウイルスを作れず、増やすこともできません。その結果、多くの人の体内で、デルタ株が死滅していったのではないかということです。

東アジアの人やオセアニアの人は”酵素”の働きが活発

これが第5波収束の一因になった可能性があると考えられています。また、分析を行った、国立遺伝学研究所の井ノ上先生によると、「日本人を含む東アジアの人や、オセアニアの人は、設計図の修正を邪魔する酵素の働きが活発」なんだそうです。

 


「第6波の可能性は低い…」その理由は?

2021年11月07日 20時42分59秒 | 医科・歯科・介護

11/7(日) 7:00配信

高島)
ここからは、日本で「第5波」が収束した今だからこそ次に来るといわれる第6波をどう防げばいいのか考えていきたいと思います。ここからは、感染症がご専門の水野泰孝さんにお話を伺います。水野さんよろしくお願いいたします。

水野医師)
よろしくお願いします。

●6日(土)の全国の感染者は241人 東京29人

高島)
本当に感染者が激減しているという印象ですけれども水野さんはどうご覧になっていますか?

水野医師)
私が診療している実感として申し上げますけれども、7月から8月の上旬ぐらいまでは大人の方もお子さんも検査をすれば「陽性」というような状況だったんですけれども、8月の下旬ぐらいから検査をしてもほとんどの方は検査陽性にならなくなってきたような状況です。実際、患者さんのお話を伺うと多くの方がワクチン接種は済んでいる、あるいは、ワクチンをしてない方でも非常に感染対策をしっかりやっているという印象を持っています。ただ、ワクチンをしていないお子さんの間でも感染が広がりにくくなってる。検査が陽性にならなくなってきている。
それから、行動緩和されてもさらに減り続けての状況は、「人側」の要因ももちろんなんですけれども、病原体、「ウイルス側」の要因も何かあるんじゃないかなというふうに感じております。

高島)
ウイルス自体に何かこう変化があるということですね。

水野医師)
そうですね。

●「第6波」は来る?

高島)
名古屋工業大学の平田教授が気になる「第6波」について、今後の東京の感染動向をシミュレーションしました。感染対策が不十分な場合、1月9日に第6波のピークを迎え、感染者が660人に。感染対策が十分な場合も238人と予想が出ています。水野さん、「第6波」が来るとすればどういった理由が考えられますか。

水野医師)
これはあくまでも過程ということでお話します。理由としては幾つかあると思いますが(ワクチンの)抗体価が下がってきて、いわゆる抗体の減衰によるブレークスルー感染が起こると言われています。こういったことで感染者数が増える可能性があります。それから海外で懸念されるような、例えば感染が広がりやすい変異株あるいは、ワクチンの免疫をすり抜けるような変異株が流入してくる可能性が考えられるかと思います。

高島)
この「第6波」水野さんは来るとお考えでしょうか。

水野医師)
この辺は非常に難しいところなんですけれども、検査が陽性になる方が増える可能性はあるかと思います。ただそれが、懸念される波まで広がるかどうか、すなわち「第5波」と同じような波が来るかというのは私は可能性は低いと考えています。その理由としては多くの人がワクチン接種を済んでいるわけです。免疫がある環境であれば、周りに壁が出来ている状況ですのでその中に、例えば感染源が一人いても、壁でブロックされるような状態。もう少し分かりやすく言いますと、例えば森の生い茂った木が湿ってるような状態をワクチンを接種している人と考えた場合、そこに感染源の形すなわち火種が入ってきても大きな山火事にはならない、そのような印象だと思います。

●「緊急事態宣言」の目安は?

高島)
では、今後の感染状況はどう判断されるのでしょうか?

板倉)
政府の分科会は、緊急事態宣言の適用の目安を大幅に見直す考えです。これまでは、新規感染者数を重視してきました。我々も毎日のように伝えてきましたけれども、今後は、病床使用率であったり重症患者数など医療のひっ迫度合いを重視するということです。このひっ迫度合いを「レベル0から4」の5段階に分けて、この「3」に相当する場合は緊急事態宣言など強い措置を取るべきとしています。水野さん、今後は新規感染者数を重視しないという方針をどうお考えでしょうか?

水野医師)
この緊急事態宣言の発令というのは、医療提供体制を維持するという意味合いですので、感染者が減ってくる、あるいは重症者と死亡者の数は減っていることは明らかになってますので、医療提供体制を重視することは非常に重要なことだと思いますね。それと同時に、これからは軽症者が増えてくる可能性がありますので、その軽症者への医療提供体制、これをしっかりと体制づくりが必要かと思います。

高島)
政府は、飲み薬についても年内に実用化を目指すということですから、水野さん、この薬でいい方向に向かいそうですね。ここまで水野さんにお話しを伺いました。ありがとうございました。

テレビ朝日

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初の「飲むコロナ治療薬」の効果は? 広まる変異株「デルタプラス」の感染力は?:新型コロナウイルスと世界のいま(10月)

