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選挙支援やイベント出席 旧統一教会で首長

2022年07月28日 11時21分18秒 | 新聞を読もう

7/28(木) 7:09配信 時事通信

本村賢太郎市長

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐり、首長の間でも、選挙で支援を受けたりイベントに出席したりなど関わりが明らかになる事例が相次いでいる。

 
 相模原市の本村賢太郎市長は27日、衆院議員だった2018年、後援者の紹介でさいたまスーパーアリーナ(さいたま市)であった旧統一教会のイベントに国会議員の立場で出席したと記者会見で説明。「軽率だったと反省している」と語った。

 石川県の馳浩知事は26日の会見で、秘書に確認したところ過去に選挙で支援を受けていたと述べた。金銭面の支援はないとする一方で具体的な内容の言及は避け、「ポスターを張っていただく、後援者名簿を書いていただく、集会の動員をお願いする、集会を開いていただく、一般論で言えばこういうことだと思う」と話した。

 富山県の新田八朗知事は20日の会見で、2年前の知事選に絡み、「集会に招かれて話をした」と説明。福井県の杉本達治知事も関連イベントに祝電を送っており、「他の首長も含めて(イベントの)趣旨に賛同しているという話があったので、私費で送ったと思う」と会見で述べた。

 旧統一教会は、安倍晋三元首相銃撃事件で逮捕された容疑者の母親が入会しており、同教会への恨みから犯行に及んだとされる。 

 


宗教」が怖い!日本人

2022年07月28日 10時40分00秒 | 新聞を読もう

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人間観2009年3月


宇都隆史/卒塾生

解っているようで解らないのが「宗教」。
本文では宗教の本質について人間観に基づく考察を行うと共に、国家における宗教のあるべき姿についての見解を提唱したものである。

 
1 「日本人は無宗教」の嘘
 「あなたの宗教は何ですか?」と聞かれて、「無宗教です。」と答える日本人は少なくありません。日本人にとってはあまり違和感のないこの回答ですが、海外では目を丸くされることがあります。なぜならば、海外では無宗教の人間なんてあり得ないのが普通だからです。日本人にとっての無宗教というのは、「特定の宗教を敬虔に崇拝しているわけではない」という位の意味なのですが、それは複数の宗教を容認する文化のない西欧の人々には理解不能な感覚なのです。日本人が宗教的な感覚に恐ろしく鈍い原因は、成人になるまで公教育において宗教を学ぶ機会が皆無だからに他なりません。(一部のミッション系の学校を除く)ところが、実は日本人ほど非常に宗教に寛容な国民はいないのです。年の暮れともなると宗教の多様性はより顕著となります。多くの日本人の年末年始の過ごし方を見てみると、師走の二十五日にはクリスマス【キリスト教】を祝い、大晦日にはお寺の除夜の鐘【仏教】を聞きながら年を越して、年が改まれば氏神様の神社【神道】に初詣をし、ご先祖様の仏壇【道教】に灯明をあげる。たった10日間程の間に4種類もの宗教的行事を行いながら、少しも違和感を伴わないのは我々日本人くらいのものでしょう。

 宗教問題を議論していると、日本人の国民宗教は何かというテーマが良く出てきます。評論家の山本七平氏は「日本教」という言葉を用いました。宗教学的には仏教も儒教もキリスト教も、日本に入ってくる時点で戒律や規範が取り払われ、エートスだけが抽出され「日本教」に変化されるというのです。つまり、日本人は行事の度に信者でもないのにキリスト教徒や仏教徒のように振舞うのではなく、日本教の信者として各々の行事を行っているに過ぎないと考えれば理解できるのです。

2 宗教とは何か
 さて、いったい宗教とは何でしょうか。この質問に対して、自分なりの考えで即答できた日本人をほとんど見たことがありません。何故私たち日本人の多くが宗教に疎いのかと言えば、教育の機会に恵まれていないということに加え、宗教を何か禍々しいものとして捉えているからではないでしょうか。知らない物に対する漠然とした不安が先に立つのでしょう。しかし、学ばなければ不安は消えませんし、宗教的無知はカルト教団などに対する精神的防衛力を欠くことにも繋がります。そこで、そもそも宗教とは何かという本質的な問題について、少し考えてみたいと思います。

 「宗教」という言葉は、明治時代になって「religion」の訳語として造られた新しい言葉です。レリジョンの元々の意味は「繰り返し読む」という意味です。キリスト教の文化圏である欧米においては「宗教と言えばキリスト教であり、神の言葉が記された聖書を繰り返し読み、神との契約を履行すること」これこそが信者の証なのです。宗教とは何かという問いに対し、社会学者のマックス・ウェーバーは「宗教とは行動様式のことである」と定義しました。つまり、人間の行動を意識的あるいは無意識的に突き動かしているものを総称して宗教であると唱えました。さらに言えば、信仰の対象となる神様の有無は関係なく、倫理道徳や習慣風俗も一種の宗教であるというのです。前述した山本七平氏は、このマックス・ウェーバーの説に則り、「日本人は特定の宗派に属していないだけで、日本人たる独特の行動様式を持っている。それが日本教である」という社会学的解釈をしたわけです。この説に則ると、信仰だけでなくイデオロギーもまた宗教の一種であると解釈でき、マルキシズムも資本主義もある意味、一宗教であると言えます。

 しかし、私は個人的にこの解釈に釈然としません。学問的にはそうなのかもしれない。しかし、何か自分の中で腑に落ちないところがあるのです。つまり、マックス・ウェーバーの解釈は私達日本人の宗教観にそぐわないのではないかと思うのです。そこで、宗教とは何かを考えるために、宗教は哲学や思想と何が違うのかということを考えてみます。この三者の関係を私は次のように解釈しています。哲学とは、宇宙や人間の根本原理を追求する学問の一つです。思想とは宇宙や人間の根本原理の中に、行動するための動機となりえる社会的意義を見出したイデオロギーの総称ではないでしょうか。そして、宗教とはこれに「信仰」というキーワードが加わったものだと思います。つまり、思想の中に人智を超えた神聖なものを見出し、それを畏怖し奉るときに、「宗教」と言えるのでしょう。この信仰の対象は、絶対者や神である必要はなく、自然の力や宇宙の摂理などでも良いのです。そう考えると、宗教は精神的に弱い一部の人が必要とするような禍々しいものではなく、人間が知的活動をし、社会的生活を営んでいく上で必要な精神的行動の一つではないかと私は思うのです。

