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小中生、10年で100万人減少 346自治体は30%減少

2022年07月19日 13時37分04秒 | 新聞を読もう


共同通信 7月19日

少子化の影響で、小中学校に通う児童生徒が大幅に減っている。2020年は全国で約956万人と、10年より100万人近く減少。

国の統計を基に、10年間で児童生徒が30%以上減った自治体数を共同通信が調べたところ、全国1892市区町村のうち346に上ることが判明した。

特に郡部では過疎化も相まって学校の統廃合や休校が加速。小中学校は20年に2万9793校と、10年間で約3千校も減った。

 児童生徒数が極端に少ない小規模校は、多数が参加する部活動ができないなど学習機会の確保が課題で、自治体は工夫や発想の転換で豊かな学びを提供することが求められる。


安倍元首相銃撃事件で注目の旧統一教会「主導イベント」国家公安委員長が呼びかけ人だった!

2022年07月18日 22時40分05秒 | 新聞を読もう

7/15(金) 16:35配信 SmartFLASH


7月12日、会見をおこなう二之湯智・国家公安委員長(写真・時事通信)

 7月14日、二之湯智(にのゆ・さとし)国家公安委員会委員長は、安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件を受け、警察庁が設置した検証チームを奈良県警に派遣することを明らかにした。二之湯氏は会見で「本日の委員会でも活発な議論があった。国家公安委員会としては、警護警備の見直しにつながるよう、しっかりとした検証を行うよう警察庁に指示した」と語った。

【画像あり】「新型コロナ終息を願う京都1万人祈りの集い」のチラシ

「今回の事件で、警備に問題があったことは岸田文雄首相も指摘しています。中村格(いたる)警察庁長官、警察庁を管理する立場である国家公安委員長ともに、進退問題に発展することは間違いないでしょう」(政治部記者)

 国家公安委員長である二之湯氏は2021年、岸田内閣で初入閣。京都市議を経て、2004年の参院選で初当選し、3期務めたが、今回の参院選には出馬せず、引退する意向を示している。

 二之湯氏といえば思い起こされるのが、2022年2月に「文藝春秋」が報じた「マネーロンダリングによる現金配布」だ。自民党京都府議連が国政選前に候補者から集めた現金を地方議員に配っていた問題で、二之湯氏は「買収の意図はない」としながらも現金を配っていた事実を認めている。

 だが今回、さらに大きな問題になりそうな事案がクローズアップされている。それは、二之湯氏と「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」との関係だ。

「2021年4月、国立京都国際会館で『新型コロナ終息を願う京都1万人祈りの集い』というイベントが開催される予定でした。実行委員長は旧統一教会の京都教区長で、『天の父母様聖会・世界平和統一家庭連合』や教団系列組織『京都府平和大使協議会』などが共催しており、実質的に旧統一教会の主導イベントであるのは明らかです。その『呼びかけ人』に名を連ねているのが二之湯氏なのです」

 そう説明するのは、旧統一教会の問題を追い続けているジャーナリストの鈴木エイト氏だ。

「イベントは結局、開催されませんでしたが、旧統一教会のイベントに国立の施設が使われるのは問題です。二之湯智議員は同会館の元職員であり、何らかの口利きをした、といわれてもおかしくありません。

 このイベントのチラシには、二之湯氏のほかにも世話人として、田中英之衆院議員、木村弥生衆院議員、繁本護衆院議員の、計4人の京都を選挙区とする国会議員が名を連ねています。4人の国会議員に旧統一教会との関係をきくため質問書を送ったのですが、どの議員からも回答はありませんでした」

 安倍元首相銃撃事件で注目を集めている旧統一教会。そこが関連するイベントで、警察組織を管理する立場の国家公安委員長が呼びかけ人を務めていたとは……。

 だが、政治家が旧統一教会と関わることで得られるメリットはあるのだろうか。

「政治家が教団に求めるのは『票集め』ではありません。選挙戦での運動員、事務所スタッフなどの『人的貢献』です。それは政治家が何よりほしがるもので、教団は無尽蔵に提供してくれるわけです。政治家と旧統一教会――その関係は、世間一般の人たちが思うよりも、ずっと深いものなのです」(鈴木氏)

 本誌はあらためて二之湯氏の事務所に、旧統一教会との関係について質問書を送ったが、期日までに返答はなかった。

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山上容疑者、父の自殺の真相 母がハマった“怪しい団体”と凄絶ネグレクト

2022年07月18日 08時39分57秒 | 新聞を読もう

7/18(月) 5:58配信 デイリー新潮

母の統一教会への“多額寄付”とネグレクト、父と兄の自殺 山上容疑者を狂わせた背景(前編)
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者

 安倍晋三元総理を亡き者にした凶弾。それが、参院選の演説中に放たれるまでには、紆余曲折の不幸の連鎖があった。最初の悲劇は容疑者の母がある団体にハマり、その後ノイローゼとなった父が自殺したことだった――。

【画像9枚】自殺した父と兄、宗教に貢ぐ母 山上容疑者の複雑な家庭環境

 ***

 参院選投開票を間近に控えた7月8日、午前11時31分。奈良市の大和西大寺駅前で1発目の銃声が鳴った。演説中だった元総理はマイクを止め、轟音が鳴り響き白煙が舞う中、ふっと後ろを振り返った。刹那、続けて放たれたのは2発目の銃弾。標的となった元総理は左腕をかばうように、演説台からくずおれた。

 周囲の聴衆は何が起きたかも理解できぬ一方で、銃を構えていた男は大事を成し遂げて立ち尽くしていた。しかし、瞬時に警察官が男の身柄を確保。安倍元総理は奈良県立医大病院に運ばれ、昭恵夫人が到着するまでの間、必死の救命措置が行われるも、還らぬ人となった。

 享年67。

 奇しくも父・晋太郎氏がすい臓がんで逝去したのと同じ年齢だった。

「安倍さんは犯人の手製の銃で左上腕部を撃たれたことにより、鎖骨の下にある左右の動脈が傷つき、これが致命傷になりました。死因は失血死でした」(社会部デスク)

「(妻の)韓鶴子を狙っていた」
なぜ2発も発砲を許したのか

 現職の政治家、それもいまだ自民党内で権勢を振るう、最大派閥の長でもあった安倍元総理を公衆の面前で射殺したのは、奈良市在住の山上徹也容疑者(41)だった。当人は警察の取り調べに、

「母親が統一教会に多額の寄付をして家庭が崩壊した」

「(創始者の)文鮮明がアメリカで有罪判決を受けたため、(妻の)韓鶴子を狙っていた」

「コロナで韓鶴子が来日できないので、標的を変えた。統一教会と関係の深い岸信介の孫を狙った」

 と供述しているという。

 安倍元総理は祖父の岸信介元総理とともに教会との関係の近さが報じられたことがあり、関連団体の式典に祝電を送ったことも。これらの供述から分かる通り、徹也が歪んだ殺意を抱くようになった背景には「宗教」があった。その履歴をたどると、彼の人生を大きく左右したのは宗教にのめりこんだ実母(69)の存在、さらには家族を次々と襲った「自殺の連鎖」であった。

「よく怒鳴り声が聞こえる家やったんですよ」
 徹也の父親は、大阪市内でもトップクラスの進学校、府立天王寺高校の出身である。卒業後、京都大学工学部に進学し、土木を専攻。大学を1970年に卒業すると、大手建設関連会社などに勤め、大阪や千葉などを転々としながら、70年代末に奈良に本社を置く建設会社に入社する。それと前後し、徹也の父は妻となる女性と籍を入れるのだが、彼女は建設会社の社長の娘であった。

 実はこの社長、すなわち徹也の母方の祖父も父とは別の大阪府内の大学の土木科を卒業していた。そして、63年に建設会社を設立。徹也の父は入社後、ヒラ社員から工事部長を経て、最終的に取締役にまで出世している。

 70年代末から80年代前半にかけて、夫妻は徹也本人とその兄と妹を含む3人の子をもうけた。当時、家族が居を構えていたのが東大阪市内の木造2階建ての一軒家。母方の祖父が所有する25坪ほどの土地に建てられた、小さくしかしどこか不気味な家だった。

 近隣住民が言う。

「山上さんね、もう40年くらい前ですけど、よう覚えていますわ。よく怒鳴り声が聞こえる家やったんですよ。お父さんがお母さんを怒鳴りつけてね、呂律も回っていなかったから、たぶん、お酒飲んでいたんやろうな。外から見える家の洗い場なんかも散らかっていてね……」

「おしっこやうんちで重くなったおむつをはいて…」
 一家を知る知人が当時の家族の異様な光景について語る。

「実はお母さんが『朝起(あさおき)会』という宗教にはまっていたんです。周囲を勧誘することはなかったのですが、子育てをほっぽらかしにしていて、その宗教の集まりがあるからと、朝の5時とかに出かけてまうんです。当時、2歳か3歳かの男の子が冬も裸足で家の外に出てきて、泣きながら母親を探してるんですわ。ご主人もなんもせんとね。おしっこやうんちで重くなったおむつをはいているから、半ケツ状態で可哀そうでした」

 彼女が子育てを放棄してまで通っていた朝起会とは、戦後まもなく設立された実践倫理宏正会のことである。創始者は上廣哲彦。現在は3代目が会長を務め、朝起会と呼ばれる早朝の活動をメインに会員数は400万人を超えるといわれる。

 宗教事情に詳しい記者によれば、

「大阪だけでも支部は70ほどあります。朝起会では、『朝の誓』の言葉を唱えるなど、生活倫理を実践する社団法人ということになっており、宗教団体であることを否定しています。しかし、事実上の宗教ではないかと指摘する声もある」

 実践倫理宏正会の東京本部の担当者は、

「(母親の)会への在籍は過去を含め、一切なく、朝起会に参加したこともございません」

父の飛び降り自殺
 しかし、と先の知人が裏事情を教えてくれる。

「旦那さんの勤め先は奥さんのお父さんが経営している建設会社でしたね。でも、奥さんが相当宗教に入れ込んでしまったみたいで、旦那さんはノイローゼやったようです。最後は近くのマンションから飛び降りて自殺しはってね、それは近隣で話題になりましたわ。それから1年と経たず、一家は引っ越していかれました」

 自殺した場所は当時の自宅から歩いて5分ほどの距離にある79年築の12階建てのマンションだった。周囲では一際高い建築物だったため、度々飛び降りがあったという。

 父を亡くした一家が身を寄せるのが、奈良市内にあった祖父が住む一軒家だった。

 すでに祖母は他界しており、ほどなく、母は父に代わり同社の取締役に就任。経理を担当するように。彼女が以前にもまして宗教にのめり込むようになるのは、これ以降のことだった。

「週刊新潮」2022年7月21日号 掲載


「価値体系」の肥大化が起きている

2022年07月18日 08時39分57秒 | 新聞を読もう

外交は「価値の体系」「利益の体系」「力の体系」という三つから成たっいている。
日露外交は「価値の体系」だけが異常に肥大化している。

太平洋戦争は、欧米の白人によるアジアの植民地を許すな、という「価値の体系」でした。
あれほど無謀な戦争に飛び込むことが日本にとって利益があるのか、米英と戦って勝てるのか。
そのような利益と力の体系を無視して「価値の体系」だけで暴走してしまいました。
今も「価値体系」の肥大化が起きているのではないでしょうか―元外務省主席分析官 佐藤優さん

