アロマテラピー学習ブログ

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参照。

精油に含まれる化合物の大まかな分類

2008-03-04 17:38:17 | 精油学総論
炭化水素類…炭素Cと水素Hの二つの元素だけで構成される。酸素Oは含まれない。酸化しやすく劣化が早い。精油の中では最も広く存在する精油成分で、一部を除いて毒性が低い。
 特に、柑橘系には約90%が含まれている。
 炭化水素テルペン類の約5%が感作物質である。

 炭化水素テルペン類はイソプレン単位という単位によって、さらにいくつかにカテゴライズされる。

 イソプレン単位とは(C5H8)の1個の単位。

テルペン類…炭素Cと水素Hのみで構成されており“イソプレン単位(C5H8)”が基礎となっている。テルペン類がイソプレン単体ではなく、組み合わされて存在するため“イソプレン化合物”と呼ぶ事もある。一般的にモノテルペン類はセスキテルペン類より揮発性が高い。消毒・殺菌作用があり、他の構成成分が持つ毒性を和らげる効果を持つものもある。テルペン類の名前は、~エン(~ene)で終わる。
●モノテルペン(C10H16)類…イソプレン骨格2つからなる。ほとんどの精油に含まれる。特に柑橘系は、主成分のほとんどがこれで占められている。空気中の酸素と反応する。分子量が小さく、より揮発しやすい。
 ピネン、リモネン、オシメン、カレン、カンフェン、サビネン、ジペンテン、シメン、テルピネン
●セスキテルペン(C15H24)類…イソプレン骨格3つからなる。
 サンタレン、カジネン、カマズレン、カリオフィレン、ゲルマクレンD、コパエン、セドレン、セリネン、テルピネン、ビサボレン、ファルネセン、フムレン
●ジテルペン(C20H32)類
 クラリセージのスクラレオール(アルコール類)

酸素化合物類…炭化水素類に酸素Oが組み合わさって構成される。精油の“香り”と“味”は主にこの“酸素化合物類”に由来する。酸素Oが含まれるため、若干、水に溶ける。(アルコールにはよく溶ける。)

アルコール類…酸素化合物類の中でも、とても変化に富んだグループである。普通はモノテルペンを基礎としている。セスキテルペンが基礎の植物性アルコールは少ない。水酸基(-OH)が、アルキル類に付いている物。
 (例)サンダルウッド(白檀)のサンタロール、ユーカリ類のフサノールなど。
 アルコール類の名前は、~オール(~ol)で終わが、フェノール類など、アルコール類以外でもこの形で終わるものがあるので注意。
 オリバノール、カラトール、ゲラニオール、サビノール、サンタロール、シトロネロール、セドロール、ダウコール、テルピネオール、テルピネン-4-オール、ヌシフェロール、ネオメントール、ネロリドール、ネロール、パチュリーアルコール、ビサボロール、ピノカルベオール、ビリジフロール、ファルネソール、フェニルエチルアルコール、ベチベロール、ベンジルアルコール、ボルネオール、メントール、ラバンズロール、リナロール


アルデヒド類…アルデヒド類は精油の組成成分として広く分布する。香りに特徴があり、かるくフルーティな香りがする。またアルデヒド類は、非常に不安定で酸化しやすく酸化するとカルボン酸になる。殺菌作用があり、刺激性のある成分が多い。皮膚刺激とアレルギー反応を引き起こす事がよくある。アルデヒド類の名前は、~アール(~al)もしくは~アルデヒド(~aldehyde)で終わる。
 アセトアルデヒド、アニスアルデヒド、クミンアルデヒド、ゲラニアール、シトラール、シトロネラール、シンナムアルデヒド、ネラール、バレラナール、ペリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ミルテナール
ケトン類…ケトン類は安定した性質を持ち、簡単に酸化されない。構造的には、アルデヒド類と似ている。ケトン類は、しばしば体の代謝に耐性を持つため、変化せずに、尿の中に排泄されたり、蓄積される場合がある。神経毒性がある。ケトン類の名前は一般に、~オン(~on)で終わる。
 アセトフェノン、イオノン、イロン、カルボン、カンファー、ジャスモン、タゲトン、2-ウンデカノン、ツヨン、ノートカトン、バレラノン、ピノカルボン、ピノカンフェン、ピペリトン、フェンコン、プレゴン、ペリラケトン、ベルベノン

エステル類…エステル類は、それぞれに対応するテルペンアルコール(テルペン類を基礎としたアルコール類)とその他の有機酸とで生成される。(アルコール類と酸類が脱水症状を起こした際に生じる)加水分解するとアルコール類と酸類ができる。果実やその植物が成熟しきった時、あるいは花が満開になった時点で、生成レベルが最高になる。甘くフルーティーな芳香が特徴的である。
 (例)ベルガモットのリナリルアセテートはベルガモットの果実が熟す時、含まれるリナロール(アルコール類)がリナリルアセテート(エステル類)に変化したものである。
 エステル類の名前は、~イル(~yl)または~エート(~ate)で終わる。
 酢酸リナリル、オイゲニルアセテート、ゲラニルアセテート、サビニルアセテート、サビネンヒドレート、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォルメート、テルピニルアセテート、ネリルアセテート、ブチルアルゲレート、ベチベリルアセテート、ベンジルアセテート、ベンジルベンゾエート、ボルニルアセテート、ボルニルイソバレレート、メチルアントラニレート、メチルサリチレート、メチルブチレート、メチルベンゾエート、メンチルアセテート、ラバンズリルアセテート、リナリルアセテート

フェノール類水酸基(-OH)がベンゼン環に付いている物を言う。フェノール類はその構造上、とても刺激が強くなりやすい。強い殺菌作用、抗ウイルス作用、皮膚・粘膜刺激がある。大半のフェノール類の名前は、~オール(~ol、~ole)で終わる。
 アネトール、エストラゴール(=メチルカビコール)、オイゲノール、カビコール、カルバクロール、クレゾール、チモール、メチルオイゲノール

オキシド(酸化物)類…オキシド(酸化物)類はとても強い反応性を持つため、様々な環境の変化に敏感に反応する。すなわち、高温、空気、水により、簡単に分解されてしまう。オキシド(酸化物)類の名前は、~オキシド(~ole、~oxide)で終わるものが多いが例外としてシネオールがある。シネオールは2種類あるが、多くが“1.8シネオール”である。(ユーカリから採られるものは“ユーカリプトール”とも言われる。)
 カリオフィレンオキシド、シネオール、スクラレオールオキシド、ビサボロールオキシド、ビサボレンオキシド、リナロールオキシド、ローズオキシド

ラクトン類…ラクトン類は、一般にテルペン類とは関係を持たない。普通は低揮発性である。ラクトン類の名前は、特に一貫性はない。光毒性を持つ“ベルガプテン”などが有名だが、他にも、紫外線が無くとも皮膚の感作を誘発する“コスツラクトン(コスタツオイル)”などもある。
 アラントラクトン、アンブレットリド、キサントトキシン、クマリン、コスツラクトン、コスツノリド、ベルガプテン、ペンタデカノリド


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