3 宗教と政治の正しい関係とは
 ここで、宗教と政治の関係について考察してみます。良く聞きなれた言葉に「政教分離」というものがあります。しかし、誤った解釈がまかり通っているのが現状です。私は、日本国憲法が良くないと思っています。

第20条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
 この政教分離の起源は、ローマ教会にあります。政治の混乱と分裂の中、ローマ帝国は宗教の影響力を国の統治に利用するため、キリスト教を国教に指定します。しかし、ローマ帝国は東西に分裂したため、ローマ教会は政治的後盾を確保するために、協会が各国の国王に戴冠する教会と政治の二人三脚の体制が出来上がりました。これを、二王国論といいます。(政治的権力は国王が、宗教的権威は協会が握る二元的な体制)しかし、信仰と政治権力が強力に結びつくとロクなことはありません。なぜならば、信仰を理由に戦争を起こしたり、教義に反した政策はとれなくなったりするからです。そこで、ルターの行った宗教改革以降、信仰と政治を分離することを原則としたのです。つまり、憲法にある「政教分離の原則」とは、宗教的権威と政治的権力の分離を徹底させるということに他なりません。しかし、憲法の20条を見るかぎりでは、政治の中に宗教色が入ることすらも認めないようにもとられます。だから、国や公的機関が祭事を行ったり、公人がこのような行事に参加したりすることを極端に問題視するのです。ところが、ここで本質を考えてみましょう。政治が社会的生活を効率的に統治システムであるとすれば、宗教は社会生活を有意義に営むための精神的支柱です。この二つは国家を統治する上で、もっといえば人間が社会的な営みを行うために必要不可欠な両輪であるとは言えないでしょうか。政治は別の言い方で「政(まつりごと=祭事)」ともいいます。どの国家にとっても、政治は宗教的側面と切っても切れない関連性があるのが当たり前なのです。つまり、必要なのは両者のバランスなのです。「政治的権力と宗教的権威の分離は徹底する。しかし、一方が過ぎるようなことがないように双方の調和を保つ」これが政治と宗教の正しい関係であり、国家の安定を作り出す基本原則であると私は考えます。日本の歴史を眺めると、平和の続いた時代には宗教と政治の調和がとれていたのではないかという仮説が成り立ちます。このような仮説に立って大東亜戦争を振り返ると、最大の政治的失敗は、「軍部の独走」というよりも、天皇という宗教的権威を政治的権力の頂点に据えた明治以降の国家体制そのものにあったと考えられるのです。

 翻って、現代の国家体制を見てみると、政治的権力から宗教的権威は切り離されたものの、敗戦のショックにより、国家から「宗教」というものを極端に排除した、バランスを欠いた国家体制になっているのが非常に気になります。(公明党の問題は、紙面の関係上ここでは触れません。)

4 日本精神の再興には、知的闘争が必要である。
 最後に、何故人間にとって宗教が必要かということについて考えてみましょう。
 私達人間が他の動物と決定的に異なる部分は何でしょうか。それは、我々に知性があるということです。人間は生きる上で、普遍的な命題にぶつかります。例えば、「生きることに何の意義があるのか」「人は死んだらどうなるのか」「この世界はどのように生まれ、そしてどこへ向かおうとしているのか」など、ただ生きていくだけなら必要のないこのような問いの数々。しかし、知らないことに対して知ろうとすることこそが知性の知性たるゆえんであり、人間の本性であるのです。フランスの思想家パスカルの「人間は自然のなかで最も脆い葦にすぎない。しかし、それは考える葦である。」は至極名言であると言わざるを得ません。そして、歴史を大局的に眺めると、それは自らの存在意義を確かめ、それを肯定するために先人達が苦悶してきた「知的闘争の歴史」だということが解るでしょう。私たちの祖先は、人間が誇り高い存在としての地位を獲得するために、未知のものと格闘し、この世界や宇宙に対して、偉大な価値と意味を見出すための知的試みを繰り返してきた。その試みの一つが宗教であり、人類発展の原動力であったと言っても過言ではありません。

 ところが、昨今の日本人は、思考するという訓練をしていないために、精神的に非常に未発達なのが解ります。最近の犯罪の傾向を見てみても、短絡的で衝動的な理由による犯罪が多いのもそれを良く表しているではありませんか。かつて世界に誇った日本精神はいったいどこへいったのでしょう。国家崩壊の最大の危機は、外的の侵入などではなく、国民の精神の頽廃にあります。吉田松陰先生や安岡正篤先生といった、日本を率いてきた大思想家達はこのことをよく理解していました。

 よって、私は21世紀の日本の真の繁栄には、日本精神の再興が必要不可欠であると信じて止みません。そしてそれは、日本人が日本人たるゆえんに対して、もう一度知的闘争を挑むことを意味しています。そこに日本人が気づいたとき、我が国は再び世界に名だたる一流国家として他国の信頼と尊敬を集めることができるでしょう。その具体的手法である「行動哲学としての農本生活」の説明は、また次の機会に譲ることにいたします。

 終わりに、藤田東湖先生が若き松陰先生に送られた金言を持って結びといたします。

「国難襲来す 国家の大事と雖も 深憂するに足らず 深憂とすべきは 人心の正気の足らざるにあり」

<参考文献>

小室直樹 著  「日本人のための宗教原理」 徳間書店
橋爪大三郎 著 「世界がわかる宗教社会学入門」 筑摩書房
2009年3月 執筆

 松下政経塾とは
松下政経塾は、パナソニックの創業者・松下幸之助によって設立されました。その原点は、「物と心の繁栄を通じて、平和で幸福な社会を実現したい」と願う強い想いでした


利根輪太郎の競輪人気番 今度こそ!