毎日新聞 7月17日


『人物叢書 道慈』=曾根正人・著

2022年07月18日 08時05分57秒 | 新聞を読もう

今週の本棚

 

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2022/07/16/20220716ddm015070238000p/9.webp?1" type="image/webp" />『道慈』</picture>
『道慈』

 (吉川弘文館・2090円)

 冒頭にある通り、奈良時代の僧・道慈(どうじ)(672?~744年)は「日本史上の有名人ではない」。とはいえ、日本書紀の主要執筆者とする学説があり、興味津々の人物だ。

 718年、16年間の唐留学から帰朝。最新仏教を携えた超エリートだが、史料は多くない。著者は隋(ずい)唐仏教史や日本の仏教受容の実態、先輩・後輩留学僧の事績という大きな流れの中に道慈を置き、仏教史上の特異な位置を浮かび上がらせた。

道慈は仏教の核心「因果応報」に対する日本の無知を批判し、自ら思う信仰生活を実践したというのである。

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目次

日本仏教の黎明/入唐留学の幕開け/道慈の先達/若き日の道慈と日本仏教/入唐/帰朝/国家仏教の形成と道慈/道慈と密教/道慈の「聖教の法則」/アジア仏教の「聖教の法則」/時代区分を越えて/道慈・神叡の史料/略年譜

 

内容説明

奈良時代前期の南都学問僧。
入唐して玄奘仏教や密教、国家仏教制度など、多様な新仏教をもたらす。長屋王との軋轢を経て僧綱となり、大安寺を拠点に、制度・技術・文化・思想の諸方面で日本仏教構築を主導。一方で晩年は半隠棲の修行生活を送り、日本仏教批判も行った。事蹟のみならず底流の信仰にも光を当て、アジア仏教史上に位置付けを試みる。
 

道慈

道慈(どうじ、生年不詳 - 天平16年10月2日(744年11月14日))は、奈良時代の三論宗の僧。俗姓は額田氏。大和国添下郡の出身。

人物
702年(大宝2年)第八次遣唐使船で唐へ渡り[1]、西明寺に住して三論に通じて、仁王般若経を講ずる高僧100人のうちの一人に選ばれた。718年(養老2年)15年に渡った留学生活に幕を閉じ、第九次遣唐使の帰りの船で帰国した[1]。日本三論宗の第3伝とされる。翌719年(養老3年)その有徳を賞されて食封50戸を賜った。729年(天平元年)律師に任じられ、大安寺を平城京へ移設することに尽力している。735年(天平8年)扶翼童子6人を付与された。翌736年(天平9年)大安寺大般若経転読会を始め、739年(天平12年)には大極殿最勝王経講説の講師をつとめた。

帰国後に『愚志』という書物を著して、唐と異なり教典に従っていないことが多い日本の仏教界を批判し、僧尼の質を向上させるために戒師を唐から招請することを提案した。戒師の招請は天平勝宝6年(754年)の遣唐使が帰還する際に、これに同行した鑑真の来日によって実現することになる[2]。

また、『日本書紀』の編纂にも関与したという説もある。漢詩にも優れ『懐風藻』に入集している。

考証
日本への仏教伝来は、538年説、552年説、「私伝」説がある。日本に仏教が正式に伝わったのは6世紀中頃であるが、伝来年次は、壬申説(552年)と戊午説(538年)の異説があり、この伝来年次の違いから、欽明天皇即位の年次や、継体朝の後に安閑・宣化朝と欽明朝との並立時代があったのではないかなどの問題が提起されている。壬申説を採るものの一つに『日本書紀』がある。『日本書紀』の内容は以下である[3]。

冬十月に、百済の聖明王、西部姫氏達率怒斯致契等を遣して、釈迦仏の金剛像一躯・幡蓋若干・経論若干巻を献る。
別に表して、流通し礼拝む功徳を讃めて云さく、「是の法は諸の法の中に、最も殊勝れています。解り難く入り難し。周公・孔子も、尚知りたまふこと能はず。此の法は能く量も無く辺も無き、福徳果報を生し、乃至ち無上れたる菩提を成弁す。臂へば人の随意宝を懐きて、用べき所に逐ひて、盡に情の依なるが如く、此の妙法の宝も然なり。祈り願ふこと情の依にして、乏しき所無し。
且夫れ遠くは天竺より、爰に三韓に洎るまでに、教に依ひ奉け持ちて、尊び敬はずといふこと無し。是に由りて、百済の王臣明、謹みて陪臣怒唎斯致契を遣して、帝国に伝へ奉りて、畿内に流通さむ。仏の、我が法は東に流らむ、と記へるを果すなり」とまうす。
是の日に、天皇、聞し巳りて、歓喜び踊躍りたまひて、使者に詔して云はく、「朕、昔より来、未だ曽て是の如く微妙しき法を聞くこと得ず。然れども朕、自ら決むまじ」とのたまふ。
乃ち群臣に歴問ひて曰はく、「西蕃の献れる仏の相貌端然し。全ら未だ曽て有ず。礼ふべきや不や」とのたまふ。
蘇我大臣稲目宿禰奏して曰さく、「西蕃の諸国、一に皆礼ふ。豊秋日本、豈独り背かむや」とまうす。
物部大連尾興・中臣連鎌子、同じく奏して曰さく、「我が国家の、天下に王とましますは、恒に天地社稷の百八十神を以て、春夏秋冬、祭拝りたまふことを事とす。方に今改めて蕃神を拝みたまはば、恐るらくは国神の怒を致したまはむ」とまうす。
1.は仏教伝来の事実に関する部分、2.は仏教伝来に関する上表文であり、この部分は、唐の義浄が長安三年(703年)に訳した『金光明経』からの引用を中心に構成したもので、『日本書紀』の仏教関係記事を編纂した道慈による修飾とする説がある[3]。道慈は、唐から帰朝後、『日本書紀』編纂に際し仏教関係記事を編録した中心人物とみられるが、さらに『金光明経』を将来したのも道慈その人とみられる。

道慈が『日本書紀』の仏教関係記事の編纂の中心人物であったか否かは別にしても、上表文は『日本書紀』編纂時に造作されたものである。また潤色の度合いが濃厚であり、百済からの仏像などの献上は編者の錯誤であり、故意に壬申年にかけたとみられる。

『日本書紀』が仏教伝来年次を壬申年に設定した理由として、『日本書紀』編纂当時の南都教団は仏滅の年次を紀元前九七四年とする壬申入滅説が一般的であって、正像末三時について正法五百年、像法千年説をとる三論宗の教説で計算すれば、欽明天皇十三年壬申が末法元年にあたることが指摘されている[3]。つまり仏教の年代観では、釈迦入滅後の五百年の正法の時代は、教(釈迦の教法)、行(教法を実践する修行者)、証(修行の結果の悟り)の三つが具わっている時代で、次の像法の千年間は教、行はあるが、証は期待できない時代であり、さらに末法の一万年間は教のみがある時代とする認識である。そのことは末法元年に仏教が日本に伝来し、その後、国家の保護を受けて発展、『日本書紀』完成の頃には鎮護国家仏教として、平城京に大伽藍が並ぶまでになったという日本仏教興隆の事実を背景として、末法期を迎えた唐仏教に対する優越を保持する理由がある[3]。しかしこれには反対意見もあり、壬申年は末法元年でなく『大集経』の五堅固説による造寺堅固の第一年と考えたほうが、国分寺建立に関与した道慈の時代意識として適切とする説もある。

伝記
曾根正人 『道慈』吉川弘文館〈人物叢書〉、2022年4月。

自業自得:自分の行いの報いが、自分に返ってくること。通例、悪い行為についていう。身から出た錆さび。

人はよい行いをすればよい報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあるということ。
▽もと仏教語。
行為の善悪に応じて、その報いがあること。
現在では悪いほうに用いられることが多い。「因」は因縁の意で、原因のこと。「果」は果報の意で、原因によって生じた結果や報いのこと。


光免疫療法「コロナも攻撃」 ピンポイントで正常な細胞に影響せず 東京慈恵会医科大など研究チーム

2022年07月17日 06時59分26秒 | 新聞を読もう

毎日新聞 2022/7/16 


 東京慈恵会医科大などの研究チームは、がんをピンポイントで攻撃する「光免疫療法」の仕組みを使い、細菌や真菌、新型コロナウイルスを殺すことに動物実験などで成功したと発表した。

体内で必要な細菌などには影響を与えず、薬剤耐性菌だけを狙って攻撃できる可能性があるという。

 研究チームは、細菌の一種「黄色ブドウ球菌」の表面にくっつく抗体に、光が当たると反応する物質を結びつけた薬を作った。

 それを、鼻腔(びくう)に黄色ブドウ球菌を保菌させたラットへ投与。続いて、鼻腔に近赤外光を当てると、数分で黄色ブドウ球菌だけが死んだ。
 


映画 永遠のマリア・カラス

2022年07月17日 06時35分37秒 | 新聞を読もう

Forever Mary Crow DVD

解説

オペラの天才歌手マリア・カラスの謎の最晩年期にスポットを当てたドラマ。

監督・脚本は「ムッソリーニとお茶を」のフランコ・ゼフィレッリ。脚本は「ベント/堕ちた饗宴」のマーティン・シャーマン。撮影は「尼僧の恋/マリアの涙」のエンニオ・グァルニエリ。

音楽監修は「トスカニーニ」のユージーン・コーン。

出演は「8人の女たち」のファニー・アルダン、「仮面の男」のジェレミー・アイアンズ、「ムッソリーニとお茶を」のジョーン・プローライトほか。

2002年製作/108分/イタリア・フランス・イギリス・ルーマニア・スペイン合作
原題:Callas Forever
配給:ギャガ・コミュニケーションズ

ストーリー

1977年。パリのアパルトマンで、オペラ界の伝説のスター、マリア・カラス(ファニー・アルダン)は隠遁生活を送っていた。

そんなある日、カラスのかつての仕事仲間であるプロモーター、ラリー(ジェレミー・アイアンズ)が、カラスの全盛期の録音を使い、カラス主演のオペラ映画を製作する企画を持ってくる。

一度は反発したカラスだったが、苦しい胸中をジャーナリストの友人サラ(ジョーン・プローライト)に打ち明け、やがて承諾する。作品は「カルメン」。

たちまちヒロインの役作りにのめり込んでいったカラスは、相手役のドン・ホセに自らマルコ(ガブリエル・マルコ)を選ぶほどの熱の入れよう。

だが「カルメン」のテスト試写を見たカラスは動揺し、ラリーに「トスカ」を今の自分の声で歌いたいと提案する。それは却下されたが、やはり口パクの作品を公開することはプライドが許さず、「カルメン」のお蔵入りを要求するのだった。

スタッフ・キャスト
 
永遠のマリア・カラス
  • ファニー・アルダン

    Mairia Callasファニー・アルダン

  • ジェレミー・アイアンズ

    Larry Kellyジェレミー・アイアンズ

  • Sarah Kellerジョーン・プローライト

  • ジェイ・ロダン

    Michaelジェイ・ロダン

 
 60年代の音源が多かったと思われるがとても綺麗に仕上がっていました。リアルタイムで聴くことの出来た人が本当にうらやましいです。

 ストーリーとしては監督の遊び心が感じられる作品でした。生前のカラスと仲が良かったというテロップからも判断できるのだが、彼女の自由奔放な性格や芸術に対するこだわりが良く伝えられています。ラリーに関する設定は遊び心なのでしょうね。
 