2021年11月07日 20時36分33秒 | 医科・歯科・介護

11/7(日) 12:50配信

WIRED.jp
MERCK SHARP & DOHME CORP/ABACA/AFLO

人類と新型コロナウイルスの戦いは、21年10月になって過渡期に突入した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による世界の死者数が500万人に迫るなか、世界の多くの国が新型コロナウイルスと共に生きる「ウィズコロナ」戦略へと舵を切ったのだ。これまで新型コロナウイルスの根絶を目指していたオーストラリアとニュージーランドも厳しいロックダウンを取りやめ、ワクチンを普及させながらウイルスとの共生を目指す方針に切り替えている。

猛威を振るう「デルタ株」は、子どもたちにパンデミックを引き起こすのか? 知っておくべき3つのこと

ワクチンの普及に伴い多くの国がワクチンパスポートという条件付きで国境を開くなか、いまだゼロ・コロナ戦略をとっているのは中国くらいだ。中国ではいまだ国境の閉鎖、突然のロックダウンなどが実施されており、社会的・経済的活動のたび重なる混乱を招く戦略をいつまで続けられるかが注目されている。

こうしたなか、時間の経過と共に抗体の量が減少することにより、ワクチン接種者がウイルスに感染してしまうブレイクスルー感染も数多く報告されるようになってきた。イスラエルの研究では、中和抗体の量が少ない人にブレイクスルー感染が発生しやすくなることが確認されている。朗報は3回目の接種であるブースターショットによって抗体量を再び増やし、感染を予防できるということだ。

また、ブースターショットに異なるメーカーのワクチンの組み合わせても高い予防効果を得られることが明らかになっている。特にアデノウイルスヴェクターワクチン(アストラゼネカ製やジョンソン・エンド・ジョンソン製のワクチンなどが該当する)の接種後にmRNAワクチンをブースターとして接種する場合、3回ともアデノウイルスヴェクターのワクチンを接種した場合よりも抗体量が高くなるという。こうしたことから、一部の国ではブースターショットとして初回とは異なる製造元のワクチンを接種する試みも進められている。

国民のワクチンへの不信感が原因で完全接種率が約33%と低迷しているロシアでは、10月下旬に1日の感染者数が40万人を超え、1日の死者数も1,150人以上と過去最高を記録した。一方、完全接種率が84%と高いシンガポールでも新規感染者数が過去最高の4,000人を記録したが、死者数は1日15人ほどと低く抑えられており、ワクチンの効果が表れたと言えるだろう。日本では8月から9月にかけて猛威を奮った第5波が収束し、10月下旬時点で感染者数が週平均で1日300人以下にまで減少している。

10月は、COVID-19に有効な経口治療薬や、着実に感染者数を増やしつつある変異株に関する情報などが発表された。世界が経験している新型コロナウイルス関連のニュースを振り返る。

トンガにも新型コロナウイルスが上陸
南太平洋の島国であるトンガでは10月29日、国内で初めて新型コロナウイルス感染者が確認され、国民がワクチン接種を急いでいる。ニュージーランドの北東に位置する人口10万人ほどのトンガは、これまでCOVID-19の感染者が報告されていない数少ない国のひとつだった。

トンガ初となった感染者はニュージーランドから帰国したばかりで、ファイザー製のワクチン接種を終えていたほか出国前の検査では陰性だったという。ところが、帰国後のホテルでの隔離期間中に陽性反応が出た。トンガでこれまでワクチンの完全接種を終えた人は人口の3分の1に満たなかったが、現在は何千人もの人々がワクチン接種センターに足を運んでいるという。

デルタ株に新たな変異
デルタ株がさらに変異を重ねた変異株「AY.4.2」(「デルタプラス」と呼ばれることもある)が注目されている。これまでAY.4.2感染者の93%は英国で報告されているが、この変異株が症例に占める割合は徐々に増加しており、10月31日の時点では1週間に英国で報告されたデルタ株の症例全体の11%以上をAY.4.2が占めている。

AY.4.2には、細胞に結合して侵入するためのスパイクたんぱく質にある2つの変異を含む3つの変異がある。デルタ株との競合のなかでもゆっくりと増え続ける理由として、AY.4.2がデルタ株よりも感染力が強いのか、あるいはワクチン接種による免疫を回避する能力が高いのかはいまだ不明だという。WHOが発表した疫学情報によると、この変異株は英国やインド、イスラエル、米国、ロシアなど少なくとも42カ国で発見されている。

初の「飲む治療薬」が誕生
米製薬会社のメルクが、COVID-19の「飲む治療薬」となる経口治療薬「モルヌピラビル」の臨床試験の中間結果を発表した。発表によると、1日2回の投与によってCOVID-19による入院や死亡リスクを約半減できたという。英医薬品規制当局は11月4日、モルヌピラビルをCOVID-19の経口治療薬として世界で初めて承認した。この抗ウイルス薬はもともとインフルエンザ用に開発されたもので、ウイルスが複製する際に成分の化合物がRNA鎖に取り込まれエラーを生じさせて増殖を防ぐ仕組みだ。