2022年07月27日 12時04分54秒 | 新聞を読もう

GⅢ 佐世保競輪 九十九島賞争奪戦

人気を背負った新田 祐大選手は2日間、競輪ファンたちの期待を裏切ったのだ。
最終日、<今度こそ>と期待するのは必然。
競輪ファンは、新田の選手絡みの車券に投票して負けて、このまま引き下がれない心境となる。
初日の特選はメンバーから車券に絡まなくても<仕方ない>と諦められた。

だが、2日目は勝てるだろうと期待した。

レース評
新田は完調ではないが、このクラスなら能力一番。
武藤がマークだが、門田を利す渡部の連対も。
佐藤と瀬戸にはシビアな攻め
1番人気は3番新田 祐大選手と1番武藤 龍生選手の3-1(1.8倍)
だが、新田選手は期待を裏切り5着となり、配当は2車単8-2が2万820円(25番人気)、3連単8-2-1 15万1,840円(152番人気)の大穴となる。

では、3日目は?8番の山口 敦也選手に競りこまれた。
なめれたものだ。
そでも、何とか1着に。

7月26日 最終日7月26日

新田断然 11レースS級特秀

並び 1(97競り)6 5-2 8-3 4(単騎)

レース評
新田はワンランク上だ。
格違いの走りで他を圧倒。
番手は大森と岡田で競りだし、俊敏な渡部が相手。
不破−村田との絡みも。

1番人気1-3(3.9倍

結果

3-5 4,110円(13番人気)

3-5-1 1万4,160円(41番人気)




選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
× 1 3 村田 雅一   11.2    
2 5 渡部 哲男 1/2車輪 11.3    
3 1 新田 祐大 3/4車身 10.9   S  
  4 4 山口 貴弘 1車身1/2 11.3      
5 9 大森 慶一 3/4車身 11.0      
  6 2 原 誠宏 1車輪 11.5      
  7 6 竹山 陵太 1/8車輪 10.9      
8 8 不破 将登 2車身 11.8   B  
9 7 岡田 泰地 3車身 11.4

戦い終わって

戦い終わって写真

 圧倒的人気の新田祐大は届かずまさかの3着。

中団から捲った渡部哲男に切換えた村田雅一が交して1着。

「不破将登君が主導権を取ってくれて新田君が構えてくれた。あれなら飛んで来ても1人かなと。不破君が落ち着いて駆けてくれた。渡部さんが中団から早めに来て何とか止めたかったけど。その後ろを捌いたのは最低限。新田君も来ると思ってシビアに行かせてもらった。準決は伊藤信さんが強かったから。オールスターに向けて課題は見つかった」。
 捲った渡部が2着に粘り「不破君はまだ伸びて行く感じがあったから、もっと待って仕掛けたかったけど。新田君に被るよりは無理やり。その結果、新田君が行きやすくなっても仕方ないから。今回の自力はたまたま出ただけ。でも何かがかみ合って来て、もがいた時の感じが違う。要因はひとつではなく色々。なんとなく理想の走りができるように」。


接種後死亡で初の被害認定 新型コロナワクチン 厚労省分科会

2022年07月27日 08時59分51秒 | 新聞を読もう

7/25(月) 23:11配信 時事通信

 厚生労働省の審査会は25日、新型コロナウイルスワクチン接種の健康被害に関する分科会を開き、接種後に死亡した91歳女性の死亡一時金請求を認めた。

 同ワクチン接種後の死亡例について、予防接種健康被害救済制度に基づき認定されたのは初となる。

 厚労省によると、女性は脳虚血発作や高血圧症などの基礎疾患があり、接種後に急性アレルギー反応と急性心筋梗塞を発症して死亡した。女性の遺族には予防接種法に基づき死亡一時金4420万円などが支払われる見通し。 

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世信者の苦悩「親が信者だと“戻れる場所”がない」。カルト宗教にハマる人の特徴は?

2022年07月22日 12時16分31秒 | 新聞を読もう

7/22(金) 8:46配信 女子SPA!

7月8日、参議院選の街頭演説の最中に銃撃に遭い、命を落とした安倍元首相。銃撃した山上徹也容疑者は母親が「旧統一教会(世界平和統一家庭連合)」に入っており、総額1億円にも上る献金をして2002年に破産。同容疑者は自民党と旧統一教会に関わりがあったとして安倍元首相を殺害しようと思ったと供述しています。

 今回の事件のフックにもなっている“宗教の問題”。旧統一教会は世間一般的には新興宗教やカルト宗教と呼ばれています。伝統宗教と新興宗教の違いとは何なのか、カルト宗教に入信した人の脱会の相談に10年以上乗り、自身も浄土真宗親鸞会を脱会した経験をもつ、真宗大谷派玄照寺住職の瓜生崇さんにお話をうかがいました。

現在の呼び方は「新宗教」
 まず、伝統宗教と新興宗教の違いとは何なのかを尋ねると、瓜生さんによると、今は『新興宗教』という言葉は極力使わないとのこと。

「今は『新興宗教』ではなく『新宗教』と呼びます。単に新しくできた宗教のことで、伝統宗教も単に古くから続いている宗教のことです。200年近くの歴史のある天理教などは『近代宗教』と呼ぶこともあります。伝統宗教と新宗教の違いは、大まかに言えばそれだけです」(コメントは瓜生崇さん、以下同じ)

全ての新宗教が悪質なわけではない
 てっきり新宗教は信者から悪質な手法でお金を巻き上げている宗教だと思い込んでいましたが、それはよくある偏見だといいます。

「新宗教は歴史が浅いので教団の経済基盤が未成熟なところが多く、その分金銭的な負担が比較的重い傾向はたしかにあります。ただ、全部の新宗教がそうであるわけではないし、伝統宗教でもお金を取るところは当然あります」

カルト宗教の定義とは
 では、カルト宗教と新宗教の関係はどうなっているのかというと、瓜生さんはカルト宗教の定義を次のように教えてくれました。

「私は自著の中でカルト宗教の定義について以下のように書いています。『カルトとは、ある特定の教義や思想、あるいは人物そのものを熱狂的に崇拝する集団であり、その組織的目的を達成するために、詐欺的な手法を用いて勧誘したり、メンバーやメンバー候補者に対して、過度な同調圧力を加えて人格を変容させたり、精神的肉体的に隷属させたり、経済的に無理な収奪を行うなどをするものをいう』(瓜生崇『なぜ人はカルトに惹かれるのか 脱会支援の現場から』法蔵館、2020)。