 
 マリア・カラスの映画がまさかロックで始まるとは思わなかった。それはさておき、吹き替えで作る歌劇映画の美しい映像と音楽との融合がとても素晴らしくて芸術の香りに浸れる。
そして彼女の偉大な才能と同時に、歌手としての頂点を過ぎて晩年は不幸だったといわれる人としての弱さも描かれていて、美しく我儘で脆い彼女の晩年の芸術にかける思いと誇りが綺麗に少し耽美に描かれていた。
そのような演出が上手で引き込まれた。
ただし歌劇か音楽に興味がないと楽しめないだろうし、オナシスとジャクリーンの名前が突然出てきたりしてマリア・カラスについてある程度の予備知識がないとわかり辛い作品になっているので、観る人を選ぶ作品でもある。それにしてももしこのようなカルメンの映画があるのならば是非それだけは見てみたかった。
 
 
この映画を語るとき、まずファニー・アルダンに触れるべきなんだろうけど、個人的にはジェレミー・アイアンズ。やっぱりスゴイ役者だ。

男の色気というか、あの存在感。むしろマリア・カラスを喰ってしまってるくらいで、あの役どころにはもう少し印象の薄い俳優を配した方がよかったんじゃないか、と言いたくなるほど。

切ない話だが、老いに苦悩するかつての大スターというモチーフに案外新鮮味が無く、劇中劇の「カルメン」の方をもっと観たいと思ってしまった。
 
 
最初は劇場で見たので、音響もあってかとにかく「カルメン」のシーンが最高でした。鑑賞後にすぐにマリア・カラスのカルメンのCDを買った。

当時鑑賞した理由は、声優の田中真弓が「印象的だった映画」として挙げていたからです。
当時真弓さんは、年齢を重ねることによって昔出せた声が出せなくなる悩みを話しておられたことがありましたから、この映画にも共通する、代わりのきかない声、というのがキーワードでしょうか。

皆さんも書いているようにファニー・アルダンがすばらしいです。
男の子が絵を見せるシーンも良かった。
ラストも切ないけど、ああ…そうだよなと思った。
のちにDVDを購入して何度も見ている。
 
『永遠のマリア・カラス』
原題Callas Forever.
製作年2002年。上映時間108分。

オペラの天才歌手マリア・カラスの謎の最晩年期にスポットを当てたドラマ
以太利(イタリア)/仏国(フランス)/西班牙(スペイン)/英国(イギリス)/羅馬尼亜(ルーマニア)合作作品。

お話は、
20世紀のオペラ界じゃ、マリア・カラスの美声と美貌は今でも名を馳せてると思う。
せや、彼女の晩年はその歌声も失い、愛するギリシャの大富豪オナシスも亡くして失意の中、パリで隠遁生活を送っとった。
そんなカラスのもとにある日、彼女のかつての仕事仲間ラリーは何やら企画書を持参して訪問する。
それは、カラスの全盛期の録音を用いて彼女が主演するオペラ映画を製作するちゅうもの。
最初は戸惑い、そのオファーを拒否するカラスやったが、次第に彼女の中であの頃と同じ情熱が甦ってくるぅ。。。

マリア・カラスは、1923年に生まれた天才ソプラ ノ歌手。
ホンマ天才やと思う。
シビレる~ぅ🥺。
 
15歳でプロデビューした彼女の歌声と美貌は繰り返しになるけど、 今でも世界中で絶賛されてる。
また、
『世界で最も有名なふたりのギリシャ人のひとり』
と自称しとる船舶王オナシスの愛人として、スキャンダラスな私生活が世界から注目されてた。
せやけど、オナシスはマリアを捨て、ケネディ元大統領の未亡人ジャクリーンと突然再婚してしまったん。
オナシスはジャックリーンを大国米国恐ろしい陰謀から護れるんは最強パワーとゼニ持ってる俺しかいない😠😤。
なんて思ったんかな。
野郎はか弱き女子に弱いねんなぁ。
例えそのか弱さが演技でも。
オナシス一筋やったマリアは、 生涯未練を残してるんは彼女の残した言葉でもうかがえる。
1974年には日本で初公演を開いたんやけど、札幌のコンサートで思うように声が出なくなったと悟り、『二度と歌わない』ってはんなりした歌の世界から突然引退する。
恋の傷は癒されず、声も出ぇへん。
すべてを失ったマリアはパリの自宅に引きこもり、やがて鬱状態に。。。
ほんで、1977年に33歳で亡くなっちゃいます。
フランコ・ゼフィレッリ監督はオペラ監督でもあり、 生前のマリアとは20年もの親交があり、彼女が苦しむ姿 も見ていたそうです。
そんな監督が、マリアへのオマージュで作り上げたのが、この
『永遠のマリア・カラス』です。
オペラ好きの小生にはマリア・カラスの歌声を映画で聴けるんはとてもうれしいが、中々見る機会がなかった。
加えて、女優ファニー・アルダンは将にマリアの生き写しのようで、素晴ら
しい演技を見せてくれました。
日本での👎️のコンサートを嘆き、表舞台から遠ざかったマリア(ファニー・アルダン)。
ここまでは現実に起きたことやけど、この後の展開はフィクションっすわ。
ゼフィレッリ監督の想像の世界となります。
マリアは古くからの友達との接触も拒んでいたんだけど、長年のプロモ ーターのラリー(ジェレミー・アイアンズ)が
『オペラ の映画を作ろう』
と家に押しかけてくるの演技はマリアに実際にやってもらうけれど、歌声は全盛期にレコーディングしたモンを使うから心配無用、ちゅう強引な企画。
初めは『そんなのマヤカシだわ』と申し出を断るマリア。
しかし、 ラリーの情熱に打たれてオペラの舞台では演じたことのない『カルメン』をやることに。
マリアはカルメンの相手、ドン・ホセ役のオーディションに参加したり、みんなが疲れていてもリハーサルを続けたりと、かつての情熱と完璧主義を取り戻し、見事にカルメンを演じきる。
歌声はマリアのものを使っているんやけど、ファニー・ アルダンの仕草や歌い方、気性の激しさとか、私的ながらマリアにクリソツ。
また、作中にはゼフィレッリ監督の趣 味が反映されとって、美青年がたくさん出てる。
野郎から見ても美しい。
とにかく、オペラが好きな人は必見かな。
マリアの悲しみや孤独を凝縮したラストに、小生はかなり感動しました。
 
才能がある人は、楽しいだけでなく、苦しさもある。監督がカラスを尊敬しているのがわかる
オペラの天才歌手マリア・カラスの謎の最晩年期にスポットを当てた伝記ドラマ

彼女なりの苦悩


いろんな問題が

展開はまあまあ

歌が素敵
ノリもあり豪華な感じ

ファニー・アルダンの演技が良かったです
 
 
正直、私は退屈な映画でした。
オナシスを失って、失意の悲しみの中から立ち上がっていく姿はカッコ良いと感じました。
失意の中で、自分のレコードをかけて悲しみにくれる姿は、とても胸にくるものがありました。

ただ、マリア・カラスの幼少期、オナシスとの出会い、その後の人生のストーリーの映画だと思ってた。

70年代のシャネル・ファッションが見れて良かったです。
 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
 

インド哲学・哲学早わかり

2022年07月16日 11時27分42秒 | 新聞を読もう

哲学早わかり

インド哲学・哲学早わかり

インド哲学は、古代インドに起源をもつ哲学の総称です。

様々な学派があり、その中でも特に、バラモン教の聖典ヴェーダに収録されているウパニシャッドを受け継いで発展した6つの学派が知られています。

  • サーンキヤ学派
  • ヨーガ学派
  • ヴェーダーンタ学派
  • ミーマンサー学派
  • ニヤーヤ学派
  • ヴァイシェーシカ学派

これらは一般的に、まとめて六派哲学と呼ばれています。

「梵我一如」をめぐって

ウパニシャッドとは、サンスクリット語で「奥義」や「秘伝書」を意味する一連の書物のことを指しています(なので『ウパニシャッド』という名前の著作があるわけではありません)。全部で200以上の著作がウパニシャッドのなかに含まれています。

テーマは多岐にわたりますが、中心の概念はブラフマン(梵)アートマン(我)の2つです。自分のうちに潜むアートマンを知ることによって宇宙の最高原理であるブラフマンと合一できるという、いわゆる「梵我一如」の思想がウパニシャッドの根本にあります。六派哲学も基本的にはこの「梵我一如」をめぐって議論を繰り広げています。

生は苦しみである → そこからどう解脱するか?

それぞれ論じ方は異なりますが、基本的にどの学派も、生=苦であり、その苦を解消するために解脱が必要だという出発点から、「いかにして解脱は可能か?」という問題に取り組んでいます。

たとえばサーンキヤ学派は、意識が世界のありようを完全に見て取れば、それで解脱が起こると主張します。その一方で、ヴェーダーンタ学派のシャンカラは、梵我一如が初めから達成されている(私たちはそもそもブラフマンと合一している)ということを認識することが、解脱のための条件であると指摘しています。また、ヴェーダーンタ学派のラーマーヌジャは、そもそも認識ではなく最高神への帰依こそが解脱に必要なのだと主張しています。

このように対照的な世界観が立ち並んではいますが、ともに業と輪廻から解脱することを目がけている点で、それらは同じ土俵の上にあると言うことができます。

また、仏教はインド哲学と密接な関係にあるバラモン教から生まれてきましたが、それはバラモン教が梵我一如を中心に据えるかぎり必然的に辿らざるをえない運命だったといえます。アートマンを人間の本質とみなすバラモン教が、その内部で世俗における階級の区別を維持しなければならない理由は存在しないからです。

「真」をめぐる様々な思想

興味深いのは、ミーマンサー学派のように、儀礼・祭式によって現世や来世の幸福が得られると考え、解脱をほとんど重視しなかった学派もあったことです。形式主義ゆえに最速で没落したようですが、そうした考え方も許容されるほどに「真」を求める思想の自由が当時のインドの社会に存在していたことを物語っているように思います。

とはいえ、どうしてもウパニシャッドに比べると、六派哲学では議論の比重が「苦」をどう処するかについて純粋に考える態度から、他説に対して自説の正しさを証明することへと移ってしまっている感は否めません。

ほかにも、興味深いことに、インド哲学のうちで生=苦という前提が覆されることはありませんでした。ブッダと同時代のチャールヴァーカのように、唯物論・快楽至上主義の思想が散発的に現れることもありましたが、それがメインストリームになることはありませんでした。

生は苦と喜びの両方を与える

私たちが苦しみを感じる条件は何だろうか?