新型コロナウイルスの検査結果が陽性で重症化の恐れがある人を対象とした第3相臨床試験で、モルヌピラビルは非常に有効とする結果が出た。特に感染初期の早期治療として効果的だと考えられている。

一方で、中等症の患者(入院を伴うほどの症状)を対象にしたインドの別の治験では、モルヌピラビルに優位な有効性が見られなかったという結果も出た。患者の症状が重症であればあるほど薬の治療効果は低くなるとみられる。

メルクはワクチンが不足している低所得国105カ国でモルヌピラビルを安価に製造・販売できるようにするため、国連が支援する非営利団体「医薬品特許プール(MPP)」とライセンス契約を結んだ。これにより、アフリカやアジアを中心とした低・中所得国105カ国の企業がモルヌピラビルの製剤を製造できるようになる。

米国で5~11歳へのワクチン緊急使用が承認
米食品医薬品局(FDA)は10月29日、5歳から11歳までの子どもたちにファイザー製のワクチン接種を承認した。この年齢層の子どもには免疫反応が強く出ることから、成分も10マイクログラム(通常の3分の1)と低用量になっている。ワクチンを接種した5歳から11歳までの4,600人以上の被験者(ワクチン群3,100人、プラセボ群1,538人)を対象にした治験では、90.7%の予防効果があることがわかった。

FDAおよび米疾病管理予防センター(CDC)の安全性監視システムでは、ファイザーのワクチン接種後、特に2回目の接種後に心筋炎(心筋の炎症)および心膜炎(心臓を取り巻く組織の炎症)のリスクが増加することが以前に確認されており、観察されたリスクは12歳から17歳の男性で最も高くなっている。しかし、5~11歳までの年齢層については重篤な副作用がこれまで報告されていない。

米国では5歳から11歳の小児におけるCOVID-19の症例が、18歳未満の症例の39%を占めている。CDCによると、小児におけるCOVID-19の症例のうち、5歳から11歳までの入院患者は約8,300件だった。10月17日の時点で、米国ではCOVID-19による18歳未満の個人の死亡例が691件報告されており、5歳から11歳の年齢層では146件の死亡例が報告されている。

北欧ではモデルナ製のワクチンを一時停止
スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイスランドは、モデルナのワクチンが10~20代の若い男性に心筋炎・心膜炎を引き起こす恐れがあるとして、若い世代への接種を中断すると発表した。

これらの疾患は特に2回目の接種後と関連している。デンマーク保健局は、極めてまれな副作用であり、ほとんどは軽度で自然に治癒するとしながらもこの決定を下した。これらの国々では、若い世代にファイザーのワクチンを奨励している。

これを受け、モデルナは次のように声明を発表した。「心筋炎や心膜炎は一般的に軽度であり、標準的な治療と休養により短期間で回復する傾向がある。COVID-19に感染した場合も心筋炎のリスクは大幅に増加するので、ワクチン接種はこれを防ぐ最善の方法だ」

なお、米国での研究によると、20歳未満の若い男性がCOVID-19に感染したあとに心筋炎を発症する可能性は、ワクチンを接種した人に比べて最大で6倍になるという。

ワクチンと自然感染で得られる抗体は違うのか?
わたしたちが新型コロナウイルスから“解放”されるために重要なもののひとつとして、体内を循環している抗体とメモリーB細胞が挙げられる。ウイルスを撃退するために体内を巡る抗体は、ワクチン接種後や自然感染後すぐにピークに達し数カ月かけて減っていく。一方、メモリーB細胞は病原体を“記憶”する役割をもっており、何十年にもわたって重症化を予防できる。また、メモリーB細胞は時間の経過とともに進化し、病原体の変異にも対応できるより強力な抗体を次々とつくりだすのだ。

科学学術誌「Nature」に掲載された研究によると、ワクチン接種は自然感染に比べて大量の循環抗体を生産するが、メモリーB細胞が同じようにつくられるわけではないことが明らかになっている。自然感染では数カ月から1年間は進化し続けるメモリーB細胞が生まれ、変異株に対しても柔軟に対処できる強力な抗体がつくられるというのだ。

これに対し、ワクチンで誘導されたメモリーB細胞は、従来株に対しては強力な抗体を発現できても、それらの抗体が変異株を効果的に中和する多様さには欠けるという。自然感染のあとにmRNAワクチンを接種した患者の免疫が、mRNAワクチンを2回接種した人たちよりもより強力で幅広い中和能力をもつ理由だと、研究者らは考えている。