 カルトの問題は新宗教の問題だとよく勘違いされるのですが、伝統宗教でもカルト的な問題はあるんです。例えばローマ・カトリックで昔から問題になっていて今も解決していないこととして、一部の聖職者が若い男女の信徒に対して性的な虐待を行なっています。また、日本の伝統仏教でも、『○百万円払わないと墓じまいさせない』などということもあるわけです。要求される方はおかしいと思っても、宗教的な権威を盾にやられると怖くてお金を払ってしまう。これって霊感商法に極めて近い行為で、カルトがやっていることとそう変わらないんです。カルトを語るときは、特定の教団がカルトかどうかばかりが問題にされますが、本当の問題はそこでカルト的なことが行われているか否かなのです。

 もちろん、オウム真理教や旧統一教会のように、教団そのものがカルトと言えるケースもあるのですが、どちらかと言うと、全体的に問題なさそうな宗教の、一部の限られたところでカルト的な収奪が行われていることも多いのです。この問題は宗教に限らず、カリスマ的な社長のいるブラック企業とか、自己啓発セミナー、マルチ商法やネットワークビジネスがカルト化していくケースもあります」

カルトにハマりやすい人の特徴「人生に真面目」
 このようなカルトにのめり込んでしまう人の特徴は、精神的に弱っていたり優柔不断な人が多いのかと思いきや、真逆だと瓜生さんは語ります。

「人生に真面目で、一生懸命何かを考える力があり、『人間はなぜ生きているのだろう』と普通の人がスルーするようなことを掘り下げてしまう人がハマりやすいとは言えます。

 また、ハマりやすい年代は2種類の山があって、まずは20歳前後の若者。受験勉強を頑張って無事大学に受かったらその先の目的がなくなってしまう。そんなときに新たな目的としてカルトに入信する。

 もうひとつは男性の場合60代くらいで、定年退職したりした人、女性だと50代で子育てが一段落した人。今までは仕事や子育てに一生懸命だった人が何もなくなってしまったとき空虚さを感じて、この先の人生このまま生きて死んでいくのかなと考えたとき、チラシであったりインターネットで見かけたりしてカルトにハマりやすいです」

現代の勧誘はネット上がほとんど
 一昔前までは大学のサークルの勧誘に混ざって宗教勧誘をする信者が多かった印象ですが、今は圧倒的にSNSでの勧誘が多いそうです。2000年頃から大学での宗教勧誘が厳しくなり、ちょうどその頃にSNSの流行の原点とも言えるmixiが流行り始めて、今はTwitterやFacebook、珍しいところだとTik Tokなどでも勧誘があると言います。

 それに加え、今はマッチングアプリを使う人も多いので、マッチングした相手を勧誘することも。さらにとある宗教系YouTuberは登録者数が19万人もおり、その動画を見て信者になる人もいるそう。宗教系YouTuberは結論を言わず『絶対の幸福になりたい人は私のオンラインセミナーへお越しください』と誘うのだといいます。なんとも現代的なツールを使った誘い方です。

なぜ人はカルトにハマってしまうのか
 カルトにハマってしまう理由の一つとして、その宗教に入ると同じ主張の規範の人たちの集団の中にいることになるので非常に居心地が良いのだそう。

「例えば同じ業界の仕事の人と飲み会をすると共通の話題があって、居心地が良いのと基本的には同じで、カルトでは自分を認めて同じ価値観に生きる人の濃密な集団に溶け込むことができる。そうなると辞める気にならなくなってしまうんです。『居場所がなくて孤独だから宗教にハマってしまうんでしょ?』と思う人もいるかもしれませんが、これは非常に短絡的な考えで、社交的で他の分野でも友達がたくさんいる人も入っています。芸能人などはその典型かもしれません」

カルトに入っても抜け出せる人もいる
 カルトは一度ハマってしまうと抜け出せないイメージがありますが、そうではないそうです。

「カルトは大量の人が入って大量の人がやめていくモデルなんです。例えばオウム真理教の後継団体としてアレフがありますが、公安調査庁の資料を見ると、アレフなんかはだいたい毎年100人~200人が入信しています。そうなると10年も経つと1500人は増えている計算になりますが、全体の信者数は変わっていないんです。入っていく分だけやめていく人がいるんです。ガンガン入信してガンガンやめていくのがカルトの姿です」

マインドコントロールはありふれた言動
 瓜生さん自身、新宗教である浄土真宗親鸞会を脱会しています。脱会のきっかけは何だったのでしょうか。

「話すと長くなるのですが、当時僕は布教のために全国を回っていたんです。でも、途中からインターネットが発展してきて、ネット上の掲示板で教団の批判をする書き込みが増えてきたんです。それで上層部の人から『君は理系でコンピュータにも詳しいから戻ってきてこの批判の書き込みをどうにかしろ』と言われ、布教から戻ってきました。それで、批判の書き込みを削除したりしていたんですが、書き込みを見ていると、その人たちの気持ちがわかるし、ひょっとしてネットの向こう側にいる人たちが正しくて自分が間違っているんじゃないんだろうかという気になってきたんです。それがきっかけで私は親鸞会を脱会しました。

 それと、脱会者を防ぐためにマインドコントロールについても調べていたことがありました。マインドコントロールと言うと、オウム真理教のように麻原彰晃の脳波に繋がるとされるヘッドギアをつけたりMDMAを飲ませて幻覚を見せたりするのをイメージするかもしれませんが、実際はそれとは全く違うんです。マインドコントロールの手法はどこにでもあるありふれたもので、相手に親切にするとか。例えば会社に新入社員が入ってきたら辞めないようにみんなで丁寧に教えたりするじゃないですか。この会社は良い会社だと思わせる。そんなふうにして一つの思想や考え方の規範をその人に慣れさせること、社会の中で普通に行われているようなありふれた出来事を、束にして一つの方向に切れ目なく続けていく。緩やかに、自然に、人間を変えてしまう。これがマインドコントロールの正体なんです。だからされている方は気づかないんです」