素朴に考えても、世界と宥和的で、家族や社会のうちでそれなりに自分のありようを納得している人が哲学に向かう動機を持つことはなかなか無いので、生を苦と見なすことが単なる思いつきでないことは明らかです。

しかし生それ自体が苦であるという命題は、肯定するひともいれば否定するひともいるような性質のものです。生は私たちに苦を与えることもあれば、喜びを与えることもあります。このことはおそらく誰でも納得できるはずです。

なので哲学的には、「どのような条件のもとで私たちは苦しみを確信し、それに対処しようとするのだろうか?」という方向へと展開すると、インド哲学の問いをより掘り下げ、かつ現代に生かしなおすことができると思います。おそらく人生のうちで苦しみをまったく感じないようなひとはいないでしょうし、そうした問いであれば、業と輪廻の観念が一般性をもたないような文化や時代においても共有できるはずだからです。

主な著書

ごく一例に過ぎませんが、代表的な著作としては以下のものがあります。

  • サーンキヤ学派 — イーシュヴァラクリシュナ『古典サーンキヤ体系概説』
  • ヨーガ学派 — パタンジャリ『ヨーガ根本聖典』
  • ヴェーダーンタ学派 — シャンカラ『不二一元論』、ラーマーヌジャ『最高神とその様態』
  • ニヤーヤ学派 — ヴァーツャーヤナ『論証学綱要書の注解』(『論証学入門』と訳されることもある)
  • ヴァイシェーシカ学派 — カナーダ『ヴァイシェーシカ・スートラ』

孤独・孤立対策の重点計画

2022年07月16日 11時07分04秒 | 新聞を読もう

令 和 3 年 1 2 月 2 8 日
孤独・孤立対策推進会議決定
Ⅰ 孤独・孤立対策の基本的考え方等

1.孤独・孤立対策の現状

(1)我が国における孤独・孤立に関する状況

①新型コロナウイルス感染拡大前の状況
○ 我が国においては、平成 12(2000)年以降、グローバリゼーションが進む中で、それま
で定着していた終身雇用、年功賃金や新卒一括採用等に基づく日本型雇用慣行が変化
し、パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者といった非正規雇用労働者が増
加するなど、雇用環境が大きく変化してきた。
また、インターネットの普及等に伴う情報通信社会の急速な進展等により、国民の生
活環境やライフスタイルは急速に変化してきた。
さらに、人口減少、少子高齢化、核家族化、未婚化・晩婚化、これらを背景とした単身
世帯や単身高齢者の増加といった社会環境の劇的な変化が進み、地域社会を支える地
縁・血縁といった人と人との関係性や「つながり」は希薄化の一途をたどってきた。
○ このような雇用環境・生活環境や家族及び地域社会の変化は、雇用形態の多様化や
所得格差の拡大等を背景として、職場内・家庭内・地域内において人々が関わり合いを
持つことによって問題を共有しつつ相互に支え合う機会の減少をもたらし、人々が「生き
づらさ」や孤独・孤立を感じざるを得ない状況を生む社会へと変化してきたと考えられる。
こうした状況は、例えば、OECD の平成 17(2005)年の調査によれば「家族以外の人」
との交流がない人の割合が我が国は米国の5倍、英国の3倍高いとされていること等、
孤独・孤立に伴う様々な社会問題がこれまで発生してきたことにも表れている。
②新型コロナウイルス感染拡大後の状況
○ 令和2(2020)年1月に国内で最初の新型コロナウイルス感染者が確認され、緊急事態
宣言の発出による飲食店等に対する休業要請や感染拡大防止対策、外出自粛要請が
行われて以降、我が国における人々の生活は一変した。
○ 例えば、緊急事態宣言の発出に伴う経済活動の停滞の影響により、休業者の増加だけ
でなく、それまで増加傾向であった就業者数は女性の非正規雇用労働者を中心に大幅

に減少し、就業者の給与水準は減少傾向となった。それらの結果として、生活の困窮を
はじめとした生活に関する様々な不安や悩みを抱える人が増え、相談支援機関への相
談件数の増加等が生じることとなった。
○ また、感染拡大防止措置の影響により、それまで行政機関や NPO 及び社会福祉法人
等(以下「NPO 等」)が各地域で提供してきた、地域の子どもや高齢者等の交流・見守り
や支え合いの場、あるいは相談支援を受ける機会等が失われたほか、それらの提供主
体の側においても、直接や対面でのコミュニケーションを行いながら支援等が必要な人
に対して支援等を行う従前の取組・活動について、休止や手法の変更等を余儀なくされ
ることとなった。
○ さらに、外出自粛の影響により、人々が自宅で家族とともに過ごす時間が増加したこと
は、家族の親密化をもたらす一方で、元々折り合いの良くなかった家族にとっては家族
関係の悪化が生じ、閉塞感を感じる人が少なからず存在したことが見込まれる。
このことは、自殺者数は令和2年に総数で前年比 912 人増の 21,081 人(うち、女性は
7,026 人で前年比 935 人増、児童生徒は 499 人で前年比 100 人増で過去最多)となり 11
年ぶりに対前年比で増加したこと、DV 相談件数は令和2年度で 19 万 0,030 件(前年度
比 7 万 0,754 件増)となったこと、児童相談所における児童虐待相談対応件数は令和2
年度で 20 万 5,044 件(前年比1万 1,264 件増)となったこと、小・中学校における長期欠
席者のうち不登校児童生徒は令和2年度で 19 万 6,127 人(前年度 18 万 1,272 人、前年
度比 14,855 人増)となったこと等の要因の一つとも考えられる。
○ 我が国の社会生活を一変させた新型コロナウイルス感染拡大は、それまでの社会環境
の変化等により孤独・孤立を感じやすくなっていた社会において内在していた孤独・孤立
の問題を顕在化させ、あるいは一層深刻化させる契機になったと考えられる。
(2)これまでの政府の取組
○ 新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化することにより、孤独・孤立の問題がより
一層深刻な社会問題となっていることを受けて、政府においては、令和3年2月に孤独・
孤立対策担当大臣を指名して同大臣が司令塔となり、内閣官房に孤独・孤立対策担当
室を立ち上げ、政府一丸となって孤独・孤立対策に取り組むこととした。
○ 政府においては、令和3月3月以降、孤独・孤立対策担当大臣を議長とし、全省庁の副
大臣で構成する「孤独・孤立対策に関する連絡調整会議」1
を定期的に開催し、3つのタス

1 令和3年 12 月に「孤独・孤立対策に関する連絡調整会議」の名称を「孤独・孤立対策推進会議」へ変更した。

クフォース(ソーシャルメディアの活用、実態把握、孤独・孤立関係団体の連携支援)の立
ち上げ、様々なライフステージに応じた孤独・孤立対策の整理及び施策のさらなる充実・
強化の検討など、政府全体として総合的かつ効果的な孤独・孤立対策を検討・推進して
いる。
○ 令和3年2月には、様々な支援の存在を周知するとともに、感染防止に配慮した形でつ
ながりの活動を展開することが大切であることや、悩んでいる方に向けて、様々な支援
策があり、悩みを相談してほしいことなどをメッセージとして発出することを目的として、
「孤独・孤立を防ぎ、不安に寄り添い、つながるための緊急フォーラム」を開催し、「つな
がりを切らないために、感染防止に配慮した形でつながりの活動を展開していくことが大
切である」、「躊躇せずに、悩みを相談してほしい」等のメッセージを発出した。
その後、同年6月以降、実際に支援活動に取り組んでいる NPO 等の方々などから直接
現場の声を聞き、今後の孤独・孤立対策の立案に活かす目的で、「孤独・孤立に関する
フォーラム」を計 10 回開催した。
○ 令和3年3月には、「新型コロナに影響を受けた非正規雇用労働者等に対する緊急対
策関係閣僚会議」を開催し、生活支援等・自殺防止対策など、孤独・孤立対策に取り組む
NPO 等に対する約 60 億円の緊急支援を行うこととした。
また、同年3月には、女性の相談支援、子供の居場所づくり事業を活用した「生理の貧
困」への対応を公表したほか、同年4月には、緊急支援策のパンフレット「孤独・孤立対
策に取り組む NPO 等の皆様へ」、「検索サービスにおける子どもを主な対象とした検索
連動窓口案内の強化について」及び国の災害用備蓄食品の有効活用についての公表を
行った。
○ 令和3年5月には、孤独や孤立で悩んでいる方への担当大臣メッセージを公表した。ま
た、同年6月には、日英の孤独担当大臣会合を実施し、「日英二国間会合の定期開催」
「実態把握と政策に関する知見の共有」「日英両国及び世界への取組の発信」を内容と
する共同メッセージを公表した。
○ 令和3年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2021」(令和3年6月
18日閣議決定)においては、孤独・孤立対策の基本的な方向性が盛り込まれるとともに、
関連する分野・施策との連携に留意しつつ、孤独・孤立対策の重点計画を年内に取りま
とめることとした。
○ 令和3年7月には、孤独・孤立対策担当大臣と欧州委員会副委員長との会談を実施し、
「孤独・孤立対策においては人と人との絆が重要であること、このための地域づくりや社
会全体の連帯の醸成が必要であることについて、知見や政策を共有する」こと及び「孤

独・孤立の実態把握に関する知見を共有し、データに基づく政策を展開する」ことを内容
とした、孤独・孤立に関する日・EU 共同発表を行った。
○ 令和3年8月の令和4年度概算要求においては、①孤独・孤立に陥っても支援を求める
声を上げやすい社会とすること、②状況に合わせた切れ目のない相談支援につなげるこ
と、③見守り・交流の場や居場所づくりを確保し、人と人との「つながり」を実感できる地
域づくりを推進すること、④孤独・孤立対策に取り組む NPO 等の活動をきめ細かく支援
し、官・民・NPO 等の連携を強化することを柱として、孤独・孤立対策の各種施策を展開
することとした。
○ 孤独・孤立に関する各種支援制度や相談先を一元化して情報発信するホームページを
作成し、18 歳以下向けのホームページを令和3年8月に先行公開した後、一般向けのホ
ームページを同年11月に公開した。
○ 令和3年9月には、全国的に NPO 等支援を行う中間支援団体、分野ごとの全国団体等
が有志で集まり、補助金活用等の情報共有や専門職としての人材育成、現場の視点に
立った政策提言等を連携して実施する場を持つため、孤独・孤立対策連携プラットフォー
ム(仮称)準備会合を開催した。準備会合では、年度内の設立を目指し、参加団体と議論
を深め、プラットフォームの役割・あり方を検討することとしている。
2.孤独・孤立対策の基本理念

(1)孤独・孤立双方への社会全体での対応
○ 孤独・孤立は、人生のあらゆる場面において誰にでも起こり得るものであり、支援を求
める声を上げることや人に頼ることは自分自身を守るために必要であって批判されるべ
きものではない。
また、孤独・孤立は、当事者 2
個人の問題ではなく、社会環境の変化により当事者が孤
独・孤立を感じざるを得ない状況に至ったものである。孤独・孤立は当事者の自助努力に
委ねられるべき問題ではなく、現に当事者が悩みを家族や知人に相談できない場合が
あることも踏まえると、孤独・孤立は社会全体で対応しなければならない問題である。

