アロマテラピー学習ブログ

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参照。

気管

2008-12-26 04:29:31 | 解剖生理学(嗅覚・呼吸器系)
 
 肺を持ち、空気呼吸する脊椎動物では、ガス交換の場である肺胞と咽頭を結ぶ空気の流通路を気道と呼ぶ。
 この気道のうち、咽頭(第6頸椎)に始まり第5頚椎の高さ(心臓の後ろ)で左右の肺に向けて分岐するまでの対を成さない約10cmの長さの半円筒状(はんえんとうじょう)の一本の管を気管と呼ぶ。呼気のときには太くなり、吸気の時には細くなる。
 左右の肺へ、さらに個々の肺胞に向けて繰り返し分岐する部分は気管支である。肺と同様に咽頭の腹壁が陥入して盲管を成したものが起源であるため、内面は消化管と同様に内胚葉性の粘膜である。この気管と気管支内面の粘膜には繊毛が発達しており、呼吸器内部から粘液の連続した流れをつくり出している。呼吸器内に入り込んだり感染症などによって生じたりした異物は、この流れによって痰となり咽頭に向けて排出される。

 気管支は肺門より肺に入り、樹枝状に分岐し肺胞となる。気管支には左右差があり、右気管支は左気管支に比べて、短く、太く、分岐より肺門に至る傾斜が急である。心臓が体の正中線より左に偏するために左の肺はその容積が右よりも小さい。 そのため左気管支は右気管支よりも細長く、かつ強く傾く(気管分枝角の平均は右23度,左46度)。このため右気 管支には異物が入りやすく、嚥下性肺炎を起こしやすい。

 気管は基本的に連続して空気が出入りし続ける管であるため、食物を摂取するときだけ物体が通過する食道と異なり、常に潰れないように内腔が確保されていなければならない。そのため、気管の外側は気管軟骨と呼ばれるC字形の軟骨が連続して積み重なった構造になっており、頸部の動きに伴う屈曲が容易な柔軟性を保ちながら、つぶれないような強度を確保している。

 気管の開始部には喉頭と呼ばれる複雑な構造が発達しており、食物が誤って気管内に侵入するのを防いでいるほか、哺乳類では発声器官の声帯を生じている。

 主気管支は2分岐を続け15~16回の分岐あたりでかなり細くなり、終末気管支で約直径0.5mmとなる。


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