宗教2世には戻れる場所がない
 今回の銃撃事件の山上容疑者は旧統一教会の2世ではないかとされています。最後にこの2世の問題について瓜生さんに2世にはどんな苦しみがあるのかを聞きました。

「やはり親が信者だと戻れる場所がないということです。宗教をやっていると、生活の全てが宗教になるんです。自分の生き方の指針でもあり、哲学でもあり、目的でもあり、あらゆるものが宗教です。お父さん・お母さんの役割をしてくれるのも宗教だし、きょうだいや友達の代わりをしてくれるのも宗教。戻れる場所があれば戻れるけれど、それがカルト宗教の親がいると戻れない。そういうところに宗教2世の苦しみがあると思います」

【瓜生崇(うりゅうたかし)】
1974年東京都生まれ。電気通信大学中退。大学在学中に浄土真宗親鸞会に入会、同講師部にて12年間の活動後、脱会。システムエンジニアを経て、2011年から真宗大谷派玄照寺(滋賀県東近江市)住職。カルトの脱会支援活動に尽力するほか、大学や高校、寺院などでカルト問題啓発のための講演をしている。大阪大学キャンパスライフ健康支援センター招へい教員。真宗大谷派青少幼年センタースタッフ。著書に『なぜ人はカルトに惹かれるのか 脱会支援の現場から』(法蔵館)などがある。

<取材・文/姫野桂>

【姫野桂】
フリーライター。1987年生まれ。著書に『発達障害グレーゾーン』、『私たちは生きづらさを抱えている』、『「生きづらさ」解消ライフハック』がある。Twitter:@himeno_kei

女子SPA!


元信者の大学教授が語る 旧統一教会と“縁が深い“政治家「間違いなく清和会」

2022年07月22日 12時08分05秒 | 新聞を読もう

7/22(金) 10:37配信 ABEMA TIMES

元統一教会信者で金沢大学の仲正昌樹教授

 東京大学入学とほぼ同時に旧統一教会に入信。約11年半後に脱会した金沢大学の仲正昌樹教授が、安倍元総理の銃撃事件や旧統一教会について語った。

【映像】元信者が明かす旧統一教会と“縁が深い”政治家

「長いこと統一教会にいた人間からすると、なんで安倍さんなのかと思いました。安倍さんと統一教会は岸信介さんの時代からの付き合いはあったと思いますが、教会側の認識としてはそれほど距離の近い人ではなかったので正直、私も驚きました」

 そう話すのは、元統一教会信者で金沢大学の仲正昌樹教授。1981年に東京大学に入学して、駒場寮で「原理研究会」に勧誘されたのをきっかけに「世界平和統一家庭連合(=旧統一教会)」に入信。約11年半の活動を経て自らの意思で脱会した。

 東大入学時に旧統一教会とは知らずに原理研究会からの勧誘で入信した仲正教授。当時は駒場寮に入寮していて、その周辺を散歩していた時に“宗教と科学に関する”アンケートを依頼されたのが入信のきっかけだという。当時について、仲正教授はこう振り返る。

「アンケートの後に『宗教と科学の統一に関する研究会をやっていて、そこで新しい宗教と科学を統一する理論があるんですが聞いてみたくないですか』と言われて、興味があったので付いて行きました。その方から一対一で、統一教会の触りの部分の講義を受けて、その後にもいろいろ話を聞いてくれたのもあって割と打ち解けて、2回3回と通うようになりました」

 約11年半もの間、活動していた仲正教授。旧統一教会と特に“縁が深い政治家”はいたのだろうか。

「間違いなく清和会(清和政策研究会)です。統一教会が中心になって作った国際勝共連合があるのですが、日本で設立するにあたって岸信介さんと(日本財団創立者の)笹川良一さんがかなり協力されたと。あの当時、岸さんは韓国との政権関係もお互いに反共ということで良好で、付き合う上では支障はなかったと思います。ただ、清和会の方々は内部の人からすると、新党とか天皇を大事にする思想の人たちとみられ、自分たちのように韓国人をメシアだと言っている宗教団体とは根底のところでは合わないといった認識を持っていました。教会の中に長くいる人はそういう印象を持っているのではないかと思います」

 今回の事件を受けて、ネット上では宗教法人に対する課税や規制に関する議論も始まっている。この規制について、仲正教授は次のように見解を述べた。

「メディアでよく言われているのは献金額に対する規制ですが、献金額でいうと統一教会に対してはいいと思います。例えば、お金持ちの方が由緒伝統ある神社や寺に高額な寄付をしたい時にも引っかかってしまう可能性があります。もし、直接な寄付がダメだとしたら統一教会ではまさにやっていますけど、例えば投資のような形でお金を出させるとか、もぐってしまうような形になる可能性が高いと思います。額ではなくて、山上容疑者の件から考えると、扶養家族がいる人が財産を全額寄付できない、取り返しができるような仕組みを作っておいた方がいいと思います」

 安倍元総理の銃撃事件で逮捕された山上容疑者は、動機について自身の母親が破産してもなお旧統一教会に対して献金をしていたなどと供述していた。この件に、ニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演している経済学者でイェール大学助教授・成田悠輔氏は「この問題はいろいろ絡み合って混乱する」と持論を展開した。

「いくつか挙げてみる範囲でも、そもそも統一教会という組織が行なっている活動自体が倫理的に問題があるのではといった問題。それから、その組織と例えば自民党のような政治的な組織がかなり近い関係にあって、政治と宗教の密着が起きているのではという問題。今回の山上容疑者が統一教会の問題と自民党との関係を自分の事件の犯行動機として当てたので、かなり異質なものが組み合わさってすごく難しい問題になっていると思う。

 最初の二つの問題については、今多くの方が取り組まれているようにメスを入れることが大事だと思う。ただ、一つ重要だと思うのは、今回の犯行動機を大きな組織や政治と宗教の話に短絡的に結びつけない方がいいと思う」

(『ABEMAヒルズ』より)

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【“統一教会”と政治家の関係】「票の割り振り」 “統一教会”は否定