2 孤独・孤立の問題を抱えている、あるいは孤独・孤立に至りやすいと現在一定程度認識されている当事者として、例えば、生活困窮状態の人、
ひきこもりの状態にある人、メンタルヘルスの問題を抱える人、妊娠・出産期の女性、子育て期の親、ひとり親、新型コロナウイルス感染拡大に
起因する不本意な退職や収入減など様々な困難や不安を抱える女性、DV 等の被害者、子ども・若者、学生、不登校の児童生徒、中卒者や高
校中退者で就労等をしていない人、独居高齢者、求職者、中高年者、社会的養護出身の人、非行・刑余者、薬物依存等を有する人、犯罪被害
者、被災者、心身の障害あるいは発達障害等の障害のある人や難聴等の人、難病等の患者、外国人、在外邦人、ケアラー、LGBTQ の方等が
考えられる。ただし、孤独・孤立は誰にでも起こり得ることから、孤独・孤立対策はすべての国民が対象となる。

○ 「人間関係の貧困」とも言える孤独・孤立の状態は、「痛み」や「辛さ」を伴うものであり、
心身の健康面への深刻な影響 3
や経済的な困窮等の影響も懸念されており、孤独・孤立
は命に関わる問題であるとの認識が必要である。
○ 一般に、「孤独」は主観的概念であり、ひとりぼっちと感じる精神的な状態を指し、寂し
いことという感情を含めて用いられることがある 4
。他方、「孤立」は客観的概念であり、社
会とのつながりや助けのない又は少ない状態を指す。
概念は異なるが相互に関連する「孤独」と「孤立」の問題としては、
・ 社会とのつながりが少なく「孤立」しており、不安や悩み、寂しさを抱えて「孤独」である
場合がある
・ 社会とのつながりが一定程度あり「孤立」していないが、不安や悩み、寂しさを抱えて
「孤独」である場合がある
・ 社会とのつながりが少なく「孤立」しているが、不安や悩み、寂しさを抱えていないため
「孤独」でない場合もある(ただしその場合でも、家族など周りの方が困難を抱えている
場合も想定される)
が考えられるが、孤独・孤立に関して当事者や家族等 5
が置かれる具体的な状況は多岐
にわたり、孤独・孤立の感じ方・捉え方も人によって多様である。
○ 多様な形がある孤独・孤立の問題については、孤独・孤立の一律の定義の下で所与の
枠内で取り組むのではなく、孤独・孤立双方を一体として捉え、当事者や家族等の状況
等に応じて多様なアプローチや手法により対応することが求められる。
また、社会からの孤立がセルフネグレクトや社会的排除を生むという「負の連鎖」を断ち
切る観点からも取組を進めることが求められる。
一方、主観や感情に関わる「孤独」の問題への対応については、個人の内心に関わる
点に留意しつつ、問題の状況に応じて必要な対応は当然行うことが求められる。
○ 政府の孤独・孤立対策においては、以上に留意し、当事者や家族等が「望まない孤独」6
及び「孤立」を対象として、その実態や当事者・家族等のニーズに応じた施策を有機的に
連関させて取組を進める。
○ 孤独・孤立対策においては、孤独・孤立の問題やそれらから生じ得るさらなる問題に至
らないようにする「予防」の観点が重要であるとともに、孤独・孤立に悩む状態に至っても

3 英国では、孤独は肥満や認知症、高血圧のリスクを高める等の健康被害をもたらす、社会的なつながりが弱いと1日15 本の喫煙と同程度の健
康への悪影響がある、社会的孤立は健康格差に影響を与えるとの研究がある。
4 英国における「孤独」の定義は「交友関係の欠如や喪失という主観的で好ましくない感情。現在有する社会的関係の量や質と望んでいる社会的
関係の量や質との間にミスマッチがある時に生じる。」とされている。
5 「家族等」には、例えば当事者の友人・知人が含まれる。 6 以下、本重点計画で「孤独」と表記する場合は、「望まない孤独」のことを言う。なお、「望まない孤独」であるか否かの判断には慎重さが求めら
れることに留意が必要である。

可能な限り速やかに当事者の望む状態に戻れるように取り組むことが重要である。また、
「予防」の観点からも当事者や家族等が支援を求める声を上げやすい社会にするために
は、社会福祉や公的扶助に対する社会の理解が必要となる。
政府の孤独・孤立対策においては、以上に留意し、「孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取
り残さない社会」、さらには「誰もが自己存在感・自己有用感を実感できるような社会」「相
互に支え合い、人と人との「つながり」が生まれる社会」 を目指して取り組むとともに、
「予防」の観点からの具体的な施策の在り方を検討する。
○ 政府において孤独・孤立に関する実態の把握を今後行う中で本重点計画を策定するが、
実態把握の調査結果を踏まえて、また、孤独・孤立に関連するデータや学術研究の利活
用も進めて、本重点計画を含む施策の点検や評価を行い、施策を一層推進する。
(2)当事者や家族等の立場に立った施策の推進
○ 人生のあらゆる場面において誰にでも起こり得る孤独・孤立の問題は、人生のどの場
面で発生したかや当事者の属性・生活環境等によって多様である。
また、孤独・孤立の問題を抱える当事者のニーズや生活の基盤をおく地域の実情等も
多様であるとともに、当事者の中には支援に当たって配慮すべき事情を抱える方も存在
する。また、当事者の家族等が困難を抱えている場合も存在する。
○ 政府の孤独・孤立対策においては、以上に留意し、まずは当事者の目線や立場に立っ
て、孤独・孤立を生む要素が複合的に絡み合った困難な課題を含め、当事者一人ひとり
のライフステージや属性・生活環境、多様なニーズや配慮すべき事情等を理解した上で、
施策を推進する。また、その時々の当事者の目線や立場に立って、切れ目がなく息の長
い、きめ細かな施策を推進する。
加えて、孤独・孤立の問題を抱える当事者の家族等も含めて支援する観点からの施策
を推進する。
(3)人と人との「つながり」を実感できるための施策の推進
○ 人々に行動制限をもたらした新型コロナウイルス感染拡大のみならず、1995年の阪神・
淡路大震災や 2011 年の東日本大震災をはじめとして全国各地で発生した自然災害は、
人と人との「つながり」の重要性を再認識させる契機となった。また、地域で失われた人と
人との「つながり」を再構築するためには、関係行政機関(特に地方自治体)のみならず、
NPO 等の民間法人の現場レベルでの取組や活動も必要かつ重要であることを再認識し
た。

○ 現行の社会保障制度が現金給付や現物給付を中心とする中で、孤独・孤立の問題を抱
える当事者や家族等の精神的な支援の充実も重要である。
政府の孤独・孤立対策においては、孤独・孤立の問題を抱える当事者や家族等を支援
の場や疎外感が強い関係に形式的につなぐことでは十分でなく、当事者や家族等が相
談できる誰かや信頼できる誰かと対等につながっているという形で人と人との「つながり」
を実感できることが重要であり、このことは孤独・孤立の問題の解消にとどまらずウェル
ビーイング(Well-being、人の幸福感)の向上にも資するという考え方の下で、施策を推進
する。
○ 孤独・孤立の問題が顕在化する前の「予防」的な対応、関連する分野や因果関係が多
岐にわたる問題への対応、行政の施策や取組に積極的にアクセスしない者への対応は、
行政による政策的な対処のみでは困難又はなじみづらい場合がある。このため、孤独・
孤立対策は、行政と民間が連携して取り組むことが必要不可欠である。また、孤独・孤立
の問題の「予防」の観点からは、社会福祉や公的扶助をはじめとする施策にアクセスし
やすくすることも必要である。
地域によって社会資源の違いがある中で、孤独・孤立の問題を抱える当事者や家族等
を支援するため、行政・民間の各種施策・取組(公的支援施策や関連する行政計画等、
行政を補う民間の取組等)について、有機的な連携及び充実を図る。
支援者である関係行政機関(特に基礎自治体)において、既存の取組も活かして、縦割
りの制度に横串を刺して分野横断的な対応が可能となる孤独・孤立対策の推進体制を
整備した上で、すべての都道府県及び市区町村に設置されている社会福祉協議会や、
地域運営組織等の住民組織とも協力しつつ、NPO 等の民間法人との間で相互に密接な
連携を図ることにより、安定的・継続的に施策を展開する。
3.孤独・孤立対策の基本方針

(1)孤独・孤立に至っても支援を求める声を上げやすい社会とする
①孤独・孤立の実態把握
孤独・孤立対策における各種施策の効果的な実施、施策の実施状況の評価・検証、
施策の在り方の検討、これらの実施に当たって必要となる関係者との情報共有に資する
よう、孤独・孤立に関する実態の把握を推進する。併せて、孤独・孤立に関連するデータ
や学術研究の蓄積・整備を推進する。
また、実態把握の調査結果を踏まえ、孤独・孤立に至る要因を分析し、孤独・孤立の
問題やそれらから生じ得るさらなる問題に至らないようにする「予防」の観点からの施策
の在り方について検討する。

②支援情報が網羅されたポータルサイトの構築、タイムリーな情報発信
孤独・孤立の問題を抱える当事者や家族等へ孤独・孤立に関する支援の情報を網羅
的かつタイムリーに届けられるよう、ポータルサイト・SNSによる継続的・一元的な情報発
信、24 時間対応の相談体制の整備、各種支援施策につなぐワンストップの相談窓口(電
話、SNS 等)の整備、プッシュ型の情報発信等により、孤独・孤立に関する情報へのアク
セスの向上を推進する。
③声を上げやすい環境整備
孤独・孤立は、人生のあらゆる場面において誰にでも起こり得るものである。しかし実
際には、孤独・孤立に至っていても「他人や制度に頼りたくない、迷惑をかけたくない」あ
るいは「他人に知られたくない」等の「ためらい」や「恥じらい」の感情により支援を受けて
いない方がいる。また、基本的に「申請主義」である制度の下で「支援制度を知らない。
自分が支援対象に該当するとは思わなかった。」等の理由により支援を受けていない方
もいる。さらに、孤独・孤立に至っている当事者の家族等が困難を抱えている場合も存在
する。
このため、孤独・孤立の問題を抱える当事者が支援を求める声を上げやすい、あるい
は周りの方が気づきや対処をできる(声を聞ける・拾える、声をかけやすい)ような環境を
整えることが求められる。
支援を求める声を上げること、人に頼ること、誰かに早く相談することは、良いことであ
り、自分自身を守るためにも社会や地域のためにも必要であり、この時代には当然であ
る。こうしたことを含め、孤独・孤立や「共に生きる」について国民一人ひとりの理解・意識
や機運を社会全体で醸成して高めていけるよう、また、当事者や周りの方が支援を求め
る声を上げやすくなるとともに広く支援制度を知ることができるよう、情報発信・広報及び
普及啓発、制度の検証、幼少期から「共に生きる力」を育む教育 7
を推進する。さらに、ア
ウトリーチ型支援を含めた当事者への働きかけや「伴走型」の支援を推進する。
(2)状況に合わせた切れ目のない相談支援につなげる

①相談支援体制の整備(電話・SNS 相談の24時間対応の推進等)
孤独・孤立の問題を抱える当事者や家族等が、一人ひとりの多様な事情やニーズ等
の状況に合わせて、切れ目がなく、息の長い、きめ細かな相談支援を受けられるよう、全
国において、各種相談支援制度の有機的な連携や各相談支援機関の対等な連携によ
る包括的な相談支援体制の整備をさらに推進するとともに、電話・SNS のそれぞれの特
性を踏まえた 24 時間対応の相談など多元的な相談支援体制の整備を推進する。

