アロマテラピー学習ブログ

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参照。

ストレスや疲労に負けない健康学~2~

2008-01-25 11:52:37 | メカニズムと健康的なライフスタイル
生活習慣病とその予防
 高度成長期頃から増加し始めた、いわゆる成人病は当時中高年以上の、加齢化に伴う疾病だったが、近年若年層にも見られるようになったため、その名を生活習慣病と改められた。日本人の主な死亡原因は、がん、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心病など)、脳卒中で占められている。これらの重大な死亡原因疾病の引き金になるのが生活習慣病である。
 高血圧、高脂血症、動脈硬化症、糖尿病、痛風などのいずれの病気も初期段階では痛みなどの特別な症状が無いため見逃しやすく、合併症が心臓や腎臓、脳などに現れて生命に関わるような症状になって、初めてその重大さに気づくことがしばしば見られる。高血圧は一名サイレントキラー(物言わぬ殺し屋)とも呼ばれている。
 高血圧、動脈硬化、高脂血症
 体の隅々まで酸素や栄養を送っているのは血管であり、その中を通る血液循環は心臓のポンプ作用で適度な圧力が与えられている。これを血圧と言う。
 心臓が収縮して動脈に血液が送り出されたときの血圧を収縮期血圧、心臓が拡張して血液の送り出しが止まったときの血圧を拡張期血圧という。
 
健康な成人での血圧
 収縮期血圧 130mmHg未満
 拡張期血圧  85mmHg未満
高血圧の基準(WHO=世界保健機関の基準値)
 収縮期血圧 140mmHg以上
 拡張期血圧  90mmHg以上

 血圧は一日中一定と言うことは無く日内変動しており、朝早くから上昇し始め、日中は高めに、夜は低くなると言うリズムを持っている。高血圧の人の日内変動は常時圧力が高いなりに変動しており、いつも心臓や脳血管などに負担がかかる状態が続いて、動脈硬化が促進してしまうのである。高血圧症の約90%は原因が不明の本態性高血圧だが、生活習慣とかかわりが深いと言うことが判っている。

 動脈硬化は心臓から血液を運ぶ動脈が硬く、弾力がなくなってしまい血管の壁の内腔が、肥厚して狭くなったり、詰まったりしてしまう状態のことを言う。動脈の硬化は子供の頃から始まっており加齢に従って進行し、中年期以降に症状が現れてくる。しかし、それまでの生活の質により症状の進み方が違い、早期に老化現象が現れる人もあれば、80歳を過ぎても若々しい動脈の人もいる。老化の土台にあるのは動脈硬化なのである。動脈硬化がさらに進むと、心臓や脳の血管が完全に詰まってしまい、栄養や酸素を送ることができなくなると、その先の細胞が死んでしまう。心臓の場合は心筋梗塞、脳であれば脳梗塞を起こして死亡することもある。
 高血圧と高脂血症があると動脈硬化は一層悪化する。一般に動脈硬化は、比較的太い動脈の血管壁に血液中の脂肪が沈着して石灰化し、血管の内膜が厚くなってしまう状態である。動脈硬化は食生活が欧米化して糖質や動物性タンパク質を多く摂ることによって、血液中にコレステロールや中性脂肪が過剰な状態(高脂血症)になることにより引き起こされる。

善玉コレステロールと悪玉コレステロール
 コレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)などの脂質は、リポタンパクという形で体内を運搬されている。この脂質を運ぶリポタンパクにはHDL(高比重リポタンパク)、LDL(低比重リポタンパク)などがある。動脈硬化の原因となるコレステロールを全身組織に運ぶのが悪玉コレステロールと呼ばれるLDL、逆に体内に溜まったコレステロールを肝臓に戻してくれるのが善玉コレステロールと呼ばれるHDLである。