2022年07月22日 11時57分28秒 | 新聞を読もう

2022/07/21 日テレNEWS

安倍元首相銃撃事件で浮き彫りになったのが、宗教団体「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”と政治家の関係性です。

教団側は“組織的に特定の政党や政治家を支援することはない”と主張します。しかし、自民党・無派閥の青山繁晴参議院議員は、ある派閥の長から今回の参院選での“教団の票の割り振り”について聞いたと証言します。

一方、教団側は「news zero」の取材に対し、“教団の票の割り振り”について「事実ではない。教団は『政治関与はしない』という基本的なスタンスでやっている」とし、さらに、個別の政党や候補者への“組織的な応援”についても改めて否定しました。

しかし、元信者でジャーナリストの多田文明氏は、「教団による組織的な応援がある」と断言しました。約10年間、入信していたといいますが、当時、教団が支持する人物に票を入れたといいます。教団が政治家と関わる理由について、「最終的に一番いいのは統一教会の議員をたくさん作って 、日本の政治を動かしていくことが最終目的」としました。
(2022年7月20日放送「news zero 」より)

 


悔やまれる「政治の意向」=青木理

2022年07月22日 09時13分37秒 | 新聞を読もう

理の眼 毎日新聞 2022/7/20 

 安倍晋三元首相への銃撃事件をめぐってにわかに注目されている宗教法人・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)。メディアの世界で長く事件取材などを続けてきた者なら、さまざまな局面でその問題点や闇を痛感させられてきたでしょう。僕もそうです。

 1970年代から社会問題化していた悪質な霊感商法の被害。強引な勧誘や合同結婚式などをめぐるトラブル。重大事件でちらつく影。そして「反共」などを結節点とした政治との蜜月。通信社の記者として90年代に公安警察を担当した僕は、こんな情報を得て取材に駆け回った記憶があります。公安警察が旧統一教会への組織的捜査に乗り出す――。

 当時の教団は、故・文鮮明教祖が北朝鮮を訪問するといった特異な動向も見せており、どのような方向性で公安警察が動くのか、しかとはわからないままでしたが、いつしか動きはパタリと止まり、幹部は理由をこう漏らしたのです。「政治の意向だ」

 


安倍元首相銃撃、容疑者の心理は 独善的「世直し」思考か 喪失重なり、過激化

2022年07月20日 09時05分20秒 | 新聞を読もう

検証 毎日新聞 2022/7/19 


銃撃事件直前、安倍晋三元首相の演説現場に立つ山上徹也容疑者とみられる男性=奈良市の近鉄大和西大寺駅周辺で8日午前11時22分ごろ、久保聡撮

 奈良市内で参院選の街頭演説をしていた安倍晋三元首相(67)を銃撃した山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=は、現場で警察官に取り押さえられた。

抵抗するそぶりはほとんど見せず、暴れることもなく終始無言だったという。その姿にはむしろ、脱力感さえ漂っていた。山上容疑者は白昼堂々、安倍氏を銃撃することにどんな「意味」を見いだそうとしていたのか。

 

大渕憲一氏 銃撃は「誤った方向で自分の存在意義かけたか」
深掘り 大治朋子 

 毎日新聞 2022/7/18 11:31
大渕憲一・東北大学名誉教授(社会心理学)=本人提供

 奈良市内で参院選の街頭演説をしていた安倍晋三元首相(67)を銃撃した山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=は、現場で警察官に取り押さえられた。抵抗するそぶりはほとんど見せず、暴れることもなく終始無言だったという。その姿にはむしろ、脱力感さえ漂っていた。山上容疑者は白昼堂々、安倍氏を銃撃することにどんな「意味」を見いだそうとしていたのか。

 人の攻撃性や犯罪心理に詳しい大渕憲一・東北大学名誉教授(社会心理学)に話を聞いた。【大治朋子】

独善的視点からの「世直し」的な思考も
 今回の事件の背景には、特定の宗教団体への強い恨みがあるようだ。宗教団体トップへの襲撃を計画したり、安倍晋三元首相を狙ったりしており、なるべく目立つ形でやりたいという気持ちもあったのかもしれない。

 安倍氏を標的とするようになった過程はまだ分からないが、宗教団体トップが狙いにくかったというこ…

犯行を「一つのパフォーマンス」ととらえ、捕まらないことよりも「見せ場」を重視する。

テロに共通するような、独善的視点からの「世直し」的思考もあったのかもしれない。
そこには「より大きな社会問題として告発した」という「義憤」のような感情と、同時に「自分の存在を社会にアピールしたいうゆがんだ自己顕示欲」も垣間見える。

ゆがんだ正義感に基づき物事を暴力的に解決しようとする暴力的過激主義の根底には、「自己実現の感覚」がある。

そんな「世直しの聖戦」を自己犠牲のもとに完遂することが「天命であり、使命」と思い込んでいく。

共通する過激化プロセスの「起点」は、個人的な苦悩や不満だ。

やがて社会性や政治性を帯びて「大義」として昇華され、第2のステップ、物語の生成へとつながっていく。

「自分=善」「他人=悪」といった善悪二元論に発展。

心理学で「非人間化」と呼ばれる認知のゆがみで、自身を「巨悪に一人立ち向かう英雄」と見なし、使命感を燃やすのだ。

その過程で、犯意を漏らしたり、思想を書いて残したりすることもある。

 

 


安倍氏銃撃事件が鳴らす警鐘、日本は「ローンウルフ型テロ」に懸念―中国紙

2022年07月20日 08時54分53秒 | 新聞を読もう

レコードチャイナ2022年7月16日 13:00

2022年7月15日、中国メディアの環球時報は、安倍晋三元首相が銃撃を受けて死亡した事件について、日本国内でローンウルフ型テロに対する憂慮が広がっていると報じた。

記事は、安倍氏が奈良県で銃撃を受けて死亡した事件について岸田文雄首相が警察の警備態勢に落ち度があったと指摘していると伝える一方で「今回の事件は、いかなる組織にも属しないローンウルフ(一匹狼)型の襲撃事件を事前察知し防ぐことの難しさを露呈させた」とした。