しかし、ワクチンによってメモリーB細胞を訓練する方法もあるかもしれない。医学学術誌「CELL」で発表された論文は、ファイザーのワクチンの1回目と2回目の接種の間隔を通常3~4週間ではなく6から14週間おいたときの免疫反応を報告している。それによると、メモリーB細胞がより強力に幅広く反応することが確認できたという。

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2021年10月は、COVID-19を予防するためのワクチンを定期的に摂取する必要性を確信させる報告が続いた月だった。体内の抗体量は、自然感染やワクチン接種にかかわらず時間が経てば低下する。それゆえ、体内の抗体量が低下した人たちから再感染やブレイクスルー感染が周期的に訪れるようになるのだ。

近い将来、再度ワクチンを接種せずとも簡単に抗体量を上げられるような「鼻腔スプレー」や、肌にパッチを貼って投与する新しいかたちの「貼るワクチン」の需要が高まることだろう。朗報は、すでにこれらのワクチンが開発され臨床試験が進められていることだ。

いずれにせよ、早い段階で接種を完了した人たちにとっては、いまのところブースターショットが感染予防のいちばんの近道となる。

 

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阪神・矢野監督が激動の1年を総括 決定打不足と守乱に泣いたラスト「もっともっとうまくならないと」

2021年11月07日 20時34分11秒 | 野球

11/7(日) 18:38配信

スポニチアネックス

セCSファーストS<神・巨(2)>原監督(右)と握手を交わす矢野監督 (撮影・森沢裕)

 ◇クライマックスシリーズ ファーストステージ第2戦 阪神2ー4巨人(2021年11月7日 甲子園)

【写真】巨人に敗れ、悔しい表情の阪神・佐藤輝

 ポストシーズン敗退が決まった阪神・矢野監督が敗因に決定打を欠いた打線を挙げた。試合後の一問一答は次の通り。

 ―今日のゲームを振り返って。

 「そうですね。前半にチャンスも作れたし、先制もできたんですけど、結果的にはミスというか、そういうところで流れを変えてしまったかなというのと、やっぱり一本ね、出ないなと、そういうふうに感じました」

 ―シーズンで勝ち越したジャイアンツと戦った。

 「それは関係ないんでね。短期決戦の中で一戦、一戦全力で戦っていくという戦いなんで。みんな全力で取り組んでくれた結果なんで、この結果を受け止めて成長、今シーズンできたところもありますし、まだまだもっと上にいかないと、ペナントもクライマックスも勝ちきれなかったというのはしっかり受け止めてやっていきます」

 ―最後にファンに。

 「そうですね。本当に前半いいスタートを切ってね、皆さんに大きな期待をしてもらった中で、それを実現できなかったというのは本当に悔しいですし、最後も勝ちきれなかったというのはチーム全体としての成長も必要ですし、もちろん僕自身の成長も必要ですし。でも皆さんと選手が一緒になって、戦ってもらえたのは感謝の気持ちしかないですし、その分、悔しさは大きいですけど、前向いてやっていく、その姿をこれからも皆さんに見せていきます。1年間、どうもありがとうございました」

(続けて)

 ―1年戦ってできた部分と足りなかった部分は。

 「全体のこう、チーム力というのは上がってきている部分があると思うし、そこにこう今年は特にルーキーというね、そういう力もまた新たに加わって、そこの競争に入ってきてくれたからこそ全体として上がったところはプラスの面だし。走塁の面でも、みんなの走り切ろうとか、そういう結果からどこにも負けないような走りをした自身はあるし、数で言うと盗塁というところでも、一応3年トップになるのかな。そういう部分もできた部分もあるし。ちょっとまだ、整理できないけど、勝ちきれなかったというところで言うと、まあ、投手はすごく頑張ってくれているんだけど、まだ競ったところで投手がもうちょっと頑張れる、レベルを上げていくというのは必要だし。みんなが底を上げればもちろんいいんだけど、まだまだ上がれる選手たちが投手もたくさんいるし。あとは、今日の試合でもそうだったけど、結果的に、ミス、エラーが点になっているんでね。これも、チーム全体で取り組んでいることが、数が減ったからどうこうじゃなくて、もっともっとうまくならないと、もっとうまくなれることでもちろん、もう一つ上にいける可能性は上がると思うし、さっきも言ったけど、あとはまあオレ自身の成長というか、それももちろん、これがこんだけの差だったんでね、それはしていかないとダメかなと、必要かなと思ってます」