7 多様な人や地域と関わって多様な生き方を認め合うことを理解する体験、自他尊重のコミュニケーションスキルを育む機会、社会保障について
その活用方法を含めて知る機会、地域福祉を学ぶ機会を学校教育の場で設けることを言う。

また、当事者や家族等を取り巻く多様な人が関わりつつ専門職も強みを発揮する発展
的な相談支援の体制整備を推進する。
さらに、ワンストップの相談窓口等の一元的な相談支援体制及び相談と支援をつなぐ
体制の整備を検討する。
②人材育成等の支援
孤独・孤立の問題を抱える当事者や家族等に対して、一人ひとりの相談時の心理的
負担に留意しつつ多様な状況に即した充実した相談支援を行えるよう、関係機関におい
て孤独・孤立に係る相談支援に当たる人材の確保(就労環境の改善を含む)、育成及び
資質の向上を推進する。その際、福祉・保健・教育等の複数の分野にわたる専門的知識
を習得できるような工夫 (複数分野の資格の取得を含む)も求められる。
また、相談支援に当たる人材の心理的負担の軽減に資するよう、相談支援に当たる
人材への支援を推進する。

(3)見守り・交流の場や居場所づくりを確保し、人と人との「つながり」を実感できる地域づくり
を行う

①居場所の確保
人と人との交流を目的として多様な「つながり」の場となる居場所の確保は、人生のラ
イフステージの段階や属性に応じて孤独・孤立の問題を抱える当事者にとっては、身近
な地域における人との「つながり」や自身の役割を持つ場となり、相談等の場にもなると
ともに、地域コミュニティの形成・維持にも資するものである。このような多様な各種の
「居場所」づくりや担い手の増大を図る取組を推進する。併せて、NPO 等が利用しやすい
支援の在り方を検討する。
また、孤独・孤立対策においては、こうした各種の「つながり」の場づくりそのものを施
策として評価するとともに、その効果的な運用を推進するものとする。
②アウトリーチ型支援体制の構築
孤独・孤立の問題を抱えているが支援を求める声を上げることができない当事者や家
族等を支援につなげることができるよう、その意向や事情にも配慮したアウトリーチ型の
支援を推進する。併せて、NPO 等が利用しやすい支援の在り方を検討する。
③保険者とかかりつけ医等の協働による加入者の予防健康づくりの推進等
かかりつけ医等と医療保険者が協働し、医療保険の加入者の健康面や社会生活面の
課題について情報共有しながら、加入者の重症化予防に必要な栄養指導等の保健指導
の実施や地域社会で行っている相談援助等の活用を進めることで、加入者の健康面及

び社会生活面の課題を解決するための取組(いわゆる「社会的処方」の活用)を推進す
る。
併せて、社会生活面の課題解決の観点や社会的・地域的課題への対応等の観点から
公的施設等を活用する取組や情報発信を推進する。
④地域における包括的支援体制の推進
孤独・孤立の問題を抱えている、あるいは孤独・孤立に至りやすい当事者や家族等に
対して、地域の専門職等による継続的支援及び必要時の緊急的支援、当事者自らが選
択して自らの役割を見出せる場となる地域コミュニティへつなぐ支援(総合相談、ケース
会議、就労支援、出所者支援等)やコミュニティ(職場・世帯)間移動の支援(転職支援、
職業訓練、DV被害者支援、若年女性支援等)等を行う各種制度での対応(前述の相談
支援体制、居場所づくり、アウトリーチ型支援等を含む)を推進する。
また、地域の関係者 8
が連携・協力しつつ、福祉と教育の連携(例えば、子どもが通う
学校を起点・拠点として問題を早期に把握して地域での支援へつなぐ仕組み)、福祉と保
健医療、雇用・就労、住まいとの連携など各分野の取組を有機的に連携させて分野横断
的に、当事者を中心に置いた包括的支援体制を推進する。併せて、そのような連携のも
と、住まいのセーフティネットについて、その強化を含め在り方を検討する。
さらに、地域において当事者を包括的に支える支援体制を構築するため、重層的支援
体制整備事業の活用をはじめ、小学校区や自治会等の地域の実情に応じた単位で人と
人との「つながり」を実感できる地域づくりを推進する。併せて、社会教育を通じて人と人
との「つながり」を実感できる地域づくりも推進する。
(4)孤独・孤立対策に取り組む NPO 等の活動をきめ細かく支援し、官・民・NPO 等の連携を
強化する
①孤独・孤立対策に取り組む NPO 等の活動へのきめ細かな支援
孤独・孤立対策の推進に当たって、孤独・孤立の問題を抱える当事者への支援を行う
NPO 等は重要かつ必要不可欠であることから、孤独・孤立対策に取り組む NPO 等の活
動(人材育成を含む)に対して安定的・継続的にきめ細かな支援を行う。
②NPO 等との対話の推進
孤独・孤立対策が当事者や家族等のニーズ等に即してより効果的なものとなるよう、
NPO 等との対話(現場の実態等に関する情報の共有、提言等の施策への反映)により、
官・民一体で孤独・孤立対策の取組を推進する。

8 保健・医療・福祉等の専門機関、社会福祉法人、社会福祉協議会、NPO、住民組織、民生委員・児童委員、保護司、ゲートキーパー(自殺の危
険を示すサインに気づき、適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができる人)、
ボランティア等を言う。

また、NPO 等が当事者や家族等への支援を進めるに当たって必要な場合には、その
意向にも配慮しつつ、個人情報の取扱い(NPO 等の支援先となる者の個人情報をその
同意の下で行政と NPO 等が共有すること等)に関する先行事例等の情報について、
NPO 等や地方自治体への提供・共有を行う。
③連携の基盤となるプラットフォームの形成支援
孤独・孤立の問題に対して NPO 等の支援機関単独では対応が困難な実態があること
を踏まえ、民・民及び官・民・NPO 等の取組の連携強化の観点から、まずは各種相談支
援機関や NPO 等の連携の基盤となる全国的なプラットフォームの形成を支援することに
より、人と人との「つながり」を実感できる地域づくりや社会全体の機運の醸成を図りつつ、
官・民一体で孤独・孤立対策の取組を推進する。
④行政における孤独・孤立対策の推進体制の整備
孤独・孤立の問題への対応や官・民・NPO 等の連携を円滑に進める観点から、地方自
治体(特に基礎自治体)における既存の取組も活かした孤独・孤立対策の推進体制(縦
割りの制度に横串を刺して分野横断的な対応が可能となる体制)の整備を促進する。
また、地方自治体における体制整備や、地域の実情に応じた施策の展開・底上げを支
援するため、地方自治体に対し、政府の孤独・孤立対策に関する施策や先行事例・好事
例等の情報の提供・共有を行う。
4.孤独・孤立対策の施策の推進
○ 本重点計画は、政府において、社会環境の変化に応じて長期的視点に立って孤独・孤
立の問題に対処することとしつつ、今後重点的に取り組む孤独・孤立対策の具体的施策
をとりまとめたものである。
関係府省は、本重点計画の各施策それぞれの目標の達成に向けて、着実に取組を進
めることとする。
○ 政府の孤独・孤立対策は、本重点計画の基本理念及び基本方針に基づき、関係府省
及び NPO 等が連携して幅広い具体的な取組を総合的に実施することとする。
また、孤独・孤立に関する実態把握の調査結果、新たな知見及び関係者の意見等も踏
まえて、関係府省において事業の使いやすさの改善に努めるとともに、事業展開にさら
なる検討を加えていくこととする。
特に、孤独・孤立対策に取り組む NPO 等の活動への支援については、当面、令和 3 年
3 月の緊急支援策で実施した規模・内容について、強化・拡充等を検討しつつ、各年度継
続的に支援を行っていくこととする。

○ 令和3年2月より政府として取り組んでいる孤独・孤立の問題については、今後、実態
の把握や NPO 等の関係者との意見交換に加え、孤独・孤立に関連する学術研究も進展
することが期待される。こうした状況を踏まえて、本重点計画についても不断に検討を行
っていく必要がある。
こうした観点から、政府においては、実態把握の調査結果を踏まえて、また、現場のデ
ータを収集して利活用するための体制整備を検討しつつ孤独・孤立に関連するデータや
学術研究も利活用して、毎年度、本重点計画の各施策の実施状況の評価・検証を行う。
併せて、毎年度を基本としつつ必要に応じて、本重点計画全般の見直しの検討を行う。
また、これらを行う際には、「孤独・孤立対策推進会議」及び「孤独・孤立対策の重点計画
に関する有識者会議」における審議等を行うこととする。

 


孤独・孤立対策の重点計画

2022年07月16日 11時05分36秒 | 新聞を読もう
「経済財政運営と改革の基本方針2021」(令和3年6月18日閣議決定)に基づき、孤独・孤立対策の重点計画を策定いたしました。(令和3年12月28日孤独・孤立対策推進会議決定)

孤独・孤立対策の重点計画

パブリックコメント

孤独・孤立対策の重点計画に関する有識者会議

関連リンク


【連絡先】
内閣官房  孤独・孤立対策担当室
〒100-8968 東京都千代田区永田町1-6-1
TEL.03-5253-2111(代表)

【基礎から分かる】統一教会はどのように生まれ、何を教えているのか 安倍元総理暗殺事件で注目

2022年07月16日 10時23分55秒 | 新聞を読もう

7/16(土) 7:05配信 デイリー新潮

「合同結婚式」に代表される独特の結婚システムも問題視されてきた統一教会(現:世界平和統一家庭連合) (※写真はイメージ)

 安倍晋三元総理の銃撃事件を機に、久しぶりにクローズアップされることになったのが統一教会(現:世界平和統一家庭連合)である。有名歌手や人気体操選手の入信などを巡って、ワイドショーが統一教会関連ニュース一色になったのは1990年代初め頃。もう今から30年ほど前の話なので、平成生まれにはピンとこない存在かもしれない。

【写真】「洗脳集団の勧誘に注意!」 統一教会による勧誘への「注意喚起のビラ」 大学時代に勧誘を受けた経験がある人もいるのでは?