そして、米誌ディプロマットの電子版が「日本は暴力事件が少ないことで知られており、今回の安倍氏の事件は各方面に衝撃を与えた。

これまでにもローンウルフが日本で大規模な殺りくを行う事例はあった。

ただ、これまでの攻撃者のターゲットは不特定の人びとであり、著名な政治家ではなかった」と評したことを伝えた。

また、韓国・中央日報が日本のローンウルフ型襲撃事件について、容疑者が20~40歳の男で、失業している。

あるいは自らの将来に不安を抱き、社会に対して怒りや不満をためている。

孤立無援で友人や家族とのつながりが希薄であるといった特徴を持っていると紹介した。

ほか、人間関係が希薄になりがちな大都市での生活が「世の中から隔絶した人に対し、犯罪の動機を抱かせる完璧な環境を提供している」と分析した。

ほか、「他人に迷惑をかけない」という日本人の美徳意識が、自らが困窮したときに他人に相談することを心理的に阻み、適切なストレス発散方法が見つからない場合に往々にして他人への殺意が生じることになるのだと論じたことを紹介している。
記事は、対テロ政策に詳しい日本の専門家が「日本の警察は特定の思想組織に対する調査、情報収集では豊富な経験を持っているものの、単独犯による事件では集められる手がかりが限られており、容疑者の具体的な行動を予測することが難しい。

このため、今回の件では要人をどのように守っていくかという課題が浮き彫りになった」と指摘したことを紹介。

ローンウルフ型テロ対策は日本だけの問題ではなく、欧米などでは武器の製造に興味を持っている人を探し出すべく、情報機関がネット上で危険物の提供者を装う「フィッシング型取り締まり」が実施されているとする。

一方、日本の警察にはこういった取り締まりを実施する権限がない上、その実効性が確認されているわけではないという指摘もあることから、日本での実現は難しいと伝えた。(翻訳・編集/川尻)


「喪失連鎖」の果て ローンウルフが過激化するまで 安倍元首相銃撃

2022年07月20日 08時51分21秒 | 新聞を読もう

深掘り 大治朋子  毎日新聞 2022/7/18 11:30

安倍晋三元首相が倒れた後、警察官に取り押さえられた容疑者=奈良市の近鉄大和西大寺駅前で2022年7月8日午前11時33分ごろ、久保聡撮影

 奈良市内で参院選の街頭演説をしていた安倍晋三元首相(67)を銃撃した山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=は、現場で警察官に取り押さえられた。抵抗するそぶりはほとんど見せず、暴れることもなく終始無言だったという。その姿にはむしろ、脱力感さえ漂っていた。山上容疑者は白昼堂々、安倍氏を銃撃することにどんな「意味」を見いだそうとしていたのか。

独善的な「世直し」思考?
 英語で「ローンウルフ(一匹オオカミ)」とも呼ばれる単独犯。凶行を終え、力尽きたように現場で放心する姿はこれまでも世界各地で目撃されてきた。

 米司法省から委託を受けて米インディアナ州立大学のマーク・ハム教授(犯罪学)らが実施した調査によると、1940~2016年に米国で起きた単独犯によるテロ事件は123件。01年以降に起きた84件のうち約75%は、容疑者が現場付近で数時間以内に拘束されるか、射殺されたり自殺したりしている。

 これに対し、00年までの39件のうち約半数は数カ月以上逃亡していた。ハム教授らは、近年の容疑者は犯行を「一つのパフォーマンス」ととらえ、「捕まらないこと」よりも「見せ場」を重視する、破滅的な傾向が強まっていると分析する。

 確かに海外では最近、単独犯が犯行の様子をネット交流サービス(SNS)で動画配信する例も目立つ。

 事件の状況に照らすと、山上容疑者も逮捕を覚悟し、衆人環視の下での安倍氏殺害を決意したとみられる。山上容疑者は動機について「母親が宗教団体にのめりこみ破産した。家庭をめちゃくちゃにした団体を、安倍氏が国内に広めたと思って狙った」と供述している。

 大渕憲一・東北大学名誉教授(社会心理学)は「最終的に非常に高名な政治家を標的にした背景には、テロと共通するような、独善的視点からの『世直し』的な思考もあったのかもしれない」と分析する。そこには「より大きな社会問題として告発したい」という「義憤」のような感情と、同時に「自分の存在を社会にアピールしたいというゆがんだ自己顕示欲」も垣間見えるという。

 山上容疑者が思考を先鋭化させていったのだとすれば、そ…

 


ローンウルフは模倣する=大治朋子

2022年07月20日 08時49分43秒 | 新聞を読もう

火論

オピニオン 毎日新聞 2022/7/19 

演説中の安倍晋三元首相(67)を殺害した山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=はローンウルフ(単独犯)だったようだ。

 2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックで、警察が警戒していたのも単独犯だった。日常的に監視している犯罪集団や過激派組織とは異なり、兆候がつかみにくいからだ。

 その犯意を事前に察知するのは容易ではないが、方法がないわけではない。一つは犯行を計画する者からの「予告」サイン。以前にもこのコラム(「ローンウルフの予告グセ」6月28日掲載)で書いたが、自分の攻撃は単なる犯罪ではなく「聖戦」なのだと事前に周囲に知らせ、他者からの「承認」をもらうことで自尊心を満たそうとする試みだとされる。

 


【解説】「日本の教団は『経済部隊』」 “統一教会”韓国の元幹部が証言  「霊感商法」は日本独自?