 ―佐藤輝は手ごたえと悔しさがあったと思うが、監督から見て佐藤輝の1年は。

 「まあ、それは佐藤輝に聞いて。オレはまた、今はちょっと」

 ―監督が言ってきた挑戦は浸透してきてるか。

 「いや、それはもちろんあるし。その都度その都度の精いっぱいというか、オレもやってきたから。結果出なかったらやっぱりあの時こうしておけば良かったなとか、もっとこうでけへんかったんかなっていうのはもちろんあるけど、それは受け止めながらね、前に進んでいって、成長していかないとダメなんで。その都度の目いっぱいっていうのは選手もやってくれたと思っているし、そういう気持ちっていうか、そういうのはどこにも負けてないっていうのは、ずっとそういうことばかり言ってきているんで、みんなホントによくやってくれているし、でも、勝ちきれなかった、優勝できなかったっていうところで言うと、これでいいよということでは、オレらの成長は止まるのでね。やっぱりそういうのは、よかった部分と、でも、まだ上積みできるんじゃないかというのは、出た結果からも反省して、ステップアップというか、レベルアップしていかないと、ダメかなと思う。その基礎の部分というのは、みんなすごく最後まであきらめずに戦ってくれているというのは、オレの中ではすごく手応えを感じているところです」

 ―監督自身の来年は。

 「それも含めて今ちょっとしゃべれるアレじゃないよ。終わったばっかりなんで。申し訳ないけど」

 ―最後の試合となったが、大山、梅野ら前半戦頑張った選手を起用した。

 「それは総合でね、考えてるんで。もちろん今言ってくれたように、ここまでもね。本当はジェリー(サンズ)も前半すごく引っ張っていってくれたし、(大山)悠輔や(佐藤)輝や(梅野)リュウもみんな、いてくれたからこそっていうのはもちろんあるんでね。その思いはもちろん俺の中にもあったし、でも今日勝つっていうところをもちろん目指してやっていったところで決めたんでね」


北里柴三郎

2021年11月07日 10時06分47秒 | 新聞を読もう
[上山 明博]の北里柴三郎
 
上山 明博  (著)  
 
終わりなき感染症と人類の歴史、その1ページをひもとく
19世紀末、香港を致死性の感染症が襲った。その最前線にたち、ペスト菌を発見した細菌学者が北里柴三郎であった――。
ひたすら学問にうちこんだ留学時代、権威にあらがい理念をつらぬきとおした日本での研究生活、その後の日本の医療に多大な功績をのこす人物を育て上げた教育者としての側面。
人の生命をおびやかすのはもちろん、差別や偏見といった人の内面までもむしばむ感染症とわたしたちはどのように対峙すればいいのか。
厖大な資料を詳細に調査し「感染症学の巨星」の足跡と実像をあきらかにするとともに、いまの時代にも通じるその思想までも抽出せんとした評伝ノンフィクションの決定版。
 

北里柴三郎―感染症と闘いつづけた男 [単行本] の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    19世紀末、香港を致死性の感染症が襲った。その最前線にたち、ペスト菌を発見した細菌学者が北里柴三郎であった―。ひたすら学問にうちこんだ留学時代、権威にあらがい思念をつらぬきとおした日本での研究生活、その後の日本の医療に多大な功績をのこす人物を育て上げた教育者としての側面。人の生命をおびやかすのはもちろん、差別や偏見といった人の内面までもむしばむ感染症とわたしたちはどのように対峙すればいいのか。厖大な資料を詳細に調査し「感染症学の巨星」の足跡と実像をあきらかにするとともに、いまの時代にも通じるその思想までも抽出せんとした評伝ノンフィクションの決定版。
  • 目次(「BOOK」データベースより)

    プロローグ
    第1章 ペスト菌発見
    第2章 医道論と衛生学
    第3章 コッホの下で
    第4章 伝染病研究所
    第5章 文部省移管事件
    第6章 衣鉢を継ぐ人
    第7章 隠れた功績
    エピローグ
  • 出版社からのコメント

    厖大な資料を詳細に調査し「感染症学の巨星」の足跡と実像を明らかにし、その思想にまで迫った評伝ノンフィクションの決定版。
 上山 明博

【うえやま・あきひろ】

1955年10月8日生まれ、岐阜県出身東京都在住の小説家・ノンフィクション作家(日本文藝家協会 及び 日本科学史学会正会員)。実家は岐阜の真宗大谷派(東本願寺)の仏家・龍登山浄栄寺で、法名は「釋明浄」。

1999年 特許庁産業財産権教育用副読本策定普及委員会委員、2004年 同委員会オブザーバーなどを務める一方、文学と科学の融合をめざし、徹底した文献収集と関係者への取材にもとづく執筆活動を展開。

2018年に上梓した『地震学をつくった男・大森房吉 ─幻の地震予知と関東大震災の真実』青土社刊は、吉村昭が先導した記録文学の新たな可能性を追求したノンフィクション作品として、代表作のひとつに挙げられる。

 
今日の毎日新聞の読書面「今週の本棚」に、拙著『北里柴三郎』の書評が掲載されました。
評者は、科学哲学の第一人者で東京大学名誉教授の村上陽一郎氏。じつは私が『北里柴三郎』を書くに当たり、村上氏の名著『ペスト大流行――ヨーロッパ中世の崩壊』(岩波新書、1983年刊)を、何度も繰り返し読み返し、そのうえで本書の執筆に向かいました。その村上氏から過分のご高評をいただき、幸甚の至りです。ありがとうございます!
 