開祖の文鮮明。統一教会は1954年に韓国で創設され、日本では1959年から伝道が開始された。日本では現在60年以上の宣教の歴史があり、数万人の信者がいると推定される

 今回の容疑者が語っているように、かつては信者が多額の献金をして破滅したというケースが多く伝えられていた。また、一方で「合同結婚式」に代表される独特の結婚システムも問題視されてきた。大学などではダミー団体による勧誘も活発で、知らないうちに「洗脳」されていた、といったケースも多く報告されている。

 一体、統一教会とはどういう宗教団体なのか。

 そのなりたちや協議について宗教学者の櫻井義秀氏の著書『霊と金―スピリチュアル・ビジネスの構造―』をもとに見てみよう(以下、引用はすべて同書第2章「統一教会と霊感商法」より・記述はすべて同書刊行時=2009年のものです)。

 ***

統一教会のなりたち
 統一教会の正式名称は、世界基督教統一神霊協会(The Holy Spirit Association for the Unification of World Christianity)である。統一教会(略称)は、1954年に韓国で文鮮明により創設され、日本では1959年から伝道が開始された。日本では50年近い宣教の歴史があり、数万人の信者がいると推定される。

 教祖の文鮮明は1920年に現在の北朝鮮、平安北道定州郡に生まれ、16歳でイエスから啓示を受けたという。1941~43年、早稲田高等工学校に在籍し、卒業後鹿島組で働くが、終戦後、退職して韓国のイスラエル修道院で補助引導師になる。1946~50年、平壌で伝道活動を行うがスパイ容疑で逮捕され、興南監獄に収容される。国連軍の進撃で解放され九死に一生を得た後、今度は釜山で伝道を再開する。この時期、キリスト教は燎原の火のように韓国人の心をとらえ、どこを歩いても掘っ立て小屋の教会や牧師の熱烈な説教に出くわしたといわれている。統一教会はそのような新興教会の一つであった。

 文鮮明の教説を弟子の劉孝元が1957年にまとめたものが「原理解説」(「原理講論」の完成は1966年)と呼ばれる教典である。1955年、韓国の名門梨花女子大の教師5名と学生14名が入教を理由に退職・退学させられ、文鮮明は信者たちを教会に不法監禁したとして検挙された。教祖と信者の女性たちが「血分け」と呼ばれる性的秘儀を行ったというスキャンダルであったが、実態は語られていない。結局、無罪判決を得ている。

 その後、教勢は徐々に伸びたが、財団法人の認可を得たのは1963年であった。文鮮明は1965年に世界巡回路程に出発し、1971年以降はアメリカに居を構え、世界宣教を指揮することになる。

原理の勧誘に気を付けろ
合同結婚式での文鮮明と韓鶴子

 日本では1964年に久保木修己を初代会長にして宗教法人の認可を得る。同年、全国大学連合原理研究会が創立され、大学生・青年への伝道が活発化する。この団体は40年以上も日本の主要大学で活動を継続しているので、読者の中に私も誘われたという人がいるかもしれない。「原理の勧誘に気を付けろ」と大学の新聞会や寮の先輩から新入生へアドバイスがあったと思う。

 統一教会は、伝道のみならず、政治活動にも積極的に関わるようになる。1968年に国際勝共連合を設立し、反共政治活動を始める。これによって保守派の自民党大物政治家とも友好関係を築いた。

信じる者は救われぬ。スピリチュアリティー(神霊・心霊)をかたれば簡単に金もうけはできる。ほんの少しだけ「不安」をあおり、安易な「癒やし」を差し出せば判断能力は歪められ、人は喜んで搾取され続けるのだ。その危険性について現代人はあまりに無防備である。神世界、統一教会、テレビ霊能者から仏教、神道、キリスト教など既存の宗教まで、霊と金、宗教と経済の関係を対応させながら現代社会を鋭く読み解く意欲作 『霊と金―スピリチュアル・ビジネスの構造―』

 1974年には世界平和教授アカデミーを設立し、言論界に共鳴者を求める。大学人の中には統一教会の経費で国際会議等に出席した者も少なくなかった。こうした政治的対外活動には多額の経費がかかったし、韓国、アメリカでの宣教活動にも莫大な資金を必要とした。文鮮明の指示の下、日本の統一教会は資金調達を一手に引き受け、「資金作りをミッションとする信徒」を養成する教会となったのである。筆者としても日本の信徒が流した汗と涙に敬意を表し、この点を詳しく説明したい。

 創設期の信徒たちは廃品回収や花売りを細々とやっていたが、世界宣教の経済基盤を築くという目的で会社組織を作り、物販で財源の確保を目指すようになる。なかにはペンタブレット等のIT製品製造で成功したワコムのような企業も現れた。ただし同社は、その後社長が統一教会系グループと縁を切り、本業に専心している。事業が軌道に乗った例外的事例である。

霊感商法の誕生
 ビジネスの最終判断を文鮮明にあおぐ神頼みの商売には厳しいものがあった。そこで、むしろ宗教活動そのものを経済活動に転換できないかと知恵を絞って考案されたのが、姓名判断や家系図鑑定と絡めた商品の販売である。先祖の因縁や霊障を取り除く、あるいは開運のためといって、1980年代に韓国から朝鮮人参茶、高麗大理石壺等を輸入して販売した。このやり方が霊感商法として80年代後半から社会問題となった。

 1987年に全国霊感商法対策弁護士連絡会が結成され、これまで商品の返還交渉や損害賠償請求の提訴が行われてきた。同会の調査によれば、全国の消費者センターや弁護士会に寄せられた2007年までの累積被害総額は1024億4720万425円に達するという。このような宣教資金調達のやり方とそれに付随して広まった悪評により、統一教会は宣教方法すら変えざるを得なくなった。統一教会=霊感商法というイメージから、名前をそのまま出すと一般市民は警戒して話を聞いてくれなくなったのである。そのため、とりあえず、正体を隠して市民に近づき、印鑑や壺の販売方法で培った手相・姓名判断、家系図鑑定を入り口にして信者を勧誘する独特な布教方法を採用するに至った。

 (略)

統一教会の教え
 統一教会の教義は教典「原理講論」に加えて、教祖がこれまでの説教で語った膨大な「御言葉」、及び聖書の参照から構成される。創造原理、堕落論、復帰原理が柱となる。

 創造原理では宇宙の根本原理、神の創造目的が説かれ、堕落論では不幸の原因である原罪の真相が解き明かされる。創世記において、エバが善悪を知る木の実を蛇にそそのかされて食べ、その実をアダムにも食べさせると目が開き、二人は裸であることに気付いた。神は、取って食べるなという神の戒めを破ったので二人を楽園から追放したという、あの箇所である。文鮮明は、蛇とは後にサタンとなる堕天使にして元天使長のルシファー(統一教会ではルーシェルという)であり、人類始祖のエバがそそのかされて食べた禁断の果実とは、ルシファーとの禁断の愛であったと断じる。神様はアダムが一人でいては寂しかろうと、アダムのあばら骨からエバを作ってくれたのであるから、エバはアダムの伴侶である。しかるに、エバはルシファーと不倫をおかし、次いでアダムとも慌てて性関係を持つなど堕落した。そして、サタンからエバ、エバからアダム、人類の始祖から子孫たる全人類に神に背いた悪の血統が相続された。人間が罪を犯すのはサタンの血をひく末裔(まつえい)のゆえとされる。

 もちろん、このような堕落の真相やそれが原罪だといった説明は、聖書に全く書かれていない。

 では、何を根拠として? 実は文鮮明がイエスや神から直接聞き及んだ話だという。そう言われてしまうとわれわれとしても、ひとまずなるほどと聞いておくしかないではないか。

 神は人間を神の側に取り戻す計画を考えられたそうだ。救世主の派遣である。統一教会によれば、イエスは人間の娘を娶(めと)って善なる子孫を残す予定であったが、人間の不信により十字架で殺害された。そこで神は計画を変更せざるを得ず、イエスを天にあげられ、イエスの復活を信じるものたちに霊的救済のみを約束されたのだとする。しかし、神は人類の肉体も含めた完全な救済(復帰の摂理)をお考えになり、人類に再臨主を遣わした。その再臨主こそ何を隠そう、私であるというのが文鮮明の言である。これまた本人がそう言い、霊界も証すところだということなので了承しよう。しかし、彼の母がマリアのように彼を処女懐胎(無原罪の宿り)したという話はない。

合同結婚式
 普通に人間として生まれた再臨主は、私たちをどのようにして救済してくれるのだろうか。いますこし、筆者の説明にお付き合い願いたい。

 ここで登場するのが有名な「合同結婚式」である。「祝福」とも呼ばれ、文鮮明が統一教会員同士をその場で指名して、あるいは写真を見てマッチングする。信徒はどんな相手であっても再臨主が選んでくれた最高の伴侶として結婚する。このような家庭から「無原罪の子」が生まれるとされる。文鮮明夫妻を真の親とする信者の家庭によって神の王国は建設され、地上天国が実現されるというのである。

 教団の公式発表では、1960年から今まで37回にわたり国際合同結婚式が挙行され、祝福にあずかったカップルは30億組を優に超えるとされる。誤植ではない。1998年6月13日、アメリカのマディソンスクエア・ガーデンで3億6千万組第1次世界祝福式が行われ、翌1997年2月7日、ソウルの蚕室オリンピック・メインスタジアムにおいて3億6千万組国際合同祝福式があった。なお、生きている人だけではなく、既に霊界に住んでいる人たちも先祖解怨という統一教会の儀式を通して救われ、祝福を受けているものもいるとのことだ。

統一教会は、Blessingと書かれたコーヒー・フレッシュ状の入れ物に入った赤い液体を多くの人に配っており、もらっただけでも祝福にあずかったことになるという。このようにして何億組という数合わせをしているのだが、筆者もその液体を持っているので数えられた可能性がある。

 ***

 事件の容疑者によれば、母親が多額の献金をしたことによって、家庭は崩壊したという。上に書かれている1024億円あまりの「被害額」の一部ということになるのだろうか。

※『霊と金―スピリチュアル・ビジネスの構造―』より一部抜粋、再構成。

デイリー新潮編集部

新潮社

 


世界をつくった八大聖人 人類の教師たちのメッセージ

2022年07月14日 08時07分12秒 | 新聞を読もう
 
一条 真也  (著)
 
ブッダ、孔子、老子、ソクラテス、モーセ、イエス、ムハンマド、聖徳太子――あらゆる宗教や思想の基盤を築き、多大な影響を与え続ける八大聖人。
生まれた時代も地域も違い、異なる文化を背負いながらも、彼らの教えは「人類を幸福にしたい」という点で根源を同じくする。「モーセ五書」と『論語』の類似、ブッダとイエスの共通点、宗教編集者としての聖徳太子……。
八人の生涯や人物像、それぞれの相関関係を、先達の文献も踏まえながら考察する。混迷をきわめる現代だからこそ、私たちが学ぶべきことは少なくない。彼らが伝えたメッセージとは何か。優しい口調でわかりやすく述べる。
 

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

一条/真也
1963年福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。大手広告代理店を経て、企画会社を設立し、プランナーとして活躍。現在は大手冠婚葬祭会社の代表取締役。2008年度より、北陸大学未来創造学部の客員教授を務める。会社経営のかたわら旺盛な執筆活動につとめ、特に哲学・芸術・宗教についての造詣の深さには定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
 
 
 
ハートフルソサイエティという概念に大変共感致しました。

私は孔子が大好きで、徳治という言葉がこの世を正しく導くカギだと考えております。
徳治を実現するためには、道徳心・仁徳のある人間が世に溢れることが前提だとも思っています。
まさに著者が言うハートフルソサイエティそのものだと感じました。

スティーブン・R・コヴィ氏の著書「7つの習慣」では、個人主義に偏った世界を変えるために、人格主義を提唱されています。
資本主義が個人主義を加速させたという説もございますが、私はこれは間違いだと思っております。資本主義を「いいように解釈して、自分だけの利益を求める」人々が個人主義を加速させているのだと考えております。
最近ではSNSも発達し、自分の富や権力を積極的にアピールする人々がいます。そして、他人の派手な暮らしに感化されて道徳心を忘れ、個人主義がさらに進んでいるように感じるのが悲しくてたまりません。