2022年07月19日 21時43分07秒 | 新聞を読もう

7/19(火) 20:42配信 日テレNEWS

19日、「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会“の韓国にある本部の元幹部が会見を開き、安倍元首相の殺害事件について謝罪しました。元幹部は、日本の教団が献金を作り出す「経済部隊」となっていたとの内部事情を明らかにしました。

「元幹部語る“内情”」、「日本の教団は“経済部隊”」、「“献金”の変遷」、以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■「正道から外れている」教団元幹部が批判も
日テレNEWS

郭錠煥(クァク・ジョンファン)“統一教会”元会長が19日、韓国・ソウルで会見を開きました。安倍元首相の殺害事件について、郭元会長は「責任がある」と謝罪しました。

郭錠煥“統一教会”元会長
「私は“統一教会”で最も長い間、最高位指導者の地位にいたため、私自身、安倍元首相の死に責任がないとは思っていません。心よりおわび申し上げます」

郭元会長は「世界平和統一家庭連合」、いわゆる“統一教会“の創始者・文鮮明(ムン・ソンミョン)氏に次ぐ、ナンバー2だった人物です。1958年に入信した郭元会長は「世界会長」など教団本部の幹部の役割を歴任し、文鮮明氏の最側近を50年以上、務めました。

創始者が亡くなった後の現在の教団について、郭元会長は「正道から外れている」などと批判しています。

■「日本の教団は『経済部隊』扱い」後継者巡り“内部紛争”も…
日テレNEWS

会見によると、過去には後継者をめぐる争いもあったということです。

2001年、創始者の三男が、現在も続く日本の教団の誤ったシステムを正すため、当時の献金活動の責任者をやめさせました。これを機に日本の教団を、献金を作り出す「経済部隊」から「正常な組織」に変えるよう試みたということです。

しかし、この試みは反対派の教会指導部による抵抗に遭い、暗礁に乗り上げたということです。そして、日本の教団に対して「これ以上、手を打つことができなくなった」と主張しています。

郭元会長は、日本の教団は『経済部隊』、つまりお金を集める場として考えていたと主張しています。

その後、改革しようとしてきた三男は、反対派の勢力から追い出されたということです。現在の総裁で創始者の妻・韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏、四男、七男らが追い出したと主張しています。この一連の経緯には、後継者を巡る内部紛争があったとみられています。

ただ、19日に会見を行った郭元会長は三男の義理の父で、教団の内紛で、現在の教団と対立する立場からの見解です。

■“原価5~6倍”珍味・お茶など訪問販売 高麗人参茶はあまり売れず
日テレNEWS

から日本は「経済部隊」扱いだったということが会見からわかります。この「経済部隊」は、どのようにできあがっていったのでしょうか。

宗教社会学を専門としている北海道大学の櫻井義秀教授に聞きました。

櫻井教授によると、日本における献金などを集める、いわゆる「経済部隊」ができあがったのは、1970年代から1980年代です。「経済部隊」は当初、珍味やお茶などを原価の5倍から6倍で訪問販売していたそうです。

その後、高麗人参茶などの韓国製品を輸入・販売するようになったといいます。その方が、韓国の教団本部にもうまみが出てくるから、そのようになったと指摘しています。しかし、当時の日本にはなじみのない商品だったこともあり、あまり売れなかったということです。

■霊感商法「買ったら先祖が救われる」つぼなど販売
日テレNEWS

そのため、日本の教団が考え出したのが「霊感商法」です。「買ったら先祖が救われる。運勢が開ける」など称し、印鑑、つぼなどを販売すると、多くの利益が上がったということです。櫻井教授は「霊感商法がその後の日本における教団の金を集めるシステムにつながった」と指摘します。つまり、日本独自のシステムだということです。

長年この問題に取り組んできた紀藤正樹弁護士は、「こうして日本の教団が集めて韓国に送っている金は、『世界全体の少なくとも5割以上を占めている』とも言われている」と指摘しています。

日テレNEWS

♢ ♢ ♢

■「韓国本部から日本に献金の指示」教団側は否定
日テレNEWS

「日本の教団は『経済部隊』」という認識について、日本の教団はどのように捉えているのでしょうか。

日本テレビの取材に対し、教団の広報担当者は「当時の郭氏の立場からすると、ご自身が『経済部隊』と言っていたのではないか。郭氏が首謀者としてやっていた張本人で今回の発言をされたわけで、諸刃の剣になるものではないか」と回答しました。

さらに、「韓国の教団本部から日本の教団に献金の指示が当時あったのか」との質問について、広報担当者は「本部の一方的な指示やノルマがあるわけではない。指示があったのかについては、明確に否定します」と主張しました。郭元会長と対立していることもよく分かる回答でした。

19日に謝罪した郭元会長が教団に在籍した当時から、日本の信者からお金を集めるシステムがあったということですが、会見では具体的な金の流れなどについての発言はありませんでした。

■山上容疑者、“教団批判ブログ”運営者に手紙?
日テレNEWS

安倍元首相への銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者が、教団に批判的なブログを運営する男性に手紙を送っていたとみられています。

手紙には「私と統一教会の因縁は約30年前にさかのぼります。母の入信から億を超える金銭の浪費、家庭崩壊、破産…。この経過と共に私の10代は過ぎ去りました」と書かれていました。

創始者の三男が改革をしようとした2001年より前から、母親による多額の献金が続いていたということです。

     ◇

教団への献金をめぐる山上容疑者の深い苦しみは、手紙などを通して徐々に明らかになっています。しかし、いかなる理由があっても、人の命を奪う言い訳にはなりません。理不尽な負の連鎖を断ち切るために、事件の背景に潜む問題を今一度あぶり出していくことが求められています。

(2022年7月19日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)

 

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“統一教会”韓国・元幹部が謝罪…現在の教団「正道から外れている」

2022年07月19日 14時23分09秒 | 新聞を読もう

7/19(火) 12:18配信 日テレNEWS

宗教団体のいわゆる「統一教会」の韓国にある本部の元幹部が、安倍元首相の殺害事件について謝罪し、現在の教団は「正道から外れている」などと批判しました。

“統一教会”「2世信者」の苦悩  子供のころ“文鮮明氏の血が入っているとされるワイン”飲まされ…

会見を行ったのは、宗教団体「世界平和統一家庭連合」、いわゆる「統一教会」で総裁に次ぐ幹部だった郭錠煥元会長です。

“統一教会”郭錠煥元会長「安倍元首相の死に責任がないとは思っていません。心より申し訳なくおわび申し上げます」

郭元会長は教団内部の争いによって、日本の“統一教会”を献金を作り出す「経済部隊」から正常な組織に変える試みが暗礁に乗り上げたなどと主張。現在の教団は「正道から外れている」などと批判しました。

一方、教団側は17日、「安倍元首相に改めて深い哀悼の意を伝える」とした上で、推測や偏向報道が飛び交っている状況を非常に遺憾に思うなどとコメントしています。

 

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