 

 
 
 
 
 

『親鸞の信と実践』=宇治和貴・著

2021年11月07日 09時33分21秒 | 社会・文化・政治・経済

今週の本棚

『親鸞の信と実践』=宇治和貴・著

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『親鸞の信と実践』
 
親鸞(しんらん)は自力を否定し、阿弥陀(あみだ)如来の他力を重視した。人間の計らいには限界があり、心に渦巻く欲望や煩悩から抜け出すことなどできない。そんな人間のどうしようもなさを見つめた時、自己への過信が解体され、仏の光に照らされる。

 この原理は、時に寝そべる思想へと転化してしまう。自力に限界があるのであれば、自分は何もできない。人のため、世界のために何かできるなどという思い上がりこそが、他力を遠ざけてしまう。

だったら、何もしないで寝転がっていればいい。

他力に任せてしまえばいい。

そうなると、親鸞の教えは社会的実践と無関係になってしまう。

果たして親鸞は、ボランティアなどの社会的実践を否定したのか。

親鸞の「信」は社会と関係ないのか。

著者は力強く「否」と答える。

人は自己を深く反省的に捉えることで、仏の慈悲を受け、衆生の救済を願いながら生きる主体が生成される。

他力に自己を開くことは、同時に他力に包まれた自己を、社会的実践へと導く。

親鸞思想と社会を結びつける重要な一冊。(中島岳志・政治学者)

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親鸞の説いた浄土真宗とは、どのような実践をもたらす宗教か?

目次 : 真宗実践論研究の課題―真俗二諦的信仰理解の克服/ 第1部 親鸞における信と社会(親鸞における信仰の構造と実践の関係/ 親鸞の宗教的・社会的立場―神祇不帰依の意義/ 親鸞の救済における神祇不帰依の意義/ 親鸞の歴史観における信の意義)/

第2部 親鸞における信と実践(親鸞における伝道という実践の具体的把握―「非僧非俗」を手掛かりにして/ 親鸞の信と自然法爾―廻向によって成立する実践主体/ 親鸞における仏道把握)/ 親鸞における実践論の本質―実践がもたらす倫理

【著者紹介】
宇治和貴 : 1975年熊本県生まれ。2001年龍谷大学文学研究科修士課程真宗学専攻修了、2004年龍谷大学文学研究科博士後期課程国史学専攻単位取得満期退学。

龍谷大学非常勤講師を経て、筑紫女学園大学准教授、九州龍谷短期大学非常勤講師、武蔵野大学仏教文化研究所客員研究員。文学修士(龍谷大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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日蓮と親鸞

仏教思想史のなかで日蓮と親鸞を統合して捉える新機軸の論!

第一章 時代と人/
第二章 縁起無我から般若空へ:釈迦の教え  小乗アビダルマ  般若経  竜樹登場/
第三章 生ける仏陀を求めて――菩薩と法身:ビルシャナ仏、華厳経の世界  真如そして迷妄―如来蔵と唯識/
第四章 眼にみえる仏様――浄土教の世界:弥陀の本願・凡夫の願い  光明と智恵―彼岸の観想  罪悪と称名―末法濁悪の凡夫  光と闇/
第五章 大いなる時――法華経と対話:仏とその弟子  時間と方便  漢民族の仏教  十界互具―天台智?の思想/
第六章 大和の仏――仏教伝来:国の成り立ち  国家と仏教  武士道・菩薩道/
第七章 親鸞、我は仏なり:源信と法然―観仏から称名へ  弥陀一向―教行信証  悪人正機―歎異称  人生の転機  親鸞の思想/
第八章 日蓮、我は仏なり:生涯と時代  国家諌暁―守護国家論・立正安国論  法華経の行者―開目抄・観心本尊抄  自己作仏  悪党日蓮  日蓮の思想/第九章 親鸞/日蓮
 

武士政権の出現と鎌倉仏教をもって日本人の精神構造の基本的性格が形成されるという強い確信のもとに、鎌倉仏教の革新的特徴を最も明瞭に体現している二人の宗教人──日蓮と親鸞の思想に肉薄する。仏教の開祖である釈迦のインド起源にもう一度立ち、汎アジア的な仏教史の流れに沿って、新しい信仰の唱導者でもあり、一面信仰の「破壊者」でもあった、日蓮と親鸞の二者を統合的に考察することから新しく見えてくる救済の思想。

小社の臨床心理・精神医学関係の好評書『転移と逆転移』『共感と解釈』の執筆者でもある精神科医の著者による意欲の力作仏教評論。

 


三流のすすめ

2021年11月07日 09時19分42秒 | 新聞を読もう
 
安田登  (著)
 
三流=多流(いろいろなことができる人)。

□一つに決めない
□目標を持たない
□天才ではない
□ほとんどガマンしない
□評価されない
…こうした「ない」が、これからは尊ばれる!
古典の知恵と鋭い洞察が導く、今を生きるヒント。