 糖尿病と痛風
 糖尿病患者は現在600万人以上と言われ、食生活が豊かになったことによって急増した生活習慣病である。食事で摂取された栄養分は、血液を介し身体の組織に送られたインスリンにより細胞に取り込まれエネルギーとして利用される。血糖値を下げる働きをするインスリンと血糖値を上げる働きをする各種ホルモン(グルカゴンなど)のバランスによって血糖値を一定にしている。
 何らかの理由で糖質の利用がうまくいかずに、血中の糖の量(血糖値)が増えてしまう病気を糖尿病と言う。血中の糖は腎臓で濾過されても再吸収されるため、普通は尿に出ないが、血糖値が高すぎる場合、再吸収できずに尿に糖が出てしまう。血糖値が高いと糖尿が出ることから糖尿病と名づけられた。
 糖尿病は、それを引き起こす原因によって1型と2型に分けられる。1型は若年性糖尿病とも呼ばれ、生活習慣とは無関係で、病気や遺伝的な体質によってインスリンが十分に分泌されないことが原因である。2型はカロリーオーバーの食生活などが原因で血糖値が高くなり、インスリンの分泌が追いつかなくなることや肥満によりインスリンの作用を阻害する物質ができることが原因である。日本人の糖尿病患者の9割は2型である。糖尿病が慢性化すると、網膜症(失明することもある)、腎障害、神経障害、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、壊疽、などの恐ろしい合併症を引き起こすことになる。
 痛風も食生活と因果関係が深い病気である。中高年の男性に比較的起こりやすい病気である。食品の中にプリン体という物質を多く含むものがある。このプリン体は体内の肝臓や骨髄や筋肉の中などで尿酸と言うものに分解される。健康な人では腎臓で尿酸が濾過され尿に排出されるが、中にはうまく排出できずに、尿酸が過剰に生産されて、血中に異常に尿酸が残ってしまう人がいる。そして尿酸が足指の付け根の関節などに結晶化し、沈着、炎症を起こし、こぶができ腫れ上がって激しく痛むようになるのが痛風である。「風が吹いても痛い」と言う例えから痛風と呼ばれる。プリン体を多く含む食品は、レバーなどの臓物、肉、魚、玉葱、ほうれん草、ビールなどがある。高尿酸血症であっても早期には症状が出ないことが多く、暴飲暴食、寒冷、運動などをきっかけに突然足指の付け根に激しい痛みを発現させる。慢性化すると腎臓や血管系へも重大な合併症を引き起こしていく。かつて痛風は「贅沢病」と言われていたが、食生活が豊かになった現在では誰にでも起こりうる病気である。

女性の一生と健康
 色々なホルモン分泌は脳の奥深くにある下垂体という器官からの命令によって支配されていて、私たちの身体の機能調節を司っている。またこのホルモン分泌はストレスや心の変化にとても敏感に影響しやすく多くの女性は生理の前の1週間ないし10日間くらいに体液の滞留、便秘、乳首の痛み、頭痛のような身体に現れる症状のほか、心理的にもイライラしたり、うつ状態や落ち込みのような症状を経験することがある。これは月経前緊張症(PMS)といわれるもので、ホルモンバランスの乱れによるものと考えられる。この症状はさらにストレスや食生活の乱れによって悪化を招くことが知られている。
 女性が40代後半に近づくと月経が次第に遠ざかり、更年期を迎える。この頃にさまざまな症状、例えば神経不安定、イライラ、のぼせ、動悸、めまい、頭痛、肩こりなどが現れることがある。いわゆる更年期障害といわれるものである。更年期を迎えてもこのような不快な症状を全く経験しないか、ほとんど気にならないで乗り切る人がいる一方で、これらの症状のため生活に大きな支障を生じる人も多い。この原因も更年期になると卵巣機能が次第に衰え、ホルモン分泌が非常に少なくなることによるものである。
 卵巣ホルモン(エストロゲン)の作用は全身に広く作用し、骨へのカルシウムの取り込みを助けて骨を強くしたり、血中コレステロールの増加を防ぎ動脈硬化を抑制したり皮膚や粘膜のコラーゲン産生を促進して刺激に強くなったりと、その作用はまさに女性を守る大切な働きをしているのである。しかし閉経後エストロゲンの分泌量低下に伴って、それらの大切な働きも衰えてくることから加齢に従って骨粗鬆症や動脈硬化、高脂血症などの問題が起きやすくなっている。このような卵巣機能の低下による生理的現象が長い閉経後の人生を苦しめることにならないように、若い頃から日常生活に留意し、特にカルシウムの摂取を心がけるとともに、動物性脂肪の摂り過ぎに注意し、また適度な運動を心がけることが大切である。

心のストレスと健康
 現代社会はストレスが多い環境を作り上げ、それによって人々の健康に多くの問題を引き起こす。環境変化、人間関係、社会不安などが原因となって心に不安や怒りあるいは悲しみや憂鬱のような精神状態が現れ、このような状態がいつまでも続くと、心ばかりが身体の機能にも異常をきたすようになる。このような生理反応をストレスと呼び、その原因となるものをストレッサー(ストレス源)と呼んでいるが、ストレッサーの種類に関わらず、ストレス反応は一連の生理反応を起こすのである。
 アロマテラピーは精油が嗅覚を介して精神に働きかけ高ぶった感情やあるいは抑うつ状態の感情を正常に戻す役割をするとともに、触れ合う効果によって、「誰かに支えられている」と言う安心感がさらに加わりストレス状態から立ち直るエネルギーを与えてくれるのである。                     


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