また、本書で聖徳太子を龍の様な存在だと記述していることがとても印象深く心に刻まれました。
私は、思想はぶつかるものでは無いと思っております。
様々な思想の中で良いものを選択して取り入れていくことで、より未来につながる豊かな心を手に入れられると思うのです。
正に龍のように良いところ取りすることが、人格を深めるカギだと考えております。
人は聖人には中々なれないかもしれませんが、聖人に近づくことはできると思います。

一人間として、正しい心構え・行動を心がけ、世に少しでもハートフルな影響を与えられる人間になりたいと、本書を読んで強く思いました。
 
 
 
本書は、人類の教師と言える、八大聖人−−ブッダ、孔子、老子、ソクラテス、モーセ、イエス、ムハンマド、聖徳太子について記述したものです。
彼らの人物紹介のダイジェスト版のイメージで手に取った本書ですが、良い意味で、読む前の印象とは違う内容の書物でした。

本書は3部構成で、第1部「人類の教師たちのミステリー」、第2部「人類の教師たちのプロフィール」、第3部「人類の教師たちのメッセージ」から成りますが、八大聖人の個々のプロフィールをダイジェストに紹介しているのは、全体の3分の1を占める第2部だけです。

本書の特徴は、前後の第1部と第3部にあり、第1部では、日本人の「これまでの」宗教的思想観について述べ、第3部では、著者が思い描く「これからの」宗教的思想観について主張しています(もちろん、第1部、第3部中でも、必要に応じ、八大聖人のプロフィールについて触れています)。

私はこの著者の考える宗教的思想観(宗派にとらわれず、良いところは取り入れようという寛容な考え方)について、かなりの部分を共感できたので、本書には高い評価を与えたいと思います。

「石門心学」をベースに仏教・神道・儒教という宗派を超えて、それぞれの良いところは皆取り入れるというこれまでの日本人の宗教的思想観を論述後、八大聖人個々のプロフィールに触れ、後半では、これからの宗教的思想観が熱く語られているのですが、私には説得力のある説と受け取ることができました。

もっとも、著者の宗教的思想観は、まだまだ発展途上にあるようで、第3部で披露している「人の道」17条の教えについては、著者自身も「思案中で完成はしていない」と認めているところです。これから、どのように思想観を深めていかれるのか、今後の著書の発表を注視していきたいところです。
 
 
とある春の麗らかな日に、久しぶりに何か本を読もうと検索していたところ、私の好きな著者である一条真也さんから新しい本『世界をつくった八大聖人 人類の教師たちのメッセージ』が発売されていることを知り、早速購入しました。購入後、早速私はこれまた大好きなお茶(今回はほうじ茶にしてみました。)を傍らに置き、読み始めました。
さすが哲学・宗教・歴史に造詣が深い著者です。
生まれた時代、地域、異なる文化の中で育った八人の聖人達・・・、その聖人達の思想・哲学は一見すると全く違うものに思われがちですが、著者はそれぞれの聖人達に共通する点、類似点を発見し、そこから人類が生きていくため、幸せになっていくにはどうしたら良いのかを語っています。
現代社会において希薄になってきていると感じられる「思いやりの心」「人類の品格」について考えさせられ、私もこの本に出てくる「人類の信条(クレド)」を体言できる一人にならなければと強く感じました。
 
 
 
この本を読み、聖人たちの教えと今の社会情勢とを照らし合わせて考えてみました。最近のニュースで、少年犯罪やお金目当てで人を殺すというのをよく耳にします。このような凶悪事件を受けて、刑をもっと厳しくしていく傾向がありますが、本当にこのような方法だけで犯罪が減っていくのでしょうか。その前にもっと考えていかなければならないことがあり、その考えるヒントが多く記されていました。例えば、孔子であれば徳と礼をもって人へ接することの大切さを、イエスの場合は自分を愛するように隣人を愛することを説いています。社会という他者と共に生きていく中で大事なことを思い出させてくれます。

また、最近はオゾン層の破壊、ゴミ、大気汚染などの環境問題の深刻さが次々と報道されています。これらは人間が自分のことしか考えず、自然をないがしろにしてきたことへの結果だと思います。宇宙の中の地球の上に住む、自然と共に生きる人類という視点を持つことの重要性に気付かされました。

生きにくい時代の中、聖人たちの教えから学び、心のうちに自分の考え、信念をもって生きることが重要だと思います。一人ひとりがそれを実践していくことによって悲観的な未来予想図を明るいものへと変えていけることを期待します。なお、沖縄においても一部を除き、全般的に儒教思想の影響が色濃く残っています。親を敬愛し、兄弟を愛し、地域の方達との相互扶助(ユイマール)の精神を活かしていけるよう、思いやりをもって接していきたいと思います。

安部晋三元首相銃撃事件

2022年07月14日 07時10分07秒 | 新聞を読もう

毎日新聞7月13日 論点

事件の背景には、社会での孤独や孤立があると感じる。
容疑者は世の中への不満を募らせ、自分で処理、解決できず、恨みを晴らすために実行に及んだとみられる。
思い悩んだ段階で、社会の介入ができなかったのだろうか。
公的機関だけでなく、同じ空間を共有していた誰かが悩みを聞いたり、解決法を一緒に探したりするなど、できなかったのか。
今回に限らず、みんなが自分のこととして考えるべきだ―河本志朗日本大学教授

耐えがたいことがあって、悔しいとか、仕返ししたいと思うのは自然なことだ。
自分はものすごい被害者であり、世の中が間違っていると感じ、凶器を集めたりしながら、いつか天誅を下そうと考える。
そして何か直接的なきっかけがあって、ついに実行に移す。
犯行は白昼堂々と派手で乱暴であり、通常の犯罪者のように逃げ隠れしようとは思わない。
山上徹也容疑者をはじめ、こうした犯罪者た今、世界中で出てきているような気がする。
荒っぽい事件が相次ぐ背景にはネットやSNS(ネット交流サービス)の存在があるのではないだろうか―碓井真史新潟青陵大学大学院教授

安部元首相が殺された事件に「ついに起きたか」と思った。
2008年の秋葉原通り魔事件以来、「いつか政治家が標的になる」と危惧してきた。
日本では戦前、個人が貧困や孤独、つまり生きづらさによる怒りを政治家や事業家にぶるけた「テロ」が頻発した。
近年の大量殺傷事件の多くも、その系譜に連なる。
「たまたま」、要人は標的ではなかっただけだ。
非正規労働者が急増した。
中年になっても安定した仕事や家庭、人間関係などが得られず、精神的に追い詰められる人もいる。
個人の努力で越えられない壁の前で傷つき、怒る人が増えている点は、戦前と同じだ。
戦前と違い社会的な「敵」が見えにくく、障害者や企業、女性など、思い込みで憎悪の的となった相手が攻撃される―中島岳志東京工業大学教授

 


上容疑者」父の自殺の背景にあった“もうひとつの団体”の名

2022年07月13日 12時54分16秒 | 新聞を読もう

7/13(水) 11:31配信 デイリー新潮

宗教に傾倒し、育児を放棄

送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(2022年7月10日午前9時)

 7月8日、選挙応援中に凶弾に斃(たお)れた安倍晋三元総理。「母親が統一教会に多額の寄付をし破産した」と動機を供述している山上徹也容疑者(41)には、実父が自殺した過去、そしてその背景に「別の団体」の存在があることがわかった。

【画像6枚】自殺した父と兄、宗教に貢ぐ母 山上容疑者の複雑な家庭環境

 ***

 山上容疑者の父は、1970年代末に奈良に本社を置く建設会社に入社し、その前後に社長の娘と入籍、容疑者の兄、妹を含む3人の子どもをもうけた。当時、居を構えていたのは東大阪市内の木造の一軒家。当時の近隣住民によると、頻繁に父が母を怒鳴りつける声がする異様な家だったという。

「実はお母さんが『朝起(あさおき)会』という宗教にはまっていたんです。子育てをほっぽらかしにしていて、朝の5時とかに出かけてしまうんです。当時、2歳か3歳かの男の子が冬も裸足で家の外に出てきて、泣きながら母親を探してるんですわ。ご主人もなんもせんとね。おしっこやうんちで重くなったおむつをはいているから、半ケツ状態でかわいそうでした」(一家を知る知人)

 朝起会とは、戦後まもなく設立された実践倫理宏正会のことで、朝起会と呼ばれる早朝の活動をメインに会員数は400万人を超えるといわれる。

「生活倫理を実践する社団法人ということになっており、宗教団体であることを否定しています。しかし、事実上の宗教ではないかと指摘する声もある」(宗教事情に詳しい記者)

「最後は近くのマンションから飛び降りて自殺しはってね」
 実践倫理宏正会の東京本部の担当者は、

「(母親の)会への在籍は過去を含め、一切なく、朝起会に参加したこともございません」

 と否定するが、先の知人は団体への傾倒が引き起こした悲劇についてこう語る。

「奥さんが相当宗教に入れ込んでしまったみたいで、旦那さんはノイローゼやったようです。最後は近くのマンションから飛び降りて自殺しはってね、それは近隣で話題になりましたわ。それから1年と経たず、一家は引っ越していかれました」

 父を亡くした後、一家は奈良市内にあった祖父の家に身を寄せた。母は父に代わり実家の建設会社の取締役に就任し経理を担当するようになるが、しばらくして統一教会に入信したという。

 もちろんいかなる生い立ちであっても今回の凶行は絶対に許されない。ただし、動機を知るという意味では生い立ちもまた重要な情報といえるだろう。7月14日発売の「週刊新潮」では、山上容疑者が受けていた“凄絶なネグレクト”などと併せて詳報する。

「週刊新潮」2022年7月21日号 掲載

新潮社

最終更新:7/13(水) 12:29
デイリー新潮

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最終更新:

「犯人は在日」などSNSでヘイトデマ拡散 「投稿前に再考を」

2022年07月08日 19時42分24秒 | 新聞を読もう

毎日新聞 2022/7/8 18:09

 奈良市内で演説をしていた安倍晋三元首相が銃撃された事件を巡り、ツイッターなどSNS(ネット交流サービス)で、「犯人は在日朝鮮人」などの根拠不明の情報が流されている。ヘイトスピーチに詳しい弁護士は「国は差別や暴力をあおるヘイトデマは許さないというメッセージを出すべきだ」と警鐘を鳴らしている。

 ツイッターでは事件発生後、「銃撃した男の背後には在日、中露北韓など外国勢力がいて、犯人に指図していたはず」「安倍さん撃った犯人は中露に雇われたやつ・帰化人・在日」などの投稿が飛び交った。


 フォトジャーナリストの安田菜津紀さんはツイッターで「犯人の出自、属性に関する臆測が飛び交っている事態に危機感を抱きます。書き込んだり、拡散したりする前に、『再考』を。それが、暴力の連鎖を止める一歩です」と投稿。差別問題に詳しい師岡康子弁護士(東京弁護士会)は「相模原殺傷事件の時にも犯人が在日だというデマが流れた。

一度投稿されるとデマはなかなか消えない。

今回の事件でも、『朝鮮人に仕返ししよう』などという書き込みがされており、偏見に基づくデマが広まると、『事件への報復』としてヘイトクライム(差別的動機に基づく犯罪)が起こる危険性は十分にある」と指摘する。【南茂芽育】