本当は一流をめざすことができないのに、周囲の期待に流されてめざしちゃったりする人もいます。本当は人生を楽しむことが一番得意な人なのに、毎日がとてもつらくなる。そういう人は一流をめざすことはきっぱりやめて、三流にシフトしたほうがいいと私は思います。本書は、そういう方のための本です。――本文より

三流とは、一人ひとりの可能性を最大限に大切にする生き方。
ポストコロナ期の処世術にして希望の書。

序章 三流のすすめ
第1章 これぞ三流!
第2章 螺旋的に生きる
第3章 『鶉衣』に学ぶ三流
第4章 三流の聖典『論語』
第5章 『中庸』は三流の実践書
第6章 『人物志』――才能や資質の見分け方
第7章 道徳・法・術――『人物志』が説く三材
第8章 「国の身体」となりうる三流人
第9章 三流的生き方・実践編
 

著者について

安田登(やすだ・のぼる)
1956年千葉県銚子市生まれ。能楽師のワキ方として活躍するかたわら、甲骨文字、シュメール語、論語、聖書、短歌、俳句等々、古今東西の「身体知」を駆使し、さまざまな活動を行う。著書に『あわいの力~「心の時代」の次を生きる』、コーヒーと一冊『イナンナの冥界下り』、『すごい論語』(以上、ミシマ社)、『身体感覚で「論語」を読みなおす。』(新潮文庫)、『能~650年続いた仕掛けとは』(新潮新書)、『野の古典』(紀伊國屋書店)、『見えないものを探す旅~旅と能と古典』」(亜紀書房)など多数。
 
 
まさに目から鱗‼︎ 自分をモデルに書いてくれたのではないかと思うくらいで、読み進めましたが、何分三流な人間なので、レビューを書きつつ楽しく読んでます。あっ、また安田さんの別の本を購入したくなりました。この様に安心して三流の道を邁進する元気を貰えます。
 
 
私はこの本を読む前から、自分は三流だと思っていました。
なので、この本のタイトルを見た時、きっと自分のことが書いてあるんだろうなぁと勝手に親近感を感じていました。
実際に読んでみると、
「これ、三流か?」
と思う箇所ばかり。
著者が優秀すぎます。
全然共感できません。
この本を読んで、私は三流を名乗れなくなりました。
私は四流ということにしておきます。
繰り返しますが、この著者は優秀です。
ダメダメなエピソードを期待している方は、要注意です。
 
 
 
 

「木」から辿る人類史

2021年11月07日 08時59分37秒 | 社会・文化・政治・経済

 ヒトの進化と繁栄の秘密に迫る 

 

「木」から辿る人類史: ヒトの進化と繁栄の秘密に迫る
 
 
ーー隈 研吾(建築家)
「人類史のほぼ全期間において、新たな呼称をつけるべきかもしれない。すなわち"木の時代"と」
――『ニュー・リパブリック』
「人類が"木"に対して、計り知れないほどの"借り"があることを示した驚くべき本。
本書は、まさに人類史の再解釈といえる。近代的な木造建築、森林伐採など幅広い話題を扱い、感嘆に値する」――『サンデー・タイムズ』
「著者は古人類学を通じて、人類が森を出た理由と初期の技術開発について探究し、
社会史、建築、地質学、機械工学など、さまざまな分野の木に関する研究成果をまとめた。
本書は天然資源の問題が山積する現代において必読の、優れた歴史ノンフィクションだ」
――『カーカス・レビュー』

二足歩行、交易、産業の発展……すべて成功の鍵は「木」にあった!
ヒトはいかにして二足歩行を始め、文明を築き、驚異の発展を遂げたのか?
定説では、石・青銅・鉄が重要な役割を担ったとされている。
しかし、じつは「木」こそが歴史をつくった最も重要な鍵だと著者は言う。
類人猿の樹上の巣から、交易に活用された木舟、多様な建築技術、エネルギー源としての木炭まで、
つぶさに語られる木の驚くべき汎用性を通して、今まで見えていなかった新しい歴史の姿が現れる。
人類学・建築学・生体力学など幅広い研究をもとに、構造的な特殊性をもつ木と、
創意工夫に長けた人類の700万年にわたる関係を、斬新な視点で解き明かす壮大な物語。
〈目次〉
第1部 木が人類の進化をもたらした(数百万年前~1万年前)
第1章 樹上生活の遺産
第2章 木から下りる
第3章 体毛を失う
第4章 道具を使う
第2部 木を利用して文明を築く(1万年前~西暦1600年)
第5章 森を切り拓く
第6章 金属の融解と製錬
第7章 共同体を築く
第8章 贅沢品のための木工
第9章 まやかしの石造建築
第10章 文明の停滞
第3部 産業化時代に変化した木材との関わり(西暦1600年~現代)
第11章 薪や木炭に代わるもの
第12章 一九世紀における木材
第13章 現代世界における木材
第4部 木の重要性と向き合う
第14章 森林破壊の影響
第15章 木との関係を修復する
 

著者について

生物学者。イギリス・ハル大学生物科学部の客員教授。動植物の工学的なしくみを研究する生体力学の研究者として、霊長類の木の使用法などを探究する。植物、生体力学、統計学に関する教科書を執筆するほか、自然史学、考古学、工学、建築などを幅広く研究。おもな著書に、ロンドン自然史博物館から出版されたTrees、おもな共著にPlant Lifeがある。イギリスのBBCやアメリカのPBSなどのラジオ科学番組に出演し、木に関する講演も多数行っている。

翻訳家。おもな訳書に、セン『宇宙を解く唯一の科学 熱力学』( 河出書房新社)、スタンレー『アインシュタインの戦争』(新潮社)、ザッカーマン『最も賢い億万長者』、チャム他『僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない』(以上、ダイヤモンド社)、デイヴィス『生物の中の悪魔』、アル=カリーリ『量子力学で生命の謎を解く』(以上、SBクリエイティブ)、テグマーク『LIFE3.0』(紀伊國屋書店)がある。
 
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今週の本棚

養老孟司・評 『「木」から辿る人類史』=ローランド・エノス著、水谷淳・訳

 プロローグで著者は言う。「いまや、木の役割を見直すべきときだ。本書は、このもっとも汎用(はんよう)性の高い素材と私たちとの関係性に基づいて、人類の進化、先史時代、歴史を新たに解釈しなおしたものである」「読者には何よりも、石・青銅・鉄という三種類の素材との関係によって人類の歴史が方向づけられたとする従来の定説に惑わされずに、この世界を見つめてみてほしい」。ここでは本書が、いわば私の頭に入っているような従来の常識への挑戦であることが明確に宣言されている。

 人類史として、時間軸は3部に分けられ、第1部「木が人類の進化をもたらした」は数百万年前から1万年前までとされ、第2部「木を利用して文明を築く」は1万年前から西暦1600年まで、第3部「産業化時代に変化した木材との関わり」、第4部「木の重要性と向き合う」は西暦1600年から現代までということになっている。著者の論考は主として欧州それも英国に中心が置かれ、例えば日本で重要とされる森林の保水能力に関わる論考などはほとんどない。

本書の論述をそのまま日本に当てはめることはできない。

 

二足歩行を含め、人の進化や、交易、商業、産業にどれだけ木材(木)が影響を与えてきたのか、歴史的事例を通じて解説。
これまで、人類史における石や鉄の貢献度を解説する考古学関連の書籍を多く目にして来たが、木は目から鱗。
ややテクニカルな話に傾注してしまっているところが気になるが、非常に興味深い一冊。


木が人類の進化をもたらした(数百万年前~1万年前): 樹上生活の遺産 木から下りる 体毛を失う 道具を使う  木を利用して文明を築く(1万年前~西暦1600年): 森を切り拓く 金属の融解と製錬 共同体を築く 贅沢品のための木工 まやかしの石造建築 文明の停滞 産業化時代に変化した木材との関わり(西暦1600年~現代): 薪や木炭に代わるもの 19世紀における木材 現代世界における木材 木の重要性と向き合う 森林破壊の影響 木との関係を修復する


人類発展のカギは「木」にあった!? 目からウロコの話題書『「木」から辿る人類史』が、いよいよ発売!
デジタル社会のいま、新国立競技場やオフィスビル、カフェなど、なぜか木を使った建物が増えている。「木と人の関係」に隠された秘密とは?
株式会社NHK出版2021年9月21日 11時30分


木を多用した温かみのあるデザインが話題となった新国立競技場をはじめ、暮らしに木材を取り入れて、森を育てるエコ活動「木づかい運動」が広がるなど、最近、「木」を身近に感じる機会が増えています。
 木は、700万年以上も前から、私たち人類の進化と文明の発展に非常に深く関係してきました。なぜ、どのように、人類は木を利用し、今日の社会を築くまでになったのか、その壮大な道すじを解き明かした『「木」から辿る人類史 ヒトの進化と繁栄の秘密に迫る』が、9月28日に発売されます。

 

各紙誌書評
「人類史のほぼ全期間において、新たな呼称をつけるべきかもしれない。すなわち"木の時代"と」――『ニュー・リパブリック』

「人類が"木"に対して、計り知れないほどの"借り"があることを示した驚くべき本。本書は、まさに人類史の再解釈といえる。近代的な木造建築、森林伐採など幅広い話題を扱い、感嘆に値する」――『サンデー・タイムズ』

「著者は古人類学を通じて、人類が森を出た理由と初期の技術開発について探究し、社会史、建築、地質学、機械工学など、さまざまな分野の木に関する研究成果をまとめた。本書は天然資源の問題が山積する現代において必読の、優れた歴史ノンフィクションだ」――『カーカス・